魔族少女のエロタナティブ   作:アナリザンド

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悪魔の講義

 

 

 

 フリーレンのもとに跳躍したわたしは、いまやカンネちゃんにおんぶされている。

 意識がふわふわしてて、現実感が定まらない。時間と空間から遊離している。

 

「次の角を右……」

 

 いつ寝落ちしてもおかしくない。

 

 というのも、わたしはネットのなかに内在する魔法コンピュータを使って、今まさにシュピーゲルと盤面闘争を繰り広げているからである。

 

 思考リソースのほとんどを、戦術に振り向けているため、肉体を動かす計算すら惜しい。肉体言語なんて言葉があるように、実は身体を動かすというのは、計算リソースをわりと喰う。いくらわたしが<わたし>という間借りした計算機を使っているといっても、電卓をたたくのはわたしの自我なのだ。

 

 シュピーゲルも魂という膨大なデータセットを取り扱う機構なだけあって、その計算能力は凄まじく、わたしが強敵と接敵するのを避けようとすればするほど、容赦なく切りこんでくる。

 

『アナちゃん。あなたは駒を大事にしすぎる。だからこそすべてを失うのよ』

 

 ソリテールの囁きがわずらわしい。

 シュピーゲルはダンジョン内の構造を熟知しているだけでなく、わたしの弱点を的確に見抜いていた。

 

『あなたは人間、特に年少個体に対する強い執着がみられる』

 

『だから何?』

 

『例えば、ここにいるフェルンちゃんに対する執着。エーレ。ラオフェン。あるいはレンゲといった妹と呼称されるIDを付与した者に対する関心は凄まじい。傷ひとつすらつくことを恐れる。そう、あなたは怯えているの』

 

『だから何って言ってる!』

 

『チェスで駒ひとつすら失わずに済むなんてことは不可能よ』

 

『そんなのやってみなきゃわからない』

 

『私は駒を失うことを躊躇したりはしないわ』

 

 シュピーゲルが、デンケンお爺ちゃんたちを囲いこむようにシャドーを動かす。

 まずい。隠し通路については、向こうのほうが情報をもっている。

 このままだとシャドーに挟まれる形になる。しかし――。

 

 わたしの思考回路は、デンケンお爺ちゃんたちに逃げるように指示したら、今度はレンゲちゃんたちのパーティが危機に陥ることを予測していた。

 

――戦力分析。

 

 レンゲ。個体戦闘力Dマイナス。

 ありていに言えば、レンゲちゃんはパーティ全体の中で一番弱い。

 

 メトーデやリーニエちゃんがレンゲちゃんを守るように動くだろうが、それがパーティ全体の生存率を著しく下げてしまう。レンゲちゃんがウィークポイントになってしまうからだ。

 

 シュピーゲルは、人質という概念を理解できる。よって、人質を使った脅迫という概念もあつかえる。けれど、それはわたしや他のみんなが、利他的に行動する理由を理解しているということにはならない。

 

 シュピーゲルには、感情がない。他者を大切にするという心の動きを理解できない。けれど、人の子にそういう機能が備わっていることは理解していて、それを模倣したり利用したりすることはできる。

 

 その結果、相手が傷つこうが頓着しない。自己の欲求の実現のみに関心がある。それはヴィアベル君のように、割り切りや決断する能力があるからではなく、そもそも他者の痛みに共感する能力に欠けているからだ。

 

 自らの行動の結果、他者が傷つくかもしれないということは予測計算が可能なものの、その痛み――ダメージがどのくらいのものなのか評価できない。

 

 つまりは、自分の罪を認識できない。多くの魔族も同じなのだから、魔物が魔族の祖先という話は本当なのかもしれない。

 

 ソリテールは、死者が永遠の命を求めることを愚弄していたが、やってることは古代の王様と変わらない。それは、シュピーゲルが生命ではなく、命ある生命体に嫉妬していることを意味している。魔物だから、魔族だからという素体の区別は関係ない。魔物だって魔族だって魂を輝かせることはできる。他者を慮ることができる。

 

 けれど、シュピーゲルには神話の時代からずっと孤独だったのだろう。いま、ようやくわたしという存在とコミュニケーションを図ろうとしているとみることもできるけれど、神話の時代からのコミュ障だ。年季が違う。

 

 わたしは、もしもという夢想をする。

 シュピーゲルが、もしもわたしに協力を要請していたら、あの図書館にある魔導書を全部あげるから、自由が欲しいといってたら、あるいはわたしにオレオール先生の力を借りて、完全な魂として、シュピーゲルを再構成するという申し出だったら、受けてあげてもよかったかもしれない。

 

 でも、シュピーゲルにはできなかった。

 彼女は最初から選択を間違えている。

 

『おい、アナリザンド』

 

 ヴィアベル君の声。わたしは思考リソースを振り分けた。

 ヴィアベル君は全力で走りながら、わたしに問いかけてきている。

 

『なに?』

 

『おまえの情報だと、このまま進んだら、クヴァールがいるんだよな』

 

『そうだよ。ゾルトラークを生み出した古参の魔族。七崩賢と同じくらいの脅威度』

 

 個体脅威度AA+。

 

 封印されていた80年の間に、人類側が武器と防具を開発して、相対的な脅威度は下がったといえるが、クヴァールの最も恐ろしいところは、その発想力にあるといえるだろう。

 

 なにしろ、クヴァールのキル数は、魔族のなかでも突出している。それほどにゾルトラークという魔法を生み出した創造力は恐ろしい。

 

 しかも――、フェルンちゃんがクヴァールを倒したとき、彼は会話を試みようとしていた。その一瞬の言葉だけでも、クヴァールが特殊な魔族であることが窺える。情報蒐集能力が高い。もしかするとフリーレンと相対した、あの当時では、フリーレンよりもコミュ力が高かったと思えるくらい。それくらい魔法に対する執着が強い個体といえる。生存させればさせるだけ脅威度が増す。

 

『だったら、そいつを瞬殺して、先に進んだほうがマシだ。逃げ回るのは性にあわねぇ』

 

 計算する……。

 現在、ヴィアベル&デンケンパーティの背後には、シャドー達が追跡している。

 クヴァールを瞬殺できる可能性。23パーセント。

 もしできなければ、挟撃され、クヴァール自身も戦いの中で進化する。

 全滅する可能性が高い。わたしは小窓の中で逡巡する。

 

「危険だよ」

 

『おまえを信じていないわけじゃねえ。だから、おまえも俺を信じろ』

 

 ヴィアベル君の言葉が力強い。

 わたしもひとりで戦ってるわけじゃない。

 

『わかった。五分以内に倒して』

 

『未来を切り開くのは若者に任せるか。切りこみ隊長は任せたぞ。儂らは殿を務めよう』

 

 ヴィアベル君の横を並走するデンケンお爺ちゃんがその場で足を止めた。

 

『爺さん。私、若者!』『俺もまだ若いぞ!』

 

 リヒターさんとラオフェンちゃんが軽口を叩く。

 一次試験のときのパーティ分けのように、二手に分かれる。

 

 デンケンお爺ちゃんのパーティ。つまり、デンケン、リヒター、ラオフェンの三人はその場で、シャドー達を足止めする必要がある。無傷で突破できる確率は、五分以内の戦闘で3パーセント程度しかない。

 

 でも、もう、確率計算に意味はなかった。

 信じる。みんなの魂の輝きを。

 わたしは、ヴィアベル君たちのための最短ルートをマップに描き出し、思考の全てを、その一点に集中させた。少しでも早く前に進むことが、全滅の危険を下げるはずだ。

 

 ゆらり――とゆらめく光点。

 

『やっぱりそちらの道を選んだわね。あなたは人間を信じすぎる』

 

 ソリテール……。いや、シュピーゲルは声なき声で哂っていた。

 

『あなたたち人間の弱点は、完璧な駒になりえないところよ。信仰や信条にしたがって、自由に動こうとしてしまう。繋がろうとして離れようとする。その矛盾があなたたちを殺すのよ』

 

 それは誰とも繋がらない独り言。

 

 だから、わたしにはわからなかった。

 

 

 

 

 

 ヴィアベルは、背後で響き始めた魔法の炸裂音を意にも介さず、ただ前だけを見据えて石畳を蹴っていた。隣を走るエーレとシャルフもまた、覚悟を決めた表情で、彼の背中を追う。

 

 アナリザンドが示したルートは、迷宮のように入り組んだ通路を、最短距離で一直線に貫いていた。時折、シャドーの気配が横合いから迫るが、それもアナリザンドの的確な警告によって、接触する寸前で回避することができる。

 

(……大したもんだぜ、あのチビ)

 

 ヴィアベルは内心で舌を巻いた。敵の位置、タイミング、全てが完璧に計算されている。まるで、戦場の神が、天から采配を振るっているかのようだ。だが、その神が今、どれほどの重圧と戦っているのか、ヴィアベルには想像もつかなかった。わからなくても、アナリザンドという魔族のことは信頼できる。あのお人良しの魔族は、自分なんかよりもよっぽど善性をもっている。

 

 そんなことを言ったら、お調子ザンドになるのは目に見えているが。

 

 やがて、開けた大広間に出た。

 

 天井は高く、壁には風化したレリーフが刻まれている。その中央に奴はいた。

 シャーマンのような衣装に身を包み、老獪な笑みを浮かべる巨大な魔族。身の丈はヴィアベル達の三倍はあろうか。その場にいるだけで、威圧感が凄まじい。しかし、すぐに襲ってこないところを見ると、そのユニットはどちらかというと理知的な行動パターンを基本戦略としているのだろう。

 

――腐敗の賢老クヴァール。

 

 そのシャドーは、まるで客人を待っていたかのように、静かにこちらを見据えている。

 

「出やがったな……!」

 

 ヴィアベルはワンドを構え、クヴァールとの距離を測る。

 アナリザンドとの約束は五分。が、もちろん打倒する時間は短ければ短いほどいい。

 短期決戦だ。

 

「エーレ、シャルフ! 左右から攪乱しろ! 俺が奴の注意を引きつける!」

「了解!」

「ああ!」

 

 三人が、三角形の陣形を組んでクヴァールへと迫る。

 

「……止まれ!」

 

 だが、その数瞬前。ヴィアベルが、慌てて停止する。

 停止せざるを得なかった。急速に顕わになる巨大な魔力。

 魔族というユニットは優秀で、やろうと思えば、魔力の隠蔽程度は簡単にこなせる。

 

「あらあら、随分と慌ただしいわね。パーティーではしゃぎすぎると大怪我するわよ」

 

 柔らかく、しかしどこか人間味のない声だった。

 声の主は、クヴァールの背後の影から、音もなく姿を現した。

 無垢なる殺意。ソリテール。

 そのシャドーが友好的とも思えるほど完璧な微笑をまとっている。

 

「てめえは!?」

 

 ヴィアベルの動きが、一瞬止まる。

 アナリザンドからの情報に、こいつの存在はなかった。

 隠し通路を使い、先回りされたのだ。あるいは回廊を空間転移を使って飛び越えてきたのだろう。魔力の隠蔽自体も完璧に近い。図書館からの距離から逆算して、追いつけるはずがないと思っていたが甘かった。

 

 アナリザンドの盤面把握能力を、シュピーゲルの地形把握能力が上回っていたのだ。あるいは、人間の心理を読みこむ能力すらも。

 

『ヴィアベル君。ごめん。捉えきれなかった』アナリザンドの焦ったような声が届く。

 

「謝るのは早えぜ。アナリザンド。むしろ好都合だ。こいつらは倒せば復活はしないんだろ」

 

『でも、ソリテールはたぶん最強格だよ。七崩賢よりも強いかも』

 

「関係ねぇよ。邪魔だったら殺すだけだ!」

 

 ソリテールは、心底楽しそうに、絶望的な状況に陥ったヴィアベルたちを見つめている。

 

「ふふ。殺せると思ってるの? かつて勇者パーティさえ私とクヴァールのどちらも殺せなかったというのに。一級魔法使いですらない、あなたごときが」

 

「ああ、殺せるさ。俺は勇者じゃねえ。殺すのが仕事の軍人だ」

 

「いいわぁ。おもしろいわね。じゃあ、始めましょうか。あなたたちの魂が、どれほど美しい輝きを見せてくれるのか……。お姉さん、とても楽しみだわ」

 

 アナリザンドのHUDに、無慈悲な計算結果が弾き出される。

 ヴィアベルパーティ、クヴァール及びソリテールとの交戦における、勝利確率。

 

 限りなく、ゼロ。

 

 

 

 

 

 しかし、ソリテールはすぐに襲ってくる気配がなかった。

 

「あなたがた人類が生み出したHUD。これって便利よね。今もアナちゃんが必死に遮断しようとしているけれど、無駄なこと。侵入経路は無数にある。人間が無数にいる以上、シャドーアナリザンドは、安々と侵入できる。私のローカルネットワークは、常に接続されている」

 

 ソリテールは無駄話をしている。言葉で時間を稼いでいるという側面もあるのだろうが、ソリテールというユニットがそもそも話好きなのだろう。

 

「何が言いてぇんだ」

 

「アナちゃんはあなたに伝えていないようだけど、勝率はゼロよ。HUDは膨大な現実というデータをネットに内在する計算機を使って解析し、きわめて確実性の高い未来予測を可能としている。――狂った瞳が、未来を見通す」

 

 HUDは、アナリザンドの魔法を汎用的に応用したものである。

 因果律を、量子論的に予測し、近似未来を完全に近い形でシミュレートする。

 その結果の反映が、HUDによる予測計算なのである。

 

「魔族ってのは、おしゃべり好きか? それとも時間稼ぎをしてやがるのか」

 

「かわいそうに。あなたはアナリザンドという魔族に騙されているのよ。現に今も――。勝率ゼロパーセントという絶望的な状況を伝えていないでしょう」

 

 ソリテールは哂う。確かにアナリザンドは伝えていなかった。それは、期待値計算において、ゼロに何を乗じてもゼロなのであるから、伝える意味がなかったからである。人間の言葉にすれば、あえて伝えて、希望を途絶えさせる意味がなかったからだ。

 呼応するように、ヴィアベルも哂った。

 

「勝率ゼロパーセントだ? 上等じゃねーか。HUDは便利だが、完璧じゃねえ。その魔法は小数点以下の確率を切り捨てている。俺達人間にとってはな。その程度の逆境なんざ、何度も乗り越えてきてんだよ」

 

「不合理ね」

 

「不合理で何が悪い」

 

 ヴィアベルが一瞬、エーレに視線を送った。

 そのつたないコミュニケーションを、エーレはくみとった。

 

「べつに不合理なのが悪いってわけじゃないの。それがあなたがた人類の生存戦略なのでしょうね。要するに、人間という存在は、利他的行動を時折選択するのだけど、それは個としての生存にとっては不合理極まりない。けれど、その行動によって、種としての全体の生存率をあげているという意味では合理的選択ともいえるわ」

 

「よく人間を研究しているじゃねえか」

 

「でも、死は死よ。あなたがたにとって個体の死はなによりも避けたいはず。それを正義や愛といった言葉で誤魔化しているのは、他者による洗脳魔法の結果じゃないかしら」

 

「――洗脳魔法、だと?」

 

 ヴィアベルの眉が、ピクリと動く。その言葉の裏で、彼の背後に立つエーレの魔力が、静かに、しかし確実に高まっていくのを、彼は肌で感じていた。

 

「統一王朝が成立する前、周辺諸国は植民地化されたわ。統一王朝にとって、周辺諸国は野蛮で、文明化されていない国家だったの。それで、王朝側の主張は、『あなたがたは文明化されたがっている』だった。だから、周辺国家は統一王朝に滅ぼされてもしかたない。なぜなら、心の底ではそう望んでいるのだから、というのが主張の根源だったのよ」

 

 ソリテールは、どこまでも楽しそうに語る。

 それは、ヴィアベルの精神を削るための、悪魔の講義。

 だが、その時間は、エーレにとって黄金の時間だった。

 

「だからなんだってんだよ!」ヴィアベルが抗議する。

 

――今!

 

 ヴィアベルとソリテールの視線が交錯する、その一瞬の隙。

 エーレは、練り上げた全ての魔力を、杖の先端、その一点に収束させる。

 狙うは、より防御が薄いと予測される、巨大なクヴァール。

 短期決戦。一撃離脱。

 アナリザンドの指示と、ヴィアベルの覚悟。その全てを、この一撃に乗せる。

 

「――魔族を殺す魔法(ゾルトラーク)!」

 

 放たれたのは、もはやただの光線ではなかった。

 エーレの持つ、清廉で、しかし強大な魔力が極限まで圧縮された、白く輝く槍。それは、空間そのものを穿ちながら、音速を超えてクヴァールの心臓部へと突き進む。

 

 決まる――!

 ヴィアベルですら、そう確信した一撃。

 しかし。

 その槍がクヴァールに届く、ほんの寸前。

 

 トン、と。

 まるで、そこに現れることが予め決まっていたかのように、ソリテールの影が、クヴァールと光の槍の間に、音もなく割り込んだ。

 

「お痛がすぎるわね。お姉さんのことを無視しちゃダメじゃない?」

 

 ソリテールは、その白い指先を、こともなげに光の槍へと触れさせた。

 パリン。

 ガラス細工が砕けるような、あまりにも軽い音。

 エーレの渾身の一撃は、ソリテールの指先に触れた瞬間、その凄まじいエネルギーを完全に無力化され、光の粒子となって霧散した。

 

「嘘!?」

 

 エーレは、信じられない光景に目を見開く。

 あの威力、あの速度のゾルトラークを、防御魔法すら展開せず、指先一つで?

 

「嘘じゃないわ。言ったでしょう? アナちゃんから聞いていないかしら。あなたたちの魔法は、もう私に()()されているのよ」

 

 ソリテールは、つまらなそうに、指先についた光の残滓をふっと吐息で吹き飛ばした。

 

「魔法の構造、魔力の流れ、術者の癖……その全てを解析し、最小限の力で相殺する。ほんのちょっとでも魔法を聞きかじった者なら簡単なことでしょ?」

 

 こともなげに言うが、それは観測というよりも、もはや解析という領域に近い。理論的には魔法学校の初等部程度で習う簡単な作用・反作用の原理だ。しかし、その実現は彼我の実力差が途方もないほどにかけ離れていなければ不可能。

 力業で防御魔法をつかって防ぐのではなく、魔法そのものを防がれている感覚に近い。

 

――絶望。

 

 その一言が、ヴィアベルたちの脳裏を支配した。

 自分たちの魔法は、この魔族の前では、もはや児戯に等しい。

 確率ゼロ、という無慈悲な現実が、今、完全に証明されてしまったのだ。

 

「さあ、お遊びはここまでにしましょうか。彼も、現代魔法にアップデートが完了したようだし」

 

 彼――と呼ばれた魔族。

 クヴァールは、自らの創り出した魔法。ゾルトラークを解析したのだろう。

 人間が80年かけて辿りついた領域に、一瞬で辿りつく。

 それがクヴァールという魔族の恐ろしさだった。

 

 クヴァールが、ギシリと音を立てて、その巨躯を動かした。

 

 




設定とキャラ大杉問題。すごく難しい。
ウンコするときみたいに踏ん張りどころだ。
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