機動戦士ガンダムSEED ー霹靂の鬼は悪魔になれるか?ー 作:単眼駄猪介
みんなワイルズやってて良いなぁと思いつつ、自分はコレを書いてRelayerやってバトオペやって……
4月には……仕事だぁ…
ちなみに補足するとニトロブーストはサイコ・ザク並のスピートを本の少しの間だけ引き出すだけの、一回の使い切り機能。
一度使うと再使用は不可。
ユニウスセブン。
かつて、農業プラントとして建設されプラントの食料に関する研究や栽培を行っていたコロニーであった。
しかし、先の大戦で核の炎に焼かれユニウスセブンは崩壊した。
結果、プラントは報復として
血で血を洗う戦争が始まったキッカケの地は、再び新たな戦争を始めようとするのはユニウスセブンに住む亡霊からの怨嗟の声なのか。
いや、少なくとも誰かが動かさなければユニウスセブンは暗礁宙域から動かない。
ならば、誰がやったのか。
答えはもう分かるだろう?
「同胞の!家族の仇をぉぉ!」
「それって貴方の感想ですよねぇぇ!?」
「ぐおあぁぁっ!?」
怨嗟の声を上げたのは、ユニウスセブンで身近な人達を殺された者達。
そんな彼らの声を某配信者の台詞と共に蹴りをジンの胴体に叩き込み、歪んだ装甲にイーゲルシュテルンを浴びせる。
「ひ、ひぃ!?」
「先に地獄に行ってろ!」
機体内部で跳弾するという恐怖を味わい、パイロットは怯え竦むがグエムは容赦しない。
光の球に代わるジンを顧みることなく、次のジンを探し始める。
彼がこれまでないほどに不機嫌なのは、かつての自分を想起させるから……であるのとシンプルに未だ上位種だと勘違いしているバカなコーディネイターに対して、自分は事前に防ぐ事もできない無力さからであった。
「苛立ったっても意味ないけどさぁ!」
「コイツ、いつの間に――」
ユニウスセブンをかつて支えていたのだろう柱を乗り越えるように宙返りで避け、その後ろにいたジンを着地点とする。
そのまま踏み台にする間際にビームを撃ち込み、撃破する。
このまま次の敵を……という所で機体側から警告音が鳴り響く。
「メインノズルのオーバーヒートか。バーニアだけで何とかするしかないな」
計器を脇見しつつ、メテオブレイカーを設置する部隊に近付こうとするジンをビームガンで撃ち抜く。
「ヤジマ!?このぉ!」
相手からのヘイトを感じたグエムはメインのスラスターを使わず、バーニアのみで機体を進行方向を少し変える。
OSに組み込まれたAMBACも仕事してよりスムーズに機動する。
「逃がすか!」
「そうだ。俺について来い!」
ビームカービンを撃ちながら追いかけるジンに、グエムはバーニアをパスッ、パスッと小出しに吹かして直撃弾を避ける。
一度加速すれば、宇宙空間では半永久的にそのスピードで飛び続ける。
しかし、機体の進行方向を大きく変えるためにはメインのスラスターによる噴射も必要だ。
それをバーニアのみでこなしているグエムは、実にサンダーボルト宙域の人間だった。
本来なら更に加速してデブリ群を飛び回るのだから、その技量は卓越したものだとよく分かるだろう。
「やっぱ、モビルスーツは最高だなッ」
そして忘れているかもしれないが、グエムはガノタだ。
ガノタであれば、モビルスーツを乗り回し自由に宇宙を飛びたいと夢見るのは至極当然だろう。
だからこそグエムはこの瞬間、誰にも見ることがない笑顔を浮かべて空間機動していた。
それこそ、他人の空似な某ウマの彼女のように。
「シン!」
「はいっ!」
後から来たインパルスに、自分に夢中なジンを撃たせる。
インパルスに気付いたグエムが光信号でコンタクトを取り、シンは大喜びで連携を取った。
急に離れていくインパルスに、レイとルナマリアは置いてけぼりだったので、後でグエムは謝らなければならない。
まあとにかく、今は悪さするジンを駆逐しなければならない。
「墓標を燃やして落とすとかキリストもブチギレだろオメェ!」
キリストがどう思うかはともかく、戯言じみた正論を放ちながらジンを撃ち落とすグエム。
長時間のオーバーヒート故、アッシュアストレイはユニウスセブンの地表を歩いているがおかげで下からの攻撃を気にしなくて良いのは嬉しい誤算だろう。
「ちぃ!あの
「駄目です!て、敵が…うぉぉ!?」
ミネルバ隊が来てから明らかに僚機のジンが落とされるスピードが上がっている。
今回の事件の首魁であるサトーは、歯軋りしながら全ての歯車が狂ったキッカケだろうアストレイを見て、激情を露わにする。
「各機、自己判断で構わん!破砕作業を妨害しつつ攻撃してくる敵を討て!これ以上は諸君らの柔軟性が試される!」
「「「「了解ッ!」」」」
仲間への指示を出したサトーは、真っ先にアストレイへ向かう。
己の怒りを込めた一撃をお見舞いするために。
「蝙蝠風情がぁー!」
ビームを撃ち、回避を誘うがその狙いを読んでいたグエムはジンを真っ向から迎え撃つ。
「来いよッ」
「むうっ!」
己の行動が見切られたと悟ったサトーは真っ向勝負を避け、距離を取る。
地の利を得ているアストレイ相手では、上から斬り伏せる形はサトーにとって不利である。
「チノ=リは偉大なんだよ」
なんて零すグエムだが、内心は冷汗をかきまくっている。
恐らく目の前の相手は隊長機、つまりサトーであると勘づいているものの、老兵相手にサイコ・ザクの恩恵のない自分がどこまで通用するのか不安になっていた。
先のデブリ帯での操作感の違和感から、晴れぬ違和感がグエムの心に余裕を削っていた。
「何故、核を撃った者どもと笑っていられる!そうして得た偽りの平和を甘んじて受けるという、コーディネイターの誇りを捨てるような事をできる!」
激情のままに怒鳴り散らすサトー。
そうであっても動きに荒さはなく、むしろ研ぎ澄まされているように見える。
アストレイの援護をするインパルスとアスランが乗るザクがサトーのジンを撃つが、回避される。
「そんなの…!」
ただのエゴだろう、とシンは思うがその前にサトーが口を開く。
「パトリック・ザラの取った道こそが、最も正しい道だと何故分からん!」
異論は認めない、そんな気迫を感じる台詞にシンは思わず押し黙る。
アスランは父親の残していった業を見せつけられ、端正な顔を歪めていた。
しかし、グエムは違う。
「人を殺したきゃ一人でやれよウジ虫!」
「我らを愚弄するかぁぁ!!」
挑発そのものであるその言葉に、サトーは更に激昂する。
思わずアスランはドン引きし、シンは困惑する。
だが流石はエースか、近寄ってくる雑魚のジン程度は余裕で捌いていた。
「わざわざ墓標まで落として人を殺す!アンタらがユニウスセブンにどんな想いを寄せてんのかは知らんが、家族や友人をもう一度焼いて殺すなんてヒデェ奴らだよなぁ!」
ユニウスセブンには人は残っていても死体しかない。
そんな見るのも悍しい遺体ごと、地球に落とす。
これ以上ない死者への冒涜ではないだろうか。
グエムはそう言い放つ。
「人の心がねぇ奴らの言葉なんざ、誰が聞くかよ!だからお前らは負け犬なんだ!」
「き、貴様ぁぁぁ!」
逆鱗に触れたのだろう、激昂のままに実体剣である刀を振るうジンにグエムはようやく重度のオーバーヒートから回復したスラスターを吹かし、翼のミサイルで目眩ましする。
「うおぉ!?」
「バカがよ!」
振り被る刀を躊躇したジンの横っ腹に、ビームサーベルを形成したビームガンが胴体を輪切りにする。
断末魔も聞こえない、一瞬の攻撃だった。
「相変わらず、貴方は滅茶苦茶ですね…!」
「オメーの気持ち悪い足技よりはマシだよ」
振り下ろしたアストレイの背後に迫るジンをアスランがカバーし、ビームライフルで撃ち落とす。
サトーは悟る。
単独では絶対に勝てないと。
「全機ッ!あの蝙蝠野郎を狙えッ!」
「し、しかし破砕作業中の奴らが!」
「奴らを野放しにすれば、我らの悲願も達成できん!戦場を腰抜け共のもとに引き寄せるのだ!」
「ぐっ…了解!」
サトーの指示に従うテロリスト達。
どのみちプラントに帰る気はない彼らとしては、ここで散る事に後悔はないのだろう。
死に物狂いでグエム達の背中を取ろうとする。
「コイツら…!」
「シン!アスラン!ここは一気に突っ切る!囲まれて撃たれる方がマズイ!」
「は、はい!」
思惑通りになるのは癪ではあるが、流石にビームの弾幕を避け続けれる自信はグエムにはない。
もう罠を食い切る勢いで行くしかないだろう。
「シン!グエムさん!」
破砕作業の方は粗方のジンを落としたのだろう。
オルトロスを構えた赤いザクが放ったビームが敵陣のど真ん中に隙を作る。
「ナイスだ、ルナマリア!」
外からの援護で切り開かれた突破口を突き進み、包囲網を切り抜ける三機。
そこからすぐに反転して迫りくる十数機のジンの部隊に、グエムは冷汗をかく。
「破砕作業、大丈夫か?」
「ほとんどは。でもまだいくつか残っているみたいです」
ルナマリアに破砕作業の進捗を聞くグエム。
答えはある程度、予想していたが……最善を尽くせるのなら尽くしたい。
そう考えるグエムは越権行為とは分かりつつも四人に指示を出す。
まあ、今更でもある。
「アス……ゴホン、アレックス、シンは残ったメテオブレイカーの起動を。最悪、起爆装置だけでも作動させてくれ。ルナマリアとレイは二人に攻撃が行かないように俺と防衛線を張る!とはいえ、多少は逃すだろうからシン、お前の技量頼りになる。死ぬなよ」
「が、頑張ります!」
「アレックス!みじめな姿をシンに見せんなよ!」
パパっと役割を分担するグエム。
本来、アスランとシンの相性は良いとは言えないのだがメテオブレイカーを起動させる都合上、作業機と護衛機は必然。
となると潜在的に個としての強さが高いアスランとシンに任せるしかない。
だがしかし、ここでグエムは思う。
「そういえば、ボギーワンは近くに来ているんだっけか?ソッチはどうなんだ?」
「特に手を出さず、こちらを見ているようです」
グエムの質問はそのまま母艦のミネルバに向けて放った。
ミネルバも艦砲による破砕作業を進めており、ボギーワンからの妨害がないおかげでかなりスムーズに進んでいる。
その事にグエムはネオが何を考えているのか分からず、不気味に思うが件のネオは触らぬ神に祟りなしとばかりに静観するように指示していた。
彼曰く――
「奇妙な奴らがあの艦には多過ぎる。乱戦にステラ達を放り込めば、下手すれば3人の誰かが死ぬぞ」
ネオの直感が囁いた、といえば納得できるだろうか。
戦場において、嫌な予感というのはよく当たるものだ。
それに、手を出さなくても面白いものが撮れているのだから、あえて手を出す必要がない。
結果的にはユニウスセブンの破砕作業は進んだが、それでもかつて数百万の命を支える土台となった地はそう簡単には砕ききる事はできない。
「我らの憎しみをッ――」
「知るか」
いつもの通り、もはや平常運転である遊撃としてルナマリアとレイの間を行き来しながら戦うグエム。
その身のこなしは容易に敵の狙いを定まらせない、無駄が多いものの狙いづらいアクロバティックな動きであった。
「やっぱ前大戦の英雄は、動きが違うわね」
まだまだ新兵同然のルナマリアとしてはそんな事が分かるはずもなく感嘆するが、レイは冷静にルナマリアの横合いから撃とうとするジンを撃ち落とす。
「余所見はするな、ルナマリア。まだ敵はいるんだぞ」
「いっけない!」
レイの指摘にルナマリアは慌てて思考を目の前の物事に集中させてジンと撃ち合う。
既にジンの数は三機で、抜けられたジンもアスランとシンのカバーで各個撃破していた。
しかし、レイとルナマリアで前線を張ってから数分で赤くなり始めたユニウスセブン。
ザフトの各モビルスーツは既に母艦からの帰投命令を受けており、大気圏の熱に焼かれる前に離脱している。
「我らが悲願、叶えなければならぬというのに……!」
隊長機であるサトーはシールド先端に仕込まれたビームダガーによって頭部を破壊され、無力化されていた。
遺憾の意を表明するサトーに、グエムは思っていたよりも非常に冷静で低い声で彼を罵倒していた。
「過激派が何を語ろうと愚か者以上にはなれないよ。誰の心にも響かないテロリスト風情なんだよお前は」
そう言いながらサトー機を捕獲しようとするも、サトーは捕まる気はないらしい。
「捕まって惨めな恥晒しにされるのならば、ここで果てるが本望ッ」
そう言い残してジンを自爆させるサトー。
そんなサトーに、グエムは呆れるしかなかった。
「あーもう、俺の感情がグッチャグチャなのによぉ…」
それを見送り、グエムはミネルバへ帰投する。
シンとアスランは正史と違い、無事に帰還していたようで最後に帰還したグエムは熱烈歓迎を受けたのだった。
無論、整備に入ったメカニック達から阿鼻叫喚されたが。
ーーー
ブレイク・ザ・ワールドと呼ばれる事件は、ザフト軍の懸命の破砕作業も虚しく完全には砕ききれず、世界各地に降り注ぐことになった。
しかし、その被害は正史と比べれば全体的には大きく減っている。
サトーらテロリスト側にとって想定外だったのはやはりグエムの存在だろう。
というか、グエムが首を突っ込んでなければ確実に正史通りに進んでいた。
尚、作中でも語られていたパルテノン神殿は残念ながら吹き飛んだが。
しかし、その後の流れが変わるわけでもない。
結局、ユニウスセブンは欠片となって地球に降り注ぎ、各地の人々に大きな被害を与え、悲しみに暮れることになった。
そして、それを利用しようとする下劣な者もまた動き始める……
堕ちた刻の涙をキッカケに戦争が始まる。
ちなみにネオが構わず落下するユニウスセブンに新三馬鹿を放り込んでいたら、アウルがグエムによって半分事故みたいな形で死んでました。
ごめんねぇ!強くってさぁ!できずにお亡くなりに……ならずに済んで良かったね、アウル(白目)
ー追記ー
一部、修正しました。
教えてくれてありがとナス!