ようこそバケモノの潜む教室へ   作:エルにー

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2 始動(旧)

この学校は2日目から早速授業が始まる。入学式の昨日は木曜日で今日は金曜日だから今日が終われば週末の休みがあるからまだ楽かな。

朝のホームルームで先生から今日は部活動紹介があると伝えられた。参加は自由との事だ。

ホームルームが終わると

 

「蝕廻は部活どうするの?」

 

隣の席の松下にそう聞かれた。

 

「あまり入ろうとは思ってないな」

 

「そうなんだ。私も特に考えてないかなー」

 

そんなこんなで松下と話して、この学校初めての授業が始まった。

最初だから難しくは無い。ただ、クラスメイトがお喋りを始めても先生は注意をしなかった。明らかに先生に聞こえる声量なのに、だ。

 

「ねぇ、さっきのってさ……」

 

「あぁ、先生たちは基本的に俺たち生徒を助ける事はしないようだ」

 

休憩時間に松下と先ほどの事を話していた。これは、他のクラスも確認する必要があるな。

あと、端末のポイントがpptなのも気になる。ポイントならptと表すのが普通のはず。ならその前の『p』は何を表すのか。

生徒それぞれに付与……個人で使える……プライベート?

 

なるほどこれはプライベートポイントの略か。それなら他のポイントもありそうだな。なければわざわざpptで表す訳ないし。

 

授業中の騒がしさがますます増えていき、大半はお喋りかスマホを弄っていた。真面目に授業を受けているのは5人いるかどうか。

休憩時間に覗いた程度だが、Aクラスは真面目そうな感じで、Bクラスも真面目そうだがクラスの仲は皆良さそうだ。Cクラスは不良とかが多い感じだ。そして俺たちDクラスはこの始末。

 

 

……これは、Aクラスから順に優秀な生徒を分けたのか?そうなるとAクラスが優秀者、Dクラスは不良品の集まりって事か。

自慢ではないが、俺は入試で相当優秀な成績を残したと思っている。学力はもちろん、運動関係でも。そんな俺がDクラスという事は、それ以外にも評価項目があるのか。

どんな人間でもやがては社会人になる。そこから考えると、社会人に必要な能力が評価項目だろう。パッと思い浮かぶのはコミュニケーション能力か。

後は判断力か。

 

この二つを考えたとしてもBクラスぐらいには止まるはずなんだが。

まぁ、妥当か。俺、中学校に通ってなかったし。

義務教育の内容は教科書さえあれば頭に叩き込めるしな。小学校に通うはずの六年間なんか色々とあって外に出る事なんて出来なかったし。

 

さて、この事から優秀でも生徒の事情によっては下のクラスに分けられるって訳だ。俺以外だと平田と櫛田、あとは氷のような女子、それと金髪の奇人か。

もしかして、今年のDクラスって例年に比べて特別だったりするのか?まぁ、それがどう転ぶか知らんが。

 

 

 

授業が終わり、俺は部活動紹介を見るために体育館に松下と一緒に向かった。

周りを見た感じ、他のクラスは静かにしてるのにうちのクラスはそれはもう喧しい。

部活動紹介中も普通に喋ってるし。

生徒会の紹介の時も野次を入れるし、普通に暴言を吐いてたな。

しかし、なんで生徒会長は俺の方を見たんだろうな。まぁ、大方中学校に通って無かったからなんだろうけど。

 

 

 

……さて、先生に答え合わせに行こうかな。全部は答えてくれないだろうが。

 

ガラッ

 

「失礼します1-Dの蝕廻傀斗です。茶柱先生はいますか」

 

……うーむ。俺ってそんなに問題児扱いなのかな。名乗ってから先生全員に見られてるし。せめてヒソヒソは辞めて。

 

「蝕廻か。こっちだ」

 

茶柱先生に呼ばれて彼女のデスクに向かった。

 

「それで、なんの用事だ?」

 

「はい。pptとcptについて聞きにきました」

 

ザワッ

 

……pptはともかく、cpt(クラスポイント)に関しては当てずっぽうだったが、正解だったようだ。

社会に出れば個人評価以外に集団評価もあるしな。連帯責任なんて言葉もある訳だし。

この二つは絶対繋がってるよな。個人評価から集団評価をして、その結果をcptで表しそれからpptを支給するのかね。

 

「………そこまで予想するとはな」

 

「不自然な箇所が多いですから。それで、どこまで先生は答えれますか?」

 

「……答えは『今は答えれない』だ」

 

「なるほど。ほぼほぼあってるという事ですか。深読み過ぎるかもしれませんが、進学就職の支援も一部しか受けられないんですか?」

 

「……それも『答えれない』だ」

 

「これも正解ですか。先生方って隠すの上手じゃないんですね」

 

ただ俺の感覚が鋭いだけかもしれんが。だって、大自然って鋭過ぎるがちょうどいいし。

 

「……明日……は土曜日だが午前中に職員室に来い」

 

「口止めって事ですね。わかりました。とりあえずは以上ですかね」

 

「そうか。では気をつけて帰れ。明日は忘れるんじゃないぞ」

 

「わかりました」

 

そう言って俺は職員室を出ようとすると

 

「蝕廻」

 

「はい」

 

茶柱先生に呼び止めれたので振り返る。

 

「……お前は、何者だ?」

 

なんだそんな事か。俺は……

 

「バケモノですよ」

 

失礼しましたと言って職員室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すごい子だったね。cptまで気づくなんて」

 

「…………」

 

「……佐枝ちゃん?おーい。佐枝ちゃんやーい」

 

「っ。すまないボーッとしてた」

 

「もう。佐枝ちゃんのクラスにダークホースが現れたのは嬉しいだろうけどさ。しっかりしてよね」

 

「あぁ、気をつける」

 

「(しかし、さっきの蝕廻の目は………)」

 

「いや、気のせいか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱりここは監視カメラがないな。学校は見えない所での暴力を黙認するつもりなのか?」

 

たしかここは特別棟だっけか。危険な薬品が保管されてる理科室もあったはず。そこら辺の事学校はしっかり考えてるのか?

 

「理科室内もカメラはなしと」

 

監視カメラがないなら好都合か。どこかの部屋を俺の秘密基地みたいに使わせてもらうとしよう。

良さそうな何も置いてない部屋に入り、窓側まで行くと俺は振り返った。

 

「出てきていいぞ」

 

さっきからずっと尾行している人物に向かって言う。

 

「おや、気付かれてしまったか」

 

長い綺麗な白髪の女がドアから入ってきた。

 

「一年に居なかったはずだから、先輩ですか?」

 

「そう言う君は新入生か」

 

やはり先輩か。2年か3年か知らないけど。

 

「まぁ、それは置いといて」

 

バサッ

 

俺の背中から2対目の翼膜のついた異形の腕と尻尾、頭に日本の角が出現した。

 

「ようこそバケモノのいる教室へ」

 

俺は瞳孔が縦に割れた目で愕然とする先輩を見て告げた。

 




私は別に頭がいいわけではないのでこうなってしまいました。
色々おかしな部分はあると思いますが、ご容赦を。
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