魔立学園・パンデモ   作:DAMUDO

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「・・・ん?始まってんの?……え~この物語はふぇくしょんとか言うやつで、なんと言うか大体がデタラメで作り話だ。だから鵜呑みにするなよ~。
前回のあらすじ。うちのクラスに突如転校生が現れた。これから、沢山の困難とストレスがこいつに襲い掛かることだろう……。頑張れ。

・・・これでいいか~?はぁ、ダル。ほれ、報酬寄越せ。」byバキ先生



・・・お前も俺が怖いか?

「ごめんね転校生君。痛いよね……」

「いや、俺がノックを無視してたのが悪いんだから謝らなくて良いよ」

「でも顔の傷が……」

「もう痛くない」

「でも「痛くない。いいね?」……ハイ」

 

ドアの向こう側にいたのは、隣の席になった黒髪ショートの猫耳少女、ココアだった。

つまり俺はこの子に爪で顔面をサクッブバシャアアアされた訳だ。

まあ、痛かった。痛かったが悪いのはこの子のノックを無視した俺なので怒る気はない。謝罪もしてくれたしね。

むしろ、顔面の激痛により発した叫びのお陰で気分が少しスッキリした。

 

てな感じで俺は気にしてないんだが……ココアがショボ~ンとしている。

不謹慎ながら、ぶっちゃけ可愛くて抱き締めたい。でも我慢だ。

この子の見た目が中学生ぐらいだもの。そんなことしたら犯罪者になってしまうからな。

しかし、どうしたものか……。何とか元気になってもらいたいんだが。

 

「あの~ココア、ちゃん?」

「ッ!!?」

 

ビクッと反応すると尻尾と耳がピンッと立ち、背筋も見事なまでに真っ直ぐになった。

そんなに驚くか!?まるで、彼氏の親にビビる恋人じゃないか!

 

「そうビビるな。顔の怪我なら気にしなくていい、これぐらいなら直ぐに治る」

「でも……」

「安心しろ、俺は顔を引っ掻かれた程度じゃ怒らねーよ。むしろこれくらいなら俺の日常ではレベルの低い痛みだ。お前、母さんお手製のベアクローを知ってるか?石に穴が空くんだぜ?それで引っ掻かれた俺が猫娘の爪ぐらいで、HAHAHA♪」

「……本当に怒ってない?」

「さっきからそう言ってるだろ?あんまりしつこいと怒るぞ?ガオぉ~ッ!」

 

分からず屋の猫ちゃんに両手を立てて猛獣のポーズで威嚇。

 

「……プッ、ふふふ♪ごめん、わかった。……ありがとう、ね♪」

 

少し柔らかくなった表情で笑った後、顔をちょっと紅くして照れてるようにお礼のを言ったココア。

俺の真剣?な姿勢は一気に夏場のアイスの如く溶けていった。

ココアの天使のような笑顔を見ていると、俺の頬の筋肉が自然と上がり笑顔になってしまう。

嬉し過ぎてニヤニヤと悶えるあれだ。

こう言う時の笑みは人様に見せられるようなものじゃない。

 

「わかってくれればいいんだ。そうだ!折角来たんだから飯でも食ってけよ」

 

顔を見られまいとさっさと台所に向かう。

我ながら、素晴らしく自然に流れを変えたな。

 

「いいの!?やったー、いっただきまーす♪」

「はい喜んで」

 

俺はお皿を一枚追加し、出来立て炒飯を盛り付けた。

 

─────────────────────────

 

「美味しい!なにこれ!?凄く美味しいよ♪」

「炒飯だよ。知らねえの?」

「ちゃーはん?知らないけど、これ好き♪」

「そりゃ良かった。食いたくなったら何時でも来いよ。作ってやるから」

「うん、ありがとう!」

 

飯を食いながらココアと話し込んだ。

ココアの話を聞けば聞くだけ此処が俺のいた世界ではないという事実を思い知った。

いつかは受け入れなきゃいけないし。丁度よかったと思う。

 

この世界には炒飯以外にも、俺がいた世界の料理はほとんど存在しなかった。

他にも電化製品などの器械類も数える程しかないし、暮らしの必需品も未知の形をしている物が代わりに使われているらしい。

 

そんな異文化中の異文化で際立つのが『魔法』だ。

この世界に器械が少ないのは、その利便性を魔法が一役買っているからだ。さらに、生活の根本部分にも魔法が根強く関わっているらしい。

水道水は地下から魔法で汲み上げて、それを魔法でろ過し使えるようにしたり、魔法で灯りを作り夜の街を照らしているらしい。

また、生活以外のことにも役立っている。特に戦闘で大いに役立っているとのこと。そりゃそうだろ。

火や水の魔法とかで敵を薙ぎ倒し、魔力で強化した武器を振るうんだそうだ。

俺もここに住む以上使えるようになりたい。かなり切実に。

 

この学園は『パンデモ』と言う名前で、戦闘の基礎から実習、幅広い専門知識を学べる場所であり、ここらの地域で一番大きい建物だそうだ。

あと、学園長の姿を見た者が少なく七不思議の一つになっているらしい。

昔は人間が通っていたらしいが、魔物の突然変異(擬人化)が起きた少し後にゴタゴタがあって、今じゃ魔物が通う学園となってしまったみたいだ。

そうそう、ココアの話によると俺以外にも人間が学園に居るらしい!是非ともお目に掛かりたいものだ!!

 

学園の近くに『グラディス』と言う街があるそうだ。

そこでは人間と魔物が一緒に暮らし、文化を築いているらしい。

その話を聞いて俺は安堵の気持ちを覚えた。たぶん、この世界にも人間が沢山いる事実が嬉しかったんだろう。

そのうち、休みを取って街に行ってみたいと計画してみる。

 

この世界は思ったよりも複雑な事情を抱えているみたいだ。

昔は人間の驚異だった魔物も、最近あった魔王の世代交代により新任した魔王が人間好きらしく、魔物の遺伝子を変えて現在の人形となったらしい。

生態もかなり人間寄りらしいから安心していいみたいだ。

でも、人間らしいってことは何かの拍子で『問題』を起こしてしまうってことだ。面倒事は勘弁してほしい。

そして、魔物の代わりとなって現れたのが『禍獣』だ。

前魔王時代の頃の魔物よりは数が少なく、発見件数もあまり無いが、そのぶん獰猛で凶悪だそうだ。

雑魚でもそれなりに覚悟しないと一瞬の隙に命を取られてしまうらしい。

怖い。出来れば会いたくないな。

 

こんな感じにココアからこの世界のことを色々と教えてもらった。

 

「で、転校生君は何処から来たの?此処の事、何にも知らないから凄く気になってたんだ。あと、料理が美味しい」

「日本って島国の真ん中らへんの県から。って、最後のが本音か?」

「にっぽん?けん?なにそれ美味しいの?」

「お前はらぺ娘キャラなのか!そればっかりじゃねーか!」

 

次からココアが来るときは覚悟した方がいいな。

 

「んじゃ、転校生君は何でここに来たの?」

「何でって言われても……あれ?なんでだろう?。強制的に転校手続きされた感じだし」

「え!?じゃあ何も考えずに入ってきたの!?どうやって!?」

「え?普通に転校するだけでいいんじゃないの?」

「いやっ、ここは魔法が使えないと人間の入学なんて無理だよ!!」

「・・・え?じゃあなんで俺居るの?」

「・・・ぅ」

「・・・う?」

「・・・ぅっ、ううッ、うわぁ……」

 

この後、泣きじゃくり始めたココアをあやすはめになった。

 

 

───────────────────────

 

どうしてこうなった?

 

「スゥ~、スゥ~zzZ」

 

黒猫一匹、俺のベットを占領して熟睡しております。

たまに足を組んだりともじもじして、非常に艶かしい。

しかし、俺は紳士だ。こんなガキ臭い猫娘に良からぬことするほど女に飢えてないから安心しろ!

 

俺が魔法も使えないのに此処に転校したことを聞いたあと……ココアが謎泣きをした。

どうやらさっきの話は聞いては行けないタブーだと思ったらしい。

大丈夫、気にしてない。たぶん、母さんのせいだろうし。無茶苦茶なのは慣れてる。

 

「しかしなぁ~どうしよう。この状況」

 

欲を言うなら早く寝たい。

今日は色々と有りすぎて頭が痛いから寝て、脳を休ませたい。整理させたい。だいたい、もう夜中だし。

しかし、ベットは無邪気な寝顔の猫娘が占領している。

辛うじて人一人分のスペースは有るものの……そこに収まって寝ようなんて考えはない。

可愛い娘と添い寝できるチャンスだが、そんなこと考える余裕がなかった。

 

しょうがない。地べたで寝るか。

そうと決まれば早速押し入れから……寝袋を取り出して寝るか。

 

「よいっしょ……。ふぅ……」

 

ミノムシ。

寝袋で寝ている人を見たときの感想は大体がミノムシだ。

でも本物は顔だけ出すと言うバカ丸出しな格好じゃないからな。

 

親父がアウトドア趣味の人で、家族一人一人がマイチェアとマイ寝袋を持っている。

このことに関しては素直に感謝しよう。抱き枕の件も忘れてやる。

 

あぁ、睡魔が襲ってきた。

寝袋って妙に興奮しちゃって中々寝付けないもんだが今回は……ぐっす……りと……。

 

 

─────────────────────────

 

俺の家

 

「ハハハ♪くらえバカ息子ぉ!……タワーブリッジ!!」

 

母さんは某超人マスクマンの必殺技を叫びがら俺を掴み掛かってきた。

母さんに持ち上げられ、仰向けで首と足を抑えられた状態で肩に乗せられた。

そのまま、母さんは両手を下げていく。

俺の首と足が引っ張られ、逆海老ぞりの如くぅ……は、腹が裂ける!千切れて見せられないような物が飛び出るぅうう!!

 

「し、死ぬるぅ~~ッ!や、やめれぇ~~~!!!」

「ふっふっふっ、さあ次で止めだ!!カモン、リトルモンスター!!」

 

筋肉と骨が鳴らす変な音で奏でる狂想曲が体の芯まで響く中、耳に不吉な単語が聞こえた。

『止め』『リトルモンスター』この二つの単語から導き出される答えは……あいつだ!!

 

「呼ばれて飛び出せ!」

 

意味がわからん言葉と共に足音が聞こえてくる。

妹!来るなマジで!

 

「とおっ!」

 

妹は空高く飛び上がり前回転する。

 

*ギュウィイイイイイイイン*

 

音がおかしい。普通は空中で回転(この時点でおかしい)した時の音はグルグルだろ?

今聞こえる音は電動鋸のあれと一緒。というか、妹が電動鋸にしか見えない。

それでは皆さんおたっしゃで。

 

「くぅらえぇ!!」

 

高速回転している妹はそのまま母さんに担がれている俺の真ん中、つまりは腹部目掛けて飛んできて。

 

「必殺!!万国踵砕きィ!!」

*グシャ*

 

超遠心力により極限にまで高められた踵落としが腹部に命中した。同時に……不快……な、お……とが……。

 

 

──────────────────────────

 

 

「人殺しィ!……あれ?」

 

窓に掛かっているカーテンの隙間から太陽の光が差し込み、俺に朝だと知らせる。同時にさっきの出来事は夢であることを認識できた。

しかし、腹に来た衝撃は本物だった。一体何が……こいつか。

 

「クゥ~、クゥ~」

 

寝息を立てているココアが毛布にくるまった状態で俺にダイブしていた。これが原因か。

昨日、こいつが泊まっていったんだったな。

 

幸せそうな寝顔見ながら思い出す。今思えば、女の子と一つ屋根の下で寝るってのは不味かったよな。

でも昨日はそんなこと考えてる余裕なかったし大丈夫だろ。

さて、ココアには悪いが幸せ状態から帰って来てもらうぜ。

 

俺は上半身を起こして両手を毛布猫娘の下に差し込む。

そのまま上に放り上げる!

 

「どっせいっ!」

 

*クルクルクルクルドンッ*

「ミギャ!」

「あッ」

 

上空へと投げられたココアは綺麗な放物線を描き+切りもみしながら地面に顔面から落っこちた。すごく痛そう。

 

……ヤバいどうやって謝ろう。

俺は動かないココアが憤怒の形相で起き上がるまで無意味な謝罪の言葉を考えていた。

 

 

────────────────────────

 

「・・・」

「・・・」

「・・・ごめん」

「・・・別に。私もやり過ぎた」

 

俺は相変わらず人間の姿が一人も見えない廊下を顔に引っ掻き傷を過剰装飾して歩いていた。

隣にはこの装飾を施してくれた引っ掻き傷専門のメイク師、ココアさんが並んで歩いております。

 

さっきまでかなりの喧嘩してたから気まずい。

少しは空気も柔らかくなったが……まだなぁ。

 

朝食をとるために学園の食堂へと向かっています。毎回炊事は俺も嫌だ。

ココアの話じゃ、かなり広い場所らしい。料理の数も多くてセルフサービス法式らしい。

目が輝くほど楽しそうな話なんだが、なんだか今日は胃が重いし体が怠い。たがら、朝食は軽めにしたい。

しかしまあ……

 

*ジィ~~~*

「ウワッイルヨイルヨ!」「ナンダカコワイネ」「チッ」「ウホッイイオトコ」

 

沢山の視線をビンッビンッに感じる。どんだけ俺に興味津々なんですか皆さん。

人気者になってるのは嬉しいけど聞こえてくる言葉は全く嬉しくない。特に最後の。

ある程度の悪口は親父に連れていかれたどっかの国でなれた。でも最後のは無理だ。

 

「ご、ごめんね。皆悪気がある訳じゃないんだよ。ただ人間が怖いんだよ」

「お前が謝る必要ないだろ。怖いって……強さは俺よりお前らの方が上だろ?」

「まあ、そうなんだけど……」

「・・・お前も俺が怖いか?」

「全ッ然♪」

「……そりゃ良かった」

 

この子は本当に良い子だ。最初の友達がこいつで良かった。

気付けば俺は少し顔を上げて歩けていた。

 

 

────────────────────────

 

 

「・・・スゲェ」

 

食堂に入った時、俺の暗い気持ちが嘘のように消えた。

広さ、清潔さ、設備どれをとっても素晴らしく。その場所で食事をする者達も皆いい顔をしている。

ここは俺にとって、心のオアシスになる。そんな予感がしたとき。

 

「あッ!人間だーーー!!」

『ッ!!』

 

一人の女子生徒に見つかった。

続いて食堂の生徒達にも気付かれた。

さっきまで楽しそうな会話は聞こえなくなり、ただ俺に視線が集まるだけであった。

 

「……ぅ、グスツ……うぇぁ、ごめんなさい」

「ッ!転校生君泣かないで!謝らないで!」

 

俺、ここキライ。

 




うぇ~いDAMUDOだよ。

この小説は長く書きたいから更新遅めだね。同時進行中だしね。
オリジナルだとどうしても読者様がわからない所があると思うんだ。その時は気軽に言ってください。改善できるように努力します。

見てくださっている方々、これからもご贔屓に♪
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