シャーレの当番   作:鯖の塩焼き定食

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シャーレの当番 ~不破レンゲの日.part1

 やってしまった。それが起きてアタシが一番最初に思ったこと。普段は絶対に寝坊なんてしない。それに今日はシャーレの当番。つまりは師匠に会いに行く日なんだ。なのにこの時間じゃ...

「お弁当を、一緒に食べる青春活動が出来ないじゃないか!」

今から身支度を整えて行けば、全然間に合う時間ではある。だけど、青春活動を考えると全然駄目だ!かといってお弁当を作っていたから遅刻しました。はもっと駄目だ。そりゃ青春活動の一環で遅刻した転校生のシチュエーションはやったけどあれはお互いの合意があっての事だ。事前の連絡も無しに迷惑はかけられない。

 まずは枕元にある寝坊した原因である。昨日発売したばかりの少女漫画を棚へと仕舞い身支度を始める。いつもなら髪を纏めるのも手早く済ましてしまうのだがこういう日に限って中々納得のいく纏まり方をしない。

「あんまりだらしないと百花繚乱の皆にも迷惑を掛けることになるからな」

そう言い聞かせて鏡の前で身だしなみを確認する。今度こそ大丈夫なはず。服にも皺は無い。百花繚乱の法被も汚れはない。

 自分の銃を取りに行く前に、共用の台所へと向かう。冷蔵庫を開け、ぞの中にある麦茶を竹水筒の中へと注いで蓋をする。朝食は確かシャーレの下にコンビニがあったはず。本当は朝ごはんもアタシが作って一緒に師匠と食べてることによって青春レベルを上げたかったけど仕方がない。これ以上時間をかけると時間が本当にギリギリになってしまう。

必要な持ち物を持って玄関へと向かう。その途中、長い廊下にて眠そうな目を擦りながら歩く後輩が1人

「レンゲ先輩。今日は早いんですの~?」

いつものような元気のある声量はそこには無く。聞いてるこっちまで眠くなりそうだ。だけど、昨日ユカリは深夜の見回り番だったはずなので仕方ない。あらかた喉が渇いたから一回起きたってところだろうか。

「おう、ユカリお疲れさん。だけどあんまり寝すぎてキキョウに怒られるなよ」

下駄の鼻緒の確認をし、擦り切れ具合を確認する。これから少し走ることになる可能性もあるし状態は確認しておいて損はない。目立った汚れもないし大丈夫。改めて下駄に足を通し、玄関の戸を開ける。

 今日も朝の日差しは眩しい。シャーレに行くまでの最短距離を考えると路面電車に乗ってそれからバスを使うのが一番早い。普段、百鬼夜行の中を行き来するには使わないけど、こうして学園の外へ足を運ぶときにはとても重宝する。前に陰陽部が話していたけど、うちを通る路面電車はハイランダー学園が景観を壊さないために色々と考えてくれたものらしい。ただ、学園外からくる人にとっては人力車の方が人気があるって話も言ってたかな?

「レンゲちゃーん!」

丁度、商店街を抜けている最中に大きな声が私を呼び止める。呼び止められた方向へ顔を向けると、おにぎり屋の女将さんがこちらへと手招きしている。近くにある時計を見て、時間があることを確認して女将さんの下へと向かう。

「この前はうちのお店手伝ってくれてありがとね。この前のお礼もかねてこれ、食べてね」

渡されたのはおにぎりが3つ入った包み。それで思い出した確かこの前、ここのお店の看板が壊れたときに修理を手伝ったっけか。別にお礼の為にやった訳じゃないんだけど、今は話が別だ。

「丁度、朝ごはんどうしようかって思ってたんだ。ありがとう」

これは路面電車かバスにでも乗りながら食べよう。それにここのおにぎりは美味しいのも知っている。たまに巡回のついでに買うこともあるけど、外れがないんだよなここのおにぎり。

思わぬ収穫に胸を弾ませながらアタシはお礼を言って駅へと急ぐことにした。

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