機動戦士ガンダムSEED ー霹靂の鬼は悪魔になれるか?ー   作:単眼駄猪介

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オーブ焼却RTAはっじまーるよ〜(詐欺)

評価バーがオレンジに格下げされようがちゃんと終わらせてやるぞぉ…

ダメージがないわけではないが()
たまにハーメルンの評価システムに疑問を抱くけど、ただの気の迷い…気の迷いなんだぜ…
なんだよ、評価するとお気に入り登録されてたりしてたの…

そんな湯だってトチ狂った思考を他所に続きをどうぞ




赤い瞳の下で

 

 

アズラエルと計画を練り上げたのは良いものの、すぐに出撃命令が出る。

 

今度は一気にカタをつけるつもりのアズラエルは、新武器も持ってけと言われてせっかくだし使う事にした。

 

「【試作汎用破砕球(ミョルニル)改】か……ガンダム・ハンマーやんけ」

 

サイコ・ザク用、ではなく今後開発されるだろう連合のモビルスーツに使える武装をどうせならベテランに評価してしまおうという狙いが開け透けて見えるが、それは正しい判断だけにグエムは苦笑いする。

 

「形状はほとんどレイダーの奴と変わらないが、量産性を重視して耐ビームコーティングはオミットに、材質変更と…」

 

カタログスペック上では本家レイダーのミョルニルと威力はそう変わらないらしいが、はたしてこれを量産するのは正しいのだろうか。

応用が利きやすい武装ではあるが、扱いこなすにはひたすら練習しなければならないだろう。

評価も今回の作戦で使う必要性も最初から決まっている武装に苦笑いを浮かべつつ、先の戦いで気にしていた人物を思い返す。

 

「本当に、記憶ってのは…」

 

グエムの顔に出たのは怒りと後悔。

理性ではどうしようもないのは分かっている。

むしろ、今の今まで場所やどんな顔だったか覚えてる方がおかしくもある。

人間は忘れる生き物だ。

だがしかし、そんな事で済ませられるような話ではないのだ。

 

「なんでもっと早く、思い出せなかった!クソッタレ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【作戦中断より少し前】

 

 

 

 

 

グエムは、見たことのある地形に嫌な予感を感じてよく見れば、そこは地獄があった。

少年の両親だったのだろう男と女のバラバラになった死体が散乱していた。

 

そして、目の前で妹だった物の腕を前に崩れ落ちる少年と、それを見て助けようとするオーブの軍人。

だが、そこにイレギュラーが割り込む。

 

「コーディネイターは死ねぇ!」

 

「青き清浄なる世界の為にィィィ!」

 

都合の良い建前を並べながら、突き進んできた三機のストライクダガーが、避難船の方へと来ていた。

オープン回線から聞こえる言葉は、極度の興奮状態だと分かる。

それを見てグエムは割り込む事を決意する。

赤い瞳を涙に濡らした少年を救うとか、贖罪しなければという意思とは無関係に、戦場に浮かれた馬鹿を止めるために。

 

「軍人なら民間人に手を出すな!馬鹿者!」

 

そう言いながらグゥルから降りてストライクダガーを蹴り倒すサイコ・ザク。

 

「何をする!?味方だろう!?」

 

「バカやらかす前に止めただけだ!」

 

「バカとはなんだ!コーディネイターを殺す事になんの罪がある!?」

 

「それがバカなんだよ!そもそも民間人の虐殺の命令は出ていない!」

 

口論になるも、グエムの言葉に耳を貸す気はさらさらないようだ。

だから、感情だけを先走らせたパイロットはビームライフルをサイコ・ザクに向ける。

 

「ええい、貴様!邪魔するなら――」

 

そこまで言いかけて、そのストライクダガーの胴体に穴が空く。

下手人は勿論、サイコ・ザクである。

その手にはいつの間にかビームライフルが構えられていた。

 

「会話中に武器を向けんじゃねぇ」

 

「な、何を!?」

 

「貴様!裏切り者はころ――!?」

 

「見下げ果てた奴!」

 

激昂してライフルを向ける二機に、グエムは軽蔑しながら引鉄を引く。

2発の緑色の光線が二機のコクピットに直撃し、動きを止めた。

そして爆散。

グエムは少年とオーブの軍人に被害が及ばないよう、サイコ・ザクに持たせた盾を前面に構えて爆風を受け止める。

 

「うあ…!?」

 

「ぐっ…!」

 

爆風から少年を庇うオーブの軍人、トダカ。

サイコ・ザクの行動のおかげで吹き飛ばされる事はなかったが、ようやくそれで目の前の現実に戻ってきた少年……シン・アスカは、自分を守ってくれたトダカとサイコ・ザクを見た。

その瞳を通して彼は何を抱いたのかは分からないが、もしかしたら目の前のサイコ・ザクは彼にとって救世主に見えたかもしれないし、間に合わなかった事に怒りを抱いたかもしれない。

 

だが、それ以上に荒れていたのはグエムだった。

感情のままにやってしまったと自覚してはいるが、後悔はなかった。

ここまで清々しくクソみたいな奴と出会うのは久しぶりだと、感じると同時にちょっと懐かしさもあったのはグエムには腹立たしかったが。

撤退信号を送る旗艦にグエムは二人を気にかけつつ、その場から離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【そして冒頭に戻る】

 

 

味方殺しについてはアズラエルからは国際人道法などの法とちょっとしたコネとテクニックによってお咎め無しで済ませてくれたが、これじゃアズラエルに頭が上がらなくなるのも時間の問題だなとグエムは苦笑する。

今だにグエムの心は荒れているが、それでも目の前の事から逸らすことだけはしない。

 

「もう後は、やる事だけやりゃあ良いんだ。今度は雑兵でも本気で潰す。手加減は無しだ…」

 

自分のミスで苛立とうが今はその事を考えずに目の前の敵を倒すしかない。

なんであれ、今の自分は雇われの傭兵なのだからと。

 

 

 

 

サンダーボルト宙域の時から心がけていた一所懸命という言葉。

それが似合う男はグエムだ、とよく仲間達から言われていた彼にとって、戦場では良くも悪くもグエム・タキオンという人間の戦場で生き抜ける力を与えた。

宇宙に漂うデブリ(宇宙ゴミ)を避け、敵の動きを読んだ狙撃やガンダム等のアニメを見ていた故の知識・考察で何度も戦場から帰ってきた。

無論、リビングデッド師団の戦略の都合上、真正面から戦うことが少なかった事もあるが。

 

「悪鬼だ……」

 

とあるM1アストレイのパイロットは相対したサイコ・ザクをそう評した。

モノアイ、角つき、野生味溢れる肩スパイクから極東の流れを汲むそのパイロットは、強き者を比喩する意味もあった【鬼】という言葉が思い付いたのだろう。

十機がかりでサイコ・ザクに立ち向かったまだ新米と言っていいアストレイのパイロット達は、ビームの弾幕に物怖じせず突っ込んできたサイコ・ザクに切り刻まれ沈黙させられた。

その様を見せつけられれば、悪鬼と呼ばれても致し方ないだろう。

 

「嬢ちゃん達!アイツは俺が相手をする!嬢ちゃん達はシャトルの方の防衛を任せた!」

 

「あ、はい!いくよ!マユラ、ジュリ!」

 

無論、そんな強い敵がいればそこに強い味方を出すのは当然の采配だろう。

 

「また、こうして会うことになっちまったな…」

 

対峙するパーフェクトストライクとサイコ・ザク。

そんな有り様にムウは悲しげにそう切り出した。

 

「敵は敵、やるしかない。だから、死ぬ気で抗ってくださいよ!」

 

「うおぉぉっ!?」

 

会話を楽しむ、なんて洒落た事もせずグエムは機体を前に突撃させる。

今回、サイコ・ザクの武装は実弾メインでPS装甲持ちには有効打がビームサーベルしかないという舐めプをしているが、これからの展開の都合上を考えれば当然の武装選択であるし、オーブという軍を相手するのなら破壊力と弾幕形成が容易な実弾をメインにするだろう。

そういった目的の為にも、アズラエルの権力と金でザク・マシンガンの弾やジャイアント・バズの弾を技術提供を見返りに大量生産してもらったのだから。

無論、この数日で用意できたのはハッキリ言ってグエムはドン引きだったが、宇宙世紀よりも技術発展の早いコズミック・イラならばそうだとしても不思議ではないかと解釈したが。

 

「グエム!本当にこのままで良いのか!?中立国にこんな事をする連合に居て良いと思ってるのか!?」

 

仲間だった故にか、説得を試みるムウ。

だが、それにわざわざ答えてやる義理は……あるがここで答えた所で何か変わるわけではない。

下手をすればこの後、宇宙に上がる彼らが全滅する可能性も無きにもあらずなのだ。

 

「そんな所で足を止める武装を使わない!」

 

「うおっ…!?」

 

ザク・マシンガンを撃ちながらストライクに肉迫するサイコ・ザクに、ムウはアグニを撃つことでグエムに距離を取らせようとする。

しかし、シールドでそのままゴリ押しで接近したサイコ・ザクはストライクの腹部にキックをくらわす。

戦果に燃える町中で、蹴り飛ばされたストライクはビルに背中から激突する。

 

「クッソォ…!」

 

吹き飛んだストライクの体勢を各所姿勢制御スラスターで立て直していたが、衝撃でエールストライカーのバーニアがイカれたようだ。

それを見て即席なのだろうか、九機編成のアストレイ部隊が足止めに入る。

 

「フラガ大尉殿!お下がりを!」

 

盾を構えてサイコ・ザクにビームライフルを撃つが、実戦は初めての彼らが歴戦のパイロットに敵うわけもない。

サイコ・ザクがジャイアント・バズにメインウェポンを切り替え、アストレイに撃つ。

それに対して、アストレイは回避ではなく防御するが残念ながら選択ミスである。

アストレイは機体の特性上、防御よりも回避して被弾を抑える運用が正しい。

無論、後ろで後退するストライクを守る為、というのもあるのだろうが、それでも最低限の防御力を持ってるだけのアストレイで防御は悪手である。

 

「ぐわぁっ!?」

 

「発泡スチロールがぁー!」

 

ジャイアント・バズの直撃はシールドを保持した左腕ごと破壊し、アストレイの脆さを顕にした。

とはいえ、ジャイアント・バズ自体が高火力なのもあるのだが。

それをくらってほぼ無傷なガンキャノンの装甲は、やはりどうかしている。

それはさておき、グエムは空いた陣形の穴にとっておきのクラッカーを放り投げた。

 

「なんだ!?」

 

「手榴弾―!?」

 

周囲のアストレイのやや後ろに落ちたクラッカーは、着弾の直前に弾ける。

そしてクラスター爆弾のように広範囲に爆発の嵐がアストレイを襲う。

 

「ギャアァァァァ!!」

 

「私の腕が……ああっ!?」

 

一機は運悪く弾けた物、爆弾が至近で爆発したようで断末魔をあげることなく爆散した。

それ以外は当たりどころが悪かったのか、コクピットで尋常ではない悲鳴をあげる者が散見された。

動ける機体はすぐに起き上がり、サイコ・ザクに立ち向かうが戦える数は六機に減っていた。

一方でグエムは自身の反省点を考えつつ、残るアストレイに攻撃を仕掛けていた。

 

「天パなら今の間に突っ込んで斬り掛かって残りを片付けていたたか…?」

 

自分への被弾を恐れない突撃。

自分にはとても真似できないと苦笑いするが、それをしながら近接戦闘を仕掛けてきたアストレイを捌いている時点でグエムは片足をアタオカに突っ込んでいるのだが。

 

「クソッ!」

 

「モビルスーツ初心者だからって、殺さないなんて甘い対応はしないぜ」

 

大振りのサーベルを機体を右に傾けることで回避し、シールドの先端をコクピットにぶっ刺すサイコ・ザク。

機能を停止し沈黙するアストレイから視線を次の獲物に切り替え、ジャイアント・バズを上空に放り投げる。

 

「なんだ!?罠か!?」

 

唐突な行動にアストレイのパイロット達はそちらに視線が釘付けとなる。

それこそが罠だと気付けた一人のパイロットはバーニアを吹かしてその場から退避する。

 

「皆!逃げろ!」

 

そんなパイロットの叫びも虚しく、サイコ・ザクは空いた両手に腰に懸架されていたビームサーベルが抜刀される。

 

「は?」

 

「スゥー…!」

 

戸惑うアストレイ達に、ピンクの軌跡が通る。

呆けている間に胴体を切り裂きあっという間に四機を撃破する。

 

「隊長!」

 

「ぬうぅっ!?」

 

離脱していたアストレイが残る二機が逃げられるようビームライフルで牽制するが、サイコ・ザクは右肩の耐ビームコーティングされたシールドで受け流しながら通り抜き様に隊長と呼ばれた機体がコクピットごと胴体を裂く。

 

「ちくしょおぉぉぉぉ!」

 

怒号のままにタックルをかます隣にいたアストレイ。

たまらずタックルをくらうサイコ・ザクだが、この程度で意識を失うほど軟な経験はしていない。

 

「グッ……だがそれまでだ!」

 

すぐに機体の姿勢を立て直し、足払いでアストレイをひっくり返す。

 

「グアッ!?」

 

「せあっ!」

 

倒れたアストレイにビームサーベルを突き立て、トドメを刺す。

それを見ることしかてきなかったアストレイのパイロットは、戦意を喪失する。

 

「ひっ……あ……」

 

ビームライフルを構えるだけで引鉄を持つ手は震えていた。

そんなパイロットの様子に、グエムは覚醒し始めたニュータイプ能力によって感じ取る。

 

「うえ…気持ち悪い…」

 

元々、戦意がないなら殺す気はないとはいえ唐突に発動した能力にグエムは軽く吐き気を感じる。

 

「あっちに行くか……」

 

この場からさっさと離れたい、そんな気持ちが先行しグゥルを呼び出す信号を出してその場から離脱する。

それを見かけていたアストレイがビームライフルを撃つが、碌に狙いをつけられていない弾に当たるわけもなく離脱を許してしまう。

ふと、グエムはカミーユ・ビダンの事を思い出す。

彼は戦場の死者の声が聞こえ過ぎてしまったが為に、精神崩壊への一歩を踏むことになってしまった。

では、自分はどうなのか。

今は先程のようにたまに感じる程度で済んでいるが、進化とも突然変異ともいえるニュータイプという力は人の制御下に置けるものではない。

いずれ、自分もカミーユのように発狂するか精神崩壊を引き起こすのか。

想像したくもないが、それを懸念する必要があるなも事実。

昔は少しばかり憧れていたニュータイプ能力に、グエムは現実を見てそのギャップに苦笑いを浮かべるしかなかった。

 

 

 

 

 

 

その後、オーブの戦線をあちこちと現れてはストライクダガーの援護や突撃して防御に穴を開ける遊撃隊として大活躍し、オーブの軍人達から恐れられるのだがそれはまた別の話である。

一方で、この事を知らされたムウは次に敵として会った時はこの手で……と覚悟を決める。

カガリもまた、非道で冷酷な男だとグエムへの心象が変わるが、思い出の中にいるグエムの姿と板挟みになる。

そもそも父親であるウズミから、血の繋がった双子がいると伝えられ心の整理がついていない故に考える事は多くなり、精神的な疲労が多くなっていた。

それでも、彼女を支えてくれる者達がいる。

きっと乗り越えられるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結論から言うと、オーブは陥落した。

連合軍が欲しかったマスドライバー施設とウズミら国のトップの自爆によってオーブの存在は過去のものになった。

だがしかし、火種は宇宙(そら)に飛んだ。

大天使と剣が人類の明日を救うと、身勝手な願いだが確かな希望に未来を託して。

 

「まさかグエムさんの予想が当たるとは思いもしなかったですよ」

 

まあ、そんな老人達の願いなぞ知る由もないアズラエルは予想を言い当てたグエムの勘と観察眼に驚き評価していたが。

 

「追い詰められた国が何をするのかなんて歴史から分かるし、後は俺の経験もあったからな…褒めるようなものじゃないよ」

 

アズラエルからの評価に、そう返すグエム。

敗戦国の闇をサラッと醸し出すグエムにアズラエルに書類を渡しに来た秘書のような事をしているマキナは、手は止めぬものの少し気まずい気持ちになる。

 

「それはともかく、残るはパナマのマスドライバー施設だけしか宇宙に上がる手段がありません。失敗は許されませんよ」

 

「分かっている。まあ次は余裕なんじゃないか?」

 

「それなら良いんですケド……」

 

避けたかったビクトリア基地の武力制圧に少し頭を悩ませるアズラエル。

そんな彼を励ますグエム。

 

「あの二機のガンダムタイプがクソ強いだけで、ブースデッドマン達は強い方さ。パイロットの腕もそうだが、アレに使われている動力、アズラエルなら察しているんだろう?」

 

「ええ…それも貴方が言ってましたよね」

 

「自分で言うのもアレだが、占い師でも目指した方が良いのかな」

 

茶化すグエムだが、茶化さないとアズラエルに自分が転生者である事とか言わされそうで怖く感じていたりもする。

 

「それに俺はアークエンジェルに対して、殺す気にならなかった。昔から身内には甘いとは言われてたけど、ハハハ……人に覚悟とかとやかく言えないな」

 

今度はグエムが落ち込む。

それにアズラエルは肩を叩いて慰める。

 

「ボクに戦士の心構えとかはよくは分かりませんが、少なくと血に汚れる覚悟を持っていているのは君の戦いぶりを見ていて分かりますよ。だからそんなに落ち込まないでください」

 

男同士かつ気楽な仲でいられるというのもあまりないからか。

いや片方はそんな存在ではないのだが、しかしまあアズラエルがそれで良いのなら良いのだろう。

一先ずの祝勝会をこじんまりながら二人はして、二人仲良く酒を飲んで寝るのだった。

 

「……男ってバカ」

 

その一部始終を見ていたマキナの感想は、その一言で締めくくられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【オーブ避難施設】

 

 

赤い瞳の少年は海を見ていた。

形見となってしまった(マユ)のピンクの携帯電話は、少年が未だ固く握りしめていた。

 

「シン・アスカ君、だね」

 

避難民への説明を終えたトダカがシンに声を掛ける。

しばらくは家族を失った彼を見ておかなければならないと、トダカは今の少年の不安定な精神状態を思慮し、こうしてシンの元に来たのだ。

だが、シンと呼ばれた少年は返事をする事なく海を見ていた。

 

「……シン君、しばらくは君の事は私が預かる。嫌かもしれないが、今のオーブは…情けないな。私も感傷に浸っているようだ」

 

今のオーブは敗戦国。

自分の明日も見えない故に、自分が思っていたより意外と不安だったようだ。

トダカはそんな自分に自嘲する。

だが、シンはようやく声を発する。

 

「アイツは…あの鬼みたいな奴は……俺を守ってくれたんですか…?」

 

鬼、という言葉にトダカが唯一思い当たるのは上層部で【サイコ・ザク】と呼ばれている、なんでも異世界から来たとかいう眉唾物の存在と。

だが目の前の少年はそんな事を聞きたいわけじゃない。

文字通り、守ってくれたのか聞いているのだから。

 

「ああ、そうだな。敵ながら戦争のルールを守ろうとしていたと、私は考えるよ」

 

「戦争の、ルール…」

 

シンは、その言葉を噛み締めながらこれから自分のすべき事をなんとなく分かった気がした。

だが、今は……

 

「今は泣きなさい。泣いてから、前を見よう」

 

そうトダカは言い残して、再び静かに泣き始めたシンから離れるのだった。

 

 

 

 

 





読了ありがとナス!
最近は面白い小説見つけては最新話まで読んでるので創作が進まないェ…

ギュネイの時のネタが溢れ出る創作脳が恋しい()

ちなみに最近、アナザーセンチュリー3買ってプレイしたんですが、本当になんでRはあんな事になったんだろうってなりましたね……初プレイがRなだけに……落差が…

さて、シン君のご家族はお察しな奴になったけどシンとグエムは彼女の遺体は見てません。なので、遺体を見る描写はない……
生存フラグかは皆様のご想像にお任せします。

そしてトダカさんの行動に関しては、ほぼ独自解釈。
種死開始時点であんまりメンタル回復してない上に連絡も最終的に途絶えた辺り、彼の仕事上そこまで関われてはないとは考察できますが、大人として放ったらかしはないので静かに少し離れた所で見守る形になったのかな〜と。

そして大分オーブの話を端折りました。
まあキラ側の展開は原作と一緒なので……
そしてオーブの各戦線の話は長引かせてもそこまで利点があるわけがないのでこちらもカット。
とりあえず、現段階のオーブ軍の強さの指標になれば良いかなと思っております。
相手が悪すぎる?それはそう()

そして、少なからずグエムの行動でシンに影響を与えましたが結果は種死編をお楽しみに!

ちなみに発泡スチロールにここ好きがあったら歓喜乱舞だったりする

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