先生視点です。
今朝私のモモトークにミカから
『話があるからプールまで来てほしいな☆』
と言うメッセージが届いたので私はプールを訪れていた。
「わ〜、プールに水が張ってある〜。いつぶりだろう。あっ、先生来てくれたんだね。なになにこれからプールパーティー?」
『お待たせ、用件って何かな?』
「えへへ、先生は上手くやってるかな?って思って。にしてもナギちゃんずいぶん入れ込んでるんだね。こんな施設まで貸し出しちゃって。ところで合宿の方はどう?遠いのを良いことに何か楽しそうなこととかしてない?例えばプールパーティーとか!」
『・・・』
「ありゃりゃ、そこまで警戒されちゃうのは心外だなー。私こう見えて繊細で、傷つきやすいんだよ?
ところでここ食事とか大丈夫?何か美味しいものでも送ろっか?例えばケーキとか紅茶とか。・・・
まぁ今は補習授業部のことがあってゆっくりはしゃべれないか。ごめんね、それじゃ本題に入るね。先生、ナギちゃんと何か取引でもした?
例えば補習授業部の中から裏切り者を探してほしいとか」
確かに先日の第一次特別試験のあとティーパーティーを訪れナギサと話をした。その時に知ったのだ。補習授業部は生徒を退学させる為にナギサが作った部活だと。
そしてナギサに頼まれたのだ補習授業部にいるエデン条約締結を妨害しようとしている裏切り者がいる。その裏切り者を見つけ出してほしいと。見つからなければ全員退学にしてでも裏切り者を排除すると。
だがこの話はミカも含めたティーパーティーの意思だと思っていた私は少し戸惑った。
「その反応からするとやっぱりそうなんだね。まったくナギちゃんは・・・
何か詳しい情報とかそう言うのも何もなしでただ探してって言われたの?
理由とか、目的とか、なんでこのメンバーなのかとかナギちゃんは何も教えてくれてないの?」
『確かにそういうのは何も聞いてないね』
「・・・そっか〜まったくナギちゃんたら何も教えずに先生にこんな重荷を背負わせるなんて・・・」
『だけどその提案は断ったよ』
ミカは私の答えが想定外だったのか驚いた顔をしていた。
「えっそうなの?どうして?自分の生徒たちを疑いたくないから?」
生徒達の通う学園の安全を守ることも確かに大事なことだ。しかし、そのために生徒を疑って裏切り者探しをするのは私のやり方じゃない。私はそういった思いを込めて答えた。
『それは私の役目とは違うかなって』
「なるほどね~先生はシャーレだもんね。私達にとっては学園が世界の中心というか学園が世界!って感じだからちょっと想定外だったかも・・・」
ミカは少し考えたあと続けた。
「ねぇ先生、先生は一体誰の味方?トリニティ?ゲヘナ?連邦生徒会?それとも誰の味方でもないとか?」
そんなもの私の答えは初めから決まっている。
『私は生徒の味方だよ。』
ミカは反芻する様に目を閉じてしばらく黙ったあと口を開いた。
「あの〜それって私の味方でもあるってことだよね・・・ほら、私もこの立場とはいえ生徒には違いないわけで・・・」
『もちろん私はミカの味方でもあるよ』
「わぁ〜お。なるほどね~でも、それを信用するのは難しいな〜誰の味方でもあるってことは誰の味方でもないともとれるよね〜でも・・・」
彼女は再び言葉を詰まらせ考え込む。そして意を決したようにしゃべりだす。
「ねぇ、先生トリニティの裏切り者誰か知りたい?」
『へ?』
「私にもいろいろあって・・・ちょっと第三者の立場が欲しくて補習授業部に私が先生を招いたの。だから何も知らずに振り回されてる先生にちょっと申し訳なくなっちゃって・・・あっ裏切り者の話だよね。・・・この話をもしバラされちゃったら私はきっと破滅しちゃう、けどまあ先生に裏切られるなら本望かもね?トリニティの裏切り者それは━━━━━」
一拍置いたあとミカはその名前を口にした。
「━━白州 アズサ彼女がトリニティの裏切り者だよ」
〜Side???〜
「━━白州 アズサ彼女がトリニティの裏切り者だよ。」
少し離れたところから聞こえてくる声に耳を澄ませていた。
「━━━━彼女は和解の象徴に━━━」
与えられた任務を果たすため聞き逃すことのないように集中した。
「━━━━だから先生には彼女を守ってあげてほしい。」
全てを聞き届けたあと私はその場を離れた。
「そういうことでしたか・・・なかなかに面倒そうですね〜。まあ難しいことはお上が考えるでしょ。さっさと報告書上げるか〜」
私は独り言をつぶやきながらこのあとに待ち構える書類仕事を想像しため息をついた。