貴方達と灰色の"せいしゅん"   作:あめざり

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小鳥遊ホシノ
・おじさん


友情同盟

翌日、私は屋上に居た。

今は10時代、ちょうど授業中だ。……いや決してサボっているわけでは無いのだ。1時間目の途中までは頑張った、が無理だったので「天が私を呼んでいる!」と叫びながら教室を出た。その時の空気は凍りついている……と言うよりはむしろ理解不能が強かったように思える。無理も無い、私もそうなるだろうし。

さて、せっかく遠方を見渡せる場所に来たのだ。周辺地形の把握と勢力図の当てはめでもしようか。崩壊前の世界では土地勘ピラミッドの最底辺に居るような人間だったが、土地ごとリセットされた崩壊後世界では土地勘で圧倒的なアドを取るチャンス。こうしておく事で「たまたま迷ってヤバい奴らの縄張りに入ってお陀仏」がなくなる。

この世界でヤバい組織といえば第一に「アリウス連合」だろう。元アリウス分校の奴らで構成されており、地形を活用したゲリラ戦特化の部隊……この世界だと利用できる地形が多すぎる上に強すぎる。奴らの領地は西側の紛争地帯。学園都市で紛争と言うのもよく分からないが、学園は1つしか無いしもはや都市としての体をなしてないのでモーマンタイ。

第二に「アビドス生徒会」。生徒会長の小鳥遊ホシノを実質的なリーダーとした、元アビドス自治区周辺で活動している砂漠最強の部隊。特に略奪の技術はピカイチらしいな。

この2組を除けばギャングスターに憧れてそうな奴らは基本居ない。だから安全……と言うわけでは無く、この2組が強すぎて他に出てきたとしても一瞬で淘汰されるから他に台頭する奴がいないだけで、領土内で活動したら基本身ぐるみ剥がされて素っ裸の状態で放り出される。放り出される場所が紛争地帯か砂漠かの違いだ。

 

(いざ高所に来たのは良いけど、殆ど瓦礫しか無い……ここからじゃ砂漠くらいしか認識出来ないな)

 

まあ写真くらいは撮っておくか、と思ったその時

地面……正確に言うなら建物が大きく揺れた。

 

爆破音、その次に銃声、青春がぶち壊される危険を感じた私は急いで屋上に繋がっていた階段を駆け降りる。

考えられる揺れの原因なんて一つしか無い、当然「他グループの襲撃」だろう。明日の食糧や弾薬に困る崩壊世界、唯一の大規模校を襲撃すると言うのは、誰もが考えるだろう。ただそれができる実力となると、アビドスかアリウスくらいだろう。その上最悪なタイミングでの敵襲、戦える道具は殆ど教室に置いてきた。

 

(今持ってるのは……スモグレ1つとナイフ一本か……これで戦うのは流石に厳しいかな)

 

戦えて1〜2人、それ以上が来たら絶対に勝てない。

有利なことといえばこの学校にいる生徒数くらいだろうか?以前のゲヘナトリニティより少ないと言っても、数人規模の相手なら物量で……

 

「うへへ〜全員動かないでね〜」

 

教室が占領されていた。

物量普通に攻略されたんですけれども、オリチャーなんて考えてないですよ。と言うか装備も取れないのは本格的にヤバい。私の初期装備見たいな武器と、あのピンク色の髪をした子が持ってるショットガン(盾付き)が戦ったら100%私が負ける。多分戦いにすらならないだろう。

と言うことで、速攻で考えた作戦を発動しようと思います。

 

 

 

「……お望みの物資を持ってきた。全部じゃないけど十分量はあるから、これで何とか退いてくれない?」

 

声をか細くして、倉庫から持ち出した物資を持ちながら教室に入る。当然ただ物資渡してはい解散では無い。せっかくこっちには"交渉"の手段があるんだし、使わない手はないだろう。

 

「へぇ……やっぱ結構な量持ってるね〜ただ、『全部じゃ無い』ってのは余計だったかな」

「勿論、これを受け取って退却だなんて事認められない事も、明日生きるのすら厳しい事も分かってる。でも私たちだって、他人の為に明日飢える程余裕は無いんだよ」

「で?おじさんが銃を下ろす理由になるかな〜それ」

 

え……一人称おじさんなの……?私怖い……

 

「私は戦いに来たんじゃない、『交渉』だよおじさん。呑んでくれるって言うなら、今日から『エデン』は共同倉庫だ」

「……そんなめんどくさい事する必要がこっち側には無いかな。今ここで引き金を引いて、君を退ければ良いだけの話だし……そうしないと手に入らない『何か』を提示しないと、『交渉』の土俵にも立てないよ」

 

キたな、ビッグチャンス。

こうなったら簡単、話を聞く型に相手をハメられたら後は目を輝かせれば呑まざるを得ない。

この世界で1番欲しがっているものと言えば……

 

「『青春』……つい少し前あったもの。何も無くても、それさえば良かった様な日常をあげる」

「……そんな、生きる為に何の意味も無いものが……

「私から言わせて貰えば、生きる為に何の意味も無"かった"よ。でも、それでも、そんな物に意味があるからキヴォトスなんてものが建った。ゲヘナだって、トリニティだって、ミレニアムだってレッドウィンターも百鬼夜行も『アビドス』だって。そうでしょ?」

 

「だから、まずは『友達』から。どう?」

 

私は手を差し出す。

振り返ってみれば、私の( おも) ってる願望をぶつけただけ。

でも、だからこそ分かる。ここは元学園都市キヴォトス、私と同じ様な青春バカが創り出した青春に溢れた街だ。

当然、そんなとこに住んでいた人が

 

「……うへへ、負けたよ。『友情成立』だね〜」

 

目の前にある『青春』を、見逃せるはず無いだろう。

 

 

 

 

 




オリキャラ2体目をぶち込む可能性
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