魔族少女のエロタナティブ 作:アナリザンド
この作品読んでる先生たちは、筆って聞いて、当然おちんちんのこと連想したよね?
【大魔法使いゼーリエ様の部屋について語ろう】
1:名無しの魔法使い
語ろう
6:名無しの魔法使い
シンプルに目が痛い
7:名無しの魔法使い
文字ちかちかするのやめて
11:名無しの魔法使い
原色どぎついんよ
15:名無しの魔法使い
超デカ文字で『世界を騙せ!』とか書かれてるのがスゥって消えていくのが
こうなんというか、胸の奥がキュってなるの
21:名無しの魔法使い
古エルフ語がお星様みたいに右から左に流れて動体視力が鍛えられる
あれは彗星かな…?いや…違うな。彗星はもっとこう、バァーって動くもんな
27:名無しの魔法使い
ゼーリエ様、痛いよ……痛いよ……(多重ミーニング)
28:名無しの魔法使い
大魔法使いゼーリエの部屋ってネーミング、クソダs……いや最高ですね!
30:名無しの魔法使い
オレ見つけちまったんだが、世界の深奥を……
左の下にさ、背景と同色でこっそりリンクが張ってんのよ
で、そこに飛んでみたわけ
そしたら、そこに『真理』が書かれてあったんよ
35:名無しの魔法使い
>>30
何が書かれてあったんだ?(震え声)
37:名無しの魔法使い
>>35
フフフ。よくぞここを見つけたな。魔法を極めんとするものに必要なのは探求心だ。貴様にはその才能があるようだな。魔法の最奥へと至る門はもはや目前だ。さぁ門を叩け。神秘のヴェールを引き裂き、そして踊り出よ。おまえの野心を思うままに吐き出せ。大陸魔法協会は貴様が訪れる日を待ちわびている。
41:名無しの魔法使い
うっ!(胸をおさえる動作)
43:名無しの魔法使い
言葉の暴力!
48:名無しの魔法使い
さりげに勧誘してて草
51:名無しの魔法使い
百年後とかに掘り起こされて、人類のホームページはここから始まったとか
控え目に言って人類史の恥じゃね?
57:名無しの魔法使い
エルフ様が勝手にやったことなんです
オレたちはなにも知らなかったんです
63:名無しの魔法使い
考えうるかぎりの最悪を組み合わせて特級呪物を作り上げてるの、ほんま草
67:名無しの魔法使い
でもお弟子さんのブログに向けてリンク張ってるの……
それで、亡くなったお弟子さんにもリンク張ってて飛んでみたら
『おまえは私の中で生きている』って書いてて、マジエモかった
70:名無しの魔法使い
ゼーリエちゃんかわゆすなぁ
74:名無しの魔法使い
ゼーリエママの胸に抱かれて逝きたい
78:名無しの魔法使い
生きてるお弟子さんたちのブログ見に行ったら全部コメントつけててワロタ
オレのアホ頭では一割も理解できない超絶難解な魔法理論書いてるのに
ボコボコにされてるのかわいそう
84:名無しの魔法使い
レルネン様のブログに対して、『魔法学校の一年生からやり直すか』はえぐみあったわ
そのあとシュンってした感じの謝罪文に対して
『おまえはやればできる子だ。おまえほどの高みにある者はそうはいないのだからな』
はママ味成分あったけど。
89:名無しの魔法使い
ゼーリエママぁ~~~~~
90:名無しの魔法使い
どっちかというとゼーリエおばあちゃんなんだよな
94:名無しの魔法使い
おまえら視覚情報ばっか語っているけど
このホームページで看過できない要素がもうひとつあるだろ
ホームページ開いた瞬間に、なんか名状しがたいメロディ流れてくるの
長時間聞いてて身体に影響ありそうでツライ
100:名無しの魔法使い
深夜にまちがって入っちゃって、大音量で流れて近所迷惑になった件について
105:名無しの魔法使い
どうして誰も止めなかったんだろうな
110:名無しの魔法使い
止められるわけねーだろ!
ぶち殺されるぞ
115:名無しの魔法使い
おやもしかしてあなたは一級魔法使いなのでは?
117:名無しの魔法使い
そんなわけねーだろ
おや、なんか外から音が……
ああ……まさか……
窓に! 窓に!
123:名無しの魔法使い
ホラー演出やめろw
128:名無しの魔法使い
ここはアンチスレじゃないんだからさ
もっと有用なところに目を向けようぜ
131:名無しの魔法使い
ピカピカ光る部屋を潜り抜けると宝物庫のような宝の山
ぶっちゃけ、ゼーリエ先生のホームページのなかで
これだけあればいいってところあるよな
136:名無しの魔法使い
お、それ言っちゃう?
みんな我慢してたのに
早漏だなw
138:名無しの魔法使い
魔法図書館は魔法使いにとっては宝の山だな
最初マジで興奮した
攻撃魔法はあんまり載せてないけど
民間魔法がめっちゃ並んでてビビったもん
しかもどんどん増えてるし
141:名無しの魔法使い
どんだけ知識貯めこんでいるんだろうな、あのおばあちゃんエルフ
142:名無しの魔法使い
魔法図書みんな買ってみた?
魔法の解説書じゃなくて、インストールする方だけど
143:名無しの魔法使い
背中の痒い部分を掻く魔法買ってみたよ
300000APたけーと思ったけどわりと便利
あれすげーよな、こう頭のなかに魔法陣が浮かんでくる感じで
すぐに使えるようになるんだからな
いったいどうなってんだ
147:名無しの魔法使い
でも、なんでか在庫があるんだよな
なんでなんだろ?
そっちのほうが気にかかる
148:名無しの魔法使い
あれってゼーリエ様の魔法を譲渡する魔法の応用らしいぞ
魔法を譲渡したら、また最初から学びなおさないといけないってさ
コピペじゃなくて切り貼りなんだと
153:名無しの魔法使い
なんかそれって記憶を刻みこんでる感じなんだが
やっぱ、コピペじゃないのがよくわからんなぁ
魔法的な制約なんだろうか
154:名無しの魔法使い
きっと魔法は恋心
誰かにコピーすることはできないのさ
命短し恋せよ乙女
160:名無しの魔法使い
オレおっさんなんだけど
164:名無しの魔法使い
その説が正しいなら、ゼーリエ様、恋心を金で売っちゃってるじゃねーか
165:名無しの魔法使い
魔法を売る女……
ゼーリエ様は魔法売女だった?
169:名無しの魔法使い
おいやめろ
170:アナリザンド
>>165 次ひどいこと言ったらアク禁ね♡
175:名無しの魔法使い
>>165はいいやつだったよ
177:名無しの魔法使い
ゆるして……ゆるして……
181:名無しの魔法使い
やっぱり、アナ様は見ているんだな
なあ、ひとつ聞いていいか?
183:アナリザンド
ん? なあに?
184:名無しの魔法使い
ゼーリエ様とはどんな関係なんだ?
185:名無しの魔法使い
それ気になってたわ
ゼーリエ様はインターネットを一部解析したって言ってたけど
188:名無しの魔法使い
裏でしっぽりやってるんだろ
オレは知ってるぜ
193:名無しの魔法使い
おばあちゃんとロリ……
ババロリあたらしい
いや、ゼーリエちゃんロリババァだから
ロリババアロリ?
それともロリロリババァ?
195:名無しの魔法使い
なんてこというんだよ
198:アナリザンド
ゼーリエせんせー? しらなーい
あったこともないし、はなしたこともないもん
200:名無しの魔法使い
本当かよ。前に逢いにきたって言ってたやつ、ゼーリエ様の事じゃねーのか?
206:名無しの魔法使い
魔族はすぐに嘘をつくからな
211:名無しの魔法使い
話は聞かせてもらった
世界は滅亡する!
216:名無しの魔法使い
な、なんだってー!?
220:名無しの魔法使い
魔法図書館で魔法図書をAPで買える時点で
相当おかしな事態になってる気がする……
いくらインターネットを解析したって言っても
APを集める意味がわからないし
221:名無しの魔法使い
だから解析したんだろ
ゼーリエ様を信じろ
人類の魔法使いの頂点に立つお方だぞ
224:名無しの魔法使い
ゼーリエ様が勝てないんだったら
誰も勝てるわけないよぉ……
228:名無しの魔法使い
ゼーリエ様が解説してるのちゃんと読んだか?
アナリザンドの魔法を女神様の魔法を利用して一部封印せしめた
『女神の見えざる手』によって、APの混沌的な排出は抑制される
つまり、アナちゃんはフェルンちゃんに一兆APとかやれないってこった
233:名無しの魔法使い
うーん……女神様の魔法も人間の魔法を越えているから説明が追いつかないし
なーんかはぐらかされている気がするんだよなぁ
235:名無しの魔法使い
アナ様って一部拘束されちゃってるの? 緊縛プレイ中?
236:名無しの魔法使い
聞き方w
238:アナリザンド
うん。よくわからないけど、女神様に抱きしめられてて
APを無限排出はできなくなっちゃったみたい
でも、わたし負けないよ
244:名無しの魔法使い
たいしたことねーな
雑魚魔族がよぉ
246:名無しの魔法使い
つまり、今ならアナちゃんを襲い放題ってコト!?
247:名無しの魔法使い
あのさぁ……魔法図書をAPで買えることより
APを既存の通貨と交換できることのほうがおかしい気がする
大陸魔法協会の支部とかいったら、リアルタイムに動く交換レートで
APと既存通貨をとりかえっこできるんだぜ?
闇の力に浸食されているような
253:名無しの魔法使い
金で金を買うって、すごく奇妙な感覚だよな
255:名無しの魔法使い
それも女神様の見えざる手によって、均衡が保たれるんだろう?
257:名無しの魔法使い
国が黙っていないだろ
ゼーリエを魔族と通じた人類の裏切者だとか主張して戦争にならないか?
259:名無しの魔法使い
アホか
魔族の魔法をゼーリエ様の魔法が食い止めてるんだぞ
ゼーリエ様を暗殺なんかしてみろ
あっという間にAPに浸食されるに決まってるだろうが
265:名無しの魔法使い
えー、それってなんかおかしくね?
APなんてほんのちょっと前までは冗談で使ってただろ
いわば、嘘の通貨なのに、なんでみんな真面目な顔して使ってるんだ?
コントの一種か? それともオレがおかしいのか?
267:名無しの魔法使い
なんかAPを保護してるような気がする
うまく言語化できないけど
269:名無しの魔法使い
教えてエロい人
274:名無しの魔法使い
大丈夫だ、問題ない
278:名無しの魔法使い
本当かよ……てか、他にホームページ創れる人いないんか?
ブログでもいいけど
279:名無しの魔法使い
アナ様に頼めば、ホームページを創れるツールをくれるんじゃね? 知らんけど
285:名無しの魔法使い
いや、ゼーリエ様に頼めばいいんじゃないか?
290:名無しの魔法使い
結果、あの人類の恥部が量産されることになるのであった
294:名無しの魔法使い
やめてw
299:名無しの魔法使い
ゼーリエ様だってがんばったんだぞ
ちょっと独創的なだけだよ
302:名無しの魔法使い
簡単に解説するとですね
ゼーリエ様の魔法はアナリザンド様の魔法を保護し維持してしまっているんですね
アナリザンド様の魔法が抑圧され、品行方正なものになった
つまり御せるものになったわけです
その結果、我々は心配せずにお金を交換することができるわけです
306:名無しの魔法使い
やっぱ共犯ってコト!?
311:名無しの魔法使い
魔法的な意味ではどうなんだろうな
APを完全に消してしまうと、もう困る人とか出てきているんだろうか
だから、ゼーリエ様もAPを殺さなかった……殺せなかったとか
313:名無しの魔法使い
女神様の魔法は博愛的なものです
その愛は魔族にも向けられているということでしょう
アナリザンド様も愛の前には敗北するほかなかった
今はそういう事態なのです
317:アナリザンド
愛の押し売りお断り!
318:名無しの魔法使い
へいへーい。アナ様ビビってる~~~
323:名無しの魔法使い
雑魚雑魚魔族♡ かわいいね♡
ほんと人間ってかわいいね♡
もう助からないゾ♡
「――以上がおおよその調査結果になります」
一級魔法使い、その高弟ともいえるレルネンは、椅子の上で足を組み顔をそらしているゼーリエを痛ましそうに見ていた。
「紙をわざわざ使うな。もったいないだろう」
言葉にいつもの荒々しさがない。
ゼーリエはレルネンから渡された紙を放り投げて返した。
普通なら切り裂いて燃やすところだ。
「失礼いたしました。メールだと万が一の漏洩があってはと思い……」
「言い訳をするな。臆病ものめ」
「申し訳ございません」
再び頭を深々と下げるレルネン。
彼が恐れたのはアナリザンドに情報が渡るからではない。およそ一か月前の出来事であるが、ゼーリエは突然、愛弟子たちを集めアナリザンドのことを『私の弟子だ』と公言した。とうの魔族は弟子であることを否定していたのだが。ゼーリエは不敵な笑みを崩さない。
――ゼーリエ様は本気で魔族の弟子をとろうとなされている。
レルネンは一瞬で悟った。
当然、その場は騒然となったのだが、それをとりなしたのがレルネンである。彼は師を信じられぬものは出てゆけとまでいい、アナリザンドと率先して挨拶をかわしたのである。
もちろん、レルネンの中にも困惑はあった。魔族と人間は千年来の仇敵。その魔族を迎え入れる、いわば家族にするというのは、並大抵の精神ではなしえない。レルネンの言葉は自分自身を納得させようとした努力の結果であり、いまもその努力は続いている。
会議の推移はひとまず様子見といったところで落ち着いた。いや、レルネンでさえも困惑を隠せなかったのだ、他の者も問題を先送りにしたのだろう。
しかし、人類側に師が疑われるのだけは避けたい事態だった。いや疑うも何も事実なのだが、魔族とつながっているなど醜聞がすぎる。レルネンは必死になって我関せずを貫こうとするゼーリエを止め、高弟たちがよってたかってゼーリエに懇願し、なんとかしぶしぶ納得してもらって、今のようなカヴァーストーリーができあがったのである。
ゼーリエはアナリザンドを討滅しうる存在であり、今もなお闘争中である、と。
女神の魔法をでっちあげ、闇の眷属を統御しうる可能性を示した。
そんなものはなかった。あるのはただの談合だ。
ゼーリエは奔放である。ホームページを立ち上げるにあたり、誰の意見も聞かず、自分ひとり好き勝手に作り上げ、魔法図書館を創造、果てはAPと現物通貨との交換。アナリザンドもさすがにそれは止めたようだが、ゼーリエに押し切られてしまったようだ。
光と闇の戦い――というか、暴走する光を闇が止めようとしているというか、アナリザンドはもっとゆっくりやっていくつもりだったのだが、ゼーリエは早くヤッてみたくてたまらなかったのだ。まるで道端で棄てられているエロ本を拾った少年のようである。脳みそがおちんちんでできているとしか言いようがない。
レルネンは知っている。ゼーリエは、好奇心のカタマリであると。その溢れんばかりの野心は神秘の乙女が泣こうが喚こうが、無理やりその未知なる裸体を暴こうとする。最後にはその皮膚までぬがしてしまいそうな勢いだ。
――私が御諫めしなければ。
ひそかにレルネンは決意した。
ただし、決意したところで、何ができるかはまた別問題なのである。
レルネンの臓腑――特に胃のあたりが悲鳴をあげている。
「おい。アナリザンド!」
ゼーリエが不快そうに新しい弟子を召喚した。
もちろん、その声は虚空に向けたものであり、まるで独り言を呟いたようなものだ。
DMでもLINEでもメールでもない。ブラウザを開いてすらいない。ただ、ゼーリエはアナリザンドがそこにいることをわかっているようだった。
果たして、数十秒ののち、ゼーリエの前に小窓が開く。
「遅い!」
『なあに、いまウンコしようとしてたところなんだけど』
――取るに足らない魔力。
幼げな印象。実際にアナリザンドは人間の子に換算すれば十歳くらいの見た目でしかない。なぜ、こんな魔族の少女に師は興味を示されるのか。気まぐれに弟子にするにもほどがある。
その言葉を飲みこんで、レルネンは頭を下げる。
「アナリザンド様。ようこそお越しくださいました」
『あ、レルネンおじいちゃん元気してた? また、ゼーリエせんせーにいじめられてない?』
「いじめられてなどおりませんとも」
『そっか。そういうプレイだもんね。老いてますます盛んだね』
「くだらん」ゼーリエはぶったぎる。「いいからおまえはさっさとレルネンの説明を聞け」
『ウンコぐらいさせてよ。漏れちゃう』
「漏らしながらでも話くらい聞けるだろう」
聞くにたえない話だった。
『お漏らししてお掃除するのはわたしなんだからね』
「そんなに誰かに尻を拭いてもらいたいのか。私が行ってやってやろうか?」
『せんせー。さすがにスカトロプレイは高度すぎるよ』
とりあえず、ガチだったらしい。しばらく後にまた接触があった。
『えーっと、レルネンおじいちゃんが代わりに説明してくれるのかな?』
「はい。申しあげます。アナリザンド様もご存じでしょうが、ゼーリエ様のホームページについてのことです。まず、我々の一番懸念していた民草の反応は抑えられております。ぽつぽつと疑惑の声はあがっておりますが、そもそもは魔法の秘奥はいまだ人間の手にはあまる領域。ゼーリエ様の魔法を検証できるものは存在しません」
『そんなものないんだから疑いようもないよ』
「確かにそのとおりです。ですが現存する魔法だとしても、ゼーリエ様の魔法を解析するものなど、この世に存在しないでしょう」
『ゼーリエ先生を信じているんだね。いま坊やみたいでかわいいって思ってるよ、先生』
レルネンは形容しがたい表情を浮かべる。
それは不思議な現象だった。心などないはずの魔族が、誰よりも欲しい言葉を投げかけてくる。
魔族は自分の不快を表明するばかりの赤子のような存在なのではなかったか。
「――そうであったらうれしいですね」
「おい。ふざけるなよ。いつまでくだらない長話を続けるつもりだ?」
『ツンデレおばあちゃん』
「殺すぞ」
『ふひひ。まあレルネンおじいちゃんに聞かなくてもだいたいのことはわかってるんだけどね。どうせ、匿名掲示板でボロクソ言われて、萎えチン状態になってるんでしょ』
「死ね! いますぐウンコ漏らせ!」
『もう出したから漏らしませーん。ざまぁ♡』
ゼーリエはうなだれたように頭を下げて、プルプルと震えていた。
飛び火して一番の被害を被るのはレルネンである。
「ゼーリエ様は匿名掲示板についてはさほど気にしていらっしゃいません」
『え、そうなの?』
「はい。実をいうとホームページにありますBBS……、そこで書かれております、とある少年のコメントにこころを痛めてらっしゃるのです」
『ふーん。そうなんだ。どんなコメント?』
「アナリザンド様はご存じなかったのですね。ゼーリエ様のホームページは御覧になってないのですかな?」
『わたしだって危機管理能力くらいあります。古から言われているでしょう。嫌なら見るなって』
「ご慧眼ですな」
「おまえたちは、ふたりして私を舐めているのか」ゼーリエがポツリと呟く。拗ねちゃった。
「差し支えなければ、ゼーリエ様のホームページを御覧になっていただけませんか」
『まあいいけど……』
確定的な死が約束されているようで怖くはある。
しかし、死に焦がれているのがアナリザンドでもある。
それは生物なら誰もが持っている本能。こわいもの見たさ。
『じゃあ、ちょっと見てみようかな……』
十分後。アナリザンドは虚無の表情をしていた。
「御覧になっていかがでしたか?」
『うーん、率直に言っていい?』
「……」
レルネンはゼーリエを見る。あいかわらずゼーリエは顔をそらしている。
「好きにしろ」
お赦しがでた。
『なんというか、一言でいってゲロシャブって感じ』
「アナリザンド様。それはあまりにも……」
『いやどうして誰も指摘しなかったの? これでヨシッとかなっちゃうの? どう考えてもフェールセーフが足りてないよね? 組織としてガバナンスガバガバなんじゃないの』
ゼーリエがエルフ顔になっていた。
「私の不徳のいたすところです。耳が痛い」
『ゼーリエ先生のお耳のほうが長いんだから、ゼーリエ先生が九割は悪いけどね』
「いえ、ゼーリエ様は悪くないのです。ただセンスが……その個性的なだけで」
『それでBBS見たけど、「ゼーリエ先生の家、父ちゃんが時々行ってる娼館の看板みてえ」って言葉に傷ついたの? わりと的を射ている感じはするけど』
「子どもの歯に衣を着せぬ言葉は、時に凶器となりうるのです」
『ゼーリエ先生』
「なんだ?」
『特定したね?』
「ふん」
ゼーリエはまた横を向いた。
「お調べしたら、八歳の少年でして……、ゼーリエ様もさすがに怒るに怒れず」
『もう笑えばいいのか。憐れんだらいいのかわからないよ』
アナリザンドはだから微笑を浮かべるしかなかった。まあいつもどおりである。
「それで、アナリザンド様。お願いがあるのですが」
『えー、ゲロシャブを修正するとかいうのだったら嫌だよ。だいたい先生はやりたいようにやっちゃうタイプだろうから、わたしの言うことなんか聞かないでしょ』
「なにもあなた様がお創りになられたブログのように、可憐な少女のような日記にしろとはいいません。せめてもう少し毒性を弱めてくだされば……。今のままでは劇物なのです」
『だったら、お弟子さんたちでやったらいいじゃない。師匠の世話をするのはお弟子さんたちの役目でしょ』
「確かにその通りです。しかし、残念ながら我々にはツールがない。ホームページを創る魔法を我々は持ちえません。また、その知識もない。手づまりなのです」
『プログラムは固有の
「それでは――」
『うん。ホームページビルダーと、ファイル転送の魔法をあげる。あとはお弟子さんたちでちょこちょこ修正すれば、だいぶマシになるんじゃないかなぁ』
「ゼーリエ様、よろしいでしょうか」
「勝手にしろ」
後に修正された『大魔法使いゼーリエの部屋』はすっかり垢ぬけ『大陸魔法協会』というシンプルな名前に落ち着いた。リンクはキレイに整理され、見やすい文字に加工され、背景色は目に優しい。レスポンシブルな構造をしている。
けれど、不思議なことに、いまだにあのドギツイホームページを見たいという声があがる。
――クセになってんだ。
あの、名状しがたいBGMに。
あのゲロシャブのような色彩に。
混沌としたエネルギーのカタマリに。
失われたからこそ郷愁の念を抱く者も多いのである。
ゼーリエの隠し部屋は引き続き、そこにある。