魔族少女のエロタナティブ   作:アナリザンド

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譲れるもの、譲れないもの

 

 

 

 森の喧噪が眼下から聞こえてくる。

 ここは盆地の中にあって、高台に位置し、森を見下ろせる場所だ。

 中央にある広い湖から南西方面に離れており、もともとは低い山か何かだったのだろう。

 この湖自体が、火山が爆発してできたカルデラ湖だったのかもしれない。

 フリーレン式の地図で言えば、H3あたりと表記するのが妥当か。

 

 まあ、()()()()()()()()()()()()――。

 

 ゲナウ一級魔法使い試験官は、そこにテントを張り、品の良いテーブルに椅子まで用意して、ぼっちキャンプにいそしんでいた。

 

 オレンジ色をしたかわいらしい小鳥。シュティレが、ポットのうえにとまり。

 次の瞬間、パタパタと飛び立つ。

 わずかな気配がした。しかし、シュティレを緊急避難的に音速飛行させるようなほどの魔力の揺らぎではない。

 

 ゼンゼだった。お行儀が悪いことに、テーブルに座り、飛び立ったシュティレが、今度はゼンゼの頭の上で羽を休めている。超絶的といってもいい完璧な魔力操作をおこなっている。もちろんゼンゼの髪の毛がクリームパンみたいな優しい匂いがしているというのも一因だ。焼肉の臭いで充満しているエリアで、ゼンゼの放つ香りは、ひとときの安らぎをシュティレに与えたのかもしれない。

 

 ゲナウも同様だった。こちらは魔力操作という意味だけだったが。

 鳥に好かれる才能はある。

 

「今年の試験は、無茶苦茶になってしまったな。もう半分も残っていない」

 

 お茶を優雅に飲みながら、ゲナウが言った。カップに視線を移す。水面は下がっている。

 少しうれしそうなのは、魔法使いはかくあるべしという理念があるからだろう。

 有象無象など必要ない。それがゲナウの追い求める一級魔法使いのイメージなのだ。

 

「まだ半分近くは残っている。例年なら、一次試験で三分の二以上は不合格になる。それほど異常な事態とも思えない」

 

「おまえも見ていただろう。不合格になったやつらの半数は、たったひとり。フリーレンの手にかかった。これほどの不合格者をひとりで出した例は、いまだかつてない」

 

「伝説の魔法使いだ。それくらいは予想できたことだろう」

 

「だが、さすがに試験会場が焼肉臭くなるとは、想像もできなかったがな」

 

 ゲナウは冷笑気味に嗤う。

 

「アナリザンドは、ゼーリエ様からフリーレン打倒を命じられている」

 

 それはゲナウも知っている。ただ、アナリザンドという特異な存在を、ゲナウよりは知っていると言いたいのだろう。ゼンゼのいつもの無表情顔は、ほんの少しだけ崩れているように見えた。

 

 ゼンゼはアナリザンドに心を許しているように見える。

 

「これがあいつのやり方か」

 

「あの子は、暴力が苦手なんだ」

 

「一級魔法使いになろうとしているやつが、暴力が苦手だと。笑わせる」

 

 崖下を望む。すると、一瞬でゼンゼが移動して、崖を椅子がわりに、今度は手を枝の代わりにシュティレをのせた。

 

「おそらく、一級魔法使いになるということにも、それほど興味はないよ」

 

 ゼンゼの淡々とした言葉に、ゲナウは鼻を鳴らした。

 

「ならば、なぜこの試験に参加している。暇つぶしか? ゼーリエに命じられたからか」

 

「……さあ」

 

 ゼンゼは肩をすくめるだけで、それ以上は語ろうとしなかった。彼女にとって、アナリザンドの行動原理は理解できるものであっても、他者に説明するのは億劫なのだろう。

 

 その時だった。

 

「ゼンゼせんせー。ゲナウせんせー」

 

 間の抜けたような、しかし鈴を転がすような明るい声。

 

 眼下の崖下から、手を羽のようにぱたつかせながら、魔族の少女が飛んできた。

 アナリザンドだった。魔力を感知して、シュティレが慌てて、ゼンゼの腕から飛び立つ。

 

「アナリザンド。試験中だぞ」ゲナウが鉄面皮のような顔で言った。

 

「べつにルールでは、試験官に逢っちゃいけないなんてなかったよね」

 

「常識で考えろ」

 

「えー、ちょっとくらいいいでしょ。先生たちの姿を見つけられるのも実力のうちだよね?」

 

「おまえの言う実力は、エルフを焼肉臭くするだけか? 戦ってこい。ゼーリエにもそう言われたんだろう。何をしている」

 

「四路五動だよ」アナリザンド、無い胸を張る。「あのね。四路っていうのはね……」

 

「鳥よりもうるさいやつだな」

 

 一気に騒がしくなった。

 ゼンゼはクスっと笑う。それにしても、ゲナウが常識を語るとは。

 

「アナリザンド」ゼンゼは声を出した。

 

「なあに。先生」

 

 ゼンゼの傍らに座り、足をぷらぷら。

 そして、ちょっとだけ体重を預けてくる。

 思わず、ゼンゼは髪の毛でヨシヨシしてしまう。アナリザンドの顔がとろける。

 まんざらでもなさそうだ。

 

「君はどうやって、あのフリーレンに勝つつもりだ?」

 

 ひとしきり撫でたあと、ゼンゼは聞いた。

 

「んー。先生、確認しようとしてるね?」

 

「確認?」

 

「わたしがフリーレンを消耗させて勝とうとしているって思ってるでしょ」

 

「違うのか?」

 

「違うよ」

 

「いま、フリーレンはデンケンたちと戦っている。あのフリーレンも昨日からずっと魔力を使い続けていて、休息もほとんどとれていないだろう。一級魔法使いに比肩するデンケンと戦えば、さすがのフリーレンでも危ういように思う……」

 

「そこで、デンケンお爺ちゃんが倒れたあとにすかさず、後ろからゾルトラークするって?」

 

「イメージしやすくはあるな」ラストウーマンスタンディング。

 

「だから違うよ!」

 

「なら、なぜ君はここに来たんだ?」

 

「んっ。これ――」懐から取り出したるはオレンジ色のシュティレだった。

 

 催眠にでもかかっているのか、とてもおとなしい。

 

――服従させる魔法(アゼリューゼ)

 

 七崩賢アウラの呪いを、アナリザンドは使っている。

 

 まるで捕まえた獲物を見せびらかしにきた猫のようだ。

 

「籠は?」

 

「ストレージの中にあるよ」

 

 魔法で作られた空間には、生物を入れられない。

 アナリザンドは手ぶらになるために、あえて籠をストレージの中に入れ、シュティレは懐で温めながら飛んできたのである。

 

 籠を取り出し、シュティレは中に。

 そして、ゲナウのもとに歩みより、「はい」と渡そうとする。

 

「合格条件を忘れたか。時間までその籠を所持していることが条件だ」

 

「うん。知ってる。だから、これはわたしがここに置いておくだけ」

 

 アナリザンドは堂々とした態度で、鳥籠をゲナウのテーブルの上に置いた。

 

「おい。まさか。ここに置いておく気じゃないだろうな」

 

「もちろん。そのつもりだけど?」何か問題でも、と言いたげだ。

 

「私がシュティレをそのままにしておくと思うか?」

 

「先生は厳格な試験官だもん。受験者たちに干渉しないよね」

 

「……勝手にしろ」

 

 どうせ、アナリザンドのお受験は、他の受験者たちと異なるのだ。

 ゲナウは自らの整合性を保つために、受験者に手を出すことはない。

 たとえ、それがイレギュラー中のイレギュラー。魔族であっても。

 

「……君が何を考えているか。少しだけわかった気がするよ」

 

「ゼンゼ先生。わかっちゃった?」

 

「ああ、君は――――――」

 

 その言葉に、アナリザンドは満面の笑みを浮かべるのだった。

 

 

 

 

 

 デンケンは、ゆっくりと崖下から飛行魔法を使って降りてくるフリーレンを、ただ見つめるほかなかった。まったく隙がない。魔法を放てば、その瞬間に反撃される。そんなイメージが脳裏をかすめる。ごくりと喉を鳴らす。

 

「若造。起き上がれるか」

 

 横目で見てみると、リヒターはフラフラと立ち上がり、頭から血を流していた。

 致命傷でないのは、ゴーレムが救命する様子がないことからわかるが、戦闘を続行できるかは不明だ。だが、いまや伝説の魔法使いと、未熟ながらもここまで逃げ切ってみせた小娘ども。三人の相手をするのは、さすがに不可能に思える。

 

「リヒター!」

 

「急かすな。頭がキンキンする」

 

 2人と3人。

 魔法使いたちが互いに杖を向け、対峙する。

 

「で、どうする?」とリヒターが視線を動かさず、口だけで聞いた。

 

「儂が時間を稼ぐ」デンケンは、杖をフリーレンへと真っ直ぐに向けた。「おまえは、あの小娘二人を確実に仕留めろ。フリーレンの加勢が来る前にだ」

 

「……それしかないようだな」

 

 リヒターは、こめかみに流れる血を乱暴に手の甲で拭うと、覚悟を決めたように頷いた。

 万全の状態ではない。だが、それはラヴィーネ達も同じはずだ。

 

 フリーレンという規格外の存在が現れた以上、個々の戦力で劣る自分たちが勝機を見出すには、フリーレンよりも早く失格者を出すこと。つまり、ラヴィーネかカンネのいずれかを失格にさせる程度の致命傷を与える。それしかない。

 

 だが――。

 

(フリーレンという希望が到来したことで、目に再び力がこもっておる)

 

 さきほどまで虫の息だったはずの、ラヴィーネ達は、いまや瞳を爛々と輝かせている。

 

「油断するなよ。リヒター。希望を灯した相手は実力以上の力を発揮することがある」

 

「爺さんこそ、あっさりフリーレンにやられるなよ」

 

 フリーレンは、そんな二人のやり取りを、特に表情を変えることなく静かに見つめている。

 

「話は終わった?」

 

 世間話は終わったかとでも言いたげな軽い口調。

 絶大な力を持つ者の余裕か。いや、そうではない。フリーレンは単に先ほどの戦いを引きずっていたのだ。魔法使いどうしの名誉を賭けた戦い。

 

 決闘前の静謐――。そんな時代を少しだけ懐かしく思い。

 

 そして、その視線は一瞬、背後で不安げに佇むラヴィーネとカンネへと向けられ、微かに、本当に微かにだが、口元が緩んだように見えた。それは、弟子たちの成長を認めるような、あるいは安心させるような、そんなニュアンスを含んでいるようにも感じられた。

 

 ピタリ。と。リヒターが、地面に吸いつかせるように両手を置いた。彼の足元から、土色の魔法陣が急速に広がり始める。

 

――大地を操る魔法(バルグラント)

 

 詠唱と共に、周囲の大地が轟音と共に激しく震え始めた。

 地面が割れ、木々が不自然に傾ぎ、小動物たちが一斉に逃げ惑う。

 

「じ、地震!?」

 

 カンネが、思わずラヴィーネの腕にしがみつく。

 ラヴィーネもまた、突然の地殻変動に目を見開くが、すぐにフリーレンへと視線を移した。

 

「フリーレン!」

 

 フリーレンは、その激しい揺れの中でも、微動だにせず立っていた。ただ、その視線は、目の前のデンケンを唯一の敵――決闘の相手として捉えているようだった。

 

 もしかすると、フリーレンは、デンケンとリヒターと同時に戦っても勝つことは容易だったのかもしれない。それをしなかったのは、ラヴィーネやカンネを信じているからか。

 

 ゴゴゴゴゴゴゴゴ……。

 

 足元の大地が、まるで巨大な生き物が咆哮を上げるように、凄まじい勢いで隆起を始める。

 一瞬で大地にコブを作り、平らかだった地面が盛り上がった。

 そのまま地面に突き上げられるようにして、フリーレンのやや後方にいたカンネ、ラヴィーネの体が五十メートルほどの高さはありそうな崖の上のステージに到達する。

 

――ここは、崖の上。

 

 フリーレンとデンケンの戦場から物理的に隔離された、新たな決戦の舞台。

 リヒターは、自らの得意とする魔法で、強引に戦場を分断し、ラヴィーネ、カンネとの一対二の状況を作り出したのだ。

 

「こんなの飛行魔法で飛べば……」

 

「無駄だ。カンネ! 悠長に飛んでたら下から突き刺されて終わりだ」

 

 ラヴィーネは言う。もっともなことだった。

 五十メートルを一気に突き上げるほどの圧倒的なパワー。

 巡航速度はけして速いとはいえない飛行魔法。

 そしてなにより、目の前の男は圧倒的に強い。

 ダメージを負っているとはいえ、ふたりがかりでも倒せるかどうか。

 

「さて、小娘ども。フリーレンの助けは、もう来ないぞ」

 

 リヒターが酷薄な笑みを浮かべる。

 

 

 

 

 

 デンケンとフリーレンは静かに睨み合いを続けていた。

 

「後学のためにひとつ聞きたい」

 

 デンケンがおもむろに口を開く。

 

「時間稼ぎって世間話のことだったの?」

 

「おぬしは先ほど、リヒターの魔法を止められたはずだ。けれど、そうしなかった。なぜだ?」

 

「あのふたりなら勝てると思ったからだよ」

 

「儂の見立てでは、ラヴィーネもカンネもまだまだ未熟だ。一級魔法使いなど夢のまた夢。二級魔法使いにも手が届かん。それはおぬしにもわかっておるだろう」

 

 言いながら、デンケンはHUDを使って、フリーレンを観察する。

 あいかわらず、魔力値は100前後をキープしていて、どこまで力を隠しているか想像もつかない。しかし、長きに渡り政治の世界に身を浸してきたデンケンは、HUDですら感知できない、フリーレンの状況を冷静に分析する。

 

 ぽたりぽたりと、服の裾から滴り落ちる水滴。

 少しだけ深い呼吸。杖を握る力は、ほんの少しだけ強張っている。春先とはいえ、太陽の光の届かない雨模様では、乾かす暇もなかったのだろう。

 フリーレンは30名近くの魔法使いを葬っておきながら、ここに急行してきたのだ。

 

(フリーレンは消耗している……)

 

 デンケンは確信する。だが、それは自分も同じである。ラヴィーネたちを追い詰めるために、そして思いがけないふたりの抵抗のために、想定以上に魔力も体力も消耗していた。何より、目の前のエルフは、ただの消耗した魔法使いではない。千年以上を生き、魔王を討伐した伝説の存在だ。油断すれば、一瞬で首を刈られるだろう。

 

「私もそう思ってたんだけどね。人間の成長スピードは、想像以上だった」

 

「弟子御たちの勝利を信じているということか」

 

「弟子じゃないけどね」

 

「では――」

 

 デンケンはゆっくりと円を描くように移動しながら、さらなる問いを発する。

 

「おぬしはなんのために戦っておる。なぜ一級魔法使いになりたい?」

 

「フェルンが不安そうだったから」

 

 フリーレンのあまりにも個人的な答えに、デンケンは一瞬言葉を失った。

 大陸最高峰の資格を、そんな理由で。

 だが、それこそがこのエルフの本質なのかもしれない、と妙な納得もした。

 

「結局は弟子御のため、か。エルフにとって、人間の弟子を持つというのは、どのような感覚なのだ? いずれ先立たれると知りながら、情をかけるというのは……。我々人間には、計り知れん時の流れを生きるおぬしにとって、それは刹那の出来事にも等しいのではないか?」

 

 デンケンは、長年抱いていた疑問を、静かに口にした。それは、フリーレンという存在への純粋な興味であり、同時に、自身がラオフェンという短い付き合いの若者に感じた、あの不可解な感情への問いかけでもあった。

 

 去り行く者。残される者。

 ふたりの感情が交差する。

 

 フリーレンは、デンケンの問いに、わずかに視線を伏せた。そして、ポツリと呟く。

 

「べつに、特別なことじゃないよ。ただ、一緒に旅をして、同じものを見て、美味しいものを食べて……そういう時間を共有するだけ。それが、私にとっては大切な記憶になるから。たとえ、それが一瞬だったとしても」

 

「記憶か。おぬしにとって、勇者一行との旅も、そのようなものだったのか?」

 

 フリーレンは、しばし黙り込んだ。

 その翠色の瞳が、遠い過去を見つめているかのようだ。

 

「ヒンメルは、私が一人で千年を生きるよりも、誰かと共に過ごす百年の方がずっと価値がある、なんて変なこと言っていたよ」

 

(どう考えても、プロポーズではないか。このエルフ、鈍感すぎる……)

 

 ヒンメルかわいそうと思わないでもなかった。

 ただようやく、このエルフはヒンメルの想いに追いつきつつあるとも言える。

 

「フェルンやシュタルクといると、時々あの頃を思い出すよ。うるさくて、手がかかって、面倒くさいことばっかりだけど、くだらない旅はいつか楽しい思い出に変わるんだ」

 

 フリーレンは空を見上げた。

 

「それに、ラヴィーネやカンネたちとも、短い間だったけど楽しい冒険ができた。人間の成長は、本当にあっという間だからね。少し目を離した隙に、驚くようなことを見せてくれる」

 

 デンケンは、フリーレンの言葉を静かに聞いていた。

 伝説の魔法使いが語る、人間への、そして仲間への想い。

 それは、デンケンが想像していたよりもずっと、温かく、そして人間らしいものだった。

 

「そうか。おぬしにも、情というものがあったのだな」

 

「私は最初から何も変わってないよ。ただ、人間が勝手に私を『伝説』とか『化け物』とか呼んで、距離を置いているだけだ」

 

「ならば、なぜ、そこまでしてフェルンのために一級魔法使いを目指す? 他にも方法はあるだろう。おぬしほどの力があれば、大陸魔法協会に直接掛け合うことも可能なのでは?」

 

 デンケンの最後の問い。それは、この戦いの意味を問うものでもあった。

 

「あの子はまだ自分に自信がないからね。『フリーレン様も一緒に試験を受けましょう』って、必死な顔で言うんだ。断れないじゃん、弟子にそんな顔されたら。フェルンは怒ると怖いんだよ」

 

 デンケンは、その言葉を聞いて思わず苦笑いを漏らした。

 

(結局、このエルフも、弟子の頼みには弱いということか。儂と、そう変わらんな)

 

 ラオフェンの顔が、ふと脳裏をよぎった。

 妻の声が、耳に聞こえた。

 

「問答は、ここまでだ」

 

 互いに譲れぬものがある。

 フリーレンは、フェルンの師匠でいるために負けられない。

 そして()は――。

 

「勇者ヒンメル一行の魔法使い殿とお見受けする。儂はデンケン。ただのデンケンだ。ひとりの魔法使いとして、手合わせ願おう」

 

 フリーレンもまた、静かに杖を構える。

 

「葬送のフリーレン。受けて立つよ」

 

 森の静寂の中に、再び二人の魔力が満ちていく。

 言葉による探り合いは終わった。

 ここからは、純粋な魔法と魔法の、魂と魂のぶつかり合いだ。

 

 

 

 




それぞれが譲れぬもののために戦い、火花を散らす中。
トリックスターたる魔族少女が描く、真の目的とは。
さすがに100話近く書いてたら、バレバレかな。
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