機動戦士ガンダムSEED ー霹靂の鬼は悪魔になれるか?ー 作:単眼駄猪介
ブルアカSS書いてた。
後悔はしていない。
でも良かったら見てみて。
おっちゃんアーカイブッ…!とはならない。
冷静になると我ながら適当過ぎて酷い…かも()
でも最近、創作意欲が落ちてきていて唸る日々です。
ボギーワンもとい、ガーティ・ルーとの戦闘によって初出港にも関わらず、ボロボロのミネルバは船体を修復しつつ航行を続けていた。
「いやぁ、怖かったぁ…」
「怖かったで済むんですかね…」
デブリの波を潜り抜けたグエムをお化けでも見るように、というか実際にそうして見ているアーサーにタリアは苦笑いする。
タリアとて気持ちは分かる。
しかし、それは失礼だというのも理解しているので諌める。
「それはそうだけど、一応これから共闘していく仲間よ。そんな目はやめなさい」
「は、はいっ!」
やっぱアーサーは見ていて面白い奴だな、なんて思いつつグエムはタリアに一言告げてその場から退出する。
これから仲間として活動するのだから、挨拶回りは大事だというグエムの個人的な価値観からだ。
まあ、当たり前でもあるだろうが。
「改めてよろしくシン」
「え、あ、はい!」
タリアの計らいもあり、ブリーフィングルームでミネルバのパイロット達に挨拶を交わすグエムは、どこか目を輝かせていた。
まあ、お察しかと思うがガノタ心が大喜びで爆発してるのだ。
「私はルナマリア・ホークです。よろしくお願いしますね、霹靂の鬼さん?」
「鬼は怒らせたら怖いから気をつけろよ〜?」
ルナマリアと握手の挨拶。
既に艦内では情報が広まっているようだ。
多分、メイリンあたりだな、なんて予測。
軽い軽口をたたき合いながら、グエムはレイと対面する。
「よろしく」
「レイ・ザ・バレルです。貴方のような強い方が仲間となること、非常に嬉しく思います」
レイと握手するグエムの笑顔の裏は、ちょっぴりビビっていた。
そらそうだ。
彼はニュータイプ的素養を持っているのだから。
握手で何か感じ取られたりしないかと、慎重になってしまっていた。
覚醒してから、自分以外にニュータイプに出会ったことがない事の弊害とも言えるのかもしれない。
それはさておき、パイロット同士の挨拶も終えた所で親交を深めるべく他愛ない話を始める。
「ここにいるのは赤服、つまりはザフトのエース…いや、まだその雛鳥ってところか」
「ひ、雛鳥…」
雛鳥扱いされてちょっと引きつった表情になるルナマリア。
シンも少しばかり不満そうだ。
レイは相変わらずのポーカーフェイスである。
「雛鳥と言ってもぺーぺーの新兵よか強いさ。赤服ってそういう事だろ?」
「あー…なるほど…」
少しだけ誤解を与えないよう注釈を入れると、シンとルナマリアは納得すると同時に笑顔を見せる。
それを見てグエムは思う。
「(まだまだ子供だな…本当に)」
コーディネイターの成人年齢がどうのこうのといった事情など、グエムには知ったことではない。
身体機能が成人クラスだから大人?
それは違うだろう。
精神的に成熟するタイミングこそが大人のだから。
そのタイミングが多いのが二十歳当たりが多いと言うだけで、永遠に幼稚な子供な大人もいるし、十代半ばにもなっていないのに大人らしい視点を持つ子供だっている。
精神論だけで決めるのもアレであるから、古来から文明を築き続けてきたナチュラルは平均を基準にした。
それを戦争の影響や身体機能の成熟で成人年齢の引き下げをし、そのままにしているプラントにグエムは失望していた。
デュランダルがどうというより、評議員のメンバーが未だ根本的にはコーディネイターが上位種だと自惚れている奴がいるから、この悪法が続いてしまっているのだとグエムは思う。
「俺は鬼だの言われてるナチュラルだが、この通り義手義足でね。不甲斐ないところを見せてしまうかもしれないが、その時はよろしく頼むよ。まあ、そう簡単にお前達に世話になるつもりはないけどな!ガハハ!」
「さ、流石ッス…」
「シン…?」
笑いながら軽く自分の事について話すグエムだったが、シンは強気に出るグエムの姿に目を輝かせていた。
それルナマリアは怪訝な顔をするが、シンはまるでファンボーイのようにちょっとはしゃぎつつグエムの手を掴んだ。
「俺、貴方のファンなんです!オーブ沖での戦いで、貴方に助けられて、その……」
「お、おうおう。分かったからちょっと落ち着こうか。レイとルナマリアが引いてるぜ?」
感極まったのか、ほんの少しだけ目尻に涙が漏れているシンを見てグエムはあの時の光景を思い出し、罪悪感を抱く。
思い出せず、救えたはずの命を失わせてしまった。
シンの顔を真正面から見る事なんて本当ならしたくない。
だが、それに引き摺られればその間に救えた命が救えなくなる。
未だ割り切れていないが、迷えばインフレしていくC.E.の技術に殺される。
そう思うと、後悔なんてしている暇が無いと感じて考える事をやめた。
非情な事なのは承知だ。
だが、どのみち自分は正道には、王道には戻れないのだから…
「…グエムさん?」
「あっ、すまん。そうか、あの時の船に乗っていた子か…」
「おっ、覚えていたんですか!?」
思考に沈んでいたが為に、呼びかけに気が動転してしまうグエム。
結果、あの時のことを話してしまった。
ああ、これじゃ駄目だ。
「……すまない。もっと早く気付いていれば、君の家族を救えたのに…」
「ッ……いえ、グエムさんは悪くないです。戦争だったし、根本的に言えば避難が遅れていた俺達が悪いのもあります」
急に空気が重くなった。
ルナマリアは知らなかったシンの壮絶な過去に驚き、レイも何に対してかは分からないが、微かに眉を上げていた。
「貴方が見せてくれた、越えてはいけないラインを越えない心。己を律する姿に、俺は憧れました。だから、顔を上げてください。俺の英雄が、そんな辛気臭い顔しないでください」
真っ直ぐ、曇りのない赤い瞳でグエムを見るシン。
その目を見て、グエムは純粋なその心に安らぎとちょっぴり嫉妬を感じた。
「……ありがとう。そう言ってくれて、俺も少しは前に進める。だからシン、死ぬなよ。徹底的に扱いて強くしてやるからな」
「望む所です…!」
グエムとしては、何がどうしてシンが自分のファンになったのかわからないが、しかしこれならシンが誤った道に突き進む事は避けられる可能性は上がったと思いたい。
尚、それを面白くなさそうに見ているのはルナマリアである。
シンの様子とグエムとの会話を見て、警戒心が薄くなったのか少し悪戯顔でグエムに聞いてくる。
「私は相手してくれないんですか?」
「相手してほしいならしてやんよ。最新鋭機に乗り、赤服着てるんだ。期待してるよ」
一気に後輩が増えた気分なグエム。
しかし、そんな雰囲気の中で一人後ろで立って見るようなレイに、グエムは目を細めるのだった。
そして、刻の荒波がやって来た。
「本国より通信!ユニウスセブンが地球への落下軌道に…!」
「なんですって!?」
後にブレイク・ザ・ワールドと呼ばれる事件の始まりだった。
未だ完全には癒えぬまま、ミネルバは地球へと落下しようとするユニウスセブンの残骸へと向かう事になり、艦内は喧騒で包まれていた。
そんな中、アレックス・ディノもといアスラン・ザラはデュランダルとタリアの許可を得て先の強奪事件にて乗っていたザクウォーリアを貸与してもらい、現在出撃準備をしている。
「良かったのか?カガリの隣にいなくて?」
そんな彼に声をかけるのはグエムだった。
「俺だけ何もしないのも、違うだろう?」
「だがカガリに知らせてからでも良いだろ。だから俺やガキンチョに脳筋ってからかわれるんだぞ」
「ムッ…」
からかわれたアスランは明らかに不機嫌になるが、心当たりがあるために口に出すことはなかった。
歳上には勝てないのである。
そんなに彼らとは歳は変わらないが。
「焦るなよ、アスラン。迷ったら死ぬぞ」
「…はい」
これで一旦話は終わりと、ザクウォーリアのコクピット前から離れるグエム。
グエムの内心としては彼は死なないと確信しているとはいえ、ザフトに戻る選択をするだろう彼に一抹の不安があるからだ。
ふと、グエムは思い出した。
「もう一度、キラと戦うことになってもお前は討てるのか…聞くのを忘れていたな」
まあ、それはザフトに合流してからでも遅くはないだろう。
グエムはそう思うことにした。
これが手遅れだったなら、あまりにもルナティックだろうとグエムは天に祈りながら乗機のアッシュアストレイに搭乗するのだった。
ーーー
現場に到着した頃には、既に戦闘が始まっていた。
破砕作業目的で来たザフトのモビルスーツ達に武器があるわけがなく、次々と粉砕するための機材【メテオブレイカー】共々、無念の死を遂げていく。
「なんなんだよコイツラ!?」
「ええい!ミネルバはまだか!」
ミネルバよりも先に作業に入っていたのはジュール隊だった。
隊長であるイザークは、突如として現れた黒いジンの群れに歯痒さを感じていた。
彼の副官のディアッカの黒いガナーザクは、オルトロスで敵機を狙撃するがジンとは思えない機動力で回避して見せた。
「手練れている…!」
歯ぎしりするディアッカ。
このままではユニウスセブンが地球に落ちる……そう思った彼を横切った影が、そのまま黒いジン、もとい【ジン・ハイマニューバ2型】を引き裂いた。
「な、何だアレ!?」
新手の敵か?それともつい先日、強奪されたガンダム達か?
いや違う。アレは――
「待たせたな!」
「グエムさん!?」
「どうした、ディアッカ!?」
「グエムさんがいんだよ!」
「なんだと!?」
イザークも薄い水色のスラッシュザクウォーリアで出てきたが、ディアッカから告げられた名前によってイザークは驚愕する。
「アイツはオーブにいるんじゃなかったのか!?」
「お転婆姫の護衛だよ。えれぇ目にあった」
「あー…」
お転婆姫、と聞いて思い浮かぶのは同じだった。
イザークとディアッカはアストレイの肩を叩いて慰める。
それに対し、グエムはサムズアップで感謝を伝える。
「さて、後からミネルバのヒヨッ子達も来るから、カッコいいとこ見せろよ先輩!」
多少はメンタルが癒えたのだろう。
そういうや否や、アストレイは戦場となったユニウスセブンに取り付く。
「さて、俺たちは――」
「さっさと蹴散らして作業を進めるぞ!」
それにしても、一体どうやってこんなに早く現場に着いたのか。
少し気になったディアッカだったが、近付いてきたはジンをオルトロスで撃ち抜いて一旦、その考えを放棄するのだった。
さて、そんなディアッカの疑問に答えるのは我らの紅一点――
「まさかニトロブーストなんていう危険な機能まで付けてるなんて……」
ルナマリアであった。
しかし、シンは目を輝かせていた。
「ッパねぇス!」
「シン、憧れている場合じゃないぞ」
目を輝かせて興奮するシンを落ち着かせるレイ。
そんな彼らを見て、アスランは苦笑いを浮かべるしかなかった。
「1回きりの最後の切り札……か」
彼が言うには、スラスターノズルやバックパック自体を大きく摩耗させるらしい。
しかし、アスランにはかつて対峙したサイコ・ザクを想起させる速さだった。
「また、あの争いを繰り返させてはいけない……」
過去を思い出し、無意識に握る力が強くなるアスラン。
その決意は、この先の戦場で鈍るのか、それとも………
シンちゃんはグエムのファンボーイになりましたんだぜ。
そして憧れの対象故に、常に冷静でいられるよう精神統一をよくしているので原作よりも感情の爆発が抑えめに。
悪役顔しなくて済むよ!()
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