魔立学園・パンデモ   作:DAMUDO

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*ペコリ*(お辞儀)
「どうも、ココア・ミクスです。まずはこの魔立学園・パンデモを読む際の注意点です。この物語はフィクションです。実際の神話上の生物、伝説とは関係なく都合のよい世界観となっております。
次は前回のあらすじ。転校生君の部屋に遊びに行った私はお泊まりすることになりました。次の日の朝、転校生君と二人で食堂に向かった訳ですが……。では続きをどうぞ♪」


おお、神よぉ!寝ているのですか!

*モシャスモシャス*

 

食堂の隅にある一つのテーブルで俺は一人、サラダを食べていた。

ちなみに中身はキャベツ、にんじん、きゅうり、マッシュポテト、サラダ菜である。ドレッシングは……何だろうか?俺の知らない物であったが味は気に入った。

しかし、一人で食べる食事が本当に美味しいものだろうか?否!大人数で食卓囲んで食べた方が絶対にうまい。

なら、なんで俺は一人隅で食べているかって?ココアはどうしたと?答えましょう。

 

実はあの空気を作り出したあと取り合えず腹も減っていたので料理を取りに行って食べようとしたんだ。

 

「このトレイに好きなものを乗せていけばいいんだよ。欲しいものがあれば厨房の人に言えば出してもらえるよ」

「・・・そか」

「あ、えと……な、なに食べる?私のオススメは魚の塩焼きだよ♪」

「いや、重いものはちょっと……」

「じゃ、じゃあパンとかサラダにする?クロワッサンがオススメだよ!」

「……ならクロワッサン貰おうか」

「うん、どうぞどうぞ!」

 

この時の俺は馬鹿だった。

嫌われてる事実なんて今更だと開き直って落ち込んでなけりゃよかったんだよ。

元気出して、迅速に行動すれば【彼女】に会うことはなかった。

 

「あれ?ココアじゃん」

「にゃ?あ、カロンちゃん!」

 

ココアに声をかけたのは『カロンちゃん』と呼ばれた骨……の装飾品を着けている褐色肌で白髪の女の子だった。背丈はココア同じくらいで顔からわんぱくっぽさがうかがえた。服装がスポブラに腰の布巻と装飾品。……ここの生徒は子どもまで露出趣味なのか?

 

「ん?ああ、お前が噂の人間か……。ココア、ほらさっさと行くぞ」

「え?ちょっと、転校生君が」

「あんな変な奴ほっときゃいいんだよ。あ、あそこ空いてる♪」

 

行ってしまった。

何か一言、「待って」とでも言えば違う展開になっていたかもしれなかったのに、俺は無言で成り行きを見守るという、この上なくダサい行動を取った。どんだけ落ち込んでひねくれてるんだ!

過去に戻ることが出来るなら、この俺に母さん直伝のスクリューブローをぶちこみたい。

 

「・・・おばちゃん、青汁ある?」

「……あるよ」

「あるんだ」

 

年期の入った顔のおばちゃんに活をいれる意味で青汁を頼んだらあるとのこと。

何も出来なかった自分への罰として青汁をトレイに運んだ。

 

とまあ、こんな感じだ。

青汁はかなり苦かった。が癖になった。何杯でもいけそうだ。

俺の知らない苦味がしたからこの世界特有の植物でも使ったんだろう。

なんだろう?薬草かな?

 

*モシャスモシャスモシャスモシャスモシャス*

 

あ~、顎がよく動くな~。

サラダを一心不乱に食べるという謎の努力の後、クロワッサンをちぎって一口サイズにし、口に運ぶ。うん、うまい。パンのフワフワ食感と甘さが俺の荒れた心を優しく癒す。

心に染みる味ってのはこの事を言うんだな。

青汁を一口飲み、クロワッサンを運ぶ。たまにはサラダをモシャモシャしてトレイの料理を食べていく。

食事に何気無い幸せを久しぶりに感じ取れた気がした。

 

「すまないが、邪魔させて貰う」

*ドンッ!*

 

あはは、幸せぶっ壊されたよ♪

テーブルの向かいの席に着た誰かが食べ物てんこ盛りのトレイを豪快に置いた。

乗っているのは肉、肉、肉、申し訳程度のパン。見るだけで胸焼けが起きそうだ。

俺の小さな幸せの箱庭に食事テロ(食欲が失せる意味で)を行う不届き者は誰だ。

相手の顔を見るために首を少し上に上げていく。

今の俺の顔は不機嫌なので、子どもが泣き出すぐらい苛立ちを隠せない顔になってるだろうがどうでもいい。

むしろこいつが泣いてくれれば俺は嬉しい。

 

トレイの肉が邪魔で見えない下半身。

かなり実っている胸部。どうやら女子の様だ。

が、かなり鍛えられた筋肉がチラチラと確認できる。肌は軽く日焼けしていてちょっと黒い。

顔は……

 

「うわっ!キミ、怖い顔をしているな!」

 

顔を確認すれば必然的に目と目が合ってしまうが、初対面の俺に失礼なこと言う奴だな。

……でも貴女も充分顔が怖いです。

頭部から突き出ている短めのねじれ角。歴戦の勇士の付けてそうな切り傷の痕。そして、睨んだだけで人を殺せそうな、いやビームが出そうな眼。しかも三つ。

 

うわーめちゃつよそー

 

なんで!?なんでなんで!?どうしてこんな伝説の英雄みたいな人が俺と同席しようとしてるの!?

あれか!?俺を討伐にきた勇者様ですか?

ごめんなさい!俺はなにもしてませんごめんなさい!

 

「座って大丈夫だったかい?」

「ッ!?ふぁい!とうぞ!」

「悪いね♪」

 

断ったら殺されるんじゃないかという恐怖が強制的にyesの返答を口から絞り出していた。

 

「いただきます、へへっ♪」

 

俺の気も知らずに美味しそうに肉を頬ぼる彼女。

口に入れ咀嚼するたびに味に惚け幸せそうな表情をする。ちょっとカワイイ。

 

*モシャモシャ*

 

気の紛らしと、サラダを食べる。……鮮度が落ちたか。

どうしようか逃げようか?いや、下手にここから離れればこの人に不快な思いにさせてしまう可能性がある。それだけはダメだ。……そもそもこの人はそんなに怖い人か?幸せそうに肉を貪る姿はココアに近い臭いがするし。

頭に浮かんできた疑問による好奇心で顔を少し上げる。

 

目に映っているのは半分くらいになった肉の山をペースを落とさず食べる彼女の幸せそうな顔だった。

……ちょっと怖い顔してるけどホントはイイ人なんじゃ……よしっ!何事も行動だ!

 

「あ、あの~」

「ん?なんだい?」

 

食事の手を止め俺を見る彼女。

普通に付いている二つの目と天〇飯のように、おでこにある一つの目、合計3つ目の視線が俺へと集まる様はやっぱり 怖い。目付きも怖い。饅頭怖い。

 

「アッ、自己紹介がまだだったね。私の名前はライラ・ネオルド、ライでいいよ」

「いや、聞きたいこと違うんですけど」

「え!違ったの!?ご、ゴメン!他人と話すの久しぶりだったから……うわ~やっちゃった~恥ずかしな~///」

「・・・」

 

訂正

この子メッチャかわいい。

 

え?なに?なんでこんなに赤くなってるの?なに?コミュニケーションは常識ですよみたいな話し方だったのに人と話すの久しぶりなの?俺と一緒で友達すくないの?

顔に似合わず恥ずかしがって、もうッギャップ萌ってやつで俺を萌え殺す気なのか!!?

……しかし、他人と話すのは久しぶりかぁ……なるほどね。

 

「あれかな?あんまり友達……いなかったりしたりして……」

「あまりどころか全然いないんだ。顔が怖いからって誰も近付いてこないんだよ」

「だろうな」

「ッ!!や、やっぱり怖いんだ!」

 

自分で言っといて他人に言われると傷付いた。

絶望に満ちた青い顔を自分の両手でペタペタと触る。

そうとうなショックを受けたようで口を開けたまま喋らない。

 

「えと、だ、大丈夫だから。個性だから。気にしなくてもいいと思うよ」

「……ほ、本当?」

 

開きっぱだった口が動き、不安な声色で俺に問いかけた。

実際、なんの根拠もないのに『大丈夫』と言ってしまったわけだ。今更訂正するわけにもいかない、押し通そう。

 

「ああ、本当だ。俺が転校する前にいた学校にも同じ様なコンプレックス抱えている奴がいたが優しい奴でな。友達も沢山いた人気者だったぞ(嘘)」

「へーそうなんだ……私もそうなれるかな?」

「勿論だとも。だからあんまり気にするなよ、な?」

「うん、ありがとう」

 

多少の罪悪感が俺を襲う。

許せ神よ、一人の少女を笑顔にする嘘だ。

 

「……じゃあ、君が最初の友達になってくれる?」

「……うっ、ううぅ、グスッ、こんなクズでよければぁああ!」

「え!?なになに!?大丈夫、痛いの?何で泣いてるの!?」

 

神よありがとう。

俺は食堂で2回目の涙を流し、目の前の少女と友達となった。

 

 

───────────────────────

 

 

食堂で飯を食べ終えた俺は授業が始まるギリギリの時間までライラと他愛のない話をして別れた。

クラスは別々なのが残念だが、寮の部屋番号が近いことが判明。近いうちに遊びに来るとのこと。

その時は俺の手料理ご馳走してやるつもりだ。肉が好きらしいから肉料理であることは決定だな。

聞いた話じゃライラはエルフとガイアドラゴンのハーフらしい。スゲー両親ですね。

額の第三の目は何故か付いてたらしい。亜種とかなんとか。この目のお陰で顔の迫力に更なる拍手が掛かっているから、強面と一緒に額の目もコンプレックスらしい。

 

さて、教室向かいますか。

教室に着いた俺は相変わらずな視線を浴びながら自分の席へと着いた。

先に着いていたお隣のココアが食堂のことを謝ってきたがココアが悪いわけじゃないので許す。少しは俺も悪いからね。だだしカロンちゃん、テメーは許さん。

ココアに聞いたらカロンちゃんとライラは同じクラスらしいので、ライラに懲らしめてもらおうとか思った自分がいた。ライラ滅茶苦茶強そうだし。

 

授業は淡々と進んでいく。

自分の中にある眠っている魔力は瞑想すると目覚めることがあるらしい。帰ったらやってみよう。

ルーン文字とか言うのがチンプンカンプンで眠ってしまった。担当の魔女ッ娘先生に軽い電気ショックで起こされた。

鍵の掛かった箱のピッキングの授業。なんかわからんが言われた通りにやったら簡単に開いた。それが一番に開けちゃったもんだから担当の忍装束着た先生にスゴく誉められた。弟子にならないかと聞かれたので考えておきますと答えた。

 

そんなこんなで最後の授業は外で生態調査だそうだ。

……グループ行動が原則だって。

はっきり言います。ぼっちのグループ学習は拷問です。他の皆が楽しそうに活動してるのに自分だけ輪に入れず、自分の存在理由を永遠に考えるしかできないからだ。

ふざけるなよコノヤロー!

 

なんて絶望している間にクラスの奴等は次々とグループを作っていく。もちろん俺に声をかける人はおらず、唯一の希望、ココアちゃんもどっか行っちゃった♪

……やべ、どうしよう。

 

「おーい、転校生」

「ん?ああ、バキ先生ですか。なんかようですか?」

「ああ、コイツらの班が一人足らないんもんで、入って欲しいんだ。ちびっこばっかだし、お前みたいな男が入れば安心だからな」

「まあ、そう言うことなら……何処にも入ってませんし」

「よし、おーいお前たちこっちこーい!」

 

バキ先生の呼び掛けでぞろぞろと三人の……幼女が現れた。

一人目は不健康そうな紫っぽい肌をした暗ガール。

二人目はゴーグルを頭に着けている橙色のツインテール幼女。

三人目は黒髪ショートの八重歯が光るボーイッシュガール。

一人目と三人目は小学6年生ぐらいの背丈なのに、二人目がどう見ても幼稚園児です。

なんだよこれ……俺を犯罪者にしたいわけですか?そうですか。

 

「んじゃ、転校生。よろしく頼むぞ。お前らも転校生のサポートしてやれよ」

「……わかった」「まかせなよ♪」「・・・」

 

おい三人目、返事して。

若干カオスなチームが結成され、学園近くの海辺の森の生態調査を行うことになりました。

 

 

────────────────────────

 

 

「ほい♪そんなわけで転校生との親睦を深めるために自己紹介したいと思いまーッす!」

 

森の中をさ迷いながら生態調査をしていると園児が唐突に騒ぎ始めた。

とりあえず止まってやるが調査のレポートを書くのは止めない。なんだろこの草?

 

「まず私から。おっほん、私の名前はニーナ・コメット。学園の天才科学者のドワーフとは私のことさ♪さあ、この勢いのまま次ッ!」

「……ホロン・ハートレス。……種族、リッチ」

「イエーイ♪締めはこの子、どうぞ!」

「・・・」

「な……なんか喋れやぁ!!私がどんな思いでこの場を盛り上げようとしてんのかわかってのか、このいぬっころが!」

「ッ!だ、誰がいぬっころだ!僕は人間が嫌いだから口をきかないだけだ!」

「……また、始まった」

 

なんだこれ……俺はどうすればいい。

まず、ニーナとか言う園児に呼び止められ時間を使って始めたのが喧嘩。

とりあえず俺は悪くない。

しかし、人間が嫌い、か。正面から言われたのは初めてかな。

……心に刺さるな。

 

まあ、そんなことは置いといて、この場をなんとか治めなきゃな……先生に任されたし。

 

「おい二人とも喧嘩はやめろって!」

「「うるさい!」」

「お?」

 

あれ?ちょっとお兄さんカチンと来ちゃったよ。

嫌々、俺はお兄さんだ。このぐらいでキレちゃって手を出す様な人間じゃない。OK?

 

「うるさいのはぎゃーぎゃー騒いでるお前たちだろうが。ほら、さっさとやめろって」

「あ、ダメ……」

 

ホロンの声など聞こえず二人の間に割って入ろうとし、体を押し込めるように前に出た。

 

「「邪魔だって言ってるだろ!!」」

 

*メキョ**ゴリッ*

 

二人の拳が俺の体にめり込み、変な音を響く。

酷い激痛が電気信号となり全身を駆け巡る。

後ろへ弾き飛ばされる中で頭に浮かんだ言葉は、

「ヨウジョサイキョウ」

だった。

 

*ドシンッ*

 

そのまま地面に倒れこむ。

 

……ふっ☆き☆れ☆た♪

 

「大丈夫?」

 

ホロンの声を二度目の無視。

ムクッと立ち上がったその顔に表情は無かった。

 

「……大丈夫だね」

 

何が大丈夫なのか。知ったこっちゃないのでそのまま前進する。

目的地は……俺を吹き飛ばした二人。

 

「うぬぬぬっ!」「ガルゥウウッ!」

 

取っ組み合いをしている二人に狙いを定め……加速ッ!

一気に間合いを詰め二人の服の襟元を掴んで投げる!慈悲はない。

 

「おおっ!?」「うわっ!」

*ゴチンッ*

 

二人は空中でくるりと回り、頭をぶつける。

必殺・小鬼投げ(母命名)

妹との死闘で生み出した必殺技をここで使うことになるとは……。

本当は両手で壁に向かって頭から投げ当てる技なんだが、今回は対象が二人で壁なんて無かったから互いにぶつける結果となった。相手が軽いならこれはこれでアリだな。

 

……アリじゃねーよ!なにやってんだ俺は!

女の子相手になにムキになってんの!?

 

「おい二人とも大丈夫か!?うわっタンコブ出来てる!」

「お兄さん……グッジョブ♪」

「グッジョブじゃないからね!?」

 

ホロンが口元に手を添えながら、反対の手で親指を立てる。

初めて感情のこもった声を発したが今はそれにツッコメない!

ゴメンねホロン、後で一杯ツッコムから!

 

「二人とも!起きろぉ!!」

 

ぐったりと倒れている二人の近くで叫ぶ。

本当に悪いことをした。どんな償いでもするからこの二人を助けてください!

 

「おお、神よぉ!寝ているのですか!」

 

「耳元で五月蝿いわ!」

「ガアアアア!」

 

倒れていたはずの二人が叫びながら目覚めたと思ったら今度は俺が地面へと倒れることになるのは、この後すぐのこと。

……あれ?この終わりかた……デジャブ?

 

 

 




頑張る人でお馴染みDAMUDOです。
馴染んでませんとかツッコミをいれられると思いますが……。

さて今回で魔立学園・パンデモ四話となりました。
新キャラ続々登場で名前と特徴を覚えきれないと思いますが大丈夫です。たぶんなんとかなります(震え声)

これからも精進致しますのでよろしくお願いします。では、また会う日まで~♪
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