父さんは【剣聖】、母さんは【剣神】、僕は【おち〇ぽチャンバラマスター】   作:枩葉松

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第6話 それは果てなき願いと希望の剣(ペニスカリバー)

 

 ――〈抜刀〉発動。

 

 その瞬間、視界は白い光に呑まれた。

 

 光の中で、何かが流れていた。

 

 慟哭。

 歓喜。

 狂乱。

 

 それは、戦いの記録。

 血の歴史。

 

 直観的に理解した。

 これは七星剣の伝説――かつて世界を救った、七人の【おち○ぽチャンバラマスター】たちの記憶だと。

 

「――お前が八人目の【おち○ぽチャンバラマスター】か」

 

 眼前に伸びる、七つの影。

 並々ならない気迫を纏うそれらの中で、ひと際存在感を放つ中心の影が僕に言う。

 

「勝てよ。そして証明しろ、お前が最強だってことを。その剣で、世界に刻み込め」

 

 膨大な光と共に影が収束し、ひと振りの剣と成った。

 

 光の粒を纏ったそれの銘を、僕は知っていた。

 なぜかはわからないが、持った瞬間に魂が理解した。

 

 

顕現()い、〝それは果てなき願いと希(ペニスカリバー)望の剣〟――ッ!!」

 

 

 声と共に光が弾け、隠されていた白銀の刀身が姿を現す。

 美しい。星々の瞬きを束ねたような鋼に、言葉を失う。

 それに初めて持つはずなのに、まるで自分の身体の一部のように手に馴染む。

 

「そうか……」

 

 何の異物感も、違和感もない。

 つい先ほどまで握っていた剣とはまるで違う。

 担い手は僕以外にいないと、刃の煌めきが語る。

 

「僕の剣は、ここにあったのか……!!」

 

 グァアアアアアアアアアアアア!!

 

 咆哮。

 そして、炎のブレス。

 

 絶体絶命の状況。

 

 右を見ればアトリアがいて、僕に全幅の信頼を置いた目をしていた。

 左を見ればミモザがいて、いつもの涼し気な目をしていた。

 

「――ありがとう、二人とも」

 

 僕の勝利を信じて疑わない彼女らに、心からの謝辞を贈る。

 

 岩をも溶かすその灼熱を前にして、呼吸は嵐のあとの空のように穏やかだった。

 この場に敗北を予感する者は誰もいない。

 

 ――二人が信じる僕は、どんなやつにだって負けないんだ!

 

「だぁああああああああああああああああああああ――ッ!!」

 

 やったことはなかった。

 しかし、できると確信していた。

 

 この剣と僕なら、レッドドラゴンの炎すら切断できると。

 

 閃光を放つ斬撃は、いとも容易く熱を相殺――否、レッドドラゴンを洞窟の外へ吹き飛ばす。

 

「――――ッ!?」

 

 踏み込み、前に出る。

 だが身体が羽毛のように軽く、放たれた矢の如く超スピードでレッドドラゴンとの距離を殺す。

 

 な、何だこれ。

 くそ、身体の制御が効かない!

 

 グルァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

 

 立ち上がり、怒りの叫び。

 空中で逃げ場のない僕目掛け、目一杯の炎を吐き出す。

 

 それをもう一度斬り伏せ、掻き消し。

 

「うおぉらああああああああああああああああああ――ッ!!」

 

 勢いをそのままに、横薙ぎに一閃。

 

 着地に失敗しゴロゴロと地面を転がり、すぐさま立ち上がって背後を確認。

 レッドドラゴンは振り返って僕を見つめ、何かを悟ったように喉を鳴らす。

 

 ――――ズバンッ。

 

 レッドドラゴンの硬い鱗に傷が走り。

 血が噴き出し、力なく横たわった。

 

 宝石のように綺麗な瞳に夜空を映し、そして最後に僕を見て、絶命した。

 

「うわ、すっごーい! レグルス君、倒しちゃったー!」

 

「流石です、坊ちゃま」

 

 洞窟から出てきた二人に抱き締められ、ようやく勝利の実感が湧いてきた。

 ――と同時に、息を飲む。

 

「〝それは果てなき願いと希(ペニスカリバー)望の剣〟……何なんだ、この剣……!?」

 

 レッドドラゴンの命を斬った、最後の一撃。

 

 横薙ぎの斬撃はやつだけに留まらず、見渡す限りの森の木々を全て切断していた。大勢の木こりが三日三晩仕事をしたあとのようなさっぱりとした光景に、僕は戦慄する。

 

 ―― 武太血(ぶったち)ゲージ低下 ――

 ―― ××××× ××××× ――

 

 ―― 〈抜刀〉の使用を停止します ――

 

 ふっと剣が手のひらから消滅し、途端に凄まじい疲労感に襲われた。

 射精後の気怠さを数百倍にしたような、そんな感じ。

 

 今にも意識を失いそうなのをどうにか耐えるも、膝を立てていられない。

 力なく倒れる僕を、二人は優しく支える。

 

「……ごめんね、二人とも。最後まで格好つけたかったんだけど、もう動けそうにないや……」

 

「謝らないでよ! レグルス君は頑張ったんだから!」

 

「坊ちゃまはどのような状態でも格好いいです」

 

「そうそう! それに大丈夫、あとであたしが癒してあげるから! とりあえずこのあたりは木が燃えてて危険だし、安全なとこ行こ?」

 

「……うん、そうだね。ありがとう」

 

 そう言って歩き出したところで、「おや」とミモザが立ち止まった。

 

「坊ちゃま、あれをご覧ください」

 

「えっ?」

 

 ミモザが指差したのは、レッドドラゴンの死体。その背中。

 よくよく目を凝らしてみると、歯型のようなものが刻まれている。

 

「何だ、あれ……」

 

「わかりません。ただあの傷は、かなり新しいものです。推測するに、このレッドドラゴンは何かに襲われ、逃げてきたのではないでしょうか」

 

「レッドドラゴンが逃げる……? どんなのに襲われたら、そんなことになるんだ……?」

 

 ドラゴンは誇り高い魔物だ。

 だから僕に斬られて怒ったし、執拗に追いかけ回してきた。

 

 どちらかが死ぬまで戦う、そういう生き物。

 襲われて逃げ出すなんて、そんな話は聞いたことがない。

 

 ……でも、もしそうだとしたら、この土地にやつが来たことに説明がつく。

 強大な何かに襲われ、敗北を確信して逃げて、あてもなく飛び回って……そして、ここへ流れ着いたのではないか。

 

 そういう仮説が成り立つ。

 

『ご先祖様曰く、【おち○ぽチャンバラマスター】とは特別なジョブらしい。世界に何か異変が起こった時、発現するものだと。ゆえにレグルス、お前のもとにはいずれ大きな運命が訪れるだろう』

 

 父さんの言葉を思い出す。

 

 ……大きな運命、か。

 もしかしたら、今日の出来事は何かの前兆なのかもしれない。

 

 一陣の夜風が、僕の白い髪を撫でて過ぎ去ってゆく。

 心地いい涼しさに混じる、微かな動乱の気配。その危険な香りに、僕はゴクリと唾を飲んだ。

 

「ところで坊ちゃま。先ほど私たちに責任を取るとおっしゃっていましたが、あれは本当ですか?」

 

「えっ? ……そ、そりゃあ二人から告白されて、キスまでして、僕が何も言わないってそんなの男じゃないし。それに僕も……す、好きだしさ? 僕でよかったら全力を尽くすよっ」

 

 うぅーっ、くっそー! 何だこれ、すっごく恥ずかしい!

 さっきは自然と好きって言えたのに、落ち着いた今はバカみたいに顔が熱くなる! 落ち着けよ、僕! こんなの格好悪いぞ!

 

「やったー! えへっ、へへぇ♡ レグルス君のお嫁さんかぁ♡ ダーリンって呼んでいい? あっ! あたし、子供は少なくても五人は欲しいなぁ♡」

 

「い、いやいや、気が早いよ! 僕にはまだ、そんな甲斐性ないし!」

 

「私は多くを望まないので、ご安心ください。坊ちゃま専用のチン媚びドスケベ肉便女として毎日私の淫乱クソ雑魚オ○ホールを本気孕ませ連続限界絶頂調教していただければそれで十分ですので」

 

「……僕にもわかる言葉で喋ってもらっていい?」

 

 

 

 

 ―― Congratulations ――

 

 ―― 〈抜刀〉レベルアップ ――

 ―― 〈抜刀〉Lv.01→Lv.02 ――

 

 ―― 武太血(ぶったち)ゲージ上限アップ ――

 ―― ××××× ××××× ××××× ――

 

 

 

 そんなもんの上限あげて、僕にどうしろっていうんだよ……。

 

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