機動戦士ガンダムSEED ー霹靂の鬼は悪魔になれるか?ー 作:単眼駄猪介
これ書き始めて、前話の戦術バジルールについてなんの言及もしてないことに気付いてまたガバやらかしたと勝手に落ち込んでたアホ作者です
だから駄戦士なんだよ俺()
でもまあ、戦術バジルールなんて映画で使われて散々検索されまくってるだろうから、うん…今更必要ないよね…?
あと、細かな修正もサイレント修正…
原作と色々変わりつつも大筋は同じルートだけど、次の色々変わるかもしれない種死が怖い…
コロニー【メンデル】
L4宙域に存在する、かつて遺伝子研究や生体工学などの主に人間の体に関する研究が行われていたコロニーである。
しかしS型インフルエンザの流行やブルーコスモスの襲撃によってメンデルはガンマ線放射による消毒の後、機能を停止することなく今日までコロニー内の環境を維持し続けてきた。
【禁断の聖地】とも呼ばれるメンデルには、数多の遺伝子研究のデータや公表すれば間違いなく世界に波乱を呼ぶ、
さて、そんな曰く付きのコロニーで同じく宇宙世紀の闇であるサイコ・ザクが研究所の前に着陸する。
既に先客にイザーク、ディアッカがおり、そのすぐそばにはバラバラにされて墜落したらしい白いゲイツとランチャー装備の象徴ともいえるビーム砲【アグニ】と右肩を破壊されたストライクが鎮座していた。
「鬼!?」
「待て、戦う気はない」
話し合っていたイザークとディアッカの元に割って入るような真似をしてしまった事にグエムは申し訳なさを感じつつ、手を上げながらサイコ・ザクのコクピットから降りる。
「なっ……やはり貴様だったか…!」
「よくもまあ、ほんの数分の事を覚えておいでで…」
「忘れられるものか……」
「ライバル、超えるべき壁、だもんな?」
「い、言うなッ」
「ははは……そう言ってもらえて光栄、というべきなのかな?」
今は敵同士、の筈なのにも関わらず普通に絡む二人にグエムは苦笑いを浮かべる。
「グエムさん!」
そこにフリーダムも追いついたようで、着陸して早々にグエムの元へ走ってくるキラ。
そんなキラにグエムはどうするべきか迷い、最終的にただ目をつぶって立つだけにする。
ぶん殴られても文句は言えまい。
等と考えて強烈な衝撃に備えていると、キラが不思議そうに問い掛けてくる。
「……どうしたんです?」
「ん?」
目を開けてみればキラは本当に不思議そうにグエムの事を見ていた。
「いや、殴られるかなって。そういう事してる自覚はあるから…」
「……グエムさんにはグエムさんなりに、戦争を止めようとしているのは三機のガンダムの強さを見れば分かります」
「…そうか。今回の戦闘は君達の実力確認みたいなものだったが、あそこまで粘れたのなら合格だ」
「最初から殺す気はなかった、と?」
「俺もどうやら吹っ切れた結果、甘ちゃんになっちまったよ。だから悪役やってないと、そんな自分が嫌になる」
そう自嘲するグエム。
だがキラは穏やかな笑みを浮かべてグエムの言葉を優しく言葉をかける。
「でも、僕は今のグエムさんが好きです。ブリッツを倒した時までのグエムさんの笑顔って、どこか暗い雰囲気がありましたし」
「えぇ…バレバレだった?」
「いえ、時折でしたよ」
静かに笑う二人。
だがそんな二人にディアッカは突っ込む。
「おい、オッサンの事を放置してて良いのかよ…?」
「「あ」」
タイミングが良いのか悪いのか。
2人の声がハモると同時に銃声が建物の中から聞こえた。
グエムとキラは急いでかつて研究所だった場所に入る。
そんな彼らを見送るディアッカとイザークは、場にそぐわないコミカルな反応に苦笑いを浮かべながらディアッカはキラがストライクのパイロットであることを明かした。
「なに…?」
「親友のアスランと戦ってたのさ。アイツ」
「………だから去り際にあのような事を言ったのか」
僕達のような事にはならないでくださいね。
その言葉が己の中で響くイザーク。
「結果的にニコルを殺してキラも死にかけて、アスランも大怪我を負った。敵だった俺が言うのはアレだが、かなり酷いもんさ」
ディアッカはそういうとイザークは「ああ、そうか。お前は知らなかったな」と返した。
「なに?」
「ニコルの事だが……アイツは生きてる。生きてるが、体調不良で今は本国で休養中だ」
「い、生きてんのかニコルは!?」
「そうだと言ってるだろう!?」
二人の戦友、ニコル・アマルフィ。
オーブ沖での戦いで死んだと思われていたが、オーブ軍が負傷したアスランの回収時にSOSを出していた島で慣れない地球環境でなんとか生きていたニコルを発見、回収したのである。
栄養失調に関しては荒れ気味の島、そして碌な食料と水のない無人島であったことが大きい。
軍人である事を考慮しなければ、人間が生活するに最適な環境を保つ宇宙育ちの少年。
地球でのサバイバル生活なんて考えてもないだろうし、予想もしていまい。
なので海水に対する知識もなく、海水を飲んだり空腹を抑えきれずそこらの野草を食べてしまったようだ。
コーディネーターと言えど、コーディネートされた部分は個々人で違うし栄養不足で免疫力も恐らく低下する。
しかも海水は塩分濃度が高く、多く飲めば脱水症状に陥ってしまう。
さらっとグエムによって戦死よりも酷い死に様を晒しかけたところであったが、まあ時の運がなんとやらである。
「そうか……ん?待てよ。アスランは知っているのか?」
「多分、知ってるんじゃないか?一度、本国に戻っているからな」
この後アスランに問い質した所、知っていた事が判明。
最近は大人しげな雰囲気を醸し出していたディアッカがブチ切れてアスランをぶん殴るのは余談である。
ーーー
一方、発砲音の元へ急いだグエムとキラ。
キラを声を上げてムウを探すが、グエムに頭を押さえられて床に伏せる。
直後、銃声が聞こえキラは戦慄する。
「こっちだ!」
ムウが叫び、声がした方へ視線を向けるとムウが拳銃を手に発砲してきた辺りを撃つ。
しかし、クルーゼは既に移動しているのかそもそも当たらない場所にいるのか。
すぐに反撃が来る。
そもそも電力も最小限の為か建物内が暗くよく見えない状況なのもある。
互いに敵の位置が分かっていない状態で撃ち合っていたのだ。
「グエム!キラは!」
「無事だ、寸前で伏せた」
「ほう?キラ。キラ・ヤマト君かな?」
「何故、僕の名を!?」
グエムもジオン時代から持っている拳銃で応戦する。
クルーゼのその切り出しから、キラの出生とムウとクルーゼの隠された関係を。
正直、それを知っていてもグエムは場違い感で苦笑いが抑えきれないがもし、可能性は低いだろうがクルーゼをここで捕らえられるのなら今後のことを考えれば絶好のチャンスなので真面目にクルーゼを狙って撃っていた。
一通りキラとムウの話をした後、クルーゼは少し腹立たしそうに、しかしどこか喜んでいそうな声音でグエムに話しかける。
「そういえば君は一体何者なのかな、鬼を駆る君の事を考えなかった日はなかったぐらいだ」
「変態的な思考を垂れ流すのはやめろ!」
ネッチョリとした言葉にグエムはたまらず叫ぶ。
そんな中、ふとキラはとあるものが目に付く。
銃撃戦となっている室内で、念の為でセーフティを外したキラだったが射撃訓練なんて一度もしたことがない。
なので会話の外に追い出されれば他に目が行くのも当然だろう。
そうして見つけたのは部屋の照明を点けるスイッチだった。
パチッ、と音が鳴ると室内の照明がつき、明るくなる。
「ぬうっ!?」
「目がぁ!」
急に明るくなった事で眩しさで目が光への拒否反応を起こす。
互いに発砲するために遮蔽物から身を乗り出してたのが災いし、苦悶の声を漏らす。
しかし、ムウはどうやら無事なようで眩しさに少し目を細めながらなんとか見えた人影に向けて発砲する。
「やってくれたな、ムウ!」
「クソ!外れたか!」
すぐに身を隠すムウだが、目が明るさに慣れてきたグエムはクルーゼのマスクが地面に落ちているのを確認しムウは何を撃ったのか理解する。
「マスクに当てたか!」
「ハッ!その気色の悪いマスクを壊すだけでも儲けもんかね!っつつ…」
「ムウさん…?あっ!」
ムウの負傷に気付いたキラがムウに駆け寄るが、クルーゼは苛立ちを露わに叫ぶ。
「さっきも言った通りだが、私はアル・ダ・フラガのできそこないのクローンでね。歳の割に老け顔なのだよ…!だからマスクをつけて誤魔化しているのさ!」
憎しみ、悪意、敵意。
グエムはニュータイプの能力で感じ取り、思わず身震いする。
だが、クルーゼの言葉に対してグエムは反論する。
「最近の研究じゃ寿命とテロメアは関係ないと出てるが、本当にその老け顔は老化によるものか?」
「なに…?」
グエムの言葉にクルーゼは身を隠しながら疑問を浮かべる。
聞く気があるらしいと理解したグエムは、この世界に来てから分かったテロメア関連について話し始める。
無論、互いに遮蔽物に隠れているが。
「クルーゼ、アンタがどれだけのことを調べたのかは分からないがテロメアは寿命にはほとんど関わりがない。ムウの親父さんのクローン、ってことはナチュラルだろう?なら、それはアンタの必死こいて努力した結果じゃないのか!」
「……私のこの顔は単なるストレスだと言うのかね?」
「そうだよ。俺の世界にも年齢の割に老け顔な軍人は何人もいた。全くの関係がないとは言い切れないが、少なくともアンタの寿命はアンタの使い方次第で変わるだろう!?」
「フッ。だがもう止まらないさ!私も止まるわけにはいかない!」
そういうやいなや、クルーゼはフラッシュバンを投げてグエム達の耳と目を塞ぐ。
「うっ!?」
「チッ!」
取り逃したのは惜しいが、外の戦闘によって爆発の振動がコロニー内にも響いていた。
「キラ、ムウは連れていけるな?」
「はい。グエムさんは…」
「ドミニオンに戻る。サイコ・ザクの推力とプロペラントタンクの量がありゃ、それなりに離れてても追いつけるさ」
「一緒には、来てくれないんですね」
「言っただろう?俺なりに戦争を終わらせようとしていると。まあ、お前たちの為と言いながら銃を向けるとかいうゲス野郎だけどな」
「…お気を付けて」
「キラもな。勝手に死んでたらぶん殴りにいくぞ」
別れはあっさりだったが、しかしキラには以前と違い確固たる意思をグエムから感じていたからこそ、縋るような事はしなかった。
自分もまた覚悟を持っているのだから。
憧れの背中に縋るようであれば、自分の覚悟はただのワガママにしかならないのだから。
グエムがサイコ・ザクで入った時とは反対の出入り口から宇宙空間に出ると、ザフトとアークエンジェル達が戦闘に入っていた。
ドミニオンは既に戦場の遥か向こうにおり、グエムは近寄ってきたジンやシグーをビーム・バズーカで撃墜しながら戦場を潜り抜ける。
「鬼だ!鬼がいるぞ!」
「うわあぁぁぁー!?」
弾幕を潜り抜け、時に敵機を蹴りながら加速をかけていくサイコ・ザク。
スペースデブリを蹴り、より加速していく姿はかの赤い彗星であった。
だがそれを知らないザフトのパイロット達は、緑の軌跡となっていく鬼に新たな渾名を付ける。
「翡翠の流星…」
新たな門出を祝う、なんて洒落た話ではないがタイミングはあまりにも揃い過ぎていた。
過去に縛られていた怨霊の鬼は既にいないのだから。
そこにいる修羅の鬼は守るべきものを見つけた、心を取り戻した
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いつからだろう。
昔の仲間達、家族同然の人達の事を考えなくなったのは。
いや、分かってはいるんだ。
明らかにあの日、マキナに泣きついて色々吐き出した時から俺は無意識に自分にのしかかっていた重くて暗いものから解放されたのだ。
今はただの思い出として語れる。
それまでの顔の感情表現がおかしかったのも、それらがストレスだか何だかで悪影響を与えていたのだろう。
今は、アークエンジェルの皆やアズラエルたちの事を考えている。
前向きに、どうすれば彼らを生き残らせる事が出来るのかと考えている。
いないと困る、不味いからじゃない。
友達だから、大切な俺の仲間だから……少なくとも今は彼らの事を守りたいと心から願っている。
無論、打算的な考えがないわけじゃない。
けれども、出会った頃よりも彼らに対する打算的な考えは減った気がする。
コレが良いことなのか、いやコレは良い事に違いない。
もし、これが悪い事なのなら人間は最初から文明を持った時点、いや人類が生まれる事もなくあらゆる生命体は滅ぶだろう。
優しさのない世界なんて、それは人間や生きる生物達の世界ではなくの死の世界だ。
………色々カッコつけたような言葉しか出てこないな。
でも、俺はそう思っている。
だから、
俺の彼の過去は違うとは言え、同じく過去に縛られ憎悪に身を任せる彼を止めなければならない。
守りたい人たちを守る為に。
…できればクルーゼを助けてやりたくも思うが、彼は強い。
引導を渡す可能性は大いにあるだろう。
「サイコ・ザク、俺の祈りを届けさせてくれ。忌まわしき力を持つお前でも、誰かを守る力になれるって証明してくれ」
だから、共に生き残ろう
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どうも、最近は星の翼に夢中な駄戦士です。
モノアイ駄戦士でプレイしてるので、出会ったら対戦よろしくです。
最後はグエムの独白でしたが、後半部分はタイトルのテーマを強く出してます。
これからは【霹靂の鬼】ではなく【翡翠の流星】と呼ばれるグエムの活躍をご期待ッ
ちなみにYouTubeでAKIRAが公開されてるので、もしかしたら次にお会いするときはラッセーラーラッセーラーしてるかもしれません()
感想、ここ好き諸々、良かったらよろしくお願いします
クルーゼ生存or死亡
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生きろ!そなたは美しい!
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死こそ美!戦死美!
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うるせぇ!シャケを食え!