貴方達と灰色の"せいしゅん"   作:あめざり

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デデデデ見ました
そういう系だと思ってください


その日、キヴォトスは滅びた

『速報です!突如キヴォトスの空が赤く染まり、ブラックホールのような黒い球体が出現しました!皆さん今すぐに避難を!!』

 

電気の消えた薄暗い部屋、その中にあるテレビと言う名の唯一の光には、青から赤く染まった空が映し出されていた。

それを見て私は……

 

「あれ?世界終わる?」

 

と思った

 

 

 

     貴方達と灰色の"青春"

 

 

 

私『冬次ホウガ』は引きこもりだ。それも中学1年から今まで3年間のロングセラー。理由なんか特に無い、なんかめんどくさくって、本能的に「ここに居たら夢も何も見れない」って思ったから入学式だけ行ってバックれた。流石に3年も経つと暇になってくるが。

母親は確か……私が歩けるようになった時にキヴォトスの外に行ったっけ。周りの子達は生後1〜2ヶ月って言ってたけど、私の母は少し過保護なのかもしれない。

本来なら今日は高校の入学式のはずだけど……流石に中止かな。

……

………

外に出たい。

3年間で溜まった退屈が全部発散させられるような予感がする!

必要な物をカバンに入れて……銃とか携帯食料とか少し前に自作した閃光弾とか!

それで外に出て、世界の終わりを見届けられるようにどこかに拠点を建てよう。出来ればテレビを観ながら、年越しのように世界の終わりでジャンプしよう!あ、でもテレビは持ってけないししばらくは家に待機かな。

多分このレベルの危機ならシャーレの先生とか、マンモス校が動き出して世界の危機を止めようとするだろうな。

まぁ正直……これに勝てるとは思えないけど。

 

思い浮かんだ終焉の回避法を無理だと一蹴する様な光景がテレビには映されていた。

超巨大な船……それも飛んでる奴。

それからはビーム砲のような物が発射されていて、付近の高層ビルが一瞬で倒壊していく。文字通り、規模の違う物があった。

 

 

数日後、予想通りキヴォトスは壊滅した。

シャーレの先生は意識不明の重体、正実のツルギも風紀のヒナも戦闘不能。

そして大きく分けて2つ、ビッグイベントが起こった。

1つは新学校『エデン統一学園』の設立。

これはゲヘナとトリニティの合併校であり、壊滅したキヴォトスに存在する唯一の学校。ただ、この状況で学校に通おうとする奴は少ないらしく、入学者は以前のゲヘナ生の半分程度らしい。あと、もちろん私は入学した。モチベーションアップした私は不登校を蹴り飛ばす行動力を持つのだ。入学試験はしっかりカンニング、試験官は殴って黙らせたので問題無し!私が主席合格者だ!

そして2つ目、新しい先生の就任。

それもただの先生じゃ無い。あの球体の船を率い、キヴォトスを滅ぼした張本人……名を『プレナパテス』。

てっきり化け物かと見間違うほどのオーラと外見。と言うかこれを人間だと、生物だと、血が通っていると考えるのが困難な程の超怪物。そうとしか言えない人だった。私はそう言うの大歓迎だ!

そして今日が、エデン統一学園の入学式。そして3年ぶりの外出でもある。

私はゾクゾクしながらドアを開け、五感に外の世界が流れ込む……のだが

 

「なんか……すごい灰色」

 

青色の空も赤色の空も無い、砂埃の舞った曇り空。遠くを見ると倒壊したビル、そしてあちこちから聞こえるエンジンと銃の騒音。

とりあえず歩いてみる。

見れば見るほど景色の変わらない、ちょっと明るい私の部屋みたいな世界。ところどころ転がっている瓦礫をぴょんぴょんと飛び越えながら進む。そうしていると……

 

「おいおい!!ここら辺じゃ見ねえ顔だなァ!!」

「金持ってんだろ?ぴょんぴょん飛んでる時に聞こえたぜ?」

 

凄く典型的な不良に絡まれた。

なぜヘルメットを被っているのだろうか、謎すぎて謎である。

 

「いや……持ってないんだけど」

「あぁ!?んじゃカバンの中見せろよゴラァ!!」

 

そう言いながらライフルをこちらに突きつけてくる。

青空と一緒に、倫理と治安を無くしてしまったらしいな新キヴォトスは。

 

「だんまりかよ……なら奪い取ってやる!!」

 

不良の1人が引き金を引き、ライフルの弾は私の眉間に直撃。直後にキーンと言う耳鳴り、そして殴りかかってくる不良の姿。

そのパンチが当たる寸前、歯茎を出しながら勝ちを確信したその瞬間、私は閃光弾を投げる。突然の閃光で驚いたのか不良はパンチを大きく逸らした。

もちろんこのキヴォトスに住んでいる以上、私も戦えないわけでは無い。

だがご生憎、引きこもっていたせいで体力が無く、まともな銃撃戦は出来ない。そのため私が学んだのはずるい戦い方。回り込んで、目を潰して、転ばしてから撃ち込む、通称ガチムーブ野戦。

3年間の座学の集大成だ。

 

「クソ!何も見えねぇ!!」

「それじゃあ眠ってて」

 

首元に睡眠薬の入った注射を打ち、不良1人を眠らせダウン。もう1人は……まずい、見えないからって銃を乱射してきた。

咄嗟の近くの遮蔽に隠れ、今度は手榴弾を投げる。もちろんただの手榴弾では無く、私特製のサーモバリッククラスター手榴弾。対人の威力で言うなら最強クラスの脳筋兵器だろう。

不良の2人目は形容できない叫び声をあげて爆音と共に倒れた。

 

「あーーつっかれた!」

 

改めて体力の無さを再確認した。

私がした行動は、閃光弾を投げる、注射を打つ、前転して遮蔽に隠れる、手榴弾を投げるの4つ。

これで少し息があがっている。まあ対応策はあるにはあるが、副作用が強すぎてちょっと使いたくない。

 

「まだ時間あるし……ゆっくり歩こうかな」

 

この後数回襲撃され、学園に着くころには汗だくになっているなんて思いもしなかった。

 

 

 

 

 

 

 




冬次ホウガ
冬の次(春)、萌芽(物事の始まり)
つまりは青春の始まり、灰色の世界での

サーモバリッククラスター手榴弾
お金がかかる、ただクソ強い

ガチムーブ野戦
最低限の体力で勝ちに行く誉れのない戦術
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