トレセン学園職員の憂鬱 作:フェザーンの人
原作についてはちょろっとしか履修していませんし、なんなら史実の方が詳しいまであります
突き抜けたら私の勝ち!
…になりませんかね?
そんな感じなので、予めご了承くださいませ
アグネスタキオン
その名をトレセン学園で聞いた時、生徒や職員達はどの様な反応をするだろうか?
生徒の中でデビュー前の生徒は憧れと少しばかりの畏れを
デビューした生徒ならば、その破天荒さと裏腹にいざという時頼り甲斐のある先輩像を
教師や職員、トレーナーならウマ娘として一つの未来を切り拓いた彼女の姿を思い浮かべるだろう
彼女は競技者として活躍した事も特筆に値するが、それ以上に研究者としてトレセン学園において数少ない進路を拓いた開拓者としての面においての方が評価されている
『ウマ娘の限界』という1つの大き過ぎる研究テーマに彼女と彼女を公私共に支えているトレーナーと挑み続けている探求者として、医療や薬学関係者に知られているだろう
「トレーナー君
昼ご飯はまだなのかい?」
「もう少しで出来るから待っててくれ」
「ふふん、流石は
やはり君の作る食事は私の日々の活力となる」
…まぁその一方でトレセン学園屈指のバカップルとしても名を知られているのだが
とは言え、彼女自身引退してもトレセン学園にとって
いや、デビューを目指す、上を目指すウマ娘達にとって必要な人物の1人である事には違いない
彼女のトレーナーもまた新人トレーナーながらに彼女に数々の重賞勝利を挙げさせているし、数少ないクラシックG1である皐月賞勝利に導いている
並の手腕ではないだろう。その上で彼女の限界をキチンと見極めて日本ダービー前という微妙な時期にアグネスタキオンの引退を決めさせたのだから
ジュニアとクラシック半分も走っていない彼女だが、その実力を疑う者は少なくともトレセン学園にはいないと断言出来る
…まぁ、偶に7色に発光したり、蛍光色になったりするが最早トレセン学園における名物の一つとして認知されているので今更言うべき事はないだろう
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「お疲れ様です
…タキオンからの書類の確認を」
「はい、分かりました
…少しお待ちくださいね」
タキオンから預かった書類を生徒会に提出する前、俺は事務所に寄って確認してもらう事とした
トレセン学園生徒会の仕事は多岐に渡り、その権限も相当なものだ
その為持ち込まれる相談や案件なども相当な数になってしまい、それでは生徒会メンバー達の学園生活を圧迫してしまう
その様な話から決済こそ生徒会が行なうものの、その前に今回の様な事務所等で一度書類を精査してもらい、ある程度生徒会の負担を減らそうという事になっている
今回タキオンの出した要望書は彼女が外部の機関から委託されたものに関わるものだ。トレセン学園の職員というのもかなりの激務であり、自分達トレーナーや秋川理事長にたづなさんや食堂の方々が忙しいとよく言われているがそれに勝るとも劣らない仕事量と聞く
練習設備の保守点検、栗東美浦寮にトレーナー寮の管理や保守点検。各所からの連絡や引き継ぎに報道局や出版社など外部組織からの電話対応。トレセン学園入学希望のウマ娘達からの問い合わせへの対応などなど
勿論業者に外部委託出来る部分はしているだろうが、何せプライバシーの塊であるトレセン学園だ
特にジュニア、クラシック,シニア各路線で輝かしい成績を収めているウマ娘達の素顔や普段の生活風景を求める記者などは後を絶たない
俺もタキオンがジュニアとクラシックで活躍した時、素直に言えば鬱陶しい位に付き纏われた事もある
その辺をシャットアウトするのが学園事務所の職務の一つと聞く
…正直頭の下がる思いだ
この人達がいるから、理事長達やシンボリルドルフ達生徒会役員達も多少負担が減っているし、自分達トレーナーの苦労も減っているからな
…まぁそれはそれとして、今俺の対応をしてくれている人は『室長』と呼ばれているトレセン学園事務所のまとめ役をしている人物の1人だ
聞くところによると、怒らせるとかなり怖いらしい
昔、トレセン学園に対して強硬に情報公開や敷地内立ち入りを求めた連中がいたらしく前理事長等と共にかなりやり合った武闘派だそうだ
いや、武闘派って
思わず突っ込みそうになったが、先輩トレーナー達は一様にいざという時には頼りになるからと言われている
割と問題児扱いされていたタキオンについても基本中立的な立場で発言してくれているとも聞くし、色々お世話になっている
「トレーナーさん、終わりましたよ」
「あ、すいません」
どうにも考え事に集中していたらしく、聞き逃していたらしいので慌てて書類を受け取った
書類を見ると事務所からの補助書類が添付されている
「それで通ると思いますので」
「ありがとうございます」
俺はそう頭を下げると事務所を後にした
「うむ、室長が承認したのならば間違いはないだろう」
生徒会長であるシンボリルドルフはそう少し楽しそうに俺へと告げる
あの書類に対してかなり厳格なエアグルーヴも全く気にした様子はない様だ
いったいどうなっているのやら判然としないが、それはそうとしてやる事が終わったのならば退室するだけの事
「では宜しくお願いします」
俺はそう一礼して生徒会室を後にする
本来ならばタキオンが来るべきなのだろうが、基本的に彼女は自分が必要と思わないものに対しての腰は驚く程に重い
その辺については生徒会側も理解しているのか、エアグルーヴからも言われた事はない
…まぁ彼女としても同じ生徒や自身のトレーナーには言えたとしても他のトレーナーにまで言えないのかもしれないが
難儀なものだ
そう息を吐きながらタキオンの全く部屋へと戻っていく
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アグネスタキオン
デビュー戦から無傷の連勝を重ね、ジュニア最終レースとなるホープブルステークスも見事勝利
クラシックにおいても弥生賞とクラシック一冠目となる皐月賞を勝利
クラシック二冠目となる日本ダービー制覇にも期待がかかった
が、アグネスタキオンのトレーナーである〇〇氏は彼女の脚部に異常が見られる事から日本ダービー回避を決意
しかし、このままではいつまでも彼女の脚部に不安が残ると判断。周囲の反対を押し切って彼女と引退について話し合う事とした
結果何よりも彼女の安全を第一としたいとのトレーナーの判断をアグネスタキオンは苦笑混じりで支持する事になる
当時着任したばかりの秋川理事長と駿川たづな秘書はその新人トレーナーらしからぬ決断に驚いたが、彼はこの決断を変えるつもりは一切なく一部からの心無い批判や非難に対しても
「彼女についての全責任は私にあります
アグネスタキオンのレース出走予定を組んだ私への批判や非難は幾らでもお受けします
ですが、彼女に対する批判や非難については断固とした措置をとるつもりです」
と一歩も退かない姿勢を見せている
この姿を見てアグネスタキオンは
「いやぁ、何というか複雑な心境だねぇ
全てを背負われたのは正直嬉しくないのだが、あそこまで漢気を見せられては中々責める気にもなれないものさ」
と同期の者達に惚気とも愚痴とも言えないものを言っていたそうな
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彼女が引退して、トレセン学園に様々な貢献をする事になる。その中でも取り分けトレーナーからは称賛、ウマ娘達からは畏怖の念を向けられる事になる
ロイヤルビタージュース
滋養強壮栄養補給に適した飲み物であり、デビュー戦を勝ち抜いたウマ娘と担当トレーナー2人がその利用を申請する事で使用許可が事務所から発効される
その効果は絶大であり、体力回復には素晴らしい効果を発揮
…するのだが、いかんせん料理スキルが割と壊滅的で日頃から「料理?まぁ出来なくはないと思うよ?料理も薬品の配合もさして変わらないだろうからねぇ」と公言して憚らないアグネスタキオン
故に件のものの効果はかの『皇帝』シンボリルドルフも
「うむ、確かに疲労回復の点においてはこれ以上ないものだろうね」と太鼓判を押す程
…ではやはり会長も愛用されておられるのですか?
「………いや、まぁそのなんだ
それについては個々人の意思を尊重するとされているのでね」
と耳と尻尾を完全にへたらせる事となる
好き嫌いのはっきり分かれてしまうのがロイヤルビタージュースであった
かの
「トレーナー?これを飲むのか
…いや嫌な訳ではないんだ。無いんだが」
と飲むのを躊躇わせる程
余談ではあるが、タキオンを尊敬してやまないトレセン学園中等部に在籍するウマ娘ダイワスカーレットとディープスカイの2人はタキオンが開発したコレの愛飲者である
「味は確かにあんまり良くないけど、タキオンさんが作ったものなんだからっ!1番になる為にアタシはやるの!」
「…味は良くない
けど、これも上を目指す為に必要だってタキオンさんが課した試練なんだ!」
とのコメントを残している
この2人はタキオンもかなり気に入っており、彼女のトレーナーがスカウトする事に決まっているとかなんとか
アグネスタキオン
トレセン学園に所属するウマ娘の進路の一つを新たに広げた人物である
タキオン良いよね、タキオン
創作的な意味においてもエアシャカールと共に割と便利屋的な立場で書けそう(書けるとは言ってない)
まぁその上にゴルシとかいう正体不明の黄金の不沈艦がいるのだけど、それはそれ