さて何点取れるでしょうか?
今日も試験に向けて補習を行う。
「ハナコ、ここの文章はなに?」
「古い叙事詩の冒頭部分ですね。"怒りよ歌え、神聖よー"と言う…」
「ああ、あれか。理解した」
アズサはハナコに質問しながら勉強を進めている。
「ハナコ、これは?」
「これは古代語を重訳したものですね。原文を理解するには辞書が無いと…ちょっと待っていてくださいね」
「ああ、なるほど。なら、これはおそらく"Gaudium et Spes"…喜びと希望、か」
「えっと…はい、そうみたいですね。これは第二回公会議における…いえそれよりも、アズサちゃんは古代語が読めるんですね?」
「ああ、昔習った」
ヒフミと先生が見守っていたがどうやらあの二人は大丈夫そうだ。
「…」
『いい感じみたいだね』
「はい!ハナコちゃんが何だかとってもすごくって…!それにアズサちゃんも学習意欲たっぷりです!コハルちゃんは実力を隠していたそうですし…。サイカちゃんも私と同じでやむを得ない理由があってテストを受けられなかっただけだそうですし…」
ヒフミはペロロ様ゲリラライブのためにサボったのだからやむを得ない理由とは言えないんじゃ…同じにされたくないなんてことを思うのは無粋だろうか?
「とにかくこれならもしかして、余裕で合格できてしまうかもしれません…!本当に良かった…実はすっごく心配してたんです…。実はもし"1次試験で不合格者が出てしまったら、合宿してください"とティーパーティーから言われてまして…。」
『合宿?』
「はい、そうなんです…それに、もし3次試験まで全て落ちてしまったら…あうう…。」
『何か、マズいことに…?』
「なっ何でもありません…!心配は杞憂で終わりそうですし、暗い話はこの辺りにして…とにかく、試験は問題無さそうです!」
…
なんて会話が【集音】の魔術を使っていると聞こえた。
(いや何でもありませんじゃないよ。3回不合格になったらどうなるんだよ。周知しといてくれよ…しかし、ヒフミは先生と何か接点を持っているのか?何か親しげなんだが。はあ、今日の定例会で聞いておこう)
なんてことを考えながら私も勉強に取り組みながら時々髪をどけて魔眼の慣らしをしている。しかし1週間かけてようやく頭痛がなくなったが今の髪型とメガネを気に入ったので自分で魔眼殺しの眼鏡を作りかけることにした。なので今まで使っていた借り物は今度返却しなければ。
テスト当日がやってきた。正直に言って不安はあったもののいざ始まってみれば基礎問題がほとんどを占めていた。これで60を下回るやつはいないだろうと、少し安心した。
ーーーーしばらくするとテストの結果が帰って来た。
『それじゃあ結果を発表するよ』
ヒフミ…72点 合格
「あ、ありがとうございます!何だか無難な点数ですが
、良かったです!では、次に…」
サイカ…91点 合格
「す、すごいですねサイカちゃん余裕ですねやっぱり勉強得意なんですね。」
「ああ、私はこの前も言った通りトラブルに巻き込まれて受験できなかっただけだからな。正直、何故補習授業部に入れられたのか分からん」
「そうなんですね!私とにた感じなんですね!」
「…」
正直、推し活をテストより優先した人物に同じと言われたくない。
そんな事を思っているとはまるで気づいていないかのようにヒフミは続けた。
「これなら皆さん合格できてるかもですね!では先生次を…」
アズサ…32点 不合格
「…はいぃっ!?」
「ちっ、紙一重だったか」
「…ま、待ってください!「紙一重」っていう点数じゃないですよ!?結構足りてないですよ!?」
…アズサよお前は紙じゃなく石板にでも文字を書いてるのか?
ずいぶん分厚い紙だな…
コハル…11点 不合格
「!?」
「コハルちゃんんんんん!?ち、力を隠してたんじゃ無いんですか!?」
何となくそんな気はしていたがやはりか…
と言うかこいつ本当に勉強したのか?
「じゃあ合格したのは私とヒフミ、ハナコだけか」
「そうですね…」
さて、ということは合宿が始まる前に色々調査を依頼しないとな…連絡手段はどうするか…
ハナコ…2点
「はっ?」
思わずそんな言葉が口から漏れた。
「2点んんん!?2点ですか?20点ではなく?
いや、20点でもだめなんですが、逆に何が正解だったんですか?!ちょっと待ってください。ハナコちゃん勉強できる感じでしたよね?」
「ああ、たしかに私そんな雰囲気あるみたいですね。まあ成績は別なんですが」
「雰囲気!?雰囲気だけなんですか!?成績とは別ってどういう事ですか!?あう…」
バタンとヒフミが倒れた。
『ヒフミ!』
私は急いで状態を確認する。
無事なことを確認すると私は再び考え込む。
(事前の情報では1年時点で3年生の問題まで解けるほどの秀才で引き込もうとしたが失敗したと当時の先輩が言っていた。つまり、わざとか…だが一体何故?)
考えても結局分からずじまいだった。