まぁ……飯炊きに専念しとけば大丈夫かなって 作:スターク(元:はぎほぎ)
サイヤ人たるもの肉体が資本。それを疎かにした奴から死んでいく。
基礎戦闘力が低く人員の新陳代謝の激しい下級戦士じゃ猶更それは顕著で、体を酷使しなきゃいけない環境でありながら保身を求められるんだからもう無茶苦茶だ。有象無象の弱者共を踏み躙る権利を得た代わりに
そんな中で、その食堂はある種の
量と質を併せ持った、栄養満点の料理。普段考えないバランスにも配慮され、食った後に目に見えて体調が向上する様はもはや“療食”の域。戦闘力にも直結するほどのそれは、毎朝行列が出来るのも当然な代物だ。
何より、美味い。
今日戦死してもいいと思えるぐらい、美味い。
俺もまた、それに魅せられた一人だった。
「邪魔するぜ」
「……アンタか」
「ほぉ、今日は
征服帰りに入店すれば、おーおー剣呑な視線。コイツとも長い付き合いだが、ここまでゾクッとさせられる鋭利さはベジータ王にも匹敵するんじゃねぇか?
戦闘力こそ無いのが惜しいくらいだぜ。サイヤ人にさえ生まれてりゃあな。
「食券は?」
「おうよここだ」
「親子丼かい。珍しい」
「そんな気分でな」
じきにギネが出産する。ラディッツに続き2人目、俺も二児の父って訳だ……だから“親子”の二文字に吸い寄せられちまった。俺にもこんな側面があったとはな。
──そんな俺が座った目の前で、空気が裂かれる感触。音など無い。
「いつ見ても惚れ惚れするな」
「
「分ァってるよ。冗談でぃ」
ギラリ。輝く刃が肉を削ぐ、斬る、時に叩く。面白いのは、肉がそれに
まるで肉の方から解体を受け入れるみたいに、バラバラにされてくんだ。同じく敵の肉を破壊する身として、これほど興味深い現象も中々無ぇわな。
「一緒にすんな」
そんな内心を見抜かれたのか、咎めると同時に鍋へ投じられた肉。グツグツと呻るそこへ、トドメの一押しとばかりに黄金の液体が注がれた。
閉ざされる蓋。茹る、茹る、茹る。肉が煮え、菜の甘味が絡み、卵にて包み込まれる匂い。
(──今)
「……よっと」
「おっ、勘が当たった」
「なら筋が良い。ウチで働くかい?」
「丁重にお断りするぜ」
よそわれた艶のある白銀、そこへ掛けられればもう完成。薬味という彩を散らされた馳走が、ゴトリという重みと共に目前へ差し出された。
ここで、食堂の掟その②。全ての食材に感謝を込めて。
「いただきます」
「…良し」
その意味は分からない。だがここで飯を食う時、この呪文は必須とされた……今となっては疑問を抱く者も無い。
此処は彼女の“城”で、彼女こそがルールなんだから。
味の感想?分かり切った事を聞くなよ、バカか?
1:イッチ◆EATkugi!
まぁ何故か気が付いたら会話してる時の記憶が消えてるんですけどね!糞がッ!!
2:名無しの転生者
これまでのイッチの書き込みの中で一番感情が籠ってるであろうレスである
3:名無しの転生者
記憶が飛ぶ?会ってる間は尊死でもしてんのか?
4:名無しの転生者
限界ファン過ぎて草やで
5:名無しの転生者
バーダックの事は良いとして、結局惑星ベジータからの脱出はどうすんの
もうリミット近いっしょ、カカロットが生まれたら秒読みゾ
6:イッチ◆EATkugi!
もう……ゴールしても良いかなって……
それより今は推しの格好いい所を語ろうや
7:名無しの転生者
コイツ諦めよった……
8:名無しの転生者
そう言われると反抗したくなるのが掲示板民だ
さて、当時の惑星ベジータにどんな脱出手段があったかね
9:名無しの転生者
まぁポッドやろ第一候補は
10:名無しの転生者
>>9
いや、行き先を特定される危険がある
そもそもイッチがポッドを盗めるか?
11:名無しの転生者
無理だな
じゃあ他の大型宇宙船に潜伏して、着いた星で逃げ出すってのはどうだ
12:名無しの転生者
>11
サイヤ人が大勢で行くってもう激戦区以外あるのかよ
逃げ出した先で死にそう
13:イッチ◆EATkugi!
おーいちょっとー?ここはバーダックの渋格好良さについて語り合うスレなんですけお!
14:名無しの転生者
単独じゃやっぱ無理そうやなぁ。そもそも奴隷として連れてこられてる以上、何らかの監視されてるかも分からんし
協力者必須や
15:名無しの転生者
じゃあギネさん経由で
16:イッチ◆EATkugi!
良くねぇよ!バーダックについて語り合えって言ってるだろうが!!
しょうがない、1として手本を見せるべきか。まず彼の出自がすでにロマンだよね、下級戦士なのに戦闘力が1万超えてるところ!ベジータの耳にも届いてたってのがその影響力の大きさを漂わせてて、いやぁ流石主人公の父親は伊達じゃないっすわ
17:名無しの転生者
>>14 >>15
ここまで来ると、やっぱカカロットのポッドに付随して飛ばしてもらうのが吉か?あのポッドに二人が入れるかは分からんが……
18:名無しの転生者
あのポッドって冷凍睡眠機能もあるっぽいし行ける行ける
19:名無しの転生者
最悪の場合は悟空のポッドに手紙を同封して「ドラゴンボールで生き返らせてください。この子の全てをお話しします」って遺言しとけば或いは
20:名無しの転生者
>>19
天才か?
21:名無しの転生者
>>19
支持
22:名無しの転生者
そうかドラゴンボールがあったわ
23:名無しの転生者
さんせーい
24:イッチ◆EATkugi!
ちょっと?ねぇ皆さん??
スレ主のこと忘れてない?おーい!?
25:名無しの転生者
無☆視
26:イッチ◆EATkugi!
ハァッ☆
「ギネが妊娠してからどれくらいか、アンタ分かってんのかい」
食堂の掟その③、“ごちそうさま”。それを済ませて出ようとしたら不意に呼び止められる。
「確か……月が8回、同じ形になった頃合いだな」
「次の遠征はいつから、いつまで?」
「今から。目算半年は費やしそうだ、主に行き来で」
「
罵倒と共に突き出された包み。そこはかとなく良い香りに鼻をヒクつかせれば、「アンタのじゃないよ」と釘を刺された。
「妻に顔見せて、これ渡すんだね。妊婦と胎の子に良い物詰め込んだから」
「そりゃぁ恩に着るぜ。アイツも喜ぶだろうよ」
「全く……幾ら二度目とはいえ、出産に臨む妻に心配とか無いのかい」
「は?舐めんな」
が、その言葉に思わず語気が強まってしまう。それだけ今のは聞き流せない事だった。
テメェだけは、それを言っちゃいけないだろうが。ギネと縁の深いテメェはよ!
「
その強さは俺が一番よく知っている。テメェも同率一位だと思ってたんだがな、残念だ。
……と思ってたら、奴が薄く浮かべたのは笑み。オイまさか。
「OK、言質取ったよ。相変わらず熱いねぇアンタ達は」
「テッメ……二度と来ねぇ」
「胃を掴まれといて何言ってんだ。アンタがここに来なくなるのは死ぬ時だけだ」
「言ってろババァ」
吐き捨てるように戸を出る。その間際、最後の一声。
「…またの来店、待ってるよ」
「───とびきり手間掛かるのを注文してやるさ」
それだけ告げて妻の下へと向かった。やれやれ、幼ぇナリして食えん女だぜ。