ようこそバケモノの潜む教室へ   作:エルにー

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宣言通り主人公のクラス内での立場をちょっと深掘りします。


5 初日

ホームルームが終わり、今は体育の授業で内容はプールだった。まだ春でプールに入るにしては寒い筈なんだがな。寒くなりすぎない程度の水温だからいいけど。

この水泳は4月から始まったが、最初の時間に体育教師が気になる事を言っていた。「絶対必要だから全員50メートルを泳げるようにする」と。うーん、これはサバイバル、もしくはそれに近い内容の特別試験を行うのかな。

50メートルのタイムを測ったが、男女別で1番には5,000pptをあげると言われてクラスメイトは張り切ってたな。貰えるものは貰おうと男子の一位を取った。やりすぎるとダメだから一番速かった高円寺より少し早く泳いだ。タイムはどうだったけな……。

意外に俺はプールの時間中にクラスメイトから見られていた。どうやら俺は着痩せするタイプで、筋肉が付いてるようには見えなかったらしい。

 

「蝕廻の筋肉すごいね。なんか、無駄な筋肉がついてない感じというか」

 

「あ、わかるわかる。ゴツい感じじゃないから怖いって思わないもんね」

 

「須藤とか、後Cクラスの奴らは顔も相まって怖いし」

 

ふむ……そこそこ好印象か?

 

「お前、すげぇよな。筋肉の量が高円寺より少ない筈なのにあいつに勝ったんだからよ」

 

「どうやったらそこまで強くなれんだよ」

 

「俺って普通より筋肉の密度が高いんだよな。こう見えて実は体重結構重いからな?」

 

と言ってクラスメイト2人を持ち上げた。

 

「うおっ!」

 

「やっば!スッゲエ力持ちやん!」

 

「すごーい!わっ!すごく硬い!」

 

ちょっと、いきなり触らないでくれ。なぜか女子数人に腕や背中、腹筋などを触られた。くすぐったい。

キャーキャー言われるのはいい気分だったが、松下にものすごく睨まれた。後ついでに池と山内にも睨まれた。お前らは素行を直せば彼女ぐらいできるだろ。

 

そういえば、俺はどうやら高円寺に気に入られたみたいだ。水泳で勝ったからだろう。高円寺からはモンスターボーイと呼ばれている。感が鋭いのか?なんであれ、俺も高円寺は気に入った。何か面白い事をやってたら乗っかってもいいかな。

 

その後平田が最低クラスになってしまったが頑張ろうと俺たちに言っていたが、須藤は勝手にやってろと施設から出て行ってしまった。

どうしたものか。俺としては三年間楽しく過ごせればいいんだが、何かアクションを起こした方がいいのか?能力はそれこそ誰にも負けない自信があるが、いかんせんコミュニケーション力は平均以下だ。アクションを行うとなると仲間が必要だが、俺にはそれがない。

松下なら協力してくれると思うが、少なくとも安全マージンを取るなら後最低2人いる。

本当、どうしたものか……。

 

水泳が終わり、その日の授業が終わっった。

5月に入ったわけだし、あの契約について先生に……

 

『1-D蝕廻傀斗及び1-D綾小路清隆。支給茶柱の元に来るように。繰り返す。1-D蝕廻傀斗及び1-D綾小路清隆。支給茶柱の元に来るように』

 

立ち上がって職員室に向かおうとするとこんな放送が入った。俺はともかく綾小路はなんでだ?確かにただものではないが……。

 

「あんた、なんかやったの?」

 

「……心当たりが無いわけではないけど、叱られる事はやってない」

 

「それは別に心配してないよ。蝕廻が悪さするわけないし」

 

それはちょっと過大評価すぎるな。俺も必要であれば悪事に手を染める事もする。実際……いや、これはもう終わった事だ。

 

「とりま、呼び出されたから職員室に行ってくる。後で連絡する」

 

「うん。わかった」

 

先生の用事を終わらせて松下と今後の事を話すか。彼女には初日に気付いたことを大分言ったし、契約で話せなかった事を5月に入ったら話すと約束したしな。

後、鬼龍院先輩とも連絡を取るか。確認したい事もあるし。

綾小路に声をかけて一緒に職員室に向かった。話しかけた時に嬉しそうにしてたのはなんでだろうか。

 

コンコンコンコン

 

ガラッ

 

「失礼します。1-D蝕廻傀斗と綾小路清隆です。茶柱先生は居ますか?」

 

ヒソヒソ

 

「……なぁ、蝕廻。なぜか先生達が俺たちを見てヒソヒソ話してるが、何か心当たりあるか?俺はこれっぽっちもない」

 

「正直にいえば心当たりはある。けど、なんか気分悪いな。陰口言われてるみたいで」

 

本当に気分悪い。

 

「あ、君達Dクラスの子達だね。佐枝ちゃんはいないよ?」

 

放送で呼び出しておいていないのか。

本音が顔で出てしまったみたいで教えてくれた先生は苦笑いを浮かべていた。

 

「あ、名前言ってなかったね。一年生のBクラス担任の星之宮知恵だよ。よろしくね。特に蝕廻くん」

 

星之宮先生が何やら期待を込めた目で見てくるが、そもそも違うクラスだからあなたのクラスを助ける事は基本的にしませんよ。

 

「Dクラスは色々大変かもしれないけど、諦めなければ案外Aクラスになれたりして」

 

だから、俺に期待しても……

 

「あまりうちのクラスの生徒を揶揄うな。星之宮」

 

やった来たか。

 

「すまんな。呼び出したにも関わらず不在で」

 

「いえ、お気になさらず」

 

んま、謝罪されたわけだし、いちいち引きずるのはただただ疲れるだけだし。

 

「話は生徒指導室でする。ついてこい」

 

「生徒指導室ですか?」

 

「なに、別に説教を垂れる訳ではない。話を聞かれない都合のいい場所がそこしかないのだ」

 

話の内容はこれからのDクラスに関してかな。この感じなら。それなら確かに他のクラスの担任に聞かれたくないな。そこからそのクラスに情報が渡るかもしれないし。

茶柱先生について行って生徒指導室に入った。

 

「お前達はそこに入っていろ。私がいいと言うまで絶対に出てくるな。音も出すな。破れば退学処分にする」

 

と言って生徒指導室内の給湯室に入れられた。そこまで先生に権限があるのか。まぁ、おおかた有る事無い事をでっちあげるんだろうな。

 

「喉が渇いてきたけど水飲んでいいかな。ここの水道水って意外に美味しいし」

 

「蝕廻は水派なのか。いや、やめといた方がいい。音でバレるぞ」

 

「そうか。なら我慢するか。お茶は好きな奴以外はあまり美味しいとは感じなくてな」

 

そうしてると生徒指導室の扉が開き、2人の人が入った気配がした。

俺は綾小路に目配せをして音を立てないように気をつけた。

 

「さて、今日はどういう要件だ?堀北。私も暇ではない。毎年この時期は忙しくなるんだ」

 

気配の2人は茶柱先生と堀北のようだ。うーん、大体先生が俺たちを呼び出した理由が分かった。

 

「まずは忙しい中時間を作ってくださりありがとうございます」

 

優等生らしく目上の人には敬意を表している。うちのクラスにはそうしないやつが多いからな……

 

「単刀直入に言います。なぜ私はDクラスに振り分けられたのですか。理由を知りたいです」

 

クラス分けの真相を知って今のクラスに分けられた事に不満のようだ。

 

「朝にも言ったが実社会では人事考課を詳細に教えたりしない。よって回答は答えられない。だが、その結果には必ず訳がある。なぜ自分がDクラスなのかよく考える事だな」

 

そうだな。先生の言う通りだ。俺は能力が高いが小中と学校に通ってなかったからDクラスに配属された。能力の高そうな平田や櫛田もなんかの理由があるのだろう。

 

「……これでもまだ不満か?」

 

「はい」

 

「ふむ……だが、どれだけ抗議しようがDクラスという事は覆らない。絶対にだ。上のクラスを目指したいのなら今のDクラスを導いて成り上がるしかない」

 

「あのDクラスではAクラスには絶対に勝てません」

 

まぁ、今のままでは絶対に不可能だな。

 

「まぁ、確かに今のままではな。ついでだ。お前が目指すというのなら協力出来る生徒を呼んでいる」

 

あ、ここで俺たちは出ればいいのか。合図が出たので俺と綾小路は給湯室を出た。

 

「……お前達、いつの間にお茶を準備していた」

 

音なんか聞こえなかったぞ。と茶柱先生は驚いていた。まぁ、そこは技能という事で。

 

「熱いので気を付けてください」

 

と言って綾小路にテーブルに置いてもらった湯呑みに作ったばかりの緑茶を注ぐ。

 

「茶柱先生の湯呑みに茶柱が立った……」

 

「んっ!ゴホッゴホッ!」

 

「〜〜っ、〜っ!」プルプル

 

思わず呟いた言葉に綾小路はむせて、堀北は俯いてプルプルと笑いを堪えていた。

当の本人は額に青筋を浮かべて緑茶を飲んだ。一口飲むと驚き熱いのに一気に飲んでいた。

 

「ふうー。うまいなこの緑茶。美味しい緑茶を久しぶりに飲んだ」

 

この緑茶の茶葉は友人に貰ったものだ。団子によく合うのだとか。

 

「っと、本題がずれた。綾小路と蝕廻の能力があればAクラスも夢ではないぞ」

 

茶柱先生はそう言うが、堀北は嫌そうな顔をしていた。

 

「このお茶に免じて聞きます」

 

と言って堀北は一口お茶を飲んだ。

 

「まず綾小路。お前は面白いな」

 

「面白い事を言った記憶はありません」

 

「入試の点数全教科50点」

 

まじかこいつ。松下と同じで実力を隠してるだろうなとは思ってたが、想像以上だった。

 

「偶然って怖いですね」

 

無表情で言っても嘘ってバレバレだぞ。つくならもっとマシな嘘にしろ。どのみちバレるだろうがな。

 

「まぁ、そう言う事にしてやろう。そして蝕廻」

 

俺の番かー……

 

「お前には本当に驚いた。まさか入学して2日でSシステムの全てを理解するとは」

 

「待って、あなたまさか知ってたの?ポイントの増減もクラスの変動も」

 

「あくまで予想だったんだがな。それがまさかのドンピシャだった。それだけだ」

 

「それができる生徒が果たして何人いるか」

 

茶柱先生や、やれやれと言った感じで言わないでください。

 

「なぜその事をクラスに言わなかった。言ってれば……」

 

「それは無理だ。この契約で言えないからな」

 

と言って茶柱先生は例の契約書を取り出して堀北に見せた。

 

「そこに書いてある通り、俺は答え合わせ以外では言えなかったんだよ。何故気づかなかった。お前なら気づけたはずだ。借金大国の日本がたかが高校生に毎月10万なんて渡すわけがない。監視カメラの異常な多さにも。1人でいた分周りを見れていたはずだ。なぜ疑問に思ってもあり得ないと切り捨てた」

 

つい責めるように言ってしまったのは許してくれ。だが、Aクラスになりたいならこれに気付くべきだった。

堀北は悔しそうに下唇を噛んで膝に置いていた手を強く握り締めていた。

 

「俺は別にAクラスで卒業したいと思ってない。この3年間を楽しく過ごせればそれでいい。ただ、クラスポイントとかに関わる、クラスで挑まないといけない事には全力を尽くす。その時のリーダーが堀北でも誰でもいいが、リーダーとして行動するなら言動には気をつけろ」

 

4月からやってる方法でポイントを稼ぐつもりだが、できるなら毎月のポイントの収入も欲しい。ポイントは多くあるに越した事はない。

 

「最後に堀北と綾小路に問題を出す。まずはこれを見ろ」

 

と言って俺は学校から支給された端末を取り出して見せる。

 

「なっ!」

 

堀北はポイントの部分を見て声を出して驚いていた。綾小路は若干だが驚いていた。

今の俺のpptは3,278,537pptだ。

 

「ほう、よく集めれたな。まぁ、当然と言えば当然か」

 

茶柱先生は誇らしそうに言ってるが、そう期待しないで欲しいものだ。

 

「問題はどうやって俺がこんなにポイントを集めれたか、だ。ヒントぐらいは渡すよ。ヒントは給料以外でお金を得る方法」

 

「給料以外に……」

 

「答えはいつでも待ってる。1人で言いに来てもいいし2人一緒でもいい」

 

綾小路が先に答えに辿り着きそうだし。もしかしたら今ので気づいたかもしれないし。

 

「要件は以上ですか?茶柱先生」

 

「あぁ、以上だ。協力するしないはお前達次第だ。強制はしない」

 

「わかりました。あ、お茶は給湯室にまだ残ってるのでよかったら他の先生にはあげてください。団子と一緒に飲む事をお勧めしますよ」

 

失礼しましたと言って俺は生徒指導室と職員室を出た。




うーん……あまり深掘りできてないか?
堀北の口調が難しいな……。星之宮先生も多分違うか?
指摘がありましたらお願いします。
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