抜きゲーみたいな帝国から来たマスコットにTS魔法少女にされた僕はどうすりゃいいですか?   作:ペンギン3

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第22話 緊縛発情読み聞かせプレイ

「ねぇ、待って。本当に待ってよ!」

 

「どうしたパコか、こころ?」

 

「なんで僕、ロープでぎゅうぎゅうに縛られてるの!?」

 

 僕は今、何故かロープで変な縛られ方をして、自分の家の部屋に転がされていた。お父さんとお母さんは働きに出てるから、誰にも見られる心配はないけど、それはそれとしてどうしてこんなことに……。

 

「許して、こころ」

 

「許すも何も、意味わかんないよ……」

 

 しかも、僕を縛った下手人の鈴は、ずっと挙動がおかしかった。許されたい意志は微塵も感じないし、僕の方を見遣っては顔を赤くする。……本気なのかな、さっき言ってたこと。

 

『こころとのキスシーンで、初めての自慰行為を、とても過酷なものにする』

 

 聞き間違いかと思った、そんな言葉。しかも、僕達に刻まれた淫紋すら利用するって言ってる。明らかに正気じゃない鈴に、僕は必死に目で訴える。

 

 "鈴、オナニーはこっそり、1人でやるものなんだよ"って。

 

「……こころ、分かった」

 

「分かってくれたの、鈴?」

 

「うん──初めてだけど、ちゃんと気持ちよくなるから」

 

「違うよ!?」

 

 今までにないくらい、鈴は赤くなってそんなことを宣言する。僕の今の訴え、"僕でオナニーするなら、絶対に気持ちよくならないと許さないよ。シてる最中の鈴の指は僕の指だし、イっちゃった時は全部僕も一緒に出してるってことだから"とか思われちゃったの!?

 

 僕がそんなにエッチな訳ないだろっ!!

 

「諦めるパコ、こころ。こころはこの後、鈴の脳内で犯され続けるパコ。エッチなこころにはお似合いの末路パコね?」

 

「このエロ犬っ。こっちが縛られてるからって、好き放題言って! あとで覚えてろよ……っ」

 

「……エッチなこころが、パコをパコってくれるってことパコか?」

 

「エッチなお前を、完膚なきまでに破壊するってことだよ!」

 

「完膚なきまでにパコのパコを破瓜させるパコ!?

 ……ごめんパコ、こころ。お尻の処女は、既に嫁にあげちゃったパコ。せめて、こころのお◯んこをしゃぶるから、それで許して欲しいパコ」

 

「ふざけんな!」

 

 きしょ過ぎるこいつに手が出せない苦しみから、僕はその場でのたうちまわった。エロ犬は、エロ犬のくせに哀れみに満ちた顔で僕を見下ろしている。死ねばいいのに。

 

「パコリイヌ、こころにエッチしちゃダメ」

 

「弁えてるパコ、こころの初めては鈴のものパコからね」

 

「初めて以降も、全部私のもの」

 

「これは一本(チ◯コの単位数)取られたパコ。こんなに愛されてて、こころは幸せパコね?」

 

「縛られてるんだけど!」

 

「愛してるほど、束縛したくなるものパコよ」

 

「物理的すぎるっ」

 

 いくら鈴相手でも、緊縛放置プレイをされるのは許せない。そもそも、なんで僕がそんな目に合うのか、本当に意味がわからない。淫紋を発動させて、僕の性癖を緊縛プレイに仕立て上げようとするエロ犬のクソみたいな陰謀なの?

 

「鈴、せめてロープは解いてくれない?

 肌に擦れて、普通に痛いよ……」

 

「こめん、こころ」

 

 悲しいことに、鈴はこのロープを解いてくれそうにない。何がそこまで鈴を掻き立ててるのか謎だけど、僕はこのまま我慢するしかないみたい。

 

「でも、こころがメス堕ちしないためだから……」

 

「何しようとしてるの!?」

 

「オナニー」

 

「そうだったっ!」

 

 小声で、恥ずかしそうに告げた鈴に、もう何を言えばいいのかわかんなくなる。さっきまで堂々としてたのに、なんで急に恥ずかしがってるの、鈴……。

 

「好きな人に、無理やり言わされたパコからね。羞恥プレイが上手いパコね、こころ」

 

「……何も喋ってないんだけど?」

 

「エッチなことには、パコの股間センサーはビンビンになるパコから」

 

「……滅びれば良いのに」

 

 畜生のエロ犬に見透かされて、捨て台詞を吐くしかなかった。鈴は分かってくれないのに、なんでこいつに理解されなくちゃならないんだ。世の中、色々と間違ってるよ……。

 

「こころ、大変だと思うけど頑張って」

 

 "私も頑張るから"と言い残して、鈴は僕の頭を撫でてから去っていった。……こんなので頑張る宣言されても、困るんだけどね。

 

「こころ、覚悟するパコよ」

 

「何を?」

 

 何故か一緒に残っているエロ犬が、意味深なことを言う。そして、意味深な目線を、僕のお股に向けてきた。……殺されたいのかな?

 

「僕にエッチなことしたら、本当に殺すからね?」

 

「それは誘い受けパコか?」

 

「フリじゃないから」

 

「ムズムズしてもパコか?」

 

「殺すよ」

 

「ムラムラしてもパコか?」

 

「殺すよ」

 

「善意の手淫でもパコか?」

 

「殺すよ」

 

「分かったパコ。こころに何があっても、クンニリングスをしないと宣誓するパコ!」

 

「エロいこと全般を禁止しろ!」

 

「クンニリングスを含む、ムラムラクリーニング行為をしないと宣誓するパコ!」

 

「よし!」

 

 何が良しなのかはわからないけど、とりあえず口にして。そういえば、どうしてこうなったのか思い当たったことが一つあった。

 

 鈴は淫紋を使って、とんでもないエッチをするつもりなんだから、当然僕の淫紋も発動してしまう。お互いの距離が離れた時に、発動してしまうものだから。

 

 だったら、淫紋が発動した僕は……オナニーをしちゃったりしないために、ロープで縛られちゃったの?

 

 そこまで思い至ったところで──ドクンと、何かが疼いた。

 

「な、に?」

 

 身体が熱い。熱に浮かされてる感じじゃなくて、ジンジンとお腹の奥が燃えてる。ジクジクと、何かが脈動している。

 

「何、なの、これっ」

 

「遂に来たパコね」

 

「エロ、犬っ。

 なに、したっ!!」

 

「シてるのは鈴で、パコじゃないパコ。パコパコパコよ」

 

 お腹を抑えたいのに、ロープでグルグルにされていてそれが出来ない。それが苦しくて、悔しくて……切なくて。エロ犬を睨みつけると、コテンと90度頭を傾けて。

 

「オーラルセッ◯スは不倫じゃないから、クンニしろよオラぁっ! ってことパコ?」

 

「ふ、ふれたら、ころすっ!!」

 

 必死に身じろぎしながら、エロ犬を威嚇する。──エロ犬に触られて、変な気持ちになんて絶対になりたくないから。触られたら、もう僕は舌を噛むしかなくなる。自決して、鈴にごめんねって伝えるしかない。

 

「鈴ともこころとも、約束したパコからね。こころに焦らしプレイをして、悶えるこころを楽しむことにするパコ」

 

「ふっ、ざけるなっ!

 これ、とめてっ!!

 えろまほう、もうやめろっ!!!」

 

「止めるも何も、淫紋が発動してるパコから、鈴が満足して戻ってくるまでそのままパコ」

 

 しばらく、このまま?

 鈴が戻ってくるまで、この熱いの止まらないの?

 

「……うそ、つくなっ!」

 

「嘘じゃないパコ。イったパコよね、パコがつくのは嘘じゃなくてオ◯ンコパコって」

 

 ……そんなの、酷い、酷すぎる。

 身体がウズウズしてるのに、こんなにウズウズしてるのに、何も出来ないなんて、そんなのっ!

 

「っ、なにか、はなし、して!」

 

 歯を食いしばって、不平を飲み込む。

 鈴が何かしてるなら、鈴なりの考えがあるはずだから。……鈴は、光くんの魔法でイかなかったから。鈴は我慢出来たのに、僕が出来ないなんて、そんなことないはずだから。

 

 だから鈴、早く戻ってきて!

 

「エロい話かどエロな話、どっちがいいパコ?」

 

「かす、いぬっ!」

 

「なるほど、パコについての猥談パコね」

 

 気を紛らわせるためにエロ犬に話を求めたら、気をおかしくした返事が帰ってきた。こいつはやっぱり、狂ってると思う。

 

「それでも、いいからっ!!」

 

 でも、もうなんでも良かった。

 この身体が、お腹が、あそこが……とにかく、意識しないで済むように出来たら良いから、エロ犬のカス話でも無いよりはマシだと思えた。

 

「今日のこころは素直パコね。そんな良い子なこころには、特別にエ本の読み聞かせをしてあげるパコ」

 

 エロ犬にしてはマトモなことを言って、本棚から一冊の本を取り出してきた。あの本、確かあれは、宮沢賢治の……。

 

「注文の多い風俗店パコ」

 

「ばかっ、えろっ、いぬっ!」

 

 違った、全然違った。僕の部屋にそんな本はないし、そもそもあいつが手にしてるのは、宮沢賢治の注文の多い料理店だ。こいつは、その場で原作レイプ(物理)しながら、読み聞かせを始めたのだ。

 

「二人の若い紳士が、未使用のピカピカ一物をぶら下げながら、二人よりも立派な一物をしたバター犬を連れて、膣内の奥みたいな山奥までやって来ていたパコ」

 

「か、すっ」

 

「ピカピカ一物パコから、チ◯カスは付着してないパコよ」

 

「おまえ、が、だよっ!」

 

「残念なことに、パコのぬいぐるみは射精機能がないパコから、汚れようがないパコ」

 

 通じない日本語のまま、こいつは宮沢賢治の作品に汚泥を擦りつけるような音読を続ける。死ねば良いのに。

 

「山は酷く淫猥で、連れ歩いていたバター犬は泡を拭きながら射精して果てたパコ」

 

 山に淫猥も何も無いはずなのに、こいつの目には山は女の人の胸にでも見えているのか。山を見る度に、"Zカップパコね"なんて言ってるに違いない。バター犬の代わりに、こいつが死ねば良いのに。

 

「紳士たちは、バター犬の射精に涙を流しつつ、自らも強い射精感に襲われて弱気になっていたパコ」

 

 そもそも、何でこいつらは下半身丸出しで歩いてるんだよ。頭がおかしい変態なの? だから、唐突に射精しそうになってるの?

 

「そうして、射精を我慢しながら彷徨っていると、一軒のご立派な風俗店、にゃんにゃん亭を見つけたパコ」

 

 多分、そいつらは風俗店に行くためにこの山に来てたんだ。……店に入る前から、下半身を露出してるけど。なんで露出してたのかは、意味不明すぎるけど。

 

「扉にはピンクの文字で、"当店は注文の多い風俗店でありますからどうぞご承知ください"と書いてあったパコ。多分、本番の前に風呂に入れられたりするタイプの風俗店パコ。マナー講師のチ◯ポをシャブって、指導してもらったパコね」

 

 内容も酷いけど、注釈まで酷い。原作レイプする人達が、酷く恨まれてる理由を理解する。二次創作する時は、絶対に原作をリスペクトすると心に決めた。多分、小説自体書かないけど。

 

「二人は逸物を漲らせながら店の膣内に入ると、処女膜の如くまた扉があったパコ。それも、マトリョーシカ処女膜扉が何度もパコ。扉を潜り抜ける度に、再生する処女膜扉は、猫耳を付けて衣服をこちらのワンピースに着替えてくださいだの、一物と金玉をここに置いていってくださいだの、乳首を開発してクリ◯リスの皮を脱帽させてくださいだの、徹底的に入店した二人を焦らし続けたパコ」

 

 ……カスみたいな情報が多すぎて、頭がおかしくなりそうっ! なんか途中から、注文の内容が明らかに狂ってるし!!

 

「二人は焦らしプレイに快感と性感を高めながら、ここは高級風俗店に違いないと高くなった声で互いに話し合いながら扉の指示に次々と従っていったパコ」

 

「ばか、すぎっ」

 

「バカ好き? そうパコね、パコもこういう展開、バカみたいに好きパコ!」

 

 登場人物の二人もバカすぎるけど、エロ犬がバカでカス過ぎて日本語が通じない。エロ犬の知能に合わせたレベルに、宮沢賢治をランクダウンさせたらこんな話になるんだと思う。色々と終わってる、才能的な意味合いで。

 

「そうして遂に、二人は最後の扉まで辿り着いたパコ。そこには、こんなことが書いてあったパコ。"色々と注文が多くて焦れたことでしょう。いま、あなた方の身体は途轍もなく敏感になっているのです。よく我慢できました、後はもうこれだけです。どうか身体中に、この壺の中の媚薬を、全身に塗りたくってください"とあったパコ。そこまで来て、ようやく二人はこの店が客に風俗を提供する店ではなく、客を風俗嬢に仕立て上げる店だと気が付いたパコ」

 

「はやくち、すぎ。きもちわるい、おたくみたい」

 

「TS展開のことになると、パコは無限に早漏になるパコよ!」

 

「しねっ!」

 

「イけ、の間違いパコ、こころ」

 

 ゴミみたいな強要に従わず、僕はエロ犬を睨み付けた。早く続きを読めと、ヤケクソ気味に。

 

「こころは欲しがりさんパコね?」

 

「はやく、しんでっ」

 

「早くイってとイってくれたら、パコも続きを読むパコ」

 

「っ、早くイって!!」

 

「こ、こころの口からそんな言葉が聞けるなんて、今日は最高の日パコ!」

 

 僕に取っては最悪の日だけど、ここでエロ犬のおかしさに振り回されないと、お腹の中のヘンなのに負けちゃいそうだから。だから、尊厳を捨てて、エロ犬に訴えて。

 

 エロ犬は、アヘ顔を見せつけながら、本の続きを読んでくれた。心の底から、死んで欲しかった。

 

「慌てて二人は逃げ出そうとして、けれども、最後の部屋自体が、セッ◯スしないと出られない部屋だったのパコ。そのことに絶望して、二人は下の口だけでなくて、目から涙が止まらなくなったパコ」

 

 それはそう、僕も男にエッチなことされそうになったら、多分泣くし。……無駄に共感してしまうのが、すごく小癪に感じる。エロ犬は責任をとって、死んでほしい。

 

「二人は覚悟を決めて、レズセを敢行しようとしたところで──射精して逝ったと思っていたバター犬達が、セッ◯スしないと出られない部屋に、一物を滾らせながら飛び込んできたパコ! その勢いのまま、二人揃って獣姦したところ、店の奥からにゃーんと、悲しみを湛えた店主の声が聞こえたパコ。多分、猫派だったパコね。そうして、気が付けば風俗店にゃんにゃん亭は跡形もなく消えていたんだパコ」

 

 ……なんで二人揃って、普通に犬たちとそんなことをしてるのか。もっと嫌がって然るべきだし、元からバター犬を何で引き連れていたのか、最初から最後まで謎のままで終わってしまった。そんな謎、知りたくもないけど。

 

「そうして、二人は無事に東京まで帰ることが出来たパコが、店と一緒に消えた一物と金玉は二度と戻らず、二人は紳士ではなく淑女として人生を歩んでいくことになったパコとさ。おしまいパコ!」

 

 ……本当に終わってる。カスみたいな展開から、知能0な登場人物たち。許されないほどに、崩壊している物語。

 

 宮沢賢治先生、本当にごめんなさい。罪があるのは、そこのエロ犬だけなんです。原作レイプ小説を読んでも、どうか書いた側と一緒に裁かないでください……。

 

 ──けど、ごめんなさい。どうか、今は、今だけはっ。

 

「もっと、きかせてっ!」

 

 この頭が悪くて、カスそのもので、許されざる物語が、僕の頭をおかしくして、気を逸らしてくれている。この──エッチな気持ちから、気持ちよくなりたい気持ちを遠ざけてくれる。

 

 エロ犬のカスさだけが、今の僕の生命線だから、それに身を委ねるしかなくて。悪いことだって知りつつも、僕は耳を傾けざるを得なかった。

 

「おぉ、おおっ! こころがデレたパコ! 普通にパコも嬉しいパコ! こんなに嬉しいのは、娘に猥談の読み聞かせをして、もっととせがまれたとか以来パコ! よーし、パパは頑張るパコよぉ!」

 

 こうして、僕とエロ犬による、カス過ぎる一夜物語が始まった。頭をおかしくすることでエロに対抗してるけど、あまり聞きすぎると僕の頭もおかしくなっちゃうから。

 

 鈴、本当に早く帰ってきて。オナニー、いっぱいしすぎないでね……。

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