抜きゲーみたいな帝国から来たマスコットにTS魔法少女にされた僕はどうすりゃいいですか?   作:ペンギン3

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第5話 児童ポルノ

 あれから数日、何事もなく平和に日々が過ぎていった。あまり考えたくもないけど、異世界から来た狂人たちは射精管理に失敗してるんだと思う。早くテクノブレイクすれば良いのに。

 

 あの日が前期最後の登校日で、今は夏休みの最中だから学校はないけど、やっぱり僕は女の子のままなので家にも帰れてもいない。両親たちには、鈴の家でお泊まりデートをずっとしているって説明が通っている。……うん、お泊まりデート。

 

『暫くこころを私の家で預かる、おじさんとおばさんにそう連絡してもいい?』

 

 鈴からそう提案されて、その言葉に甘えた結果、なんかそういう事になってた。スマホのSNSには、両親から上手くやっているのかみたいな通知がポップしている。届く通知の中身は、本当にお節介な内容が詰まってて、そろそろ着信拒否したい気持ちでいっぱいだった。

 

 エッチなことは責任取れる様になってからとか、何かあったら鈴のおじさんやおばさんに申し訳が立たないとか、子供はお前には早すぎるだとか、鬱陶しいくらいに送ってくるのが本当に嫌。最初は心配かけてごめんって気持ちだったけど、そろそろムッとしてきて。

 

 ヤケクソ気味に、赤ちゃんってどこから来るの? と送ったら通知がやっと静かになった。今頃、お父さんとお母さんは、キャベツ畑にでも思いを馳せてるのかもしれない。このまま、静かにしててくれると良いんだけど。

 

 

「こんな昼間から携帯で何してるパコか、ゲームでもして遊んでるパコ? そんなことしている暇があるなら、携帯よりマ◯コ弄るパコよ。その方が魔力が高まって有意義パコ」

 

「死んで?」

 

 今日は鈴が用事で出かけており、僕達はお留守番の最中。本当なら、寂しく一人でぼーっととしているところだけど、エロ犬はよく喋る生き物で今日もとっても騒がしい。

 

 最初は動揺していたこいつの言語も、最近ではあまり驚かなくなってきてる。僕の精神は、少しずつ汚されちゃってるのかもしれなかった。

 

「あのさ、本当にエッチな気持ちになるしか、魔法を使う方法ないの?」

 

 そんな現状に危機感を抱いて、埒もない質問をしてしまった。多分、こいつらの世界は大気じゃなくて海綿体で覆われてるだろうから、無意味な質問になるだろうなって思うけど、我慢できなくて。

 

「あるパコよ。凄く遠回りで、とても非効率的な方法パコが」

 

「え、本当?」

 

「催眠アプリで事足りるのに、ナンパから始めるような面倒くささがあるパコよ? 絶対にやめた方が良いパコ」

 

「いやいやいや、そっちの方がまだ許されそうだよ!」

 

 だから、他の方法があるって事が本当に意外だった。エロな気持ち以外に、魔力に出来るんだって事実が何より驚きだ。

 

「それで、その方法って?」

 

 ドキドキしながら尋ねた。もしかすると、僕はエロな妄想をしなきゃいけない状況から解放されるんじゃないかって期待感が膨らむ。魔法を使う度に、また鈴の肌色を想像することになったら、気まずさが止まらなくなりそうだし。

 

「他人に好意を抱かれることパコ」

 

「好意?」

 

「こころと繋がってパコパコしたい、こころの膣内でイキたい。そんな気持ちのことパコ」

 

 こいつに一瞬でも期待した、僕がバカだった。要するに、それって僕じゃなくて他人の性欲でも可だというだけのことだし。

 

「どうしたパコか? そんな、これからSMプレイを始める女王様みたいな目をして。パコは妻帯者パコよ、やむを得ずこころにイカされたとはいえ、全然屈してないパコ」

 

「エロ犬が独りでに出しただけで、そんなことしてないっ!」

 

「嘘パコ、パコは一回の射精で30人分も出したりしないパコ。こころの魔力に愛撫されて、恐ろしい快楽の世界に連れて行かれたんだパコ」

 

「30人分の射精して、なんで生きてるの?」

 

「パコの金玉は狸くらいデカいパコからね、これがなければ即死だったパコ。でも、そのせいで、マイワイフと精子を掛けたエロワイヤルをしようと貯めてた金玉精子バンクが、すっかり残高0になったパコよ」

 

 こころ恐慌で破産パコ〜、なんて宣っているのが、相手にするまでもなく最悪だった。破産じゃなくて破裂すればよかったのに。

 

「とりあえず、エロ犬の話は話半分に聞かないと面倒だってことが分かったよ」

 

 ため息混じりにいうと、エロ犬はウンウンと頷いて。

 

「そうパコ、恋愛は挿入するところから始まるパコ。Hの後にIは訪れるパコからね」

 

「歪んだ解釈すぎる……なんで恋愛?」

 

 どうして急に、こいつは恋愛の話とかしてるんだろうか。エロの話ばっかりで、そんな兆候なんて全くなかったのに。

 

「ナニって、こころが尋ねてきたことパコよ」

 

「意味が掴めないよ」

 

 さっきこいつは、確か僕とエッチしたい他人の気持ちが、魔力に変換できるとか言っていた、はず。それと恋愛に関係性は……。

 

「こころは変な奴パコね。こころに挿入したいという気持ちは、間違いなく恋パコ」

 

「えぇ……」

 

 相変わらず、異世界人の頭はおかしいのかもしれない。ちょっと引いた。だって、恋愛=エッチになってるから。明らかに方程式がおかしい。

 

 恋愛ってこう、何というか甘酸っぱかったり、ドキドキしたり、いっぱい相手のことを考えたりしちゃうみたいなものだし、多分。少なくとも、出会ってその場で即エッチなんてのは恋愛じゃないと思う。

 

「そういう意味では、パコもこころに堕とされかけたパコ。こころ、男性を射精させる才能あるパコよ。担当として、誇らしいパコ」

 

「は?」

 

「もし魔法少女として自信が持てなくても、こころは38歳男性の国会議員を絶頂させた事実を胸に刻んで生きて欲しいパコ。それが、今後のこころの人生の財産になる筈パコから」

 

「毎秒穢らわしい話をしないで」

 

 "良い話したパコね、亀頭が温まりそうな話だったパコ"と自慢げなエロ犬をベッドに放り投げた。こいつ基準では、今のが心温まるお話だったらしい。

 

 学校の校長先生とか政治家にはしちゃいけないタイプの変態だ、早くクビになればいいのに。

 

「取り敢えず話を纏めると、エッチな感情だけじゃなくて恋愛感情でも大丈夫ってこと?」

 

「最終的にパコるんだから一緒パコでは?」

 

「一緒じゃないよ」

 

「童貞っぽい考え方パコね」

 

「うるさいよレイプ魔」

 

「だから純愛と言ってるパコ!」

 

 そんなキュウリの栄養価くらいの会話をしている最中、スマホが震える。鈴から、SNSにメッセージが届いていた。アプリを開けて、鈴とやり取りをする。エロ犬との会話に少し疲れてたし、ちょうど良いタイミングだった。

 

『ごめん、帰り遅くなる』

 

『別に良いけど、買い物に行くって言ってたよね。何買ってるの?』

 

『エッチな本、買おうとしたけど失敗した。次の店では上手くやる』

 

『何してるの!?』

 

『エッチなイメージをもっと上手くするための買い物』

 

 とんでもないことを、サラリと鈴は伝えてきた。明らかに、これまでのことが鈴の教育に悪影響を与えているのは火を見るより明らかだった。僕同様、鈴も汚れてしまっていたのだ。ごめんよ、こんな事情に巻き込んじゃったからだよね……。

 

『だから、ご飯は自分で作って。

 あと、お醤油はないから、買ってきて』

 

『りょ。

 程々で諦めて帰ってきてね』

 

『うん、今度はもっと上手くエッチなこころを想像するね』

 

『そんなことしなくていいから』

 

 両親には絶対に見せられないやり取りをして、僕は立ち上がった。お醤油を買わないといけないし、ついでに他の食材も見て回りたかったから。

 

「唐突に勃起して、どうしたんだパコ」

 

「立ち上がることを勃起とか言わないで、殺すよ?」

 

「命が軽い世界パコね、おち◯ちんランドは」

 

「軽いのはお前の命だけだよ」

 

「確かにパコの金玉は、射精しすぎて軽いままだパコが」

 

「脳みその方が遥かに軽そう」

 

「海綿体パコからね」

 

 やはりそうだったかと得心して、買い物に行こうとすると何故かエロ犬は付いてこようとした。ストーカーかな?

 

「お前、留守番してて」

 

「それは良くないパコ」

 

「どうして?」

 

「何かあった時、こころと離れていたら詰むパコ。本番を前にして、EDと化す様なものパコからね」

 

 絶妙に嫌な例えを出しつつ、エロ犬は僕の肩に飛び乗ってきた。反射的に振り落とすけど、咄嗟に僕のお尻を掴んで意地でも離れようとしない。最悪すぎた。

 

「ど、どこ触ってるの!」

 

「ケツパコ」

 

「死んじゃえっ!」

 

 勢い良く、床にお尻からダイブする。勢いよく床へ下敷きにすると、ンホォ、というキモい呻き声が聞こえてきた。最高にキショい、何でちょっと嬉しそうなんだろう、このヘンタイは。

 

 

 

「パコパコパコ~。ガバち◯こ~、略してガチンコパコ~」

 

「口から去勢されたいの?」

 

 結局、こいつは無理やりついてきて、僕の肩に居座っていた。それだけならともかく、今も口が良く動いている。噂で聞く、お父さんクサイっていう娘さんの気持ちが分かってしまう。あれって本当にクサイ場合と、お父さんと口を聞きたくないから黙っててという意味合いがあるんだ。当然僕は、後者の気持ちでこいつのことがクサくてクサくて仕方なかった。

 

「ねぇ、ファブリーズしてもいい?」

 

「ファックリーズン? パコる理由なんて、気持ちいいからに決まっているパコ」

 

「どんな耳してるの、ファブリーズだよ」

 

 話しながら、辺りを見回す。こいつは終わっているエロ犬だけど、一応見てくれはぬいぐるみだから。誰かに見られたら、僕はぬいぐるみと話すメルヘン少女と化してしまうから。

 

「どうしたパコか、そんなにキョロキョロして。射精できない肉棒パコけど、パコの物を使うパコか?」

 

「助かる、丁度去勢したかったところ」

 

「ぱ、パコを玉無しに!?」

 

「本体の方だよ」

 

「ぱ、パコを竿なしに!?」

 

 ”パコが、パコられる立場になるパコ!?”と動揺した声を上げるエロ犬、女の人を何だと思っているのか。国連辺りに突き出したら、女性蔑視で火炙りにしてくれないかな、こいつ。

 

「全人類のためだよ」

 

「オチ◯チン=オマ◯マン二重帝国の国民のためにも、そんなことが許される筈が無いパコ! 次の選挙、ち◯こが無いパコは何でアピールすれば良いパコか!!」

 

「政策?」

 

「搾精パコか、素晴らしいアイデアパコね! それはそれとして、去勢は尊属殺人罪で1919年の禁固刑になるから嫌パコー」

 

 常々、こいつの国の法律とか制度はなんかおかしかった。実質終身刑じゃん、それともこいつは頑固な油汚れみたいに3000年生きたりするのかな。もしそうなら、ド汚いフリーレンになれそうだ。憎まれっ子世に憚りすぎだよ、もう少し恥を知って。

 

「そうなりたくないなら、そろそろ口を閉じて。誰かに見つかったら事だよ」

 

「──もう手遅れパコよ」

 

「は?」

 

 電柱の影パコと言われて、恐る恐るとそっちに視線をやる。するとそこには、変な人が居ると言わんばかりの視線で、防犯ブザーを片手にこちらを伺ってる小学生の男の子がいた。待ってよ!!

 

「君、違うんだよ。僕、怪しい人じゃないから!」

 

「誘拐犯みたいなセリフパコね」

 

「お前は黙ってて!」

 

 僕がエロ犬に対して大きな声を上げると、男の子はビクッと震えた。明らかに怖い人を見る目、凄く凄く心外過ぎた。僕、そんな目で見られるの人生で初めてなんだけど……。

 

「お、お兄さんは危ない人じゃないよ、信じて欲しいな?」

 

「お姉さんなのにお兄さんって言ってる。怪しい人だ!」

 

 そうだった、今の僕は女の子だ! 分かったから、その手に持ってる防犯ブザーを下ろして!!

 

「待って、本当に待ってよ! 今の僕は、君が防犯ブザーを鳴らせば直ぐにやっつけられちゃう弱いお姉さんだよ。だからお願い、話を聞いてくれないかな?」

 

 迂闊に近付いたら、即座にブザーの紐が引き抜かれる。そんな緊張感に満たされながら、僕と男の子は相対していた。嫌な汗が背中を流れて、これが(社会的な)死を感じさせられるって事なんだと実感する。眼の前の男の子は、今までの人生の中で一番の強敵かもしれなかった。

 

「き、君、分かってるの?」

 

「な、何がさっ」

 

「僕は、お醤油を買いに行きたいんだってことを!」

 

 僕に出来ることは、必死に無実を訴えることだけ。君に悪いことなんて何一つしないし、他の悪いことも何もしないってアピールをするしか無い。勝ち目がない、負けないためだけのアピールだ。

 

「じゃあ、その喋る犬は?」

 

「パコリイヌだパコ」

 

「お前は喋るな!」

 

 反射的にしばこうとしたけど、そんなことをすると男の子が怖がるかもしれない。落ち着くために軽く深呼吸をして、一言。

 

「これ、いる?」

 

 そっと、エロ犬を差し出した。これが、今の僕の出来る最大限の抵抗だった。

 

「……お姉さんの犬じゃないの?」

 

「ううん、野良犬」

 

「そうなの?」

 

「違うパコよ。パコは国家権力をしゃぶる犬、つまりはバーター犬なんだパコ」

 

「バター?」

 

「教育上不適切だから、本当にこれ以上喋らないで」

 

 エロ犬の口を塞いで、差し出すのをやめる。幾ら鬱陶しいとはいえ、害獣を小さな男の子に渡すのは間違ってる。理性と常識が、そう訴え掛けてきたから。

 

「とにかく、怪しいのはこの犬だけで、お姉さんは怪しくないよ」

 

「……そうなの?」

 

「そうなんだ」

 

 そっと、エロ犬を地面に下ろして、他人のふりをしてやり過ごす。地面に置かれたエロ犬は、何故かビクンビクンと震えていて気持ち悪かった。

 

「──こころ、事件だパコ」

 

 そして意味のわからないバイブレーションから一転、目を見開いたエロ犬はそんなことを叫んだ。もしかして、それって……。

 

「遂に来たの?」

 

「……違うパコね、パコが街中に張り巡らせた”勃起ってチ◯コが血を吸う行為だし、実質こいつはヴァンパイヤなんだよな。ヴァンパイヤハンターの俺には分かるよ、いまお前が勃起しているってことがよ!”に反応があったパコ。人数は一人、勃起を確認パコ!」

 

「相変わらずカスみたいな名前だけど、その魔法は?」

 

「魔法使いの魔力反応、つまりは勃起を検知できる魔法パコ。パコの魔力を全て使って、街全体に張り巡らせている魔法パコ」

 

「本当にカスみたいな魔法すぎるっ」

 

 嫌々だけど、僕はエロ犬を拾い上げた。鈴はいないけど、何かをしに異世界のヘンタイが現れたのは確かみたいだったから。今、そいつをどうにか出来るのは僕とエロ犬だけだし。……本当に、バカみたい。

 

「君、ごめんね! お姉さんたち、行かなきゃ!!」

 

「え?」

 

 ビックリしている少年を置き去りにして、僕は走り出した。この世界を、ヘンタイ色に染めさせないために。

 

 

 

 そうして、エロ犬の指示に従ってたどり着いたのは、お墓のある人気が少ないお山の方。必死に走った先に居たのは、怪しいローブを纏った一人の人間だった。

 

 そう、人間。エロ犬とは違って、ちゃんと人の形をしていた。その人物は、僕とエロ犬が現れたのを見て、くぐもった笑い声を漏らして。

 

 そして──。

 

「我らが怨敵パコリイヌ、そしてそのセフレよ。良くもヌケヌケと姿を現した」

 

 そんなゴミみたいな勘違いと共に、フードを脱ぎ捨てた。中から現れたのは、妙に哀愁の漂っている謎のロン毛のおじさん。だだ、その目だけは妙にギラついていた。

 

「我が名はポルノ。バベルの党公認サポーター、NTR推進委員会の広報に所属している魔法使いなるぞ」

 

 不敵に笑うおじさんに、エロ犬は"そんなパコ"と震えながら呟いた。

 

「誰?」

 

「こころ、こいつは危険人物パコ。通称、児童ポルノ。極度のロリショタ好きの魔法使い! ロリとショタをエッチしないと出られない部屋に閉じ込める魔法を使い、自分はそれでヌく異常者パコよ!」

 

 エロ犬の紹介に、目の前のおじさんはニヤリと笑った。最低最悪の人種だった、滅びれば良いのに。

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