抜きゲーみたいな帝国から来たマスコットにTS魔法少女にされた僕はどうすりゃいいですか?   作:ペンギン3

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第13話 シコティッシュベル

 ロリショタ趣味のおじさんの次は、潮吹き趣味のおじさんが現れた。ボスラッシュならぬカスラッシュの風情がある、全員パトラッシュの身元に召されればいいのに。

 

「鈴は隠れて、あいつを不能にできる魔法があるから」

 

「私、妄想できるよ?」

 

「いま使いたい魔法は、僕の方が上手く妄想できるよ」

 

「……そう」

 

 今回習得した魔法、"ククッ、俺のチ◯コを入れられるということがどういうことか分かるか? ──そうだよ、震え散らかしバイブと化して、お前の膣内を開発するってことなんだよっ! めっさーバイブレーションチ◯コ!"(略称バイブレーションチ◯コ)は、今のコイツに使っても、エロ犬同様に欲情させるだと思う。

 

 なら、こいつを倒すためには、前に使った”思春期の息子が部屋を閉め切ってたら、シコってる最中なんだよそれは!! 見ろよっ、この無惨に萎えたチ◯コの姿をよぉ!”(愛称クソお母さんがよ)の方が効果的だろうから。

 

「ウキョキョ、まぁ待ちなさい。今回ここに着床したのは、何も卵子を目指す精子同士の如く、争いに来たわけではないのです。むしろ、あなたの卵子と結合する提案をし、二人で孕みに来たのですよぉ」

 

「……鈴、やばい。このおじさん、前のおじさん以上に何言ってるか分からないのに、キモさは前より上な気がする」

 

 鳥肌が立ちそうな物言い、勝手に僕を孕ませようとする変態は明らかにエロ犬以下の人間性をしていた。あいつもあいつで勝手にTSさせたけど、それとは次元が違うかもしれない。

 

「こころにエッチなことしちゃ……ダメ」

 

 僕の後ろに隠れてた鈴が、隣へと来る。視線は鋭く、警戒する様に前にいる変態おじさんを睨み付けていた。きっと、僕だけを矢面に立たさないために。

 

 ……ありがと、鈴。

 

「ウキョキョ、未開発人の皆様には、私の言葉は難し過ぎましたかな?」

 

「言語をエッチにして無茶苦茶にするお前たちは、間違い様のない変態だよ」

 

「ウキョキョ、よもや敵である君から、そんなに褒めてもらえるとは。こちらの提案を聞く用意があると見ました!」

 

「相変わらず日本語が通用しないっ!」

 

 ふざけた事に、こいつらは日本語を喋ってるのに言葉の内容を理解しない。いや、自分の都合のいい様に受け取るんだから、更にタチが悪かった。

 

「あなた方は私の盟友ポルノを屈服させ、性御不能にしましたね?」

 

 僕が返事をしていないのに、こいつは一人で話し始めていた。あと、やっぱり前のおじさんと目の前のおじさんは類友で、仲良しだったみたい。ロリショタ趣味と潮吹き趣味、どちらも変態の悪趣味という共通項があった。滅びてほしい。

 

「……だから?」

 

「ウキョキョ、オ褒める他にないでしょう。ロリ化魔法を使われて、ショタと共に閉じ込められたというのに、あなたは未開発のままで脱出した。四十代まで処女である、そんな意志すら感じましたよ」

 

 ニタニタ笑顔で、こいつは褒めてるのか貶してるのか、分からない言葉を吐いていた。これを褒め言葉だと思ってるなら、今すぐに語学教室で日本語を学び直してきて。

 

「確かに男とエッチなんてしたくないし、ずっと処女のままで……いや、違う。僕は童貞に戻るんだ!」

 

「そういえば、TS魔法少女だという報告を受けていましたが、なるほど」

 

 こいつはジロジロと、舐めるように僕を見つめてきた。思わず鳥肌が立ちそうになって、一歩後ろへと下がってしまう。

 

「ウキョキョ、そんなに怖がらないでください。ポルノはショタホモセッ◯スを見せつけられそうになったと訴えていましたが、今の言葉的にあなたはどうやら男子には戻れないようですね」

 

「……あっ」

 

 余計なことを言った、口が滑ったともいう。こんなのでどうこうなったりしないけど、余計な情報を教えてしまった感覚。でも、焦ることなんて無い。ハッタリとして、男の子にエッチな事するつもり? という脅しが使えなくなっただけだ。……言葉にすると、中々にバカ過ぎる脅しだ。

 

「ウキョキョ、そんな君にこそ提案したいのです。──私たちと手を組み、この世界のムラムラをあなたが統治致しませんか?」

 

「は?」

 

 何を思ってか、このおじさんはいきなり訳のわからないことを囀り始めた。戦う気満々だったのに、急になんなの?

 

「ウキョキョ、どうやら驚いている様ですねぇ。無理もありません、こんな姦大な提案をしているのですから」

 

「急に魔王みたいなこと、言い出したね」

 

 鈴が耳元で囁いてきた言葉で、ようやく全容を理解する。もしかしてこいつら、こっちの世界を無茶苦茶にするだけして、事後処理をこっちに押し付けようとしてる?

 

「貴方も元が男ならわかるでしょう。女性を自分の好きにできる、その意味合いが」

 

 こいつ、色々と最低な類の人間だ。元から知ってたけど、語れば語るほど出て来る内容はエロ犬以下の道徳観のものばっかり。あいつ、向こうの世界では相対的に常識人だったのかもしれない。

 

「想像してみてください。貴方がレズックスをしろと強要すると、親友の女の子同士がお股とお股を重ね合わせて、ごめんねと言い合いながらお互いのモノを擦り合わせる光景をっ!」

 

 恍惚とした笑みで、こいつは語り始めた。

 

「最初はお互いを励まし合っていたのに、時間と共に互いが快楽に呑まれて快感を貪りながら獣の様な口付けを交わすっ!!」

 

 こいつの言葉を聞き流しながら、妄想を始める。勿論、内容はオナニーしてた女の子の僕が、お母さんに現場を発見される絵面。

 

「そうして耐えきれなくなり、快楽が頂点に達して二人で潮を巻き合う!!」

 

 ……うん、出来た。相変わらず、毎秒不愉快な妄想だけど、頭がおかし過ぎるこいつらを見てると、勝手にノックもなしに部屋に乗り込んでくるお母さんだって、相対的には天使みたいなものだし。

 

「相手に自分のお潮が掛かるのを見て、気まずさと罪悪感の間に割り込んでくる征服欲!!! 最高ではないですかっ、そんな世界をあなたの思いのままに出来るんですよ?」

 

 バカみたいな早口で、それでいて声がデカい変態の演説が公園中に響き渡る。その最中で、僕は唱えた。語りながら勃起しているこいつの物を、今すぐ干物にしてやる気持ちを乗せて。

 

「”思春期の息子が部屋を閉め切ってたら、シコってる最中なんだよそれは!! 見ろよっ、この無惨に萎えたチ◯コの姿をよぉ!”」

 

 一息に言い切る、隙なんて与えない。

 変態おじさんは、淡く光り始めた。

 これで僕の勝ち、おじさんは不能になったはずだから。

 

「こころ、やったの?」

 

「うん、鈴。とりあえず、このおじさんを一回蹴ってから帰ろう、う?」

 

 蹴るためにおじさんに目を向けて、そこで気がついた。

 ──どうしてか、おじさんが不敵に笑っていることに。

 

「こころ、まだ油断できない」

 

「……うん」

 

 鈴に注意されて、落ち着いておじさんを見てみる。さっきまで勃起していた筈の股間は、確かにおとなしくなっている。もう、射精なんて出来ないし、ムラムラだってできない筈。なのに、おじさんは平然としていた。

 

 ……なんで?

 

「ウキョ、ウキョキョ。まさか性交渉に来たところを、不能にされるとは。流石は未開発人、言葉が通じません」

 

 そう言うと、おじさんはズボンから何かのスイッチを取り出した。それを、躊躇なく押すと、急におじさんは震え出して。

 

「ウキョ、ウキョキョ~ッ!

 来ました、来ましたよコレェ!!」

 

「何?」

 

 突然の雄叫びに、戸惑ってた鈴がボソリと呟いて。耳ざとく聞き取ったおじさんは、満面の笑みを浮かべながら答え始めた。

 

「我々が何も対策せずに、ここに乗り込んできたと思い込んでいたのは精子千万! 手淫の種が割れているなら、精子の数だけ手段はあるものです!」

 

「きっしょ」

 

 なら、無数の精子同様にさっさとくたばれ。そんな僕のお気持ちを無視して、おじさんが薄らと発光し始める。これは──魔法の反応!?

 

「ま、魔法はもう使えないはずじゃ!?」

 

「我が魔法は、射精のムラムラによって成すものに非ず。ドライオーガズム、アクメのムラムラによって成しえるモノなのですっ!

 残念でしたねぇーーーっ」

 

「そんなの聞いてないんだけど!!」

 

 あまりに理不尽すぎて、キレそうになる。後出しジャンケンもいいところ、ふっざけんなっ!

 

「こころっ!」

 

 鈴の呼び掛けでハッとするが、おじさんの魔法は既に発動の準備を完了していた。ニタリと笑うおじさんに、嫌な汗が背筋を伝う。

 

「もう遅いですよ! "クジラの潮吹きは呼吸というが、女の潮吹きはアクメである。つまり自身を鯨と思えば、毎秒アクメをキメられる! お前は今日からアークメクジラだ!!"」

 

「何だよそれっ!」

 

 ふざけた詠唱だが、発動してしまったそれは止められない。身を固くするけど、防げなんてせずに僕は淡く発光して。それで……。

 

 ──なんか、お腹が熱くなった。

 

「な、何、これ……」

 

「こころ?」

 

 変な感触がする。思わず、その場でへたり込んでいた。

 息が熱くて、身体の感覚が鋭敏過ぎる。

 そして何より──お股がウズウズして、何かがジクジクする。

 

「なに、したんだよ。この、へんっ、たい!」

 

 明らかにおかしい……多分、えっちな気持ちになっちゃってる。

 それが許せなくて目の前のおじさんを睨むと、きしょすぎる笑顔で、エッチな僕を見て楽しんでる視線をこっちに向けていた。

 

「ウキョキョ。先性口撃、つまりはフェ◯を仕掛けてきたのはそちらなのですがね」

 

「う、うるさい、変態!」

 

 耐えきれずにお股を抑えると……ビクッて甘い何かが走る。

 

「あっ、んっ」

 

 背筋が伸びて、もっと強い力で抑えちゃいそうになる。でも、そんなことしたら、もう元に戻れない気がして出来ない。けど、抑えないと何かが出ちゃいそうっ。

 

 ……どうすれば良いの?

 

「ですが、君の今の姿はエッチ過ぎますから、そのお礼に教えてあげましょう。──君の身体は、潮吹きするために気持ちよくなっているのですよぉ!」

 

「なっ」

 

 必死に我慢してる中で、そんなことを伝えられた。潮吹き、女の子が気持ちよくなってると出ちゃうアレ。エッチな漫画でしか知らないものを、僕がしようとしちゃってる。

 

 我慢してるのに、すればする程ムズムズが酷くなる。このままじゃ、きっと……。

 

「リーダーから、TS魔法少女の仕様を聞いてありますよぉ。何でも、メス堕ちすると男に戻れないとか」

 

 おじさんは楽しそうに、嬉しそうに笑っていた。愉快で仕方ないって、そんなことを。

 

「ならば、男に戻る心配をなくしてから、我が無限噴水アークメ天国へと招待してあげましょう。当然ながら、こちらも男を潮吹きさせる趣味はないですからね」

 

「ふっ、ざけんっ、な!」

 

 息も絶え絶えになりながら、おじさんを睨みつける。こんなの、絶対に負けたくない。

 

 ──なのに、身体は勝手に気持ち良くなろうとする。

 

「……やだ、よっ」

 

 メス堕ちなんて、絶対にしたくない。僕は男だし、これからもずっと男のままで居るつもりなのに……っ。

 なのに、身体がいうことを聞いてくれないっ!

 嫌だよ、こんなの!!

 

「おや、泣いてしまうくらいに気持ち良いのですか?」

 

「泣いちゃうくらい、悔しいんだよっ」

 

 ふざけてる、こんな姿、鈴に見られたくなかった。

 あれ、鈴、居なくなってる? もしかして、さっきのうちに逃げてくれた?

 ……だったら、良かった。

 

 僕がやられちゃったら、鈴までエッチなことされかねないもん。そんなことになったら、僕は一生鈴に償えなくなる。女の子がエッチなのを怖いって思う気持ち、今の僕はすごくわかっちゃってるし。

 

「中々頑張りますねぇ。並みの女子なら、3分もあれば達してしまう、自慢の潮吹き魔法ですのに。どうやら、君には快楽をうちに溜め込める才能があるのですねぇ!」

 

「ぼ、くはっ、えっちじゃないっ!」

 

「いいえ、えっちです。今の君の姿を見たら、誰しもがそう思うでしょう。ですが、惜しいですね。君の才能があれば、我らがNTR推進魔法も疾く発動できるでしょうに……」

 

 おじさんはニヤつきながら、僕を舐める様に見つめて。

 

「どうでしょう。君が望むのならば、やはり我らと同盟を組みませんか? 男に戻って、このおち◯ちんランド思うがままに致しませんか?」

 

 きっと、戯れの最後の提案。僕が完全にメス堕ちしたら、もっとこいつは好き勝手にするんだろう。だったら、大人しく頷いておいて、隙をみて裏切るのもアリなのかもしれない。

 

 ……でも。

 

「例えこのまま潮吹きしちゃっても、そんなのお断りだよ!」

 

 死んでも、こいつらと手を組むなんてゴメンだった。僕が裏切るまでに、エロ犬への嫌がらせとして、この街の人たちに酷いことをしない保証なんてないから。エッチな魔法で酷いことになった街なんて、僕は見たくないっ。

 

「ウキョキョ、流石はパコリイヌが見込んだ魔法少女! 正直、飲まれてしまったらつまらないと思っていたのですよぉ!」

 

「死ね!!」

 

 荒く息を吐きながら、僕は精一杯こいつを睨みつけて。

 

「何でしょう、イクのを我慢している顔ですか?」

 

「お前は許さないって顔だよ!!」

 

 例えメス堕ちしちゃっても、こいつだけは許さない。絶対に滅ぼしてやる。そう決意を固めて、僕はギュッと目を閉じた。一秒でも、一分でも長く我慢するために。

 

「ウキョキョ、全くもって無駄なことを! ですが、快楽を我慢している女性が一番美しいとも言います。その間、存分にあなたを──」

 

 長々と話していた、おじさんの言葉が止まった。そして、僕も感じた。エッチな意味じゃない。誰かの魔法反応を、公園内のゴミ箱付近で。

 

 ──そうして。

 

「やっぱり、一人じゃダメ」

 

 そこに立っていたのは、白と緑のハイレグを基調として、所々にリボンやフリルが装飾された女の子の姿。髪は緑色になってて、けれども瞳は変わらない嘘がつけなくなる緑。間違いようのない、僕と一緒の魔法少女のいでたち。

 

「私も一緒に、戦う!」

 

 そう告げた彼女の肩には、キモいぬいぐるみの犬が一匹乗ってて。状況を理解できて、泣いちゃいそうになった。

 

「あなた達がNTRのために戦うなら、私は純愛と幼馴染のために戦う。魔法少女シコティッシュベル──あなた達の死、不能請負人だよ」

 

 出そうになってた涙が引っ込む。僕の頼りになる幼馴染魔法少女は、名乗りも口上も何か変だった。

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