外れ者共は今を生きる   作:春夏 フユ

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第19話 仕返しせよ、詐欺師の3人組を

 私達は今ギルドに向かっていた。

 

 クロイが再び土下座してきたかと思うと、一緒に採集祭に参加したいと言ってきたのだ。

 

 採集祭・・・・それは、街とギルドが密接な関係なこの街イズリラで行われる行事。

 

 イズリラでは毎年行われているが、3人組でないとそもそも参加が出来ない。

 故にかちれ私とラスイが2人でパーティを組んでいた頃も参加できなかった。

 

 私達が魔人であるという事実は、普段ラスイがフードで触覚を、私は大きな袖で触手を隠しているのだが既に街の人のほとんどが知っている。

 今のご時世的に表立ってハッキリとした差別はされないが、やはり忌避感・・・・とまではいかなくとも距離感は言葉にされなくともヒシヒシと感じる。

 

 その為、他にも参加出来ない人を誘って一緒に・・・・なんてことはできなかった。

 

 しかしクロイは珍しい魔人への差別意識がないタイプの人。

 

 だから、心置き無く3人で参加出来る!

 昔から興味自体はあったんだ!

 その参加のために、今はギルドに申し込みに内心ウッキウキで向かっている最中だ。

 

 「採集祭・・・・初めてですね! 頑張ります!」

 

 「うん、頑張ってくれ。 任せたぞ」

 

 その言い方だとクロイ自身は何も働かないように聞こえるが気の所為だろうか。

 

 そんな風に他愛もない話をしていると。

 

 ラスイが『どん!』と誰かにぶつかってしまい転んでしまった。

 ぶつかった相手の体幹が強いためか、転んだのはラスイだけだ。

 

 「・・・・痛たた。 あ、だ、大丈夫ですか!? すいません、私が不注意なばか、り、に・・・・・?」

 

 思いっきり転倒したラスイの方が心配されるべきなのにいつもの様に他人を優先し心配したラスイだが、相手の顔を見た瞬間目をぱちぱちさせて驚いている。

 

 「あ? オマエまさか・・・・ラスイか?」

 

 ぶつかった相手の男もラスイの顔を見て声を上げ反応する。

 よく見ると、男の半歩後ろの右左に2人の女がいる。

 

 3人組のそいつらの内1人は鎧に宝石を付けた顔は整ってるが何だかいけ好かない男、もう1人はやけに露出が激しいビキニアーマーの褐色女、最後はブカブカなローブ服を着たかなりの低身長女・・・・

 

 偏見かもしれないが、何故かこいつら嫌な感じがする。

 

 「は、はい! ラスイです! お久しぶです、クズルゴさん!」

 

 「・・・・・・・」

 

 話し方からして知り合いなのだろう、多分私がトラウマの件でラスイと離れた時期に出会ったのかな?

 

 しかし普通の知り合いにしては、クズルゴさんと呼ばれた男はラスイの挨拶に返事もせずただただ引きつった顔をしているだけだ。

 

 「・・・・あの特徴は。 ・・・・宝石、露出、ブカブカ・・・・ あーーー、なるほど」

 

 隣でクロイが何だか納得したような顔をしているので、聞いてみる。

 

 「クロイ、お前あいつら知ってるの? ラスイの知り合いだと思ったんだけどなんか反応が変だし・・・・なんか知ってるなら教えてくれ」

 

 「・・・・殴らない?」

 

 私の問いかけに1拍間を置き、クロイは変なことを聞いてくる。

 

 「何故お前を殴るんだ、いいから言え」

 

 「別に俺を、とは言ってないんだが・・・まぁ、簡単に言えばアイツらがラスイから金をとった詐欺師達なんだ。 金を騙し取られて普通なら自分達を恨んでいるはずの奴が何故か笑顔で話してきて驚いてるんじゃないか?」

 

 あぁ、そうかそうか、アイツらが詐欺師・・・

 

 「ていうかラスイはなんであんな楽しそうに自分を騙した奴と会話できるんだよ、逆に怖いわ。 騙されたのは自分の落ち度だから問題ないって事か? ただの卑屈ってレベルじゃねぇぞ」

 

 アイツらが詐欺師・・・

 

 「あんなニコニコしてたらそりゃ向こうも困惑するわな・・・・おいテクルどうした、急に黙り込んで」

 

 アイツラがわたしノ友達を騙したサギシ・・・

 

 「ちょ、おい街中で触手を振るう気か!? 左袖をめくろうとするな!!」

 

 「邪魔するなァァァ!! よくもラスイをォォォォォ!!」

 

 ココでクソサギシ共を人の形とオ別れサセテヤル!!

 

 「テ、テクルちゃん。 私なんかの為に怒らないでくれて大丈夫だよ。 むしろこの人たちのおかげでクロイさんとも出会えた様なものだし、巡り巡ってテクルちゃんともまたパーティ組めたし!!」

 

 いつノ間にか異変ニ気づいたラスイが私を落ち着かせる。

 

 「詐欺の証拠が何も無いんだ。 殴ったらお前が捕まる。 それにお前の場合、触手の威力から考えて殴ったらもう暴行通り越して殺人になりそうだ」

 

 クロイが私にそう言ってくる・・・・そうか、証拠はないのか・・・・

 

 「・・・ん? ラスイ、採集祭に一緒に行ける仲間見つけたのか」

 

 クソ詐欺師(男)がさっきまでの困惑してたあほ面はどこへやら、クロイが持っていた採集祭のパンフレットを見てそうほざいてきた。

 よく見れば向こうもパンフレットを持っている・・・・クソ詐欺師共も参加するのか?

 

 「・・・ラスイ、オマエあの後パーティ組めたんだな!! 良かったなぁ!! あ、それはそうと罰金はどうなった? 借金でもしたか? ちゃんと新しいお仲間にはその事言ったのか?」

 

 私が知らない事を言っているがとりあえずウザイ、キレそうだ、いやもうキレてる。

 

 「ま、ラスイと組むような奴らなんてたかが知れてるけどな。 採集祭でも精々頑張れよ! ま、オレらも参加するから優勝は無理だろうがな!!」

 

 明らかに心が篭ってない『頑張れよ』を聞いて私はもう捕まってもいいのでと、触手を・・・・

 

 「・・・・そうですねぇぇ!! 頑張りますねぇぇ!! あ、当日はよろしくお願いしますぅぅ!!」

 

 クロイがやけに語尾が伸びた変な喋り方をしながら、詐欺師(男)の手を半ば強引に掴み握手をしめっちゃ手をブンブンさせる。

 

 「ちょ、何だオマエ。 勝手に手に触るな! 離せ! 激しく振るな!!」

 

  「採集祭、優勝出来るといいですねぇぇ!!」

 

 クロイは手を離してもなまだ煽る様な気持ち悪い口調のまま話しかけている。

 

 「なんかムカつく奴だな・・・!」

 

 「さっさとコイツほっといて行こうよ〜」

 

 「それな、キモいし」

 

 「・・・あぁ、そうするか。 じゃあな。 いきなり気持ち悪い事しやがって・・・・採集祭、たっぷり驚かせてやるよ・・・!」

 

 クロイの口調を不快に思ったのだろう。

 存在が不快なクソ詐欺師3人組は離れていった。

 

 ここで私は気付く。

 まさか・・・・いきなりの奇行に面食らったが、クロイの今の行動はアイツらをドン引きさせて追っ払う為・・・・?

 

 「テクル、アイツら採集祭で叩きのめしてやろうぜ」

 

 考えていたらクロイは私にそう語りかけてきた。

 

 「アイツら、すげぇぇムカつくわ。 ラスイから金騙し取っといてあの態度・・・ いやそもそも金騙し取る時点でアウトなんだけど」

 

 ・・・・・・・

 

 「クロイ・・・お前もラスイの事ちゃんと仲間として考えてくれてるんだな」

 

 「あぁ、当たり前だ」

 

 「ありがとな・・・よし、任せろ。 人が集まったところでどさくさに紛れて私の触手を・・・・!!」

 

 「違う、叩きのめすって言うのは物理的な話じゃねぇ!!」

 

 「クズルゴさん、採集祭で驚かせてくれるらしいですが、どんな事してくれるんでしょう?」

 

 詐欺師共、採集祭で目にもの見せてやろう!!

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