3話まででいい感じに話がまとまっちゃったので更新が止まっていましたが、なんとなくやりたい展開などが浮かんできたので不定期に更新していこうと思います()
いつものように準備を整え、私は玄関へと向かいます。
「それではベアトリーチェ様、バイトに行ってきますね。」
…あ、一つ忘れていました。
「ベアトリーチェ様、今日のお夕飯は何がいいですか?」
「そうですね…別に何でもいいですよ?」
「……」
それが一番難しいのですが、この人にそれを言っても理解できなさそうですね。
「そうですか、では今日のお夕飯はシュールストレミングにしますね。」
「シュール…一体どんな料理なんですか?」
「ただの魚の塩漬けですよ。」
世界一臭いのする料理、というのは教えないでやりましょう。
「なるほど…?」
「気になるのでしたら調べてみては?
…おっと、もうこんな時間ですか。
それでは私は急ぎますので」
「ふむ…」
ベアトリーチェ様が小首をかしげる声を背に、私はバイト先へと急ぐのでした。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
私のバイト先である花屋さんは、私たちの住むアパートから徒歩で30分ほど離れたD.U.地区の街中にあります。
「すみません、店長。
少々遅れてしまいました。」
「あ、ミズキちゃんおはよう!
遅れてないよ~、まだ開店まで時間はあるからね!」
この人がこの花屋さんの店長、
職を求めて放浪していた私を雇ってくださった恩人です。
「それじゃあ、今日も張り切って働こう!
おー!」
「おー」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「あ、ミズキちゃん。そっちが終わったらこっちの子にも水あげといて!」
「分かりました。」
花屋のバイトとはいい物です。
アリウスで鍛えられた私にとって大抵の仕事は苦になりませんし、何より花に囲まれているというのは幸せです。
私にとっての天職かもしれません。
「…そういえば、アツコも花が好きでしたね。」
「うん?何か言った?」
「いえ、独り言です。」
「そっか!」
秤アツコ、私の後輩でありアリウスの"姫"。
と言ってもベアトリーチェ様が先生とアリウススクワッドにボコボコにされた今、その役目はもう必要ないわけですが。
確か今は指名手配されていたような…見かけたら家に招待しましょう。
ベアトリーチェ様がうるさくなるような気もしますが、そのあたりはうまくやれば――
ドカーーン!!!
「爆発ですか、珍しいですね。」
「だねぇ、このあたりは結構平和だからあんまり爆発なんて起きないんだけど…」
「どうしますか?巻き込まれると面倒ですよ。」
「そうだね、とりあえずシャッターは降ろしておいて――」
ドカーーーン!!!
「うわぁぁぁ!」「きゃあぁぁぁ!」
「何やら様子がおかしいですね…」
「ヘルメット団が暴れてたとしてもこんな騒ぎにはならないもんね…
あ、温泉開発部とかじゃない?」
「だとしたら面倒ですね…」
温泉開発部、キヴォトス屈指のクレイジーな部活。
温泉のためならどんなことでもやる狂人の集いです。
「店長、少し様子を見てきますね。」
「うん、気を付けてね!」
そうして、私は爆発音が聞こえてきた方向へと走っていきました。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「これは…」
中々の大惨事です。元に戻るのにはしばらく時間がかかりそうですね。
さて、この事件を引き起こした奴等は…いました。
「なるほど、正しくは"奴等"ではなく"奴"でしたか。」
「…はて、一体誰のことでしょう?」
「もちろんあなたのことですよ。
災厄の狐…狐坂ワカモさん。」
「ふふ、バレてしまいましたか。
それで、貴方の名前は?」
「野花ミズキ、花屋のアルバイトです。」
「これはどうもご丁寧に…では、消させてもらいますね?」
「こちらとしては穏便に済ませたいのですが…」
「それが可能とでも?」
「血気盛んな方ですね…
仕方ありません、バイト先が爆破されてはたまったものではありませんので…
面倒ですが戦ってあげることにしましょう。」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「なになに…?
『シュールストレミングとはニシンの塩漬けであり、その強烈なにおいから世界一臭い食べ物と呼ばれている』…
ま、待ってください。流石に冗談ですよね…!?」
戦う前の強者同士の余裕のある会話っていいよね…
ということで次回はワカモvsミズキちゃんです。果たしてミズキちゃんはあの災厄の狐に勝てるのか…!?
あ、因みにワカモは私服姿が最高だと思います。みんなもワカモを推そう!