ユキアンのネタ倉庫 ガンダム   作:ユキアン

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機動戦士ガンダムSEED DESTINY 虹を追う少年 2

「ブリーフィングを始める。全員知っているだろうが、現在ユニウスセブンの残骸が地球に向けて落下するコースを移動中だ。これに対し大西洋連邦、ユーラシア連邦、ザフトが共同で破砕を行うことが合意された。一番近い位置にいるのはザフトで、メテオブレイカーによる破砕を目指している。それに対し、大西洋連邦、ユーラシア連邦は核ミサイルの準備に入った。ユーラシアは早期破砕のためにすぐにでも核を撃つ構えを見せている。我々大西洋連邦はギリギリまでは通常火器による破砕を目指す」

 

核かぁ。まあ、地球に落とすわけにはいかないから仕方ないよな。気分は悪いけど。

 

「戦力だがザフトは先行して4個戦隊、後続として6個戦隊。ユーラシアが1個艦隊、大西洋連邦が1個艦隊に宇宙に居るキマイラ隊を終結させる。1個艦隊は核装備のために後から合流することになる。そのためキマイラ隊に所属する8隻のアークエンジェル級と補給艦が先行する形となる」

 

「戦力、ですか?」

 

オレの疑問の言葉に周りの皆が頭を抱える。

 

「シン、軌道が安定していた大質量物体が、いきなり地球に向けて動き出すんだ。まずは人為的に起こされたと考えるのが普通だ。この場合、考えられる勢力は2つある。分かるか?」

 

ええっと、地球にユニウスセブンを落としてメリットがある奴らがいるんだよな。単純に考えて地球に落とせば地球に住んでいる人が大勢死ぬから、それを望むのは

 

「ザフトのザラ派の脱走兵ですか」

 

「もうひとつはブルーコスモスの過激派だ」

 

ギース先輩が教えてくれた答えに驚く。

 

「なんでブルーコスモスが出てくるんですか!?」

 

「宇宙人どもに先制攻撃されたって戦争を起こせるだろうが。あいつらは自分達の被害を考えない。特に活動の激しいユーラシア以外に被害が出てみろ。あっという間にそこは過激派に染まるぞ」

 

うえぇ、面倒にも程がある。

 

「落ちなくても戦争は起こすだろうがな」

 

うん?何か隊長が言ったような?

 

「そういうわけで、ユニウスセブンは絶対に地球に落とすわけにはいかない。ユニウスセブンの破砕はザフトと艦隊に任せて、オレ達は敵MSを担当する。予想される戦力はザク以前の物だろうが死兵ほど恐ろしい者はない。各員、十分に注意せよ」

 

「「「了解!」」」

 

「おそらくだが近距離戦になる。セッティングを誤るな。またユニウスセブンが一定の高度に達した時点で無警告で核ミサイルによる攻撃が開始される。高度計には十分に注意してアラームなりをセットするように。また、アザゼルとサンダルフォンとマスティマとタミエルは地球に降下しながら追撃を行う。行動可能なイプシロンで回収は行われるが、ちゃんと帰還しろよ。質問は」

 

メテオブレイカーに関する情報はある。数も予備を含めてそこそこある。半分が壊されなければ大丈夫かな?追撃の時みたいな緊急のブリーフィングじゃないから時間はたっぷりある。気になることは今のうちに潰しておかないと。

 

「隊長、自分の機体はどうなりますか」

 

「補給部隊もこちらに向かっているが、ギースの機体は間に合わないと思ってくれ。まっさらな状態のデルタになるぞ」

 

「うっ、デルタですか?イプシロンかイータ、この際TYPE-1でも2でも構わないんですが」

 

「補給部隊のリストにはデルタしか在庫はない」

 

「パ、パックは、パックの方は?」

 

「スカイかリング、フラッシュになるぞ」

 

「キワモノトップ3じゃないですか!?ランチャーとかジェットは?」

 

「無い。サンダルフォンになら積んであるだろうが、移譲して換装する暇はない」

 

「大人しく留守番してます」

 

ギース先輩、そんなにデルタが嫌なんですか?そう思っていたらジュリア先輩とトーマス先輩も納得顔で頷いていた。えっ、二人もデルタが嫌なの?愛機なのに…

 

「他に質問は?」

 

「あ、はい。護衛の優先度はどうなりますか」

 

護衛の優先度?

 

「基本的にはメテオブレイカー、自分の身、キマイラ隊艦船、キマイラ隊MS、大西洋連邦、ザフト、ユーラシアの順だ」

 

ああ、そういうことか。誤魔化さずに言えば命の価値か。確かに確認は重要だったな。

 

「我々の作戦目標は敵MSの排除で、破砕はメテオブレイカーと艦砲で間違いないでしょうか?」

 

「そうなる。最悪は核ミサイルだが、汚染の問題がある以上、あまり頼るわけにもいかない」

 

「指揮系統は各組織ごとで共同目標がある形でしょうか?」

 

「そうだ。ザフトには理事から命令が出ているが奴らは民兵もどきだ。モラルに期待するな。最悪は我々だけでも作戦を遂行する」

 

「補給部隊との合流予定と補給品のリストはどうなっていますか?」

 

「合流は作戦予定時間の10時間前、補給品のリストは整備班に回してある。補給品の中からセッティングを見直しても良いが、合流の16時間前までに済ませるように」

 

「編成はどのような形にしますか?」

 

「基本は何時も通り3機1組だ。シンはオレと組め、マックスはギースの代わり、リンダはシンの代わりだ。直援は補給部隊のドレン大尉達が艦隊防空を勤めるので必要ない」

 

隊長とバディで出撃か。まあ、お守りが必要なヒヨコだから仕方ないよな。

 

その後も色々と質問が出て、隊長が即答する。

 

「これで以上だな。それでは現着2時間前に最終ブリーフィングを行う。それまでは自由行動とする。解散」

 

敬礼をしてミーティングルームから艦橋に向かう。ナガイ艦長に出された宿題を提出しないと。艦橋前のインターフォンのスイッチを押してオペレーターに繋ぎ、官姓名と用件を告げる。

 

「MS隊所属シン・アスカ、艦長にレポートを提出しに参りました」

 

『少しお待ちを、はい、アスカ准尉が、はい、入室の許可が出ました』

 

「失礼します、レポートの提出に参りました」

 

艦橋に入り、艦長席に座るナガイ艦長にタブレットを提出する。

 

「ご苦労、初陣はどうだったアスカ准尉」

 

「はい、自分で戦場に立ってみて思いました。あの場所は人間の本性がむき出しになる場所だと」

 

「ああ、あの白いザクか。まあ、行動原理事態は分からんでもない。自分に自信も有ったんだろう。戦場を知らないガキでしかなかったが」

 

全くもってその通りだと思う。

 

「ヤマト隊長並みの腕があれば、そこまで無くともエースと呼ばれるだけの腕前ならば間違いではない。では、何故そんな勘違いをしたか分かるか?」

 

「専用カラーを与えられたことが大きいと思います。上から評価されていると言う事実ですし。ただ、その評価のラインが低いことが分かっていないのかと思います」

 

「その通りだ。たかが民兵もどき育成場の毎期上位10人が与えられる程度の価値の低さが世間で評価されると勘違いしている。未だに階級制がお粗末なことを疑問に思っていないのだからな」

 

「確か、一般の緑、毎期上位10位の赤、隊長格の白、艦長などの艦に関わる責任者の黒、政治的権力保持者の紫でしたっけ?」

 

「あとは議会からの上位命令権を持つフェイスだな。アスカ准尉、軍隊がその程度の階級数で足りるか?」

 

「無理です。普通に使われる階級以外にパイロット記章や技術、情報、医療階級があっても足りない状況があるぐらいですから」

 

「それが分からんのがザフト、正確にはプラントの上層部だ。だからザフトを民兵もどきと言っている」

 

「民兵や傭兵でも軍人の最低限の知識と常識を持ち合わせているのにザフトにはそれがない。もどきですね」

 

「もしくはごっこ遊びだ。艦載機の編成も気に食わん。補助戦力が一切無いとは、舐めてるのか?戦隊に偵察型ジンが居ることが珍しいとか、ザクのウィザードシステムに偵察用が無いとか、軍隊舐めるなよ」

 

そう言えばEWACパックを要望したのってナガイ艦長だっけ。運用のために態々スカイグラスパーとコスモグラスパーを複座式に改造してるんだっけ?

 

「あまりぱっとしていないようだが、ユニウスセブンではEWACの凄さを体験できる。あれこそが我々キマイラ隊の要だ。まっ、一度体験すれば分かる。よし、レポートも問題ないな。新しい課題は、また今度だな。次も無事に帰れよ」

 

「はい、失礼します」

 

話が終わったので敬礼をして艦橋から退出する。さて、最終ブリーフィングまで70時間か。士官教育の管理は艦長に任せてるから、新しい課題がないから休憩で良いってことだよな。

 

積んでる書籍データを崩そうっと。何を読もうかな、艦長に勧められた飛行機に命を懸けた男の伝記にするか、隊長に勧められたフィクションを科学的に解説する本も面白そうだし、ギース先輩と一緒に見に行った怪獣映画の原作小説も面白そうなんだよな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最終ブリーフィングを終え、乗機で待機している中、先行して出撃したEWACグラスパーから通信が入る。

 

『こちらオウル1、現地では戦闘が開始された模様。オウル2と共に艦隊との戦術リンクを構築する準備は整った』

 

『リンクを開始、並びにオペレーターに通信をリンク』

 

『リンク確認。状況上げます』

 

『MS隊、発進準備。敵はザラ派の脱走兵、IFFから敵はジン・ハイマニューバ2型、数は28機、艦船は無し。ザフト側で出撃しているのはゲイツとザクだ。武装をしていない所為で一方的にやられている状況だ。MS隊は急行し、敵勢力を排除せよ』

 

『シン、行くぞ!遅れるな』

 

「りょ、了解!」

 

戦術リンクが構築されると同時にまるでゲームのように情報がはっきりと表示される。相手の通信や位置情報どころか、FCSから残弾まで表示される。EWACの力ってこれのことか。通信も乗っ取って滅茶苦茶にして現場を混乱させている。強いってものじゃない。

 

『どうだ、ナガイ艦長のEWACは?』

 

「凄いです。こんな有利な状況、普通じゃ考えられないです」

 

『プラントでは展開する余裕がなかったが、今回はサポートを十全に受けれる。機体をハイライトもしてくれるから分かりやすい。本来なら初陣でこのサポートを受けられたんだがな』

 

「いえ、プラントでは活かせたかどうかも分かりませんから」

 

上がってくる情報から指揮官に当たりを付ける。そう思ったら、すでに分類分けまで終了していた。これは楽だ。

 

『シン、オレ達は指揮官を狙いに行く。周りを任せるぞ』

 

「了解」

 

『良い返事だ。キラ・ヤマト、イプシロン+、出撃る!』

 

「シン・アスカ、デルタ・スカイ、行きます!」

 

出撃すると同時に隊長のイプシロン+に掴まり戦場に突入する。位置が丸分かりなザラ派のジンに牽制射撃を撃って一気に指揮官の元まで駆ける。僚機が2機、1機を隊長がWR形態のまま撃ち抜き1対1の状況を作り出してくれる。

 

『シン、死ぬなよ』

 

「はい!」

 

イプシロン+から飛び降りてスラスターを吹かせてジンに飛び掛かる。牽制にビームカービンを連射して、牽制のそれが直撃してジンが爆散する。

 

「えっ、嘘だろ」

 

呆気なく撃ち落されてしまったジンを見て気が抜けたのが失敗だった。敵の反応がない方向からのロックアラートに反応が遅れる。偶然にもシールドと、それに括り付けられていたアンチビーム爆雷にビームが当たり、体勢を崩してユニウスセブンに叩きつけられる。

 

「な、何が、敵?」

 

混乱しながらも機体のステータスをチェックする。叩きつけられたことで装甲に多少のダメージが入っただけで問題なく動く。

 

『何のつもりだ、フリーダムのパイロット!』

 

隊長がオープンチャンネルで怒鳴る声が聞こえる。フリーダムって、確かザフトの核動力機。それに攻撃された?ザラ派に奪取されたのか?

 

『はん、ナチュラルに飼われるような雑魚が目の前をうろちょろしてんじゃねえよ!いっそユニウスも地球に落とした方がスッキリするってモンよ』

 

そう言いながらビームライフルをこちらに向けて連射してくる。こいつ、頭がおかしいのか?この状況でそんなことを言ってるとどうなっても知らねえぞ。

 

2分ほど回避に専念しているとフリーダムが赤くハイライトされる。敵として排除せよってことだよな。

 

『シン、突っ込め!』

 

隊長の許可と共に、ハイパービームサーベルを抜いて、リミッターを解除してスラスターを全開にしてユニウスセブンの大地を足場に飛び出す。こいつはユニウスセブンを落としても良いと言った。つまりはオレの家族を殺すって言ったも同然。生かしておく理由はないよな。

 

『は、速っ!?』

 

次の瞬間にはハイパービームサーベルがフリーダムのシールドを貫通して胴体に突き刺さる。追加でビームサーベルを突き刺し上下に振り抜いて真っ二つにする。

 

「成敗!」

 

カッコつけた代償はフリーダムの爆発に巻き込まれて機体を中破させて暫く先輩方に笑い者にされることと、地球上に向かってヒモ無しバンジーの恐怖だった。隊長が拾いに来てくれなかったら海面に叩きつけられてバラバラになるところだった。

 

 

 




アークエンジェル改級アザゼル
キマイラ隊で運用されるアークエンジェルを強襲揚陸艦から空母に特化させて改装された艦。
格納庫が延長され、それに合わせてエンジンブロックも大型化することで小回りは失ったが速度は維持している。MS搭載数は12機が標準で、整備効率を無視すれば最大で18機まで艦内に収納できる。武装はイーゲルシュテルンが追加されただけで元のアークエンジェルと差はそこまでない。


リングパック
キワモノのストライカーパックその2。運用には高い空間認識能力か、内部コンピュータを大幅に増設する必要がある。4基のゲシュマイディッヒ・パンツァーをドラグーンとして飛ばし、超多角的な戦闘を行う。なお、扱える人物はほぼいない。戦艦でやれ。


フラッシュパック
キワモノのストライカーパックその3。全身をビーム砲で覆い、一斉射撃であらゆる対象を、対群を吹き飛ばすことを目的に開発された。通称鉄砲玉パック。一斉射でエネルギーが底をつく。
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