魔族少女のエロタナティブ   作:アナリザンド

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仲間

 

 

 

 森は、深かった。

 

 木々の葉擦れの音、時折聞こえる名も知らぬ鳥のさえずり、そしてフリーレンから絶え間なく放たれる芳醇すぎる鉄板で焼いている肉の香り。この香りのせいで、本来なら感じるはずの森の澄んだ空気など、もはやどこにも存在しなかった。

 

――ジュージューのフリーレン。

 

(これは、本格的にまずい)

 

 いや、まずいというよりおいしそうではあるのだが……。

 

 フリーレンは顔には出さなかったが、内心で何度目かもわからない溜息をついた。

 

 歩き始めてから、すでに一時間ほどが経過している。その間、シュティレの気配を何度か捉えることはできた。長年の旅で培った魔力探知の感覚は、HUDですら捉えきれないほどの極小の違和感ですら捉えきれる。たとえこの奇妙な状況下にあってもフリーレンの技能は鈍ってはいない。

 

 問題は、その気配の主が、フリーレンの存在――正確には、この忌々しい匂いを感知した瞬間、蜘蛛の子を散らすように逃げ去ってしまうことだった。

 

 先程もそうだ。

 

 微かな魔力の揺らぎと、木の枝が揺れる音。間違いなくシュティレだった。フリーレンが慎重に、音を殺してそちらへ数歩踏み出した、その瞬間。

 

 パサッ、と軽い羽音が響き、視界の端を何かが高速で横切った。

 オレンジ色の残像。おそらく、あれがシュティレ。

 

 だが、追う暇もなかった。フリーレンが動くより先に、シュティレは危険を察知し、文字通り音速で彼方へと消え去ったのだ。フリーレンの半径数十メートルが、まるで鳥にとっての禁猟区にでもなったかのようだった。

 

「あー! また逃げられたー!」

 

 背後からカンネの気の抜けた声がする。彼女はフリーレンの肩越しに、今まさにシュティレが飛び去ったであろう方向を残念そうに見つめていた。その鼻が、くんくんと動いている。

 

「ねえフリーレン、さっきから思ってたんだけど、その匂い、だんだん強くなってない? なんかもう、目の前でジュージューお肉を焼いてるみたいだよ。なんか、お腹空いてきちゃった」

 

「気のせいじゃないと思う」とフリーレン。

 

「なんとかできねーのかよ」とラヴィーネ。

 

「やってはみてる。でも、たぶん無理だね」

 

「ち……。アナリザンドも厄介なことをしてくれやがる」

 

 隣を歩くラヴィーネが、苦虫を噛み潰したような顔でフリーレンを見た。彼女はカンネよりは状況を正確に把握しているらしい。その視線には、若干の同情と、それ以上の量の『どうするんだこれ』という困惑が滲んでいた。

 

(これはもはや呪いの域だ)

 

 フリーレンは顎に手を当てて考える。

 

 あの魔族――アナリザンドが仕掛けた魔法は、どうやら時間経過とともに効果が増しているようだった。最初は香ばしい程度だった匂いが、今や移動式の野外バーベキュー会場とでも言うべき主張の激しさで、森の生態系に無差別テロを仕掛けている。

 

 シュティレどころか、普通の小動物すら、遠巻きにフリーレンを窺うか、あるいは逆に、うっかり匂いに誘われて近寄ってきた雑食性のシードラットが、フリーレンの足元で『お肉イズどこ?』とでも言いたげに首を傾げている始末だった。

 

 先ほどは、どこからともなく現れた狼タイプの魔物の群れに囲まれかけ、三人は魔法で殲滅する羽目になった。たいした強さではなかったからよかったものの、あれは完全にフリーレンの匂いが原因だ。

 

(魔力で抑えこもうにも、匂いの元が魔力そのもの。しかも、あの莫大な量の魔力で定着させられている。解呪には最低でも一月はかかるね……。試験が終わっているどころの話ではない)

 

 フリーレンは、自分のローブの袖をそっと嗅いでみた。

 

――染みついている。

 

 焼肉を食べたあとの華麗なる匂いみたいな感じ。

 もはや自分自身が巨大な燻製肉になった気分だった。

 体臭とは、自分自身ではわからないもの。なのに、自分ですらわかるということは、他者にとってはそれ以上だろう。

 

「くちゃいよぉ……」

 

 フリーレン。しょんぼりエルフ顔。

 

 そして何より厄介なのは、この匂いが他のパーティにもフリーレンたちの位置を正確に教えてしまっているであろうことだった。これでは隠密行動など夢のまた夢。シュティレ捕獲以前に、襲撃の的になる可能性すら高まっている。

 

 シュティレ捕獲のデバフになるとすれば、フリーレンを排除するほうが先決と考えるパーティがでてくるかもしれない。

 

「……フリーレン、大丈夫?」

 

 カンネが、今度は心配そうな顔でフリーレンの顔を覗きこんできた。その瞳には、純粋な気遣いが見て取れる。この状況で、その無邪気さがフリーレンには少しだけ救いのように感じられた。

 

 フリーレンより遥かに幼く弱い魔法使い。

 でも、気遣うこころはエルフである自分よりも優れているように見える。

 フリーレンは師匠の気分になって幾分真面目な顔をつくった。

 

「大丈夫じゃなさそうだね。このままじゃ、私はふたりの足手まといになる」

 

 思わず、本音が漏れた。伝説の勇者一行の魔法使いにあるまじき弱音。

 だが、今のフリーレンには、そうとしか言いようがなかったのだ。

 誰が焼肉の匂いを漂わせながら最難関の試験を受けるだろう。

 あとで絶対フェルンに怒られる。

 

 ヒンメルなら、こんな時どうしただろうか。

 いや、そもそもヒンメルは、こんな間抜けな呪いにかかったりしなかっただろう。

 

 フリーレンは、遠い目をして、ただただ食欲をそそる匂いが立ちこめる森の奥を、途方に暮れた心地で見つめるしかなかった。

 

食卓を幸せにする魔法(アジポンベルド)をフリーレンにかけるってのはどう?」

 

 ちょっとおもしろがりながら、カンネが提案する。

 

 食卓を幸せにする魔法とは、柑橘果汁や酢、しょうゆなどをもとにした万能調味料を出現させて、対象の味を飛躍的に向上させる伝説級の民間魔法である。たったひと振りで味がポンと変わることから、味ぽんの愛称で親しまれている。食卓のお供として最適だ。

 

「これ以上、私をおいしくさせてどうするつもり?」

 

「そりゃ……いただきます、するとか」

 

「うぉぉん……」

 

「泣いちゃった」

 

「馬鹿なこと言ってねーで真面目に考えないとやべぇぞ」とラヴィーネ。

 

「そうだね。ふたりはシュティレを捕獲できそうな魔法って使える?」

 

 フリーレンは涙を振り払って聞いた。

 

「いや使えねえ。フリーレンは使えるのか?」

 

「一応ね。"鳥を捕まえる魔法"というのがある。今よりずっと魔法使いが多くて、魔法が一般的だった時代に、狩猟を生業とする一族が生み出した民間魔法だよ」

 

「それを使えば焼肉臭くても大丈夫ってこと?」とカンネ。

 

「焼肉臭いって言うな」フリーレンは体育座りのまま抗議する。「そう簡単にはいかないんだよ。この魔法の射程はわずか50センチメートルしかない。今の私じゃ、そこまでシュティレに近づけないよ」

 

「私達が足止めしている間に、フリーレンが近づくっていうのは?」

 

 フリーレンはほんの刹那の時間考えた。即席のパーティだ。ふたりのことをよく知らない。これがヒンメルたちだったら、わずか十年の旅とはいえ、阿吽の呼吸で事を成せた。

 

 でも、ふたりはまだ未熟な――ほんの子どものように見える。

 フェルンと同年代の子たちだ。

 

「ふたりが得意な魔法は何?」とフリーレンが聞いた。

 

「水を操る魔法だよ」とカンネ。ついでラヴィーネが「氷の魔法だ」と言う。

 

「凍らせても、たぶんダメだろうね。シュティレの動きは止められない。カンネの魔法は水を生成できるの? だったら、可能性はあるけど」

 

「できないよ。私の魔法はあくまで、そこにある水を操る魔法なの」

 

「それだと無理そうだね」

 

 フリーレンは経験則から導かれる事実を淡々と述べる。

 感情を乗せないしゃべり方は、配慮の欠片もなかったが、フリーレンの為人と功績をネットを通じて知っているふたりは、なんとなく、その結果が正しいだろうとイメージした。

 

「もしかして私達って、詰んでる?」

 

 カンネが初めて焦った声をあげる。ようやく自分の置かれている状況を身をもって実感し始めたのだろう。フリーレンは自分のスカートに手をこすりつけた。そんなことをしても焼肉の匂いはとれないことはわかっている。けれど、そうしたかった。だから、フリーレンは顔を上げた。

 

「そんなに簡単に諦めちゃダメだよ。ヒンメルはどんなときでも諦めなかった」

 

 わずかに喜びの混じる声。

 フリーレンは過去のヒンメルを見ている。

 

「根性論でなんとかなると思ってるのか?」ラヴィーネは現実主義者らしい。「魔法はイメージできないことは実現できねぇ。初等部のガキどもでも知ってる理論だぜ」

 

 そんなやりとりも確かあった、とフリーレンは思う。

 それでも、ヒンメルはいつも道を切り拓いてきた。

 

「諦めることと、イメージできないことは同じではないよ。昔ね、七崩賢の一人、不死なるベーゼの強力な結界に閉じこめられたことがあったんだ。空気も通さない物理結界で、私は早々に諦めてしまった。けれど、ヒンメルは違ったんだ」

 

 フリーレンの脳裏に、あの時の光景が鮮やかに蘇る。

 馬鹿みたいにまっすぐな瞳で。

 剣をかまえて、ダイアモンドよりも硬い壁を斬りつけていた。

 何度弾かれても、何度無駄だと思わされても、ヒンメルは決して剣を置こうとはしなかった。

 

『この世に不可能はない』

 

 ヒンメルの力強い声が、今も耳の奥で響いている。

 

「結局、その時はどうやって脱出したの?」カンネが、固唾をのんで尋ねた。

 

「私が二か月くらいかけて呪いを解除した」

 

「じゃあ、アナリザンドの呪いも解除できるのか?」ラヴィーネは探るように言う。

 

「いや――、諦めてはないけど、時間がかかると思う。それよりもふたりがシュティレを捕まえる方法を考えたほうがいい。ふたりならできるよ、きっと」

 

「なんだか先生みたいだね、フリーレンって」

 

 カンネが甘えるような声を出した。こういった無邪気な幼さはフェルンには見られないものだったが、その『先生』という言葉に、フランメを思い出す。

 

 師匠(せんせい)はたくさんの魔法を教えてくれた。

 

「ねえ、ふたりのうちどちらかが、"鳥を捕まえる魔法"を覚えるっていうのはどうかな。私が教えるよ」

 

 その提案に、カンネとラヴィーネは顔を見合わせた。

 

「えっ、今から? そんなの無理だよ! 試験は明日の日没までなんでしょ?」

 

 カンネが慌てて言う。

 

「そうだな。いくらフリーレンが教えるのが上手くても、一日やそこらで新しい魔法を習得するなんてそれこそイメージできない」ラヴィーネも同意するように首を横に振った。

 

「フェルンは一日で覚えたけど」

 

 フリーレンは、こともなげに言った。その口調には何の悪気もない。ただ純粋に、自分の弟子が優秀だったという事実を述べただけだ。しかし、その言葉はカンネとラヴィーネにとっては、とてつもないプレッシャーに聞こえただろう。

 

「またフェルンかぁ。フリーレンも弟子自慢とかしちゃってる系?」

 

 カンネが嫉妬に口をとがらせる。お姉ちゃん子なカンネは、フェルンのことが羨ましくてたまらない。甘えられると思ったフリーレンもフェルンのことばかり気にしているように感じて、少しだけ――いや、かなり、おもしろくないのだ。

 

「別に自慢してるわけじゃないよ。ただ、人間の成長は早いんだ。私の目から零れ落ちるようなスピードで成長する。ふたりともまだ若いんだから、やってできないことはないよ」

 

 フリーレンはうっすらと笑んだ。幾分かの寂しさもまじえて。

 

「私たちには無理だって。フェルンみたいに天才じゃないから。そんな一日も経たずに魔法を覚えるなんて、絶対無理だよ」カンネが肩を落とす。

 

 その横で、ラヴィーネが何事か考え込むように黙りこんでいたが……。

 

「あ」

 

 まるで閃光が脳裏を走ったかのように、ラヴィーネが突然声をあげた。

 

「そうか……。その手があった」

 

 ラヴィーネの閃きがイメージを覆すのか、それはまだ誰も知らない。

 

 

 

 

 

 アナリザンドたちは、結界の中央より湖を挟んでやや東のあたりにたむろっていた。

 

 言うまでもないことであるが、アナリザンドはHUDを使って、俯瞰視点で地形を眺めることができる。他の受験者たちよりも、より戦略的に動けるのである。今も他の受験者たちがいない隙間を縫って移動している。

 

 遠くからは、どこからともなくお肉を焼いた香ばしい匂いが漂ってくる。フリーレンが困っている姿を想像し、でもまあフリーレンならなんとかするかもという不思議な信頼感もある。

 

 腐っても大魔法使いなのだ。

 

 だが――しかし、違う意味で腐っている仲間の魔族は違った。

 

「アナリザンド。もういいでしょ」

 

 リーニエがさっそくパーティ解散を主張しているのである。

 

 もともと群れるのが得意ではない魔族とはいえ、リーニエがパーティを離れたいのは、神の御許へはせ参じたいからである。そのまま、シュティレを捕まえた暁には、絶対、神に奉じるに決まっていた。労せず、シュティレを手に入れるレンゲ神。

 

 実力が一切ないとは言わないが、かなり無理して試験に参加しているレンゲが、これ以上、誰かの力を借りて合格するのは、果たしてレンゲのためになるのだろうか。

 

 そんなことを思わないでもなかった。

 だから、アナリザンドは、にっこりと微笑んだ。

 

「リーニエちゃん。わたしたち、ズっ友だよね?」

 

「誰が、いつ、どこで?」ものすごくロボットな言い方だった。

 

「試験は真面目に受けるって言ったよね。リーニエちゃんが助けに向かったらレンゲちゃんのためにならないし、一次試験は通っても二次試験とかで命の危険に晒されちゃうよ」

 

「神は言っている。いま死ぬ運命(さだめ)ではないと」

 

「そもそも試験の趣旨に反するでしょ。三人パーティが四人になったらレギュレーション違反だよ。不合格になっちゃうよ。神様を困らせちゃ信徒としてダメだよね」

 

「べつにパーティ同士が組んではいけないと、あの七三分けの魔法使いも言ってなかった」

 

「確かに言ってないけど、人間には文脈ってものがあるの」

 

「魔族なんだから、そんなのどうでもいいでしょ」

 

「ダメだって。いまリーニエちゃんはひとりの受験者なんだから、人の子らしくふるまわないと。ねえ、サリーちゃんもそう思うでしょ」

 

 業を煮やしたアナリザンドは、傍らにいる魔物に声をかけた。

 

――幻影鬼サリー。

 

 アナリザンドに服従を誓わされている彼女は口がきけないが、言葉は知っている。

 その長い手を使って、丸い輪っかをつくった。答えはイエスだ。

 

「ほら、サリーちゃんもそう言ってる!」

 

「そんなの知るか。どうせおまえが服従させる魔法を使ってそう言わせたんだろ」

 

「そんなことしてないよ。魔物にだって魂はあるんだから、自由を束縛したくないの」

 

「だったら、私を束縛するなよ」

 

 うぐ。リーニエちゃんはなかなか手ごわい。

 アナリザンドは慌てたように、手をぶんぶんと振った。

 

「あ、あのね。レンゲちゃんのもとに行くのはいいけど、手土産もなしは信者としてどうなのかな。まずは、二次試験に備えて、シュティレを捕まえようよ。それから、捕まえ方を教えるなり、あるいは二匹目のシュティレをもって逢いにいけば喜んでくれるかもしれないよ?」

 

「言ってることがさっきと全然違う」

 

「これは妥協ってやつだよ。人間が時々おこなう政治的所作ってやつ。わたしはネゴシエーターもやったことのある政治のわかる女なんだよ!」

 

 ポンと胸を一叩きし、自信たっぷりな様を見せつける。

 

「ふうん」

 

 リーニエはジト目だった。あやしまれている。

 アナリザンドのほっぺたに一筋の汗。

 

「魔力が揺らいだな。動揺している。嘘をついている形だ」

 

「そんなうそ発見器みたいな魔力探知しないで!」

 

「おまえが嘘つくからだろ」

 

「だって魔族だもん! 嘘くらいついたっていいでしょ」

 

 アナリザンドはもはや破れかぶれだ。

 リーニエはもはや興味を失ったかのようにプイと横を向いた。

 交渉は決裂か――。

 

 そう思われたが、リーニエはリーニエなりの理論を持って動いている。そうはならなかった。

 

「もういい。おまえには一応は、私と神を引き合わせてくれた恩もある。だから一度だけ聞くけど、どうして私がいっしょにいないとダメなんだ? べつに適当にアゼリューゼでも使えば、あの鳥だって捕まえるのは簡単でしょ?」

 

「恩って概念を理解できるようになったんだ。すごいね。リーニエちゃん」

 

「神はヒンメルたちに感謝していた。その感情を模倣してるだけだよ」

 

「それでもすごいよ。やっぱり、リーニエちゃんの魂は輝いているんだね」

 

 アナリザンドは静かに感動していた。

 魔族がここまで人間に近似できた姿を見たことはない。

 

「あのね。わたしはリーニエちゃんに一級魔法使いになってほしいの。同じ魔族として、人の子として認められてほしいんだ。だから、いっしょのパーティでいっしょに戦って、いっしょに一級魔法使いになりたかったの。それが動機です」

 

「いまいちわかんないな」

 

 リーニエには、まだ理解できない。

 表面的に感情や心の動きを模倣できても、魔族には魂に欠落した部分があるからだ。

 一度消されたデータが、歪みをもって生まれいでる。それこそが魔族であるのだから。

 

 だが、リーニエは魔族という特性を凌駕しようとしている。

 腐りきった魂は、その欠落すら埋める。

 

「でも、おまえの言いたいことも、少しはわかるような気がする」

 

「ほんと?」

 

 アナリザンドの問いかけに、リーニエは頷いた。

 

「私が神……レンゲといっしょにいたいと願ったのは、レンゲから貰ったものがあるからだよ」

 

「びーえる?」

 

「それもあるけど、違う。()()だ」

 

 読者としてのハンドルネームをもらった。

 

――腐届き者。

 

 それこそがリーニエのびーえるネームだった。

 

 アナリザンドがオレオールにて、ハイターの子アナリザンドと名づけられたのと等しく。

 

 リーニエは腐神者レンゲの手によって、既に名づけが行われていたのである。

 

――腐届き者リーニエ。

 

 彼女こそは、腐り神の愛し子だった。







 この作品はいったい何が言いたいんだろう。
 ああ、味ぽんは神魔法だよ。みんな! 買ってね!(高度な政治的配慮)
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