ようこそバケモノの潜む教室へ   作:エルにー

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長らくお待たせしてすみませんでした。
久々に書くので拙くても勘弁お願いします。


7 失敗

俺たち新入生の大半がこの学校の異常性を知った5月1日。

阿鼻叫喚の騒ぎが起こったのは言わずともいいだろう。

 

それはさておき、鬼龍院先輩から貰った過去問のデータは見ずにそのまま松下に渡した。俺は鬼龍院先輩の無茶振りで自力で挑まないといけないからな。過去問がなくとも記憶力には自信があるし、応用力も記憶力には劣るが自信はある。

松下には好きなタイミングで過去問をクラスメイトにバラしてもいいと言っておいた。入手経路を聞かれたら気前のいい先輩に貰ったと伝えればいい。

この3年間は楽しく過ごしたいが、だからと言って目立ちたいわけじゃない。結果として目立ってしまったら仕方ないけど、自分から目立ちに行くつもりは無い。

 

次の日、俺に堀北と綾小路が話しかけてきた。俺が出した課題の答えを言いに来たと思ったが、それは違った。2人は俺に勉強会に教師役として参加してほしいと頼んで来た。

Sシステムに気付いたことと学力は連結しないと思うんだが。これに2人は昨日張り出された小テストの結果を挙げた。あぁ、そういえば点数公開されてたな。

 

「そういう事なら引き受けるよ。それはそれとして今答えを聞こうか?別に回答に制限はないぞ」

 

と言っても、賭け試合ってリスクが高いんだよな。実力があるならともかく、ポイントをゲットできる事に目が眩んで池辺りが無謀にもやりそうなんだよな。

 

「……ギャンブルしか思いつかなったわ。給料以外にお金を得る方法は短絡的だと借金。でも、これだとさして状況は変わらない。ならギャンブルしかないわ。この学校がそれを容認してるか知らないけど」

 

うーん……まだ頭の硬い彼女にしてはよく思いついたと考えたほうがいいのか。もうちょっと踏み込んだ答えを引き摺り出してみるか。

 

「ギャンブルか。例えばどんなものがあると思う?」

 

俺がそう言うと堀北は腕を組んで考え始めた。

 

「……ギャンブルと言って1番に思い浮かぶのはスロット。でも、そうなると生徒の総ポイントが激しく増減する事になる。だからこれはあり得ない」

 

ふむふむ。いい予想だな。それにポイントは学校側からしか貰えない。それは毎月の給付だったり教師からだったりするが。

 

「他にギャンブルで有名なのはポーカーね。これならプレイヤー、つまり生徒間でポイントが移るわ」

 

「……よしとするか。大体正解だ。補足するとポーカーはギャンブルとしてじゃなくても楽しめる。他の遊びだと?」

 

「っ……!賭け試合ね」

 

「そう。この学校には多くの部活がある。ポーカーやブラックジャックといったカードを使ったゲーム、チェスや将棋といったボードゲーム。こういった部活に賭け試合を申し込んで、勝てばポイントを得ることが出来る。運動部にも仕掛けれるぞ。バスケなら1vs1とかな」

 

2人に話しかけられた時に屋上に来ててよかった。廊下でこんな話してたらバカな奴らがやりに行きそうだからな。

 

「当然だが、実力がないと逆にポイントを失う事になる。この学校は良くも悪くも実力至上主義だ」

 

「なら私は辞めとくわ」

 

「ポイントはあって損はないぞ?運動系はともかく、チェスとかのボードゲームの練習なら付き合うぞ?引き際さえ間違えなければ堀北でも5万とか稼げると思うが」

 

中にはわざと負けて挑戦者を調子にのらせ、全てを奪うを手法を取ることがある。引き際さえ間違えなければ問題なく稼げるはずだ。

 

「……考えとくわ」

 

「いつでも待ってるぞ。綾小路はどうする?お前なら雑草の根っこまで搾り取れそうだが。幾ら隠そうとも俺の目は誤魔化せんぞ」

 

この無表情男はどういう理由か知らないが、実力を隠してる事は把握済みだ。

 

「いや、俺も辞めとく。やってもどうせ負けるから」

 

「あっそう。つまらん」

 

こいつと勝負したら楽しそうなんだがな。やる気がないのならいいや。

 

「それで、勉強会だったか。いつから始めるんだ?赤点取りそうなのに危機感持ってないのは池、山内、後は須藤か。こいつらを参加させた方がいいと思うが、素直に従うとは思えないな」

 

「なんとかして参加させるわ。勉強会はそれ次第よ」

 

俺としては頑張れとしか言えんな。3人と仲良いわけでもないし。

 

「俺のメアドと電話番号を教えとく。日にちが決まったら教えてくれ」

 

俺は2人にメアドと電話番号を教えた。

 

「話は以上でいいか?」

 

「綾小路君が何もなければ以上よ」

 

「俺も何も」

 

「そうか。じゃぁ、俺は帰らせてもらうよ」

 

2人に話しかけられたのがホームルーム後だったので、特に予定のない俺は寮へと帰った。

さて、そろそろ()()()のガス抜きしないとダメかな。

 

『今週末予定がないなら遊びに行くか?』

 

これでいいか。()()()と知り合ったのは入学してすぐぐらいだが、あのお姫様に弱みを握られたのは不憫なんだよな。ストレスがひどいらしいし。まだあのお姫様に俺の存在がバレてないのが幸いか。

 

ブー

 

と返信きたか。なになに……

 

『土曜日、ゲーセンで待ってる。あと、昨日の答えてもらうから』

 

………

 

『日時は了解。昨日のは俺に勝てたら教えてやる』

 

ブー

 

『絶対に勝ってやる』

 

『楽しみにしてる』

 

勝てればの話だがな。

当日お姫様もいたりして。なーんてな。

 

しかし、勉強か。松下は大丈夫そうだな。本来の能力はAクラス並みだしな。

そういえば、各クラスのリーダーは誰だろうな。うちで言えば平田と櫛田だな。堀北もリーダーの素質はあるが、頭の硬さをどうにかしない限りは無理だろうな。

Aクラスはあのお姫様はリーダーの座を狙いそうだが。土曜日に聞いてみるか。

Bクラスはリーダーと思わしき人物に心当たりはある。Bクラスの前を通る時にいつもクラスメイトに囲まれてるピンク髪の女子がそうなのだろう。

わからないのがCクラスだ。覗いた時に巨漢の外国人の生徒がいたから、そいつを従わせてる奴がいればそいつがリーダーだ。

情報を集めんとな。

 

 

結局勉強会はその2日後に開かれた。なぜか櫛田もいたが、彼女に協力して貰ったのだろう。

まずは数学から始めたが……。

結果から言えば勉強会は失敗に終わった。原因を挙げるなら堀北の上から目線の教え方のせいだろう。彼女は能力的に自分より劣る者を下に見る傾向がある。こういう所がDクラスに配分されたんだろうな。

赤点危険組の3人は帰ってしまった。協力した櫛田にも悪い態度を取り、彼女も帰った。

 

「価値観は人それぞれだが、人を下に見るそれを直さないとAクラスに行けないぞ。人の得手不得手を理解しろ」

 

俺もそう言い捨てて帰った。人に教えると学んだことが定着するが、俺は別に1人の勉強でも問題ないからな。

 

 

結局金曜日になっても勉強会は再開されなかった。されないならされない俺はポイント稼ぎのために将棋部で賭け試合をした。搾り取るつもりはなかったので3回勝ったら辞めた。

明日は()()()と出かける用事があるから、遅れないためにもその日は早めに寝た。

 

 

 

しかし

 

「初めまして」

 

この時は思いもよらなかった。

 

「よろしくお願いします」

 

まさか彼女に

 

「バケモノさん」

 

認識されてたなんてな。




リハビリがてらこんな感じになりました。
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