機動戦士ガンダムSEED ー霹靂の鬼は悪魔になれるか?ー   作:単眼駄猪介

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どうも、駄戦士です。
アムロSEEDほったからしてサンダーボルトブチ込んだSEEDやり始めた愚か者はここです。(懺悔)
なんだか違う、となって書き直しを予定してるけどいつになるかな……

続けばSEED FREEDOMまでやるつもり。




機動戦士ガンダムSEED
ドン底の世界から最悪の世界に


 

 

ー宇宙世紀0080年ー

 

 

 

「僧正の仇討ちだッ!」

 

「我らがその悲願を果たす事で僧正の無念は晴れる!」

 

カーラ・ミッチャム博士から伝えられたレヴァン・フゥ僧正の死に対するご同輩共の反応に俺は嘲笑う。

 

「宗教なぞクソ喰らえだ」

 

俺は識っている。

この後、コロニーレーザーが放たれる事を。

いや、彼女と協力しているからこそ知っているとも言えるし、だから今、俺はまだ感電死する事もなく生きている。

一人の女性の復讐のために戦い、散る。

人殺しには、なんともまあロマンチックな最期だ。

転生して碌でもないサンダーボルト宙域から続く同調圧力からもようやく解放される。

本来あるべきタンパク質の腕も足もない俺が俺の知っている段階の漫画の所まで生きてこれたのも、運が良かったとしか言いようがないだろう。

 

 

元々は普通にガンダムが好きな半ニートだった。

次の日も日常で、そういう生活なんだと思っていた。

そして目が覚めたのは傷痍軍人達を運ぶ輸送船の中だった。

なんで欠損もしていない元の身体の持ち主がサンダーボルト宙域に行こうとしたのかは分からないが、五体満足の俺はまだ17歳にも関わらずモビルスーツのパイロットとして【リビング・デッド師団】に配属する事になった。

 

皆、優しかったんだ。

腕がない人、足がない人、義眼な人だっていた。

それでも俺に優しく接してくれて、時に子供扱いされて怒ったり、皆で仲良く音楽を聴いたり。

取り返しのつかない怪我を負っているのにも関わらず、子供だからって俺に優しく接してくれた。

仲間だって皆で馬鹿騒ぎした。

あの楽しかった時間は、あのサイコブッダによってブチ壊された。

とっとと残党から抜けて普通に生活すれば良いのに、彼らを見捨てられなくて付いてきてしまった。

その結果が、サイコ・ザクと四肢の喪失。

熱狂に飲まれた皆の視線と言葉に、俺は断れなかったたんだ。

そして、サイコブッダの都合の良い駒になっちまった。

で、今はデスメタルを奏でるカーラ先生の手下であり仲間となった。

 

「思い出を汚されるなら、いっその事全部壊して……そしてアンタの姿はあの人の心にはいないよ、ダリル・ローレンツ」

 

そう独りごちるとコロニーレーザーの光が瞬く。

機体は動けるしまだ残弾もある。

だが、宇宙世紀という戦乱の世界のパラレルワールドなんて所で生き残っても、戦争に巻き込まれる未来しかない。

 

なら、いっその事死んでしまいたかった。

狂った仲間達ではなく、かつて戦友だった人達の思い出と共に―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めた。

無機質な機械と光が、俺の思考をクリアにする。

 

「……は?」

 

何故、生きているんだろうか?

まだ真新しいサイコ・ザクのコクピット、機体に繋がれた義手と義足の感覚。

全てが眠る前と同じ感覚でいた。

 

「どういう事だ。俺は死んだんじゃ……いやもしかして奇跡的に死んでないだけか?」

 

急いで機体のチェックを行うが、計器に表示されたのは【ALL GREEN(異常なし)】の文字。

 

「そんな馬鹿な。あの状況で無傷?いや違う。これは何か別の――」

 

どういう事なのか、それを理解しようと頭の中を整理しようとしてモニターの端に光を見つける。

見慣れた戦闘の光だ。

 

「連邦軍か?いやしかし、それならなんで俺は連邦に拾われてないんだ?」

 

例えあの状況で生き残れていたのなら連邦軍に回収されていない筈がない。

どれだけ気絶していたかは分からないが、戦闘は終わっている筈だろう。

とにかく、今は一体何が起きているのか確かめる為にザクの炉に火を点ける。

不思議な事に、プロペラントタンク内の残量は満タンで余裕で爆発の光の元に行けそうであった。

 

 

 

 

 

 

結果から言おう。

俺は別世界に来てしまったようだ。

でなきゃ、宇宙要塞から脱出する白い大天使(アークエンジェル)がいる筈がないし、追撃をかけている灰色のモビルスーツ【ジン】や緑と黒と青に赤の【ガンダム】が白い艦を攻撃する筈がない。

 

「サンダーボルトで死んだら今度はガンダムSEEDォ?ふざけんな…ッ」

 

世界はどこまでも俺に戦う事を強要するらしい。

 

「ああもうッ、死にたかったのにィィ!!………はぁ、どうせあのクソみたいな世界には未練はねぇ!この世界で生き延びてやるッ」

 

ヤケっぱちと言われればそうだ。

だけど、どこぞの転移小説みたいな展開なんて誰が予想できるだろうか。

死にたかったのに死ねなかったのに、民度最悪な世界に飛ばされるなんざ、俺の運はとことん悪いみたいだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆光から離れるように大天使の名を持つ白亜の船は、トリコロール色のガンダム【ストライク】と共に追撃を仕掛けてくるザフトから攻撃を凌いでいた。

 

「ストライクゥゥ!」

 

「グッ…!?」

 

しつこい青いガンダム【デュエル】のビームライフルの連射に、ストライクを駆るパイロット【キラ・ヤマト】は友人達が乗るアークエンジェルへの攻撃に意識を割きながらガンダム4機を相手にするという無茶振りを行っていた。

民間人にやらせるような事ではないが、状況がそれを許さない。

焦るキラに、デュエルのパイロット【イザーク・ジュール】は機体をストライクの懐に突っ込もうとする。

無論、それを援護する緑色のガンダム【バスター】の砲撃。

極太の閃光を紙一重で回避するストライクだが、ビームサーベルで斬りかかるデュエルにストライクはギリギリで反応し盾で防ぐ。

 

「とっととくたばれッ」

 

「ここで僕がやられる訳には…!」

 

アークエンジェルもできる限りストライクの援護にミサイルや機銃で少しでも邪魔しようとするが、モビルスーツの扱いについては一日の長があるザフト。

そして機体の特性(PS装甲)上、実弾が多少当たろうがガンダムにとってはかすり傷にもならない。

 

「このままではストライクが…!」

 

アークエンジェルの代理艦長、マリュー・ラミアスとその副官ナタル・バジルールは状況の悪さに苦虫を噛み潰したような顔になる。

 

「一体、どこからもう一隻のローラシア級が来たのやら……」

 

「もしかしたらパトロール艦がたまたま来てたり?」

 

「可能性は高くないけど……あり得る話ではあるわね」

 

出撃前のムウ・ラ・フラガとの会話を思い出しつつ、ジンの持つバズーカやマシンガンの弾丸がブリッジを掠める度に冷や汗がドッと出てくるのを感じる。

 

「ここで、終わるのか…」

 

誰かがそんな事を呟いたその時だった。

 

「ろ、ローラシアが撃沈!攻撃は……上!?」

 

オペレーターが叫ぶ。

 

 

 

突如として現れた大天使の救世主はお察しの通り、異世界転移してホヤホヤな緑色(・・)のザク。

ビーム・バズーカをサブアームで背中のマウントラックに懸架し、代わりにジャイアント・バズとザク・マシンガンをマニピュレーターに持たせる。

 

「まずは一隻。次はモビルスーツ!」

 

バーニアを全開にして沈むローラシア級を通り過ぎ、呆気にとられるジンにザク・マシンガンに零距離射撃を行う。

 

「は、速いッ!?」

 

「反応が遅い!」

 

撃ち抜かれたジンに他のジンがマシンガンを手に反撃を開始しようとするが、サブアームに保持されたザク・バズーカが火を吹く。

 

「ぐあっ――!?」

 

「じゅ、重武装のクセに素早い!」

 

「どういう事だ!?アレは味方じゃないのか!?」

 

パッと見、カラーリングはともかくモノアイである事からザフトの新型モビルスーツと思っていたジンのパイロット達は困惑する。

そうしている間にジンの数が減っていき、最後に残ったジンはようやく目の前のモビルスーツが敵だと認識する。

 

「あ、ああ…!?」

 

だがしかし、それがもう少し早ければ彼は生き延びれただろう。

気付いた時にはザク・マシンガンをコクピットにあてがわれ、散り間際だったのだから。

 

「これでコーディネイターが上位種なんぞ笑わせてくれるよなぁ」

 

所詮、どこまでも人は人である。

この世界を取り巻く情勢にそう吐き捨て、次なる獲物(ガンダム)に目を向ける。

 

「出力ならこっちが上なんだ!ガンダムとて敵ではないッ」

 

「なんなんだよアレは!?」

 

「俺が知るか!」

 

「イザーク!ディアッカ!ここは引きましょう!未知の敵はあまりにも危険すぎます!」

 

三機のガンダムに肉迫するザクに、まだ少年であるパイロット三人は未だ混乱していた。

しかし、ブリッツ(黒いガンダム)のパイロット【ニコル・アマルフィ】が撤退を提案する事で残りの二人はそれに従う。

 

「チィッ…!」

 

「仕方ない、か」

 

ニコルの慎重さに彼らは救われたが、ザクのパイロット【グエム・タキオン】はそう簡単に逃がすつもりはなかった。

 

「少し、憂さ晴らしに付き合ってもらうぞガンダム!」

 

彼らの将来を知るグエムは彼らを殺しはしない。

しかし、腹の底に煮詰まった鬱憤を晴らしたいという欲にグエムは少々冷静さを失っていた。

残った理性で辛うじてビーム・バズーカではなく、PS(フェイズシフト)装甲によって無効化される実弾武器のみ使っていたのはイザーク達にとっては不幸中の幸いだろう。

 

とはいえ、衝撃まで吸収してくれる機能はないし実弾が当たる度に無効化する為にバッテリーにあるエネルギーがドンドン食われていくので彼らにとってはトラウマ級の出来事だが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー数分後ー

 

グエムはアークエンジェルにコンタクトを取る。

連合軍の通信回線とか諸々なんてグエムが知る由もないので、全周波で呼び掛ける。

 

「俺はサイコ・ザクのパイロット、グエム・タキオン。貴艦への着艦を求める」

 

数度、それを繰り返すとアークエンジェルからの応答が来る。

 

「私はこの艦の代理艦長を務めるマリュー・ラミアス大尉です。まず、貴官の所属を問いたい」

 

モニターに映る生のマリュー・ラミアス。

魔乳なんて呼ばれてたその人が本当にいる。

その事実にガノタとして喜ぶ心とここで喜びを表してはいけないと理性が顔の変化を押し止める。

 

「自分はジオン公国軍のリビング・デッド師団所属、グエム・タキオン准尉と申します」

 

「ジオン公国…?ザフトや連合の所属ではなくて?」

 

「自分も未だに信じられないのですが、どうやら自分は別の世界に転移したようです」

 

「転移って、ファンタジーじゃないんだから…いや、この話は中でしましょう」

 

「では?」

 

「ハッチを開くのでそこからお願いできるかしら」

 

「了解です」

 

ふと、グエムは自分の身体について伝える事を忘れていた事を思い出した。

 

「まあ、良いか」

 

どうせ最初のインパクトはそう変わらないから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キラ・ヤマトは、コクピットから見える重武装のジンに似たモビルスーツに驚いていた。

ジンに似てはいるが、それもモノアイだけでよく見れば欠片も似ていない事が分かる。

そして、自在に宇宙空間を動く姿はキラにとってその機体に使われているだろう技術に興味を持つのは元々の身分からして当然の事だろう。

しかし、コクピットがある胸から這い出てきたパイロットの姿にキラは息を飲んだ。

それはメカニックマンのマードックや、興味本位でやって来たムウ・ラ・フラガも同じだ。

 

「あ、れは…」

 

「傷痍軍人なのか…?」

 

キラは悍ましさを感じ、マードックは引いていた。

 

「は、ははっ……傷痍軍人がなんでモビルスーツに乗ってんだ?」

 

あまりにも予想外な姿にムウは乾いた笑いをあげる。

そして、誰もが思っている事を代弁していた。

四肢を無機質な金属な独特なデザインのパイロットスーツに身を包んだ男によって、アークエンジェルの空気はとても居心地の悪いものになっていた。

 

「……やっぱ伝えておけば良かった」

 

後悔さきに立たずとはこの事である。

 

 

 

 

 





読了ありがとうございます。
良かったら感想よろしくお願いします。

グエムのプロフィ載っけておくゾ


グエム・タキオン(18)

いつの間にかジオンの少年兵になってたし、しかも所属がリビング・デッド師団という死亡フラグビンビンな場所に送られていた最中だった。
見た目はウマ娘のアグネスタキオンに男性らしさ注入して目を黒くした感じ。無論、死んだ目をしている。
身体の持ち主はクズ親に虐待&殺されかけたりしているが、本人は知らないしそれ故に周りの大人から優しく接してくれた事なんて知る由もない。
お人好しな所があり、極まって四肢を差し出してしまったがなんとか元気に生きている。
なんか投薬無しでダリル並みにサイコ・ザクを動せるが、メンタル不調なのでフルスペックを活かせるはずもなく。
復讐の鬼と化したカーラと協力関係となり、さらっとダリルからNTRしてる(誇張表現)

尚、まだ自覚はないがNTの素養がある。
サイコブッダは下手に関与するとグエムにぶん殴られると予知して同調圧力でなんとか戦力にした。こ し ぬ け(嘲笑)
機体カラーは緑で、稲妻をモチーフにしたエンブレムがある。

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