機動戦士ガンダムSEED ー霹靂の鬼は悪魔になれるか?ー   作:単眼駄猪介

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感想でヒロインにミナ様は?と推されたけど、ASTRAY未履修なんすよね……合いそうなんだけどなぁ…
ちゃんと見てもないのに独自解釈で出すのもなんかアレだなと思ってASTRAY組はチラッと出るだけになるかも

マユも推されたけど、主人公がロリコンになっちゃう!
いや、それはそれで面白そうだしなんなら主人公の自虐ネタに多少は耐えれそうな感じはする()





鬼は嗤う

 

 

「先遣隊が来るって、しかもそれにパパが乗ってるって本当!?」

 

「ああ、本当だ。良かったな、フレイ」

 

「パパが…」

 

少し前にアークエンジェルに届いた先遣隊からの連絡はアークエンジェルに乗る者達を歓喜させた。

弾薬も生きるのに必要な物資も未だ不足している状態の中、救いの手が来たのだ。

しかし、そんな中でもたった一人のコーディネイターであるキラは無意識に飛び出す言葉のモーニングスターでメンタルに不調を抱える事になる。

 

「うっ……うううっ……!」

 

辛いものは辛いのだ。

サイやカズイ、フレイといった知り合いから放たれる無意識の差別の言葉。

普段であれば気にしないのだろうが、ここは戦艦の中である。

精神を尖らせた状態であれば、そういった事も次第に気になってしまうものだ。

そして、そんな所を第三者のラクスに見られ、慰められそんな所をグエムに見られれば身近な人に頼りたくなるのも致し方ないだろう。

 

「僕は、おかしくなっちゃったのかな?前までは気にしてなかったのに、今はすごく腹立たしいし、なんだか僕が僕じゃないみたいで…!」

 

これまでの鬱憤を吐き出していくキラ。

それにグエムはワシャワシャと頭を撫でる。

尚、身長はキラの少し上ぐらいなので、座ってるキラだからこそできた事だろう。

 

「友達に言えない事があるなら俺に言え。いや、俺だけじゃなくてムウさんやマリューさんでもいい。あの人達も自分達のことで中々君を気に掛けることはできないだろうが、それでも他の人達なりに心配しているんだ。まあコーディネイターじゃない俺達じゃ君の気持ちを全部理解してやる事は無理だろうけど……」

 

精神年齢を加味してもキラとグエムの歳の差は一桁である。

しかし、宇宙世紀での濃密な時間は人の精神を大きく成長させるには十分過ぎるものだった。

故にキラは未だ彼の年齢を知らぬ為、彼を大人と認識した。

ラクスもまた同じ様に感じるのだが後に実年齢を聞いた際に一騒動あるのだが、それはまだ少し先の未来の話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからしばし時が経ち。

デブリベルトを抜けてハッタリ作戦が開始される事となる。

 

「もっといい名前はなかったんですか?」

 

「ハッタリはハッタリやもん。仕方ないじゃん」

 

キラにダサいと言われ反論するグエム。

既に全周波でラクス・クライン嬢の返却する旨を発しているから、じきにこちらを付けているザフトも来るだろう。

 

「こんな事、させてしまってすまないなクライン嬢」

 

グエムはそう申し訳無さそうに、ストライクのコクピットに座るキラの膝の上に乗るラクスとピンク玉のロボ【ハロ】に言う。

いや、ハロは関係ないか。

 

「ソンナノカンケーネェー!ソンナノカンケーネー!」

 

「はい、おっぱっぴー」

 

「「???」」

 

「おっと前の世界の芸人がやってたからつい」

 

キラとラクスが宇宙を背景にしている様子は2分ばかし見てみたい気もするが、ここは我慢して改めてラクスにグエムは謝罪する。

 

「改めて、申し訳ない」

 

「いえ、私としましてもこの場を戦場にするのは死者に対して忍びないですわ。それに、あなた方には恩もありますわ」

 

「そう言ってもらえると、助かります」

 

ラクスの宇宙服の胸辺りに粘着テープで貼り付けた無骨な金属の箱には【With love for Lau Le Creuset(ラウ・ル・クルーゼに愛を込めて)】とおふざけ全開の文字が書かれており、これにはムウも同情していたがそれよりも爆笑していたのでグエムも笑っていた。

整備士であるマードックにうるさいと二人して頭をぶっ叩かれるまで大声で笑うのだから、ブッ叩いたマードックや周囲の人間も気になって見てみれば彼らもまた笑い始めて笑いのパンデミックが起きたのは別の話だ。

 

「さて、キラ君。改めて彼女を頼むぞ」

 

「はい!」

 

キラの目を見て、「ヨシッ!」とグエムはコクピットハッチから離れる……前に一つ思い出した事を言う。

 

「なあ、キラ君。もしも帰って来なくても、俺はお前を恨まないぜ」

 

「えっ…!?」

 

驚愕するキラにグエムは振り向くことなく独り言のように独白する。

 

「君の戦闘の映像記録を見たんだけども、どうにも君は赤いガンダム……【イージス】だっけか?それにはあまり積極的に攻撃してないからな。ソイツが君にとってなんなのかは敢えては聞かないが―――」

 

キラは息を呑む。

これが、歴戦の戦士なのか。

少しの記録だけでそれを見抜ける観察力、洞察力にキラは感嘆と同時に恐怖した。

この人は自分を信じていないのか?と。

だがその予想していた嫌な言葉ではない事に、彼は久しく会っていない両親の事を思い出す事になる。

 

「キラ君の行きたい道を行けば良い。君の判断に覚悟が伴っているのなら、それは間違いだなんて俺は言わないし、むしろ肯定しよう。嫌な事を率先してやる必要もないからな」

 

「あ………」

 

ふとキラは思う。

兄がいたらこんな感じなんだろうかと。

 

「ま、個人的には帰ってきてくれた方が嬉しいけどな!皆、キラの帰りを待ってるからな!」

 

照れ臭そうにそういうグエムに、キラは笑う。

それに釣られてラクスも笑い始める。

 

「まるでコウモリさんですね。主張があっちこっち行ってますわ」

 

「ははは……笑わないでくれよぉ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宇宙空間に白いガンダムと赤いガンダムが、互いに武装を外し邂逅していた。

 

「ラクスは無事なんだな!?」

 

少し焦った様子のイージスのパイロット、アスラン・ザラがストライクに乗っているだろう親友、キラ・ヤマトに怒鳴るように問い掛ける。

それに対し、キラは落ち着いた声でラクスに声を出すよう促す。

 

「ほら、本物って分かるように声を出さないと…」

 

「あ、そうですわね。こんにちわ、アスラン。お元気でしたか?」

 

「……ふぅ。確認した」

 

ラクスがストライクから離れ、イージスのコクピットに入る。

 

「ありがとう、キラ」

 

キラに感謝を伝えるラクス。

しかし、少し寂しそうに見えるキラにアスランは我慢しきれず声をあげる。

 

「キラ!お前もプラントに来い!お前が地球軍にいる必要がどこにある!?」

 

親友たるアスランからの誘い。

確かに地球軍にいる必要性など皆無に等しい。

しかし、今は駄目なのだ。

 

「ごめん、アスラン。あの船には、僕の友達が乗っているんだ。今、降りるわけにはいかない…」

 

「キラ……クッ…」

 

ふとアスランはラクスの胸に引っ付けられた爆弾(・・)に目をやる。

まさか、と考えたアスランだがそれは先んじてキラから否定される。

 

「友達が危ないから、じゃないよアスラン。少なくとも今は僕の意思でコレに乗って、友達を守りたいんだ」

 

「っ…!」

 

「アスラン。本当の事ですわ。私も彼の友達に会いましたの」

 

「そう、ですか…」

 

苦悶の表情のアスラン。

渋々ながらコクピットに戻り、ラクスを抱えつつアスランは呻くようにキラに言う。

 

「次に会ったら俺達は敵だ……その時は、俺はお前を討つ!」

 

そう覚悟を決めた様子のアスラン。

キラもまた「僕もだ!」と返そうとするが、思い留まる。

脳裏によぎるのはグエムの言葉。

 

《君の判断に覚悟が伴っているのなら、それは間違いだなんて俺は言わない》

 

撃ちたくない、撃たせないで。

ずっとそう思っていた。

親友と殺し合うのも、誰かを殺す事も嫌だったキラは本来の台詞ではなく覚悟を決めた言葉を、まだほんの僅かに迷った様子のアスランに対して放つ。

 

「僕は、僕は君を殺したくない。だから、僕は君達を追い払うよ、何度でも!」

 

「なっ…!?」

 

ふざけているのか?と思ったアスランの考えは決して間違っていない。

しかし、戦場に立つ戦士とは思えない言葉にアスランの思考は一瞬停止し、そして舐められていると考え怒りを露わにする。

 

「ふざけるな!お前にそんな力はないだろう!」

 

「やってみせる!ムウさんと、グエムさんがいるからッ!」

 

キラは、戻ったらグエムとムウに親友の事を話そうとこの後の事を考える。

しっかり話をして、自分の願いを知ってもらおうと。

 

 

キラ・ヤマトは、確実に変わりつつあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー1時間後ー

 

「本当に爆弾ではないのだな?」

 

「えぇ……はい。ただの金属の箱でした」

 

デブリベルトから抜けた【足つき(アークエンジェル)】からの民間人の返還。

無論、それは交渉という形となりクルーゼとしてもラクスの保護、祖国への護送の任務がある以上、下手に攻撃を仕掛けるわけにもいかず、まんまと時間を稼がれ月からの先遣隊に合流されてしまった。

 

「頭の切れる奴が足つきにいるようだな。チッ…」

 

爆弾と称された、ただのメッセージボックスの写真にクルーゼは煮え滾る苛立ちをデスクに拳を叩きつける事で抑えようとする。

珍しく感情を露わにするクルーゼに、副官兼艦長であるアデスは彼の人間らしさに少し安心するのと同時に、今はあまり触れないでおこうとクルーゼとはあまり話さないようにする。

 

「愛を込めて……ふざけたことを」

 

愛とは無縁だったクルーゼにとって、愛は反吐が出るものと思っている。

そんなもので何ができるのか。

愛で何かを救えるのなら、私が生まれるはずがないと。

それに合わせてコケにしたような爆弾っぽくされたただの金属箱をラクスと共に送られた。

クルーゼはこれから為すことに我ながら悪辣なものだと思っていたが、ここまでコケにされる事はなかった。

誰かをコケにしたことも……そう何度もなかった筈だ。

 

「まんまと策に引っかかるとは、私も自惚れていたか」

 

このしばらく後、クルーゼは自身の生活態度や自身の立案する作戦に少し気を注意深くなった。

それが今回の事の反省点に繋がるかは分からないが、少なくとも自分を見つめ直すには丁度いいとも言えるだろう。

まあ、人類の選択次第で無駄になるのだろうが。

 

 

 

 

 

 

 





とりあえず、クルーゼをコケにする事はできました(笑)
クルーゼ再現度が低い気がするけど、まあシリアスばっかだとグエム君が暴れるから(ある意味)、若干ギャグ入れてるしちょっとのキャラ崩壊は許して()

そういやヒロインもそうだけど、ライバル的存在も決めてなかったなぁ。
アコード出したら種自由で主要メンバーの誰かが死ぬ可能性あるし、かといってオリキャラ生やしてもあんまそこまで活躍させられなさそうだし……なんならサイコ・ザクと張り合うくらいの強さならムウかキラが死ぬかも。
うん、イザークかな()

それはさておき、読了感謝!
感想・高評価もありがとうございます!
しっかり感想返しさせてもらってるでござる
アァ〜↑感想がやっぱ嬉しいんじゃあ〜

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