抜きゲーみたいな帝国から来たマスコットにTS魔法少女にされた僕はどうすりゃいいですか?   作:ペンギン3

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第12話 アクメイジング・グレイス

 僕と鈴はあれから、自分の身体を隅々まで確認した。すると、いわゆるその……子宮がある辺りに、変なハートマークの赤い印が付いていた。赤色だから赤い糸、バカ丸出しすぎる。

 

 

 そんなこんなで、ビクビクしながら数日を過ごしていたけど、未だに淫紋が発動することはなかった。僕も鈴も、わざわざ離れ離れになる理由もなかったし。

 

「こころとの赤い糸、これが」

 

 鈴は印のある辺りを、ゆっくりと撫でていた。……何だか意味深に見えちゃうのは、僕が汚れちゃったせいなのか。落ち着かない気持ちになって、自分にも同じ印があることに頭がおかしくなりそうになる。

 

 そんなこんなで、今まで以上に離れることなく、逆に鈴と距離が近くなって過ごし始めてから数日が経っていた。その期間に僕たちはまた、夜の公園で新しい魔法の練習に取り組んでいた。もうそろそろ、夜にレオタード姿で歩き回るのにも慣れてきた気もする。最悪すぎた。

 

 なんでかって言うと、前にエロ犬に教えてもらった魔法に問題が出てきたから。

 

 

 

「”ハイレグレオタードを見ていると性癖がドスケベ魔法少女になっちまうッ! クソ、もう我慢できねぇ、膣内に出すぞ!!”が上手く想像できない? 鈴、どうしちゃったんだパコ」

 

 それは、鈴が三十人の僕が一斉に射精するシーンを上手く想像できなくなってしまったのがキッカケだった。そもそも、三十人の僕の時点でバグってたから、正しい思考回路に戻ったって話なんだろうけど。

 

「三十人の女の子のこころが、一斉に潮吹きを始める姿の想像ばかりになる」

 

「それもおかしいよね!?」

 

 違った、全然正常になんか戻ってなかった。むしろ、悪化してすらいる。何で三十人が固定単位になってて、女の子の僕に置き換わってしまったのか。本当に意味が分からなかった。

 

「なるほど、女の子のこころでも許せる。そう思った瞬間に、鈴はこころが女の子でも男の子でも良くなっちゃったパコね?」

 

「うん」

 

「うん、じゃないが?」

 

 鈴は僕を大切に思っててくれて、性別問わずに大切な幼馴染だって思ってくれてる。これ自体は嬉しいけど、じゃあどっちでもいいやって思われるのは困る。だって僕、自分が男だって認識してるから。

 

「鈴、それなら三十人の男の僕が一斉に射精する方がまだマシだよ。どうにかして、改悪前の妄想に戻せないかな?」

 

「頑張ったけど、よく考えたら私はこころのオチ◯チンの形も大きさも知らない。それに気が付いたら、こころが潮吹きを始めてた」

 

「始めないで!」

 

 すっかりおかしくなっちゃった鈴は、おかしいなりに深刻な顔をしていた。確かに深刻なんだけど、深刻にならないでほしい複雑な気持ち。深刻な顔でそんなこと言われても、どう返せばいいかなんて分からない。笑えばいいの?

 

「あちらでハメればこちらが勃たず、困ったパコね」

 

「本当にね……」

 

 何もかも間違ってることわざに頷きながら、頭が痛くなってくる。

 

「一応聞くけど、三十人の僕が潮吹きをしている状態で”ハイレグレオタードを見ていると性癖がドスケベ魔法少女になっちまうッ! クソ、もう我慢できねぇ、膣内に出すぞ!!”を使うとどうなるの?」

 

「恐らくパコが、相手は一斉にドライオーガズムでの絶頂を体験して、射精出来ずに潮を吹くパコ」

 

「……おじさんが相手でも?」

 

「おじさんが相手でもパコ」

 

 想像してみる、30歳以上の男性集団が一斉に潮を吹く姿を。……最悪すぎる絵面、許されない潮吹きだった。でも、最悪だけどそれではダメなんだろうか?

 

「エロ犬、普通に射精するのとそれで、なんか違うの?」

 

「射精しないというパコは、その精液は持ち越されて次の魔法に応用できるってことパコ。一時的にムラムラは解消されるし、更に精子をゾウさんできる。つまり、こころと鈴で敵のオナサポをしちゃうってことパコ」

 

「それは嫌すぎるね……」

 

 そんな事になったら、この世界は終わっちゃうし、何より僕と鈴が変態おじさんたちのエロの手伝いをするなんて事態が許せない。勝手に異世界の自室でエロして、出すもの出したら二度と外に出ないでほしい。

 

「パコリイヌ、どうすればいい?」

 

 鈴の問い掛けに、エロ犬は腰をヘコつかせながら考えて。腰の動きが激しくなってきたところで、閃いたパコ! と絶叫する。

 

 もしかすると、こいつは本当に股間でものを考えていて、頭が回るというのは股間に血が巡ることを指しているのかもしれない。もしそうなら、最悪すぎる生き物だ。

 

「二人には、新しい魔法を習得してもらうパコ!」

 

「新しい魔法?」

 

「どんな魔法?」

 

 僕たちの問い掛けに、エロ犬は自信満々に頷いて、新たな魔法を口にする。

 

「こころと鈴には、"ククッ、俺のチ◯コを入れられるということがどういうことか分かるか? ──そうだよ、震え散らかしバイブと化して、お前の膣内を開発するってことなんだよっ! めっさーバイブレーションチ◯コ!"を習得してもらおうと思っているパコ」

 

 相変わらず、魔法の詠唱が終わり散らかしていた。

 

 

 

「NTR推進委員会は臨界状態に達したチ◯コで、大魔法を行使するパコ。なら、それを逆手に取ればいいパコよ。少しの振動を与えるだけで、奴らは射精してしまうパコからね。本来なら女性の膣内を開発する魔法で、奴らを絶頂させればいいんだパコ」

 

「なるほど」

 

「言う程なるほどかな?」

 

 エロ犬の提唱する理論は、物理的に刺激して射精させてしまえば勝ちというモノ。最悪すぎるし、絶頂されてしまった時の生々しさが増して嫌すぎる。

 

 ハイレグレオタードの詠唱の方はバカバカしさの方が優ってたけど、今回のは僕自身が手を下すみたいで嫌だった。手が汚れるって、こんな感触なんだろうな、何て想像できるのが何より嫌だ。

 

「なら、こころに代案はあるパコか?」

 

「無いから困ってるんだよ」

 

「野党が、パコのチ◯コを短小なんてありもしないデマで罵る時みたいパコね」

 

「嫌な国会すぎる」

 

「こころ、性治は綺麗事だけでマ◯コに収まるものじゃないパコ。野党側も、支持者にアピールしないとイケないパコから、そうやってでっち上げでマウンティングヘコヘコをするんだパコ。大人になったら、そこら辺の複雑な性治情が分かるパコよ」

 

「その自分が短小じゃないって自信、どこから来てるの?」

 

「嫁からパコ。パコのチ◯コが短小だったら、あんなにパコパコアンアン言うはずがないパコからね」

 

 それは、好きな人とエッチしてるからじゃないか。そんなことを思ったけど、言ったら調子に乗りそうだから黙っておく。代わりに、鈴から一言。

 

「仲良しなんだね」

 

「そうなんパコよ〜。事後のピロートークで、毎回"お前のチン◯ンが気持ち良すぎるだけだから、勘違いしないでよね!"って言ってくるパコ。嫁、パコと同じく38歳パコが、ツンデレ治らなくても可愛いパコよ〜」

 

 信じられない事に、こいつの家庭は夫婦円満らしかった。他の全てが最悪でも、性生活が良かったら許せてしまえるものなのか。もしかすると、一の長所は百の短所に勝るのかもしれない。こいつの場合は肉体的なモノで、精神由来の良さが全くなさそうだけど。

 

 

 そんなことがあって、僕たちは深夜の公園で魔法の練習を繰り返していた。

 

「鈴、なんか違うパコ」

 

 ずっと魔法の練習を続ける事になってるのは、エロ犬があれこれと煩いから。魔法自体は発動してるのに、しきりに首を傾げる。それで、何が違うと言い続けている。

 

「何が問題?」

 

「鈴、確かにパコのチ◯コは震えているパコ。でも、これは単に物理的に震えてるだけで、感動のあまりに震えているのとは訳が違うパコよ」

 

 意味が分からない。エロ犬が、少し震えれば出ると思うと言っていたのに、今は変なこだわりを見せている。音楽じゃないんだから感動もクソもないし、刺激が全部な筈なのに。

 

「何が違うんだよ」

 

「こう……人の温かみを感じないパコ。手淫されてる様な興奮が、上手くいくとあるはずなんだパコよ」

 

「死んで?」

 

 単にこいつの性的嗜好が終わってるだけの話……だったら良いんだけど、相手を射精させるのが目的だと考えれば不安になるのも分かる。でも、そんなのどうしろっていうんだろう。

 

「鈴、"ククッ、俺のチ◯コを入れられるということがどういうことか分かるか? ──そうだよ、震え散らかしバイブと化して、お前の膣内を開発するってことなんだよっ! めっさーバイブレーションチ◯コ!"の発動時、どんな想像してるパコか?」

 

「こけしが震える光景」

 

「バイブパコね」

 

「電動こけし……だめ?」

 

「何でちょっと気に入ってるの、その想像」

 

「可愛い」

 

 ……鈴の可愛いの基準は、やっぱりズレてる。電動こけしなんてシュールなだけで、可愛いなんて思えないのに。大体、こけしを震えさせて何の意味があるんだ。夜中に震え出したら怖いよ。

 

「それが原因パコ。可愛いじゃなくて、しーこしーこって可愛がる感情が必要なんだパコ」

 

「可愛がる……」

 

 鈴は、どうしてだか僕をじっと見ていた。前からの傾向的に、ちょっと嫌な予感。だって、こういう時の鈴って……。

 

「……こころ」

 

「……なに、鈴?」

 

「──女の子のこころで、しーこしーこしていい?」

 

 そうだよねっ、そんな気はしてたよ!!

 

 反射的に、良いわけがないんだと返事をしそうになって、何とか我慢する。鈴は僕のことになると、何でかエッチな妄想が上手く行きやすいから。

 

 ……僕のこと、エッチだって思っててくれてたのかな、鈴。もしそうなら、元に戻ったら鈴にどんな顔すればいいか分かんなくなりそう。これが勘違いで、僕の思い上がりなんだったら顔を合わせられなくなる勘違いだけど。

 

「…………いい、よ? 鈴なら、許せそうだから」

 

 今回、鈴は女の子の僕を妄想の中でしーこしーこすると言ってる。頭が変になりそうだけど、意味は一応わかる。そうすると、バイブの魔法の効果が上がるってことなんだろうから。

 

 そう自分を言い聞かせて、何とか頷くと鈴はコクコクと頷き返す。二人してエロに染まってきた感じがして、うにゃってなりそうなやり取りだ。

 

「ありがとう、こころ」

 

 そうして、二人で手を繋ぎ合う。今度こそ、エロ犬をアフンと言わせてやろうって気持ちで。

 

 ……大丈夫かな、これ?

 僕たち、エロ犬に性的搾取されてないよね?

 

「女の子の、こころ……」

 

 鈴が妄想を始めた、小さく頭の中の状況を言葉にしながら。

 

「ズボン、脱がせる……」

 

 脱がされていた、鈴に貸してもらったジャージのズボンを。あくまで妄想だけど、鈴がそんな妄想をしてると思うと落ち着かない。

 

「ずらす、お股を……」

 

 魔法少女のレオタードをずらされて、僕は無防備になったみたい。口に出されると、とんでもないことをされてしまってる。……現実では何もされてないのに、お股がスースーする気がする。

 

「……お豆さん」

 

 お豆さん!?

 展開、早くない!?

 

 あ、いや、でも、そっか……。お股をみられたら、見つけられるよね。自分の、恥ずかしくてマジマジとなんて見たことないから、どんなのか僕は分かってないんだけど。

 

「こころ、怖くないから。しこしこ、おうどんと一緒。香川県の特産品、おうどんと女の子のお豆さん」

 

 そんな訳ないよ!!!

 

 明らかに風評被害なお豆さんに突っ込みたかったけど、我慢する。僕ができないから、鈴が頑張ってエッチな妄想をしてくれてるんだって知ってるから。香川県の人たち、ごめんなさい!

 

「しーこしーこ、しーこしーこ」

 

 完全にいい子いい子と頭を撫でるトーンで、しーこしーこと言っていた。お股を本当になでなでされちゃってるの、鈴の妄想の僕っ。鈴の顔が何か赤くて、こっちまで、その、へ、変な感じがする!

 

「かわいい、かわいい……。こころはかわいい……」

 

 凄くすごく落ち着かない。繋いだ手が汗ばんできて、咄嗟にハンカチで拭きたくなるくらいに。これ、なんのプレイなの!!

 

「あっ」

 

 あ? え、何?

 

「こころ、今パコ!」

 

「えっ、えっと、とりあえずっ、"ククッ、俺のチ◯コを入れられるということがどういうことか分かるか? ──そうだよ、震え散らかしバイブと化して、お前の膣内を開発するってことなんだよっ! めっさーバイブレーションチ◯コ!"」

 

 何が何だかわからないまま詠唱した呪文は正しく発動して、エロ犬の股間はブルブルと震え始めていた。見るに堪えない光景、けど、さっきの詠唱の時までは不満そうだったエロ犬の顔が、今は……。

 

「んほぉ、凄いパコっ♡ パコのチ◯コ、バイブみたいにバイブレーションしてるパコぉ♡ 鈴、こころ、合格パコ♡」

 

 最悪なことに、エロ犬は今までと違ってアヘっていた。幾らぬいぐるみの顔でも、許されないレベルの崩壊具合。僕が法律を決めていいのなら、アヘ顔死刑罪を審議するところだ。

 

「パコ、今から嫁とシてくるパコから、ぬいぐるみの身体を持って帰って欲しいパコ♡ 絶対喜んでくれるパコよ!」

 

「行ってらっしゃい」

 

「逝ってらっしゃい」

 

「二人とも、嫁のマ◯コみたいに温かいパコ♡」

 

 カスみたいな言葉を残して、エロ犬のぬいぐるみはパクりとも動かなくなった。それをゴミ箱に収納しつつ、僕は鈴に振り向いて笑顔で告げる。

 

「帰ろっか!」

 

「……いいの?」

 

「いいの!」

 

 鈴の背中を押しながら、エロ犬に心の中でさよならを告げる。

 

 バイバイ、エロ犬。来世で会う時は、もっとマトモな人格で生まれて来るんだぞ。あと、キモいことは罪じゃないけど、キモいのを他人にお裾分けして来るのは明らかに罪悪なんだ。

 

 ……まぁ、エロ犬は野の獣みたいな奴だし、ゴミ箱から這い出て帰巣本能で勝手に鈴の家に上がりこんで来るだろうけど。帰ってくるまでの時間に、キモすぎるのを反省するべきだと思うんだ。

 

 そうして、僕たちが深夜の公園から出ようとした時──公園の入り口に、一つの影があった。一人の見知らぬおじさんが、マッコウクジラのダサTシャツを着て立ってる。

 

 なんか、嫌な予感しかしない……。

 

「ウキョ、ウキョキョ!」

 

 おじさんのキモすぎる笑い方で、確信する。こいつ、性懲りもなく現れた、変態たちの一味だってことが!

 

「こころ……」

 

 鈴は無表情ながらに引いて、僕のジャージの袖を掴んでいた。その姿に、守ってあげなくちゃって気持ちが湧いてきて、鈴の一歩前へと歩み出る。

 

「おじさん、誰?」

 

「ウキョキョ! よくぞ聞いてくれましたね、怨敵パコリイヌの愛人よぉ!!」

 

「こころは、パコリイヌの愛人じゃない。友達」

 

「なるほど、セックスフレンドの方でしたか」

 

「……違うよ」

 

 毎回、エロ犬のエロ友達に間違われるのにキレそうになりつつ、僕はおじさんを睨みつける。どうせ、ロクでもない変態でしかないおじさんを。

 

「我が名はグレイス!

 我が異名、アクメイジンググレイス!

 潮吹き通ならば、この名を聞いたことがあるでしょう!!」

 

 新しく生えてきた変態は、潮吹きが性癖の変態だった。心から慎んで、今すぐ死んで欲しい。

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