機動戦士ガンダムSEED ー霹靂の鬼は悪魔になれるか?ー 作:単眼駄猪介
最近、久しぶりにウォッチドッグスレギオンやったんですけど、すっごい頭疲れる…
でもマイカーでミサイル積載してるスパイとか頭イカれてんのかって思いながらゲラゲラ笑いながら無人車両や警察車両にブッパしてました。
なんでこんなにツボってるのかは俺も分からない()
そして嬉しいことにUA10万超えました!
感謝!圧倒的感謝ッッッ!
それでは本編どうぞ
抵抗し、敗北したオーブは敗戦国として連合の政治家連中がどうにかするだろう。
ならば、自分はなんか友達になってしまったアズラエルと共にパナマを攻略し、宇宙に上がるだけである。
そんな感じで集中していたらいつの間にかエルビス作戦でプトレマイオス基地に来ていたグエムは、時間の早さに狐に包まれた感覚に陥っていた。
もう次はボアズ攻略かぁ……なんて思うグエム。
そんな彼の下にアズラエルがアークエンジェル級2番艦【ドミニオン】の休憩室に入ってくる。
「なにボケっとしてるんです。貴方のザクの準備が控えているでしょう?」
「あ、すまない。なんか、時間が早く感じてな…」
「まあ、貴方の働きもあってトントン拍子に事が運びましたからねぇ。しかし未だにアークエンジェルとオーブの残党は懸念事項ですが」
「だが彼らを上手く使えば戦争を終わらせられるさ。少なくとも計画通り、最低でも彼らに攻撃しなきゃなんとでもなる」
「それは良いんですケド、ナタル艦長に言っちゃって良かったんです?」
「ナタル艦長は堅物だけど、無能じゃない。現場の戦闘指揮ができる人に配慮してもらう方がメリットが大きい」
「まあ僕としてはどちらでも良かったんですけどね」
「……俺が追わなかったらアズラエルも言わなかったろ」
今になって自分の取ろうとしていた行動を咎められ、アズラエルは惚けようとするがあえなくグエムの追撃で御用となる。
「ですが僕としても色々なしがらみがあるので、失敗したらどやされるどころじゃすみませんよ」
「そん時は命かけて守るから安心しな」
「頼もしい限りで…」
軽く駄弁ると、グエムは格納庫に向かうべく離席する。
そんなグエムの事を見送り、アズラエルはふと地上にいる自分の妻子の事を思い出す。
「治安維持が優秀な日本地区に移住させたのは良いですが、やはり心配ですね…」
まだ年頃で思春期真っ只中の娘と、仕事に忙殺されて連絡も取れていない妻の事を考えるアズラエル。
そんな自分に気が付くと、アズラエルは笑いをこぼす。
「意外と、僕も毒されてるんでしょうか。オーブで最初の出会いをした時は、もっと猛獣のような、亡霊や怨霊のような感じでしたけど」
一方、サイコ・ザクを本来の仕様に戻す工程を見つつ追加装備のミョルニル改や新造のシュツルムファウスト、小改造によるサーベルのマウントラックの増設etc…
メカニックの話の情報量に頭が痛くなりそうなグエムだが、少しずつC.E.の技術が混ざっていくサイコ・ザクに、最終的にどうなるのか少し楽しみにしているところもあった。
「模擬戦、するか」
「え?」
「宇宙での機動を思い出すのと、あとはブースデッドマン達の宇宙での慣らし運転さ」
「……アズラエル氏に確認取ってます?」
「今から取る」
「えぇ……」
横暴とも取れるグエムの言葉にメカニックは若干引きつった表情で正気を疑うが、大真面目にアズラエルに連絡する姿にメカニックだけでなくドミニオンのクルー全員にその存在感が大きくなるのは必然的であろう。
まあオーブ戦から共にいる者達にとってはそんな戸惑う彼らの事を後方で腕組みしているだろうが……
まあそれはさておき。
アズラエルの許可をもらい、慣らし運転で月から大分離れた所でドミニオンから出撃するサイコ・ザクと
模擬戦は許可されなかったが、宇宙での慣らし運転はどのみちするつもりだったアズラエルとしては、例えグエムが何も言わずともそうしていただろう。
「オルガ、宇宙空間は地上の時と違って下や上からも当たり前のように攻撃が来るし、奇襲してくる。戦場にいる時は今まで以上に気をつかえ。まあそう簡単に当たるとは思わないから心配はいらないか」
「シャニ、偏向シールドは鉄壁だがビームブーメランや懐に潜られると防御しようがない。分かってはいるだろうがシールド自体前や横にしか可動域がないのだから、宇宙空間では地上の時よりも舐めプしていられないぞ」
「クロト、機動力の高い機体だから今のうちにかっ飛ばして機体の挙動を確認しとけ。宇宙空間じゃ慣性が働くから、常にバーニアを吹かす必要はない。推進剤の節約を意識してみろ」
各々、自由に宇宙空間を飛び回る。
そんな彼らを見ながらアドバイスをかけていくグエムに、オルガ達は思春期の子供のように反抗する。
「へっ、言われずとも!」
「舐めプなんてしてねーし」
「はいはい。やりゃあ良いんでしょ」
まあ口だけで、ちゃんとやる辺り本来の性格が少し見える。
特にクロトは変形を織り交ぜた高機動を試している。
体にかかるGは凄まじいはずなのだが、流石はブーステッドマンと言ったところかとグエムは外面だけなら微笑ましい光景に少し微笑む。
中身?強化人間という死亡フラグの塊ですがなにか?
「さて、俺も勘を取り戻さないとな…」
バーニアとスラスターを吹かし、全速力で宇宙を飛ぶ。
「へへっ……憧れたよなぁ…こんな動き…!」
機体をバレルロールさせ、目の前の沈んだ連合軍の艦艇【ドレイク級】の横をギリギリで通り抜ける。
「ふっ……!」
急制動をかけ、機体を反転させてもう一度ドレイク級に接近する。
今度はドレイク級の甲板に着地しようと機体を減速させながら細かな姿勢制御スラスターの操作で華麗に甲板に着地する。
鉄の残骸となったドレイク級には人影はなく、クルーは脱出したか艦と運命を共にしたか……もしくは遺体を回収されたのだろうか。
ふと、何かに導かれるようにグエムは地球を見る。
「……
グエムの目には宇宙は黒く見える。
それは自分のニュータイプ能力が未だその域に行っていないからか、それともただの与太話なのか。
だが、地球はまさしく青かった。
サンダーボルト宙域から見えた地球も青かった。
よくデブリで隠れてしまっていたが、それでも地球は美しいと思えた。
〜♪
「……ジャズ?」
ボーッと地球を見ていると、かなり遠いところからジャズが聞こえた気がした。
「いや、そんな事があるわけない。海賊放送にしたって普通はノイズが――」
グエムは自分の目と耳を疑った。
激しく打ち鳴らされるドラム、甲高くしかし艶やかなメロディなトランペット。
その中に潜むようにギターが低く唸る。
ハッキリと聞こえる。忘れるわけがない。
あのガンダムから聞こえたジャズが、ハッキリと聞こえていたのだ。
そして、それを証明するかのように紺にも見える
「うわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!????」
これは現実ではない。
まやかしでしかない。
だが目の前にいる
「ぬわあぁぁぁっ!」
恐怖で竦む体が跳ねるようにサイコ・ザクがドレイク級を足場に跳ぶ。
「が、ガンダムなんか……ガンダムなんか怖くねぇっ!」
射撃武装はビームライフルしかない。
慣らし運転故に保険にビームライフルとビームサーベルがあるだけで、本格的な戦闘は考慮していない。
だが今はそれで十分だった。
「うおぉぉぉっ!」
ビームサーベルをガンダムに突き立てる。
サブアームに懸架されたシールドを貫き、背中に積載されたミサイルポッドを破壊する。
かつて、フルアーマーガンダムと呼ばれた悪魔は背中からの爆発に巻き込まれる前にバックパックを切り離す。
それでも尚、圧倒的な加速力でグエムのサイコ・ザクを置いていく。
「ミサイルベイ…来たッ」
距離を取ったガンダムは、追加装甲に隠されていたミサイルを全弾サイコ・ザクに向けて放ち、ミサイルが吐く煙に紛れる。
行動を読み切ったグエムはビームライフルで直撃コースのミサイルを迎撃する。
そして直感に導かれるままに下に向けてビームライフルを撃つ。
「死角から来たとて!」
互いのビームライフルにビームが直撃し、残りは近接武装であるビームサーベルのみ。
これまでは意識してビームサーベルで鍔迫り合いしないように振るってきたビームサーベルが、かち合う。
激しいノイズと共に流れるジャズに、グエムは顔をしかめながら残る左手でパンチをガンダムの腹部にかます。
だがガンダムの装甲の前には大したダメージもなく、カウンターとばかりに蹴飛ばされる。
「貴様ッ――!?」
姿勢を立て直し、グエムはモニターに映る景色を素早く見渡す。
そして衝撃がグエムを襲う。
「ぐああぁぁぁ!?」
メインカメラをやられたサイコ・ザクは、電気の逆流によってコクピットで爆発と放電が起きる。
煙を上げ始めるサイコ・ザクだが、何が起きたのかをグエムは最優先で確認した。
一年戦争の機体なので、申し訳程度の解像度の低いサブカメラから映るガンダムは、勝色の装甲を外し
「は?」
手にはあったはずのビームサーベルがなく、そこからビームサーベルを投擲しサイコ・ザクの頭部を破壊したのだと考察できる。
だが、今目の前にいる存在はなんだ。
何故、
一応明言しておくが、パイプのついたパチモンではない。
正真正銘のガンダムである。
「あ、あぁ…」
勝てる訳が無い。
その姿を見ただけでグエムは戦意を喪失しかける。
更新されたシミュレーションで対峙したガンダムは、シミュレーション開始直後に撃墜される事もあるほど、頭のおかしいデータを内包していた。
原作知識があればワンチャン倒せるのではと、淡い希望に縋って何度もチャレンジした。
だが駄目だった。
むしろ
精々、5秒ほどその攻撃を防げるようになった程度でとてもではないがリビング・デッド師団に配備されたモビルスーツではお世辞でも勝てる訳が無い。
「は、はははは!どうせ幻覚ならやってやる!」
自分は何を言っているのだろう。
ここは
グエムは自分の発言に呆れつつ、しかし敵であるガンダムに挑む。
「せえああぁぁぁぁぁ!」
ビームサーベルをガンダムに向けて振るう。
だがガンダムは軽くスラスターを吹かして最低限の回避。
そしてまだ発振されていないビームサーベルの柄をコクピットに押し付けられた。
右腕はガンダムの左腕によって押さえられ、その際の衝撃でビームサーベルを取り落とす。
「ヌルっと来るんじゃないよ、ヌルっと」
その言葉を最後に、グエムはピンクの光に消え――
「死――」
る前にサイコ・ザクは左手にビームサーベルを握らせて横に振るう。
そしてグエムの意識は白一色に染まった。
ーーー
目を開くと、元通りの宇宙だった。
「……………」
手がない代わりに身体が震える。
カタカタという音がコクピットの中でやけに明瞭に聞こえ、そしてグエムはふと下を見る。
「ッ」
ゾワッ、というのはこの事なのだろうとグエムは理解した。
宇宙が見えた。
そしてその宇宙のあちこちから、黒い手が自分を招くように揺らめいていた。
悪魔めいた人影が槍を手にしてこちらを見ていたのは気の所為だと思いたい。
「へ、へへっ……まだあの世には行きたくないんでね…」
その強がりの言葉を振り絞るのが精一杯であった。
帰投後、やけに疲れた顔で部屋に戻ってきたグエム。
アークエンジェルの時と同じく同棲する事になったマキナはカエルの宇宙人みたいなプラモに渦巻き模様の入った風呂敷をつけ、一昔の軍服を着せていた。
ちなみにアズラエルのいらぬ配慮である。
彼は恋のキューピッドにでもなりたいのだろうか。
「どうしたんですか、凄い汗ですが」
思わず敬語になるくらい、青ざめた顔のグエムを心配するマキナ。
そんな彼女の心配を余所にグエムは私服を脱ぎシャワールームに入る。
「えっ、ちょっ」
放り投げられる汗の臭いが強いシャツやパンツが放り出され、マキナは慌てて回収する。
自分の頭にそんなものが被らされてしまうのは勘弁だからだ。
それでも異性を感じる臭いに少しばかり嗅ぎたくなるのは人間の業か。
程なくしてシャワールームから水が流れる音がする。
「もう、なんで私が片付けなきゃ…」
そんな愚痴を漏らしながらマキナはグエムの衣服を纏めて洗濯籠に入れる。
一方でグエムはシャワーを浴びながら、あの時の感覚がなんなのか考察する。
しかし、尋常ではない精神疲労のせいで考えが纏まらない。
その日は特に喋ることもなく睡魔によってベットに入る前に寝てしまうのだった。
尚、それを見たマキナは若干キレ気味に愚痴を言いながらベットに叩き込んだ。
まあまだ子供とはいえ女性がいるのにデリカシーのない真似をしているのだから残当である。
おっかしいな……サラッとボアズ攻略してヤキン・ドゥーエ行こうと思ってたのに……まあクルーゼのアレがまだですからね
というわけでホラー回()
Ζのアムロが宇宙に行きたくないってなるのも納得の理由ですよね!(独自解釈)
もう一度ララァを殺すとかね!
話しかけられるだけでも大分ホラーだけど。
ちなみにグエム君にはニュータイプとしての極まりはない代わりに、パイロットとしての強化が今回入りました。
何かな〜