暴走家族日記   作:タカチンZZ

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第2話 漫画家を目指す

兄「漫画家を目指そうと思う」

 

妹「・・・・・」ポチポチ

 

兄「漫画家を目指そうと思います!!」

 

妹「・・・・・」ポチポチ

 

兄「ねえ、人の話聞いてる?」

 

妹「・・・・・」ポチポチ

 

兄「漫画家を目指そうと思うって言ってんだろぉぉぉ!!」

 

妹「うるさいなぁ。だから、何?」

 

兄「漫画家目指すから、原稿読んでよ!!」

 

妹「え~」

 

妹「なんで私が」

 

妹「まったく、どんだけブラコンなんだよ」

 

ペラッペラッ

 

兄「ど、どうかな」

 

妹「まずさ、【【悲報】平凡な高校生の俺が無敵の魔王に挑まなければならなくなった件について】ってタイトル。正直言ってかなりダサイ」

 

妹「しかも、長すぎだし」

 

妹「それに主人公の名前が竹林竹次郎って、バカにしてんの?」

 

妹「もっとマシな名前は考えつかなかったの?」

 

兄「えっと、他の案としては竹林竹三郎とか」

 

妹「何にも変わってねえじゃねえか!!」

 

妹「アホなの?まず竹からはなれろよ!!」

 

妹「まあ、百歩譲って主人公の名前はいいとしてもさ」

 

妹「主人公の特殊能力が『手からひのきの匂いがする』ってなんなのさ!!」

 

妹「いいかげんにしろよ!!もう!!」

 

妹「手からひのきの匂いがするだけで特殊能力でもなんでもねえよ」

 

妹「ただ手がひのき臭いだけだろ!!」

 

妹「あと、主人公の必殺技についてだけど」

 

竹林竹次郎『必殺!!ひのきミラクルスペシャルウルトラデスバーストスーパーアルティメットメガトンパンチ !!』

 

妹「ダセーーーーよ!!」

 

妹「しかも、無駄になげーよ!!」

 

妹「何、頭に蛆でも涌いてんの?」

 

妹「とにかく、こんなんじゃ漫画家になんてなれるわけないだろ!!」

 

妹「てかさ、この漫画でどっかの漫画賞に応募しようとしてたの?」

 

兄「え?しようとしてたじゃなくてするよ?」

 

妹「アホかぁぁぁぁぁ!!」

 

妹「こんな漫画、応募する価値も無いわぁぁぁ!!」

 

兄「ちなみに金のティアラ大賞 かスピリッツ に応募しようと思ってんだ」

 

妹「人の話を聞けよぉぉぉぉ!!」

 

妹「しかも金のティアラ大賞って少女漫画じゃねえか!!」

 

妹「せめて集英社に応募するならジャンプにしろよ」

 

妹「とにかく、私が読んだかぎりでは応募してもすぐ落とされると思うよ」

 

兄「そうか。そしたら今度はこっちを読んでくれ」

 

妹「まだあったのかよ」

 

兄「これはけっこう自信作なんだ。いちおうTo LOVEる的な漫画なんだけど」

 

兄「タイトルは怒りの和服ガールズていうんだ」

 

妹「どう考えてもラブコメのタイトルじゃないよねそれ」

 

妹「どちらかというとギャグ漫画でしょ」

 

妹「しかもさ、なんでヒロインの絵柄がみんなマッスルなの?」

 

兄「いや、萌えるかなと思って」

 

妹「萌えるわけねえだろっ!!」

 

妹「マッスルなヒロインのどこに萌え要素があるんだよ!!」

 

妹「こんなの一部のマニアしかうけねえよ!!」

 

妹「あとさ、ラブコメなのになんで主人公とヒロイン達が冒頭でゾンビ化がしてるの」

 

妹「どう考えてもおかしいだろ!!」

 

妹「誰もゾンビ達がきゃっきゃうふふな展開になってるラブコメなんて見たくねえんだよ!!」

 

妹「ていうか、もうラブコメじゃなくてホラーだよ!!」

 

妹「それにこれパンチラじゃなくて明らかに大量虐殺だよね」

 

妹「パンチラはどこいったんだよ!!」

 

妹「ヒロイン達も主人公そっちのけで人喰ってるだけじゃねえか!!」

 

妹「こんなラブコメどこに需要があんだよ!!」

 

妹「もはやTo LOVEる的な漫画じゃなくて、たんなるバイオハザードの劣化版じゃねえか!!」

 

妹「もう、兄貴が何をしたいのかわかんないよ」

 

兄「妹」

 

兄「今まで貴重な意見ありがとう」

 

兄「俺、妹に読んでもらって気づいたよ」

 

妹「兄貴」

 

妹「ようやく自分に漫画の才能が無いをことをわかってくれたんだね」

 

兄「うん。俺、やっぱりちゃおにこの漫画応募するよ」

 

妹「・・・」

 

妹「アホかぁぁぁぁぁ!!」

 

妹「だから、こんなクソ漫画が掲載されるわけねえだろぉぉぉぉ!!」

 

妹「しかも、なんでちゃお?」

 

妹「どんだけ少女漫画に執着してんだよ!!」

 

妹「こんな漫画、ちゃおまんがスクールどころかイラストコーナーにも載らねえよ!!」

 

妹「まず漫画描くまえにその腐りきった脳みそをどうにかしろ!!」

 

兄「妹。そう照れるな」

 

兄「そんなこと言って、実は俺のこと応援してんだろ」

 

妹「どこをどう聞き間違えたら今のが応援してるように聞こえるんじゃぁぁぁぁぁ!!」

 

妹「もう死ね!!」

 

妹「天国で永遠にクソ漫画でも描き続けてろ!!」

 

そんなこんなで結局、兄貴は私の意見など無視して漫画を投稿した。

 

ーーーー

 

数か月後 本屋

 

妹「あ、ちゃおだ。懐かしいな」

 

妹「そういえば兄貴、チャオに漫画を投稿したんだっけ」

 

妹「絶対ありえないけど、掲載されてるか確認してみるか」

 

 

ベスト賞 怒りの和服ガールズ 作者 クリスチーネ兄

 

妹「なんでえええええええ!!」

 

妹「なんで、あのクソ漫画が一番すごい賞をとってんだよ!!」

 

妹「それでいいのか編集部!!」

 

妹「それでいいのか小学館!!」

 

妹「とにかく全国の少女漫画家を目指す人達にあやまれええええええ!!」

 

―Fin―

 

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