IS 昔懐かしSS   作:ユキ (旧 rain time)

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 夏だけと思ったか?待たせたな!(待ってるのか?)

 ということで、まさかまさかの第二弾です


C105 サークル「妄想設計局」収録
水曜日のIS学園 弐


 

IS学園のある一室。普段生徒が足を踏み入れないそこには、どこかのテレビ番組を彷彿とさせる部屋があった。複数のテレビカメラが撮影を開始するとともに、司会席のラウラが叫ぶ。

 

「わっしょーい!」

「どうしたのよ急に」

「なぜだ? これをすると盛り上がると聞いたぞ」

「なんでウ◯娘の口癖なのよ……」

 

流行りに変に乗っかるラウラと呆れる鈴。前回(C104 水曜日のIS学園)よりも司会席は賑やかに進行する。

 

「それよりも司会は私たちになったのか。箒と簪ではないのだな」

「あの二人、前回喋らなさすぎて司会をクビになったわ」

「つまり、我々ぺったんコンむぐっ⁉」

「その口縫い付けるわよ?」

「ふぁい」

「ンンッ! 脱線してるぞ、二人とも」

 

 鈴がラウラの口を強くつまむ中、箒は咳払い一つで話を元に戻す。司会をクビになって出番が無くなったかと思いきや、今回パネラーに回っている。

 

「あの女じゃないのか」

「昨日いきなり代わってくれと言われてな。私も詳しくは知らん」

「まあいいわ、それでは本日のプレゼンターです、どうぞ!」

 

 軽快なBGMと共に中央の回転扉がゆっくりと回る。そこから白を基調とした制服の爽やかイケメンが登場する。

 

「どうも、一夏です」

 

 パラパラとした拍手がやむと同時に、一夏は自身の企画説明に入った。

 

「今回俺が持ってきたお題はこちら! 『更識楯無、ファッションセンス0説』!」

「アンタからファッションセンスって言葉が出てくるのね」

「俺をなんだと思ってるんだ、鈴!」

「朴念仁」

「唐変木」

「女たらし」

「え? なんだって?」

「「「そう言うところだ‼」」」

 しばしの一悶着。落ち着いたところで一夏が話を再開する。

 

「一時期、強制的に楯無さんと同じ部屋だったんだけど、その時楯無さんの私服を見たんだ。それが、もうこの世のダサいを煮詰めたようなもので」

「そんなにか?」

「これがその証拠です」

 

 どうぞ、と共に後ろのパネルが変化する。そこには某ISゲームで出てきた楯無の私服が映し出される。

 あまりのセンスに三人はドン引きした。

 

「うわっ」

「ダサっ」

「私でも分かる、ダサいやつやん」

「なんでラウラは関西弁になるのよ」

 

 いきなりの関西弁に思わず鈴はツッコむ

 

「なんだ? アカーーン! と言った方が良かったか?」

「……アンタもしかしてウ◯娘じゃなくて宮◯大輔のほうだったの⁉」

「日本では超有名人だとクラリッサが言ってた」

「どこ情報よ、それ」

「イッテ◯」

「クビにしろ! ソイツ‼」

 

 ツッコミが続くが、これ以上は尺が足らないということで一夏が強引に話を遮った。

 

「それでは検証VTRです。どうぞ!」

 

 

『更識楯無、ファッションセンス0説を検証。ナレーターは前回に引き続きシャルロット・デュノアがお送りします。

IS学園で知らない者はいない現会長更識楯無。現在二年生にも関わらず、IS学園で最も強い学生が務める生徒会長に就任。ロシア代表は伊達では無いことを証明し続けるミステリアスな美女。

 そんな先輩ですが、世間体ではある噂が飛び交っています。そう、センスが壊滅的ではないかと』

 

「相変わらずだな」

 

 前回と同じようなナレーションだが、対象が楯無からかさほどラウラは反応しない。

 

『今回は検証の前に本当にダサいと噂されているのか。楯無先輩をよく知る二人にインタビューしてみましょう』

 

 すると画面が切り替わり、顔にモザイクがかかったIS学園の生徒が映る。モザイク越しに眼鏡をかけていることがわかるポニーテールの生徒で、イニシャルはN・Uだ。

 

『そうですね、万能な人間はいないという言葉がありますが、まさにお嬢様にピッタリかと。この世の終わりのセンスですから。冗談は扇子だけにしてください。』

「センスだけにってか」

「「「……」」」

「まって、俺が滑ったみたいな空気になってないか⁉︎」

 

 ジト目で一夏を見る女性陣。やや空気が冷えたがインタビューはは続く。

 続いて別の生徒に替わる。顔だけモザイクがかかっているがヘッドギア装着した内巻きの水色髪の生徒。イニシャルはご存じの通りS・Kだ。

 

『……昔は仲良かったんですが、ある時期からあまりにもダサい服を着るようになったんです。思えばその時から仲が悪くなっていきました』

「確かにこんな服の隣で歩きたくないわ」

「全裸の方がマシだぞ」

「いやいや、流石に……流石にか?」

 

 一夏がフォローしようとするが、ダサい楯無と歩く光景が思い浮かび言葉が詰まる。

 濃い証言が二つも出揃ったところで今回の企画の本題に迫る。

 

『噂はしっかり流れているということでで、今回楯無さんのセンスは本当に終わっているか実験をしていきます』

 

 するとカメラが切り替わり、映画で爆発のシーンが撮影されるような広大な敷地が映る。そこに三つの試着室があり、その前に三着の衣装が映される。

 

『Aは可愛い系、Bはカッコイイ系、そしてCはダサい衣装を揃えました。どの衣装が良いか選んでもらい、対応している更衣室に入ってもらいます。万が一Cを選んだ場合、手前にある落とし穴に落ちてもらいます』

「いきなりバラエティになったわね」

『今回ダサい服を選ぶとどうなってしまうのか、デモンストレーションはこちらになります』

 

 するとセシリアが優雅に更衣室に向かう映像が出てきた。セシリアはモデルをして欲しいと言うことで、落とし穴のある更衣室に誘導されている。歩く姿は本物のモデルのようだが、彼女は落とし穴があることを知らされていない。更衣室まであと3mのところで

 

 ズボボッ!

 

『ミ°ッ』

 

 変な奇声をあげてセシリアは穴に吸い込まれていった。

 

『このように落ちる羽目に。そしてセシリアの出番はこれで終わりです』

「扱いが雑すぎる」

「合掌」

 

 出演時間十秒の彼女に憐れむラウラ、手を合わせる鈴。画面では打って変わってテンション高くシャルロットが声を上げる。

 

『では、本題に入りましょう! 楯無さんにはそれぞれの服を見た上で着たい服がある更衣室に入ってもらいます。果たして楯無さんは落とし穴に落ちてしまうのか⁉』

「結構ノリノリね」

 

 カメラが切り替わり、楯無がどの試着室に向かうのかにみんなが注目する。

 楯無が堂々と向かう先は・・・Cだった。

 

「「「「ブッ!」」」」

『さあ、落とし穴に直行していくー‼』

 

 一切の迷いなくCの更衣室に向かう楯無。一体彼女の感性はどこへ捨て去ったのか。

 そして、次の瞬間、

 

バサバサッ‼

『オ゛ッ⁉』

 

「「「「アッハハハハ‼」」」」

 

 汚い声で綺麗に落ちていった楯無。会場はドッと笑いに包まれる。リプレイで落ちる瞬間の画像が何度も繰り返される。

 ひとしきり繰り返された後、シャルロットが落とし穴に近づき、楯無を覗き込んだ。

 

『は? 何コレ』

『水曜日です』

『で た わ ね。で、何の企画?』

『《ダサい服選んだら落とし穴》です』

『は? ダサくないし。一番可愛いじゃない』

『Huh?』

「「「「Huh?」」」」

 

 ありえない言葉にシャルロットや会場の全員は思わず某猫ミームの反応が出る。

 ほぼほぼ結論は出た。しかし、なぜか検証は続くことに。

 

『更識楯無、ファッションセンス0説は立証されましたが、ここで一つ新たな疑問が。IS操縦者の力量とファッションセンスは関係性があるのかと』

「……待てシャルロット、何を考えてる?」

 

 訝しむラウラの懸念は的中することになる。

 画面が変わり、先ほどと同じ更衣室に向かって歩く人影が映る。今度の人物は……

 

「きょ、教官⁉」

 

 まさかの登場にラウラがいの一番に反応した。

 

『誰もが知る世界最強のブリュンヒルデ、織斑千冬先生。今回の説が通っているならば、先生もファッションセンスが終わっていることになるが、果たして!』

「なぜ自分から危険地帯に踏み込むのだシャルロット⁉︎」

「アイツ、たまに命知らずになるわよね…」

 

 楯無のときと打って変わって、ラウラが映像内のシャルロットにツッコミを入れる。前回の千冬の痴態がフラッシュバックしたのだろう、顔がやや青ざめている。

 ラウラの内心が乱される中、千冬が向かう試着室は……

 

「「「あっ(察し)」」」

『織斑先生、まさかの落とし穴コースだー!』

「きょうかーん‼」

 

 ラウラが悲痛な叫びをあげる。ブリュンヒルデを彷彿とするような堂々とした歩きでCの更衣室に直行する千冬。

 

「ダメです教官、あなたともあろうお方がそんなクソダサファッションを選ぶなど合ってはなりません! そこには落とし穴が、そうワナがあるんです! 世界最強である教官なら天性のカンで見抜けるはずです! だからその道に行かないでえぇぇ‼」

 

 ラウラが絶叫しながら画面の千冬に警告する。が、当然声が届くことがなく、

 

 バサバサバサッ‼

 

 大きい音と共に無言で落ちていった。

 

「きょうかーーん!」

 

 またしても痴態を見ることとなり泣き崩れるラウラ。会場は無常にも笑いが飛び交う。

 が、映像の中はそうではない。穴からは空間が捻じ曲がるような

殺気が溢れ出ている。ビビりながらもシャルロットは穴に近づいた。

 

『何だ、コレは?』

『す、水曜日です……』

 

 怯えながらもなんとか答えるシャルロット。問い詰めるように千冬が口を開く。

 

『デュノア、誰の差金だ。正直に言え』

『楯無さんです』

「オイ」

「平然と」

 

 何のためらいもなく楯無を売り飛ばしたシャルロットに一夏と箒が堪えられずに吹き出した。

 

 

『というわけで結論、《姉たちのファッションセンスは壊滅。

そして楯無は半殺しにされました》』

 

「ひどすぎるw」

「シャルロットが悪魔すぎるw」

 

 〆の言葉と共に各々が感想を語り合う。主にシャルロットの見事な裏切りにパネラー達が時間いっぱいまで語り合った。

最後に一夏が〆の言葉をかける。

 

「次は誰がテーマのお題となるのか、はたまた続編が出てくるのか。来年の夏までゆっくり待っててくれよな!」

 

 今回も無事に幕を閉じることとなった。

 

 




 またまた出します。小説。

 前回に引き続き、くろだありあけさんのIS同人誌に寄稿しました。
 案外良かったということで続投が決定。同人誌では挿絵も前回より大きくなって、もう言うこと無いですわ。
 本編待ってくれている皆さま、今しばらくお待ちを・・・!(試験勉強で追い込みなう)

 そして、この場を借りて
 くろださん、またまた声をかけてくださりありがとうございました!

p.s. メインヒロインは一通り書きてえなあ(つまりはC111までってコト!?)
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