読了後に気分が悪くなっても、私は責任を負えません。
山田くんは不思議な子だ。
普段、何を考えているのか分からない。
「他人の考えていることなんて、普通は分かりっこないじゃないか」だって?
そう、普通は分からない。でも、周りには、考えていることが分かる人だっていると思うんだ。だから、その人の行動や言動を注意深く観察していれば、何を考えているかを容易に推測することだってできる。
だって、同じ人間だもの。人間の考えることなんて、たかが知れている。
でも、山田くんは違う。
何を考えているかさっぱり分からない。
それは、彼が無表情であるからかもしれないし、無口だからかもしれない。
僕は、そんな山田くんに興味を持ったんだ。
もしかしたら、未来人かもしれないし、宇宙の
日々、ワクワクやドキドキは増す一方だ。
ある休日の午後、僕はたまたま、山田くんが一人で歩いているところを目撃した。
彼はどこへ行くのだろう? 彼の行動には、とても興味がある。
僕はいてもたってもいられなくなり、彼の後をつけることにした。
追跡している途中、山田くんのポケットから、何かが落ちた。輝く何かだ。
僕は、それを拾い上げた。糸のようなものだった。長さは、30㎝ほどだ。
この糸は何だろう? 未来の最新技術で作られたものだろうか? それとも、彼の住んでいた惑星の産物だろうか?
急に胸が高鳴った。
この謎を、なんとしてでも突き止めたかった。
僕は、尾行を続ける。
山田くんが、僕に気付いている様子はない。
このまま何処へ行くのだろう……。
彼の行き着く先には、タイムマシンか宇宙船があるのかもしれない。いや、もしかしたら、宇宙人の秘密基地かも?
山田くんは、山の方へ入って行った。ははあ、ここが彼らの隠れ家か。
僕は、ゆっくりとした足取りで彼を追った。
山の中を数十分ほど歩いたところで、彼は立ち止まった。
僕は辺りを見回す。が、機械や建設物の
そのときだ。
山田くんが、先ほどの糸を
おぉ、と僕は思わず嘆声を漏らしていた。
これから何が始まるのだろう。宇宙船が舞い降りてくるのか、秘密基地が地面から出てくるのだろうか?
そう思ったとき、
反射的に目を
白い光の世界から戻ったとき、目の前に大きな
いや、顔は、山田くん、そのものだ……。
蜘蛛は、腹の先から出した糸で、恐怖で動かない僕の躰を縛り上げた。
もう身動き一つ取れない。
そんな僕が最後に見たのは、山田くんの微笑む顔と、大きく開かれた口、だった。
山田くん、恐ろしいです。