機動戦士ガンダムSEED ー霹靂の鬼は悪魔になれるか?ー   作:単眼駄猪介

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どうも駄戦士です。
実はマキナの正体を前話でさらっと伏線張ってたりする。

ちなみにこの小説の最初期のプロットはこのすばです。
そう、前話に出てきたやつです。
でもそれだったら日の目を見る事なくデータの海に沈んでたと思うのでSEEDに変えて良かったなぁ、なんて

今回はほとんど移動しかないので短めかつ時間が凄く飛ぶぜよ

尚、前話でカズイが幽霊になって化けるという事件が起きていたので修正しておきました。
グエム、疲れすぎて幽霊が見えたってよ()
モリィさん報告ありがとう!



少しの間のお別れ

 

 

艦内の暗い雰囲気を他所に、アークエンジェルは傷を負いつつもアラスカに到着した。

しかし、肝心の積荷【ストライク】は撃破され取り戻した【バスター】とそのパイロットの少年は放置となりアークエンジェルは厄介者のレッテルを貼られることになった。

そんな彼らと別れることになった人物達は、自分の荷物を纏めアークエンジェルのメンバー達と別れの挨拶をしていた。

 

「アラスカまでという契約だからな。申し訳無さが勝つけど、次の予約者がいるからな…すまない」

 

「いえ、ここまで付き合ってくれただけでも感謝しきれないわ。ありがとうグエム君」

 

史実と変わらず、ムウ、ナタルはアークエンジェルから離脱しグエムもまた契約の遂行完了ということでアラスカで別れることになった。

アズラエルの手の者が丁寧に、しかし迅速にサイコ・ザクとその装備を包装し運び出す姿は職人の技と言っていいだろう。

 

「あーあ、乗り心地良かったのにな」

 

「だがアズラエルが呼んでるんだ。行かないわけにはいかないさ」

 

あまり自覚はなかったが今の自分は傭兵である。

勿論、グエムが勝手にそう名乗ってるだけだし、サングラスをかけた傭兵が聞いたらふざけているのかとキレそうだが傭兵ったら傭兵なのである。

 

「しかし、マキナは雇われじゃなかったのか?」

 

「私は長期契約だからね〜。少なくとも戦争中は」

 

「まあ、権力者の下ならそうそう手を出される事がないよな」

 

「そゆこと」

 

オーブで乗り込んだ時にはどちらも少し互いに遠慮していたが、キラの事があってから二人の仲は急接近していた。

グエムの場合、若干マキナに依存しているとも言うが、マキナもまたグエムの事を少なからず好意を持っていた。

それが今の気安さに繋がっている。

 

「仲良くお喋りとは。僕も混ぜてもらえませんかね?」

 

そんな彼らの間に入ってきたのはあいも変わらずスーツ姿のアズラエルだった。

 

「アズラエル理事?」

 

「公の場じゃあないんだ。普通にアズラエルって呼んでくれて良いですよ」

 

「はぁ…」

 

「ここではゆっくり話すこともままなりません。場所を変えましょう。ついてきてください」

 

グエムとマキナは互いにキョトンとした顔をするが、まあ雇い主だからとアズラエルについていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【2時間後】

 

 

グエムとアズラエルはプライベートジェットに乗り、昼食の豪華な食事にグエムは舌鼓を打っていた。

 

「美味しいなぁ…」

 

大分久しぶりの豪勢な食事にグエムはちょっとばかし涙を零す。

それに気付いたグエムは涙を慌てて拭い取り、素面に努める。

 

「その言葉、うちのシェフも喜ぶでしょう。後で伝えておきます。涙が出るくらい美味しかったと」

 

「え、いや、それは恥ずかしい…」

 

少しばかりあった緊張した場が和む。

それに幸いと、アズラエルは本題を切り出していく。

 

「さて、事前に連絡はしていましたが僕が貴方を雇いたいのは分かってますよね?」

 

「ああ」

 

「貴方の腕とサイコ・ザクの力。そして僕が準備している戦力、これを合わせれば戦争の終結は早まるでしょう。その手始めにマスドライバー施設を押さえたいのですが、目標は――」

 

「オーブ、か?」

 

「察しが良いのは嫌いじゃないですよ。ちなみにどうやって推測を?」

 

「戦力を消費したくないなら、戦力的にザフトよりも少ないオーブを攻めるだろう。俺でもそうする。まあ、中立国を攻めるのはあまり気乗りしないが…」

 

「だけど、あの国の日和見主義はいい加減見飽きたのでね。それに手っ取り早く手に入るのならソチラが良い」

 

「……まあ、それが良いなから俺はそれに従うが」

 

何か言いたげな様子のグエムに、アズラエルは何かあるのかと考えそれを目線で促す。

ちなみにマキナは未だに食べている。

まあ、彼女には関係ない話なのだから致しなかろう。

 

「オーブの奴等、死なば諸共とマスドライバー施設も破壊しそうなんだよな…変な所で特攻精神ありそうだから、あの国」

 

「流石に戦後の復興を考えればそんな事をするとは考えられないと思いますが……」

 

「まあ俺の感覚で言ってるだけだから気にしなくて良い。そういえばアークエンジェルはどうなる?」

 

これ以上この話を続けるとボロが出そうだと考えたグエムは話題を切り替える。

アークエンジェルについての問いに、アズラエルは素っ気なくこう言う。

 

「処分ですよ。僕としてはまだ使い道があると思うのですがブルーコスモスの思想に染まってしまった過激派はアレを認めたくないようでしてね……はぁ」

 

「……心中お察しする」

 

「おや?何か体験したことがあるので?」

 

「家族同然の仲間達が狂信者になってサイコ・ザクで戦争おっ始めようとするのに巻き込まれてね…うん」

 

「…思ったよりも僕は貴方と仲良くなれそうです」

 

「ハハッ、何かを嫌う気持ちは分かるからな。シンパシー感じちゃうね」

 

この時のマキナはこう語る。

 

「あれ?何か壮大なラブロマンスでも始まります?ってくらいにお互いを見つめてた。正直、顔には出さなかったけどドン引きした」

 

とにかく、契約自体は結ばれることになった。

 

 

 

 

 

 

【三日後】

 

グエムは強化人間(ブーステッドマン)達と顔合わせし、また新造艦【ドミニオン】を見たり、開発中のミノフスキー・イヨネスコ型核融合炉の開発の経過を聞いたりといった細々としたものをこなし遂にその日が来たとグエムは少し落ち着かないでいた。

 

「SEEDファンが脳を焼かれたっていうフリーダム降臨、見たかったなぁ」

 

そんな事を漏らしつつアズラエルからの呼び出しにグエムは自室から出る。

グエム達がいる場所は研究所とか物騒なところではなく、かつて日本と呼ばれた島国にいた。

そこの高級ホテルで宿泊し、サイコ・ザクの新武器や新たに製造された弾薬類の補充が行われ、そして前述した通り様々な場所に赴いていた。

 

「やあ、グエム。寝覚めは最高でしたか?」

 

「いんや、ブーステッドマンとかドミニオンとか色々あり過ぎてあんまり落ち着かないよ」

 

アズラエルがいる最高級のVIPルームでスーツではなく寝間着姿のアズラエルに、目新しさを感じつつさらっと不満を漏らすグエム。

それに少し笑いつつアズラエルは今日までの事でグエムから出た意見を振り返る事にした。

別世界の人間なのだから、新たな視点から得られるものがあるかもしれないと期待したからだ。

無論、若干それは過大評価と自覚はしていたが期待せずにはいられなかったのだ。

 

「そういえばブーステッドマンに関しては薬物投与を抑えてチームワークを磨く、でしたか」

 

「ああ。機体の特性も考えればそれは悪くはないんだが強化人間ってのは感情が暴走しがちってのが一番の欠点だ。強化し過ぎると今度は飼い主に牙を剥くぞ」

 

「ふむ……それは貴方の経験則、という奴ですか?」

 

「それもあるが、シンプルに共感性を殺し過ぎず、ただ合理的に考えただけだよ」

 

「共感性、ですか」

 

「人の心理ってのは良くも悪くも人間に影響を与える。家畜扱いすれば復讐に燃えるし、良くしてもらえば恩も感じる。それはコーディネイターだろうがナチュラルだろうが変わらないだろう?結局、どっちも人間なんだから」

 

「まあ、それはそうですね。第三者から見ればそうでしかないでしょう」

 

この意見は今後の強化人間作りに活かすと考えつつ、次の話題に話を移すアズラエル。

 

「核融合炉についてはどう思います?」

 

「しっかり安全装置も再現してて良いと思うぞ。まあ、技術体系が違いすぎるから大分大型化したが……」

 

「地球を核で汚染するなんてあってはなりませんからね。せっかく復活した緑豊かな自然をまた破壊なんて御免被ります」

 

「だが戦争利用はやめておけよ?宇宙ならいざ知らず、地上で運用すれば下手すると核融合炉で自爆する輩だって出てくるからな」

 

そう言いながらグエムの脳裏に浮かぶのはサザーランドや小物のロード・ジブリール。

アイツらは平然とやりかねないと想像していたが、奇しくもアズラエルもその者達を脳裏に浮かばせていた。

 

「確かに。僕の方で完璧に管理するようにします」

 

ブルーコスモスは本来、環境保護団体だ。

コーディネイター殲滅のために地上で核を爆発させるような輩はいない、と言い切れないのが今のブルーコスモスの悲しい所である。

 

「その為にもアズラエルには終戦後もしっかり生きてて貰わないとね」

 

「死ぬ気なんてさらさらないですよ」

 

まあそりゃそうか、とアズラエルの言葉に頷きつつ、あの事(・・・)を言うべきか思案する。

尚、大分顔に感情が出やすくなったグエムは思いっ切りポーカーフェイスを崩して思案顔だったのでアズラエルは不審に思い問い質す。

 

「何か隠し事でも?」

 

「いや、とある事を言うべきか悩んだだけだ。でもまあ、顔に出てたからにはいうべきなんだろうな。信用の為にも」

 

バレては仕方ない、と自分の失敗に冷や汗をかきつつそれを隠してそのとある事を伝える。

 

「これは俺の直感という、あやふやなものなんだが……ザフトは核動力の機体を作ってるんじゃないかと思うんだ」

 

「ほう、それはどうして?」

 

「俺はアズラエルみたいに情報屋のツテなんてないから本当に直感だぞ?だけどまあ、勘だけじゃなくて戦力的にも考えられるからな…」

 

「確かに、サイクロプスの起動でザフトの地上軍が全滅すればそれらのロールアウトを早めるのはあり得なくないですね…」

 

「そこら辺はアズラエルも既に考えているとは思うが、ザフトは元々地力が低い。なら、高性能化ややたらめったらにヘンテコなモビルスーツを作るしかない。その中に紛れる宝もそろそろ出るんじゃないかってな」

 

「ヘンテコ……なんだか見た事ある物言いですが」

 

ヘンテコモビルスーツ、というワードに興味を示すアズラエル。

多分、反面教師にするつもりなんだろうがファーストガンダムをリスペクト・オマージュしているSEEDは無事、ジオンの変な癖を受け継いでしまっている。

代表的なのはディンやザウートだろうか。

 

「実際にジオン公国にあったんだよな……両面全く同じの水陸両用モビルスーツとか、掘削する為だけのモビルスーツとか」

 

「なんですかそれ……普通の重機じゃ駄目なんですかソレ」

 

「宇宙育ちってそういう所あるから……地球の事を碌に知りもしないで侵略しようとしてる奴等だし」

 

「貴方にもそれ刺さりますケド」

 

「俺はちゃんと認識できてるからモーマンタイ!」

 

朝から変な話ながら面白い話をするグエムとアズラエルであった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、アークエンジェルの方はというと無事、キラ・ヤマトの駆るフリーダムと共に連合軍を離脱し、オーブに脱走するのだった。

キラはグエムがいない事に寂しさを感じつつも、敵として相対する事にならない事を祈るのだった。

 

 

 

まあ、そんな願いが簡単に届くのなら戦場に死が溢れるような事なんてないのだが。

 

 

 

 

 

 





ちなみにドミニオンとアークエンジェルに関しては勿体ないよなぁ、と言いつつまあ仕方ないよねとゆるーい感じ。
流石に勝手にオーブに恩を売ってきたアークエンジェルとそのメンバーが良い目で見られるわけないしね……

新武器の出番はオーブ侵略時になります。
三馬鹿、良いですよね。
マキオンのクロトでヒャッハーしながらプレイするの楽しいです(笑)

え?シャニ?曲がるビーム当てづらすぎてたまに使うくらいッス……

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