機動戦士ガンダムSEED ー霹靂の鬼は悪魔になれるか?ー   作:単眼駄猪介

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宇宙世紀のダミー作戦って、C.E.に通用するか不安だったけど種自由でブラックナイトスコード達の幻影?に翻弄されるベテラン達を見ると、やはり効くんじゃないかなって。
恐らくF91のMEPEみたいなもんだし、技術発展がエグいC.E.でも本物がどこにいるのかの処理できない時点でやはり望遠に対するダミーは有効かなと

そんな言い訳を語りつつ、本編書き上げたのでどうぞ。



燃える要塞

 

 

 

ヤキン・ドゥーエが戦火に包まれる中、プラントにはサザーランドの手先が迫っていた。

メビウスの機体下部に設置された核弾頭を見たイザークは通信回線を開いて叫ぶ。

 

「アレを止めろぉぉぉぉ!!」

 

前線に出た事で戦力が減っていない事に気付いたイザークは、その事を上層部に伝えつつヤキン・ドゥーエに取り付こうとするストライクダガー達を撃ち落としていた。

しかし、追加装備【サク】によって防御力と火力は素体の頃よりもパワーアップしており、ベテランパイロットの域に達しようとしているイザークとデュエルの力を以ってしても撃墜するのに一手間かかる。

2枚のシールドが射撃攻撃を防ぎ、そしてシールドをどければビームライフルか機関銃が火を吹く。

硬くて火力のある機体ほど、相手として厄介なものはない。

特に現状、最もザフトで前線運用されているジンには荷が重すぎた。

明らかに背中の大型バックパックがストライクダガーの機動力を強化し、強力な火器を装備しているのだ。

追いつけない、火力も劣る、装甲もビームの前では無力。

かつてのザフトに見せつけた勇姿は見るも無残な姿となって屍を晒す事になった。

その為、メビウスの進出を許してしまい少しずつ核弾頭の射程圏内に入ろうとしていた。

 

「ぐわあぁぁぁ!?」

 

「貴様らがー!」

 

後方から追いついてきたノーマルのストライクダガーがサーベルを抜いて、追いすがろうとしたジンを胴から切り裂き撃墜する。

 

「各機、猪武者に遅れるなよ!奴等が前に出るからこうして戦えるんだからな!」

 

「はい!」

 

意気揚々として侵攻する連合軍。

だが、ザフトとてただでやられる筈もない。

 

「ナチュラルが!」

 

「なに!?」

 

「ナチュラル共がぁ!」

 

ジン・ハイマニューバの隊が連携でサクを背負ったストライクダガーを重斬刀で叩き斬り撃破する。

しかし、肝心のメビウス(ピースメーカー隊)に攻撃できるものはいなかった。

絶対数が少ないザフトでは物量で勝る連合軍を相手するなど、端から無謀とも言うべきなのだ。

それでも対抗できたのはモビルスーツの練度と、宇宙というモビルスーツが本来の性能を出せる領域であるからだ。

しかし、そのアドバンテージも時間をかければかけるほど覆されるものであるが。

 

「誰か!アレを止めるんだ!」

 

「クッソ!アッチにはプラントが!母さん達が!」

 

「頼む、誰か止めてくれ!」

 

悲痛な叫びが戦場を駆けるが、誰もが目の前の敵を相手するだけで精一杯であった。

 

 

ドゥーリットルのブリッジでサザーランドはほくそ笑んだ。

 

「これで忌々しい砂時計を眺めるのも終わりだ」

 

これで昇進すれば、よりコーディネイター狩りがスムーズになる。

そう考えていたサザーランドだったが、その幻想は放たれた核弾頭にビームによって撃墜された事で打ち砕かれる。

 

「ピースメーカー隊、全滅!?」

 

「なんだ!?どこからの攻撃だ!?」

 

突如起爆した核弾頭とソレに巻き込まれたピースメーカー隊。

目の前の出来事を信じたくないサザーランドだったが、接近してくる敵影にオペレーターが叫ぶ。

 

「デュ、デュエル!?」

 

「なに?おおっ!?」

 

ブリッジを見れば既にデュエルがブリッジに向けてビームライフルを構えており、サザーランドの脳は走馬灯をよぎらせながら思考が加速する。

どう考えても詰みなのだが、それでも生存の道を探そうとするのは太古から続く生存本能故だ。

 

「墜ちろぉぉー!」

 

イザークの気迫と共に放たれたライフル下部にあるグレネードランチャーがブリッジに直撃し、爆破する。

爆発によって砕け散った鉄片がサザーランドの背にいくつも突き刺さり、皮膚を焼かれながら宇宙空間に吐き出される。

宇宙服は着ていたものの、どのみち助かりようがない致命傷である。

宇宙で繰り広げられる光のパレードの中を漂いながらサザーランドは死への恐怖に怯えながら、その時()を待つのだった。

 

 

 

 

 

――ブリッジを潰されたドゥーリットル。

炎上しながらゆっくりと炎に包まれようとしている中、サザーランドの私室から出てきた少女は壁に寄りかかりながらこの沈みゆく戦艦から脱出せねばと彷徨っていた。

勿論、艦内の事などまだ15にも満たない少女が知っているはずもない。

火花が散る艦内の通路で力が抜けて座り込む少女。

そんな彼女に、一人の連合の青年が発見した。

 

「おい!大丈夫か!?なんでこんな所に女の子が…」

 

一目見てちゃんとした食事も衣服も与えられていないことが分かる姿に、青年は顔を歪める。

少女は既に気絶するように眠っており、青年は有無を言わせない艦内の状況に素早く判断を下す。

 

「ここで置いていったら夢見が悪いじゃないか…!」

 

少女を抱えて脱出船まで駆ける青年。

しかし、脱出船へ向かうための通路が隔壁閉鎖によって閉じられていた。

 

「クソッ。脱出ポッド…!」

 

そちらが駄目ならそれを……と考えた青年だが、脱出ポッドは一つしか残っていなかった。

 

「窮屈だろうけど、許してくれよ…!」

 

皮肉な事に痩せ細った身体のおかげで脱出ポッドにはギリギリ二人入れた。

一体どれだけの時間、宇宙を漂うのかは分からないが少なくとも艦にいるよりはマシだ。

それに一応、救難信号も出ている。

遅くても戦闘終了後には回収されるだろう。

そう思うと、青年の気を張り詰めいていた糸が切れて彼もまた少女と同じように眠りにつく。

勇敢な青年と、憎しみによって虐げられた少女の行く末はまた別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、核弾頭を破壊した三隻同盟はというと…

 

「危なかった…」

 

「まさか核弾頭をプラントに向けるとは…またあの惨劇を繰り返そうとするのか、連合は…!」

 

使者(マキナ)からの情報でミーティアを装備したフリーダムとジャスティスが先陣を切ってヤキン・ドゥーエに到着、ギリギリで迎撃に間に合った二人は安堵する暇もなく攻撃を仕掛けてくるザフトと連合の攻撃を捌いていく。

 

「まずはグエムさんと合流しよう。あの人なら何か知ってるかもしれない」

 

戦場という場所なのに少し喜色が混ざったキラの言葉に、アスランは少しモヤッとした感情抱いたが、それよりも呆れていた。

 

「キラがそう言うのなら、そうなんだろうな」

 

あの短期間……というには少々長いだろうか。

とにかくそう長くない時間の中で、引っ込み思案なキラに慕われるような男にアスランは好印象を覚えていた。

無論、先の戦いで思うところもあるが…

 

「行こう、アスラン!」

 

「ああ、キラ!」

 

今はそんな事を考えている暇はない。

そうアスランはその思考を切り上げて、ヤキン・ドゥーエに向けてミーティアを発進させるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方で、一部始終を見ていたイザークはアイツらがいるならと彼らが来た方向に視線を向ける。

そして予想通り、見覚えのある緑とカーキ色の機体【バスター】が姿を現す。

 

「…俺達を、撃たなくていいのか?」

 

撃ってこないデュエルにバスターのパイロット、ディアッカはそう疑問を口にする。

その返答はコンソールに送られてきたデータで、ディアッカは納得する。

 

「あと二十分でジェネシスが発射される、ね」

 

「射線上に味方がいようと、な。こんな作戦に付き合っていられん。俺達はプラントの為に戦う軍人だ。無駄死にする為じゃない」

 

先程からエターナルから発信されるラクス・クラインの説得もあり、ザフトの一部が離反している。

最早盤面はザフトの敗色が濃厚であり、投降する者も出ている。

地上戦での凄惨なザフトの仕打ちを考えれば、投降を無視し射殺しても文句は言えないのだが、それを堪えて捕縛する連合の軍人達はそれだけでも立派な軍人であろう。

 

「発射する前にカタが付きそうな勢いだな…」

 

「味方ごと撃つなど言われれば当然だろう。不甲斐ないばかりだが」

 

各所で爆発し、燃えるヤキン・ドゥーエを眺める二人。

そんな二人に近付く一機のゲイツが。

 

「イザーク!ディアッカ!」

 

「ニコル?ニコルなのか!?」

 

「そうですよ、ディアッカ!」

 

そのゲイツのパイロットはニコル・アマルフィ。

ディアッカ達の同期であり、同僚であった者だ。

生存している事は聞いていたが、こうして機体越しとはいえ再会できた事にディアッカは思わず声を上げて喜ぶ。

しかし、それを律するのはイザーク。

 

「戦場ではしゃぐな馬鹿者」

 

「ハハハ!まあ、それもそうか」

 

「そんな時間が経ってないのに、なんだか懐かしいですね」

 

駄弁りながら戦場に向かう三機。

しかし、そんな三機に近付く敵は見事なコンビネーションで撃墜されていく。

 

「援護は任せてください!」

 

そう言いながらビームライフルで的確に当てていくニコルのゲイツ。

手足をもがれた敵に追撃を入れるのはイザークのデュエル。

ビームライフル、ミサイルポッド、レールガン【シヴァ】を全て使用して連合、ザフト関係なく敵となるものは殲滅していく。

 

「死にたくなければどけぇー!」

 

そんなデュエルの後ろから身動きを取れなくさせるよう、弾幕を張るバスターが。

 

「グゥレイト!」

 

散弾がジンを貫き、ミサイルがストライクダガーの装甲を食い破り、その火力を目にした敵機は竦んで距離を取ろうとする。

単調な動きにベテランの域に入りつつあるイザークとニコルが見逃す訳もなく攻撃が叩き込まれ、抵抗する暇もなく撃墜される。

 

今の彼らにかなう敵はいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、敵の前線で大暴れしていたサイコ・ザクは弾切れのザク・マシンガンの銃床でシグーのモノアイを破壊し、パンチでコクピットハッチを潰して沈黙させていた。

 

「そろそろ在庫がなくなるな。一度戻んねぇと」

 

周囲の安全を確認し、バイザーを上げてコクピットの隙間に挟むようにあるハンカチで汗を拭い取るグエム。

手首足首はリユース・サイコ・デバイスの接続部分のため、取り外す形になっている。最初のサイコ・ザクは敵が迫る最中もあって再装着は考慮されていなかったが、サイコ・ザクⅡになってからはそういった専用の物も用意されている。

そのおかげでこうして不快な汗を拭う事ができるが、嫌な事にそういった事になれてしまった。

グエムはその事実にガンダムが好きなオタクだった頃が無性に懐かしくなる。

が、しかし急速に接近してくる熱源にグエムはすぐに思考を切り替えて戦闘態勢に移る。

しかしその姿を見たグエムは身体に張った力を抜く。

 

「グエムさん!」

 

「キラか…」

 

正直言って圧巻だった、と後にグエムは振り返る。

テレビの画面越しでも大きい事は分かっていたが、いざ実物と対面すると自分が乗るサイコ・ザクよりも大きく感じる。

まあ事実そうなのだが、あの戦いの後に現れる量産されたビグ・ザムを知らないグエムからすればやはり大きさの比較は自分のサイコ・ザクになる訳で。

再会の喜びも一先ず横においてキラは先の事をグエムに問う。

 

「グエムさん、さっきの核攻撃は…」

 

「タカ派のブルーコスモスの暴走だ。ブルーコスモスのシンパと分かってても軍だ。身勝手に処罰なんてできないのさ…」

 

申し訳なさそうにそう言うグエムに、キラもグエムの内心を察しそれ以上の追求はやめる。

 

「そうですか…いや、それが軍隊って言うところなんですね…」

 

そんなキラの言葉にアスランはヘリオポリス崩壊から今日までの事を振り返り、独りごちる。

 

「軍隊、か…」

 

そんなアスランを余所にグエムは自分がこれから補給のために一度ドミニオンに帰投する事を伝える。

 

「今の所、連合が押しているがまたいつ味方ごとあのジェ…ゴホン、大量破壊兵器が撃たれてもおかしくない。連合としては核弾頭は全部アレにブチ込むつもりだが、突破口を作るのを頼めるか?」

 

「分かりました。でも、撃ってきたら…」

 

「その時は無力化してくれて良い。ドミニオンの部隊には撃たないよう注意しておく」

 

「ありがとうございます」

 

そう言ってフリーダムはミーティアを発進させる。

それについて行くジャスティス共々見送りながらグエムは機体をドミニオンの方へ向ける。

 

「そろそろ、奴が出てくる…か?」

 

ニュータイプとしての感覚が戦場に邪悪な気配を漂わせているのを感じ取っていたグエムは、焦燥に駆られるのを理性で抑えてドミニオンに向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





区切りが良いので今回はここまで。

ほぼ原作通り、ただし爆散できなかったサザーランドはドレンのようで全く違う酷い死に方になりました。
いや、展開的にはスターウォーズのエグゼクターに近いか…?特攻ではないけど。
なまじ宇宙服着てたから、死ぬまでの苦痛が伸びちゃったねぇ

この調子だと次回かその次くらいにはSEED最終回となる感じになりそうです。
その後にちょっと幕問いれて種死に行く感じです。
俺はシンが好きだから…種死からシン周りで原作と大きく変わりそうな予感。

ちなみに虐待されてた女の子と青年はこのままフェードアウトです。
何か物語が始まりそうだけど収拾がつかなくなるので。

それでは皆様、読了感謝でございます。
感想、お待ちしております。
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