魔立学園・パンデモ   作:DAMUDO

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「ホロン・ハートレス……です。
読むときの……注意。全てが真実ではない。
あらすじ。にぃが凄くピンチ……楽しそう……♪」


希望が……見えてきた

「魔法の使い方の基本はこんな感じよ。わかったかしら」

「まあ、わりと」

 

校舎の外の隅の方に連れてこられた俺はアサギから特訓と言うことで、魔法の使い方を教わっていた。

最初、こいつが急に現れて、急に稽古をつけると言った時には不安で仕方無かったが、いざ教わってみると実に分かりやすい。これ本当。

大事なところはしっかりと教えてくれるし、わかりやすい例え話で感覚的にも掴みやすかった、実際マーちゃん(魔法担当教師)よりもアサギが教えてくれる方が俺はいい。

 

「ほら、ボーッとしてないで練習やるわよ。そうね……まずはメロンぐらいの大きさの玉を作ってみよっか♪」

「了解!」

 

楽しい授業と言うのは、自然と気持ちが昂るものだ。

つまり、何が言いたいのかと言うと、今滅茶タノシー!

 

さて、魔力で玉を作るわけだが……これは魔法を使える人は一瞬で数個作れるぐらい簡単なことらしい。

しかし、俺のような初心者はそれさえも難しい。

これを作るには、まず体内に魔力を作り出すことが必要です。MPみたいなモノです。

これの作り方って言うのが、アバウト過ぎるんだよ。人によってイメージは違うらしい。勿論、魔法に長けてる人は無意識に蓄えてます。寝てるときとか。

俺が分かりやすかったイメージは『体の中にある何かを感じて、それに力を込めて魔力に変換する』イメージだ。

何を言っているのかわからないと思うが、実際分かりやすいんだから仕方無い。俺はそう思った。

こう言ったイメージ一つでも感覚でわかれば、魔法は使えるようになるらしいから問題ない。わからない人が魔法の使えない脳筋さんになるんだね。生まれつき、魔法の才能がない人もいるみたいだから、皆がそうって言う訳じゃないらしいけどね。

んじゃ、作りますか。

 

「・・・」

 

俺は目を閉じて、心を静める。

落ち着き始めたら、さっきのイメージをする。すると、段々と体内に温かい力が生まれていくのがわかる。

次にその力を移動させて手のひらに持ってくる。手のひらに力を感じたら、そこから慎重に力を放出していく。

すると、右手のひらに光る玉が儚い光と共に作り出さされる。大きさはどんぐり程度です。

それに左手を添えるような位置に置き、そこからも力を放出する。

右手と左手で形を崩さないように少しずつ魔力を送り込んで大きくしていきます。この時のイメージは、泥団子を大きくしていく、あのイメージ。

すると、どんどん魔力の玉は大きくなっていき遂に目標の大きさにまですることに成功した。

 

「お、おおぉ!で、できた!」

 

初めてやってここまでできたら、かなり才能あるんでは無かろうか!?

嬉しさのあまり、小学生の様に興奮し自然と笑顔になってしまう。

 

「コラッ!あんまり調子にのらない!気を緩めたら、爆発するわよ」

「ッ!!?」

 

なんの躊躇もなく放たれた言葉に俺の全身は石の様に固まった。

 

「え?なに?これ、爆発すんの?」

「そうよ。だからまずは落ち着いて、その形をキープして」

「おっおおおおおすすぅ~、キープゥキープゥ」

「……落ち着けの意味わかってる?」

 

爆発する、と言う可能性に動揺する豆腐メンタルはアサギの言葉を聞いて、行動を起こすと言うことが満足に出来ないくらい、俺自身に強い影響を与える。

気持ちの持ちようによって人は強くなると言うなら、今の俺はきっとゴブリンやスライムレベルだろう。・・・いや、前にクラスのスライムとゴブリンが喧嘩してたの思いだした。壁や床に穴が空いていて、周りの物は水で流されてたな。うん、今の俺はゴブリンやスライムより弱い、村人Aレベルだな。

 

そんなことより、今はこの爆弾の処理が大事だ。

まずは考察だ。見たところ、魔力は綺麗な球を描いていてない。じゃあ、綺麗な球を作りましょう。

そうだなぁ・・・イメージはおにぎりにしよう。強く握ればボリュームのない潰れたおにぎりとなり、弱く握れば固まらず、おにぎりの究極形体と名の高い三角形が作れない。

魔力で形を作るときも一緒だ。力を込めすぎ、込めなさすぎにならない、その力の領域に俺の意識を合わせるんだ。

力の強弱を繊細にコントロールすれば必ず成功する。

 

「ん、くぅ・・・ッ」

 

意識を集中していくとドンドン形が整っていき、最終的には目標より小さな玉ができた。

 

「あ、あっるうぇ~?」

 

目標よりも小さな物ができてしまい、気の抜けた声が漏れる。

かなりの魔力で作ったつもりなんだけどなぁ?

 

「それじゃあ、メロンって言うよりリンゴね。まあ、初めてやったにしては上手だからいいんじゃない?」

 

アサギが優しくフォローしてくれる。本人は本音を言ってるつもりかもしれないが、どちらにせよ気休めにはなる。しかし……。

 

「アサギ」

「ん?どうしたの?」

「あの、俺、ものスッゴい疲れた」

「え!? 」

 

足に凄まじい脱力感が襲う。立っているのも辛い、早く座りたい。なので、休んでもいいか?と言う意味も含めて疲れたと告げると、アサギは酷く驚いた声をあげる。

 

「ちょっと待って!今、気を抜いたら爆発するわよ!」

「ッ!!」

 

そうだった、俺は今にも爆発するかもしれない爆弾を持ってたんだ。

 

「どうすればいいの!?俺、もう足とか腕とか限界なんだけど!あと、スゴい眠い!意識が、切れる、!」

「と、とにかく!飛ばして飛ばして!上にぶっ放って!」

「上に飛ばすってどうやんの!ああ、視界が暗く、なって……」

「なんでもいいから!早くしないと!」

「あーもう、こうなりゃ自棄だ!」

 

覚悟を決めた俺は、全ての力を振り絞らんばかりの気合いで、魔力の玉を片手で掴んだ。

手のひらが熱い。やっぱり、握るのは不味かったか。ええい!今は形振り構ってられねー!

片足を前にだし、踏み込んで思いっきり空へ投げる。

 

「飛んでけぇえええええ!!」

 

野球ボールの様に思いっきり投げられた魔力の玉は、空へと飛んでいく。

すると、綺麗な球になっていた玉も次第に形を崩し、光が漏れる。そして、

 

*ズガァアアアアアン*

 

爆散した。

 

「あーあ、どうしよ。絶体、騒ぎになるよね。学園の上空に爆弾爆発させた様なもんだもん。バキ先生に殺されるぅ」

 

力の込もってない声で呟いていた転校生はその場に膝から崩れ落ちて、地面に座り込む。

 

「だあー、疲れたー。・・・はは、ははははっ!」

 

疲弊し倒れこんだと思ったら、突然笑い始めた。

 

「ははははっ、イーヒッヒヒ!俺にも魔法が使えた!よっしゃよっしゃ!」

 

転校生の顔は、疲れているにも関わらず清々しい笑顔を見せていた。

 

「ちょっとー、なに笑ってんのー?」

 

アサギがゆっくり此方に歩み寄ってき、アホを見るような目で見下ろしてくる。

その顔は口元が笑っていて、まるで上出来だと言っているようだった。

 

「できたぞ、コラァ……」

「そう、おめでとう」

 

とても充実した気持ちが身体満たしていく。

これからどんどん練習していけば、魔法を使いこなせるようになって、近いうちに挑まれる決闘でも善戦できるかもしれない。

 

「希望が……見えてきた」

 

俺は気合いを入れ直して起き上がる。

 

「ちょっとあんた、辛いんだったら無理にしなくていいのよ?」

「いやいや、俺が強くなるために付き合ってもらってんだから無理してでも頑張らねーと!」

 

そうだ、やらなきゃやられる。

紫電が足止めしてくれているこの貴重な時間を少しでも無駄にするわけにはいかない!

 

「アサギ、次やるぞ」

「君って意外とバカだよね。そう言うとこ、好きかな♪」

「はい?」

「ふっふふ、ほらやるんでしょ。指示するからそっち行って「お待ちを!」ッ!」

 

アサギが次の指示をしようとした時、突如割り込んできた声に中断させられてしまった。

転校生とアサギは声のする方に顔を向けると、そこには緑色の服を着ているエルフの女の子がいた。

三編みにしてある短め金髪に、赤い羽根が装飾してあるベレー帽。緑色の服は袖などが短くしてあり、服の上には所々に甲冑のパーツを着けており、全体的に防御を極限まで減らし、機動性を重視した格好だ。

腰には剣と小さな布袋があり、剣の鞘と柄には目立った装飾がないかわりに使い続けた結果として残った傷跡がみられた。

如何にも、戦士と言う雰囲気を醸し出してた。

 

「なんのようかしら?私達は今、取り込み中なんだけど?」

「それは失礼した。しかし、私にも事情と言うものがあります。手短に終わりますので少々お時間を頂けないでしょうか?」

「・・・わかった」

「ありがとうございます」

 

怖いぐらいスムーズに話は進んでいき、アサギはエルフ少女の用件を呑んだ。

エルフ少女はそのままツカツカと進んでいき、俺の目の前へと立つ。

 

「え?」

 

急に俺の目の前へ立たれて俺は驚く。首をあげるとエルフ少女の鋭い目が俺を捉えていた。どうやら、俺に用があるのか。そう思った瞬間、何か嫌な予感を感じ取った。

そんな俺の心情など察することもないままエルフ少女は俺に言葉を発し始めた。

 

「貴方が噂の転校生ですね」

「あっ、はい」

「よろしい。では、私、ナチル・フィアーは貴方に決闘を申し込みます!」

「え?決闘?決闘……けっ、と……ぅ……うぇ!?決闘ぅ!!?」

「はい、決闘の申し込みです。決戦日はこちらが決めさせてもらいます。もちろん、許可の申請もこちらで全てやらせてもらいますのでご安心を」

「え?あ、ちょっと待って!け、決闘で断っちゃだめ?」

 

今の状態で決闘なんてしても負けは確定的に明らか。

せめて、もう少し魔法を使いこなせるようにならなければ。

そんな俺の希望を込めた問いに彼女の返答は……

 

「なんですって……?決闘を拒むと。……き、貴様ぁあああ!」

 

突如、怒声をあげてナチルは腰から剣を抜き、俺に降り下ろしてきた。

 

*ヒュッンキンッ*

 

「へ?」

 

降り下ろされた剣は俺の横ギリギリを通り、地面へと叩き付けられた。確かに俺目掛けて降り下ろされたはずなのに軌道がずれていた。

 

「ちょっとあんた……急に何するのよ。あんまり悪さばっかすると……滅ぼすわよ?」

 

アサギは片手をつき出しており、怒気を含んだ声でナチルに言い放つ。

どうやら、アサギが魔法で剣の軌道をずらしてくれたお陰で助かったようだ。

 

「・・・すみません。戦士としての私のプライドが決闘をあっさり断られるのに我慢ならず、ついカッとなってしまいました。本当に申し訳ない。しかし貴女、私の剣を見切り、魔法弾を当てるとは中々の腕をお持ちですね」

「それが何か?今、キレ気味だから言葉には気を付けなさいよ」

「いえ、私と一戦交えてみませんか?」

「なんですって?」

「ですから軽く戦いましょうと言っているのです。それとも、怖いですか?」

「・・・良いわ。そっちがその気なら殺ってやるわよ!」

「わくわくです」

 

なにやらアサギとナチルのバトルが今、目の前で巻き起ころうとしていた。

俺は疲労で動けない体を引き摺るように離れることにした。巻き込まれたくないんでね。

しかし、なぜこんなことになったのか?そんなことを考えた時に頭に浮かんだのは、昨日見た決闘とかふざけたことが起きる時期を延ばすと言い切った紫電の顔だった。

 

ホモ、仕事しろ!!!

 

 

 

 

 

 




どうも、DAMUDOです。

眠い時は寝なさい。早く起きて作業すればいいから。
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