顔のいい姉の弟に生まれたので姉を曇らせたい 作:じゃがありこ
1:名無しのイッチ
顔の良い姉の弟に転生したワイはそれを楽しみつつ、転生特典を使って欲望を満たす未来を予定していました。司会は良好だし、問題の片鱗はなかった。昨日まではな!
………何かおとん病み出してるんだけどどうすればいい?
2:名無しの一般転生者?
急に重いわ
3:名無しの一般転生者?
まず何処の世界に転生したん?
4:名無しの一般転生者?
何が転生特典なんや
5:名無しの一般転生者?
おとんが病み出すのやだな
6:名無しのイッチ
現代日本。
それ以外はわからないけど、たぶんファンタジーではない
7:名無しのイッチ
転生特典は技能の模倣。
8:名無しの一般転生者?
ほー
9:名無しの一般転生者?
で、何で病みだしてるの?
10:名無しのイッチ
前のスレでファンタジー系転生者から怨嗟の声があったけど、今回はスルーするで
11:名無しの一般転生者?
まあ、現代日本当たりだからね。不死身の転生特典ニキがファンタジー世界の戦争で発狂してるスレとかやばいからな
12:名無しのイッチ
おとんの日記を盗んできたわ。後で返す。要約すると、まずおとんは音楽でご飯食べてる作曲家なんだけど最近、スランプで悩んでた。そこに娘のアドバイスを反映させたら、ヒット。そんなことが何回か続いた。
自分ではなく娘の曲が評価されている事。自分の曲は古臭いと評価されている事。生活の為に音楽を作ろうとするが、それが本当に自らの作りたい「誰かを幸せにする曲」なのかと悩み続けていた事。そして、娘の才能を讃え、同時に羨んだ事。
もう無理(ヾノ・∀・`)って流れやな
13:名無しの一般転生者?
草
14:名無しの一般転生者?
草
15:名無しの一般転生者?
最後草
16:名無しの一般転生者?
草
17:名無しの一般転生者?
割りと重い話だった。ちなみにイッチって前回美少女をぐちゃぐちゃに曇らせて絶頂したいスレの主だったり?
18:名無しの一般転生者?
娘が天才のパターンか
19:名無しの一般転生者?
シュタゲみたいやな
20:名無しの一般転生者?
きついやつだ
21:名無しのイッチ
>>17
正解。ワイはワクワクやで。姉をぐちゃぐちゃに出来そうで
22:名無しの一般転生者?
それ知ってる。違和感消えた。
23:名無しの一般転生者?
邪悪過ぎて草
24:名無しのイッチ
姉のフレーズが評価され、その後仕事が増えたおとんは部屋に籠り作業を続けるようになるが、とても順風満帆とは言えない様子で、電話相手に怒鳴り散らす事や、姉の作る食事にも手を付けなくなる事が増えていく。
姉はそんなおとんの助けになりたい一心で新たな曲を作り、その曲を聴いたおとんから最大限の賛辞を贈られた。
地獄か?
25:名無しの一般転生者?
善意で追い打ちをかけていく!
26:名無しの一般転生者?
無自覚な才能はナイフなんや
27:名無しのイッチ
おとんに曲を聴かせた翌日、姉は自室で倒れているおとんを発見する。脳に強いストレスがかかり、現在は意識混濁、目覚めても記憶障害が残る可能性が高いとされた。
彼を入院させ不安のまま帰宅した姉とワイだが、おとんの部屋で日記を見付け、その苦悩を初めて知る事となる。
泣き出す姉。過呼吸の顔、最高かよ。追い打ちしてこよ。
28:名無しの一般転生者?
草
29:名無しの一般転生者?
邪悪過ぎて笑う。姉嫌いなんか?
30:名無しの一般転生者?
追い打ちすんな
31:名無しの一般転生者?
畜生すぎてw
32:名無しの一般転生者?
これはひどい
33:名無しのイッチ
は?姉は大好きだが?いいか?人はどうすれば意味ある人生を送れる?
功績を残した時?違う。
ユメを掴めたら?違う。
子孫が繁栄したら?違う!
人に自分という傷をつけられた時だ。
憎まれてもいい、好かれてもいい。誰かの記憶に、魂に決して忘れない傷を作れ。他人の傷になれない人間は、ただの透明な亡霊だ。俺は水ではなく毒になる
34:名無しの一般転生者?
35:名無しの一般転生者?
36:名無しの一般転生者?
37:名無しの一般転生者?
危険思想
38:名無しの一般転生者?
邪悪なヒルルクかな?
39:名無しの一般転生者?
本物!
40:名無しの一般転生者?
怖くて泣いたわ
41:名無しの一般転生者?
これは本物だな
42:名無しの一般転生者?
>>38笑った
43:名無しの一般転生者?
追い打ちを掛けるのか
44:名無しの一般転生者?
もう姉のライフやばいだろ
45:名無しの一般転生者?
弟もこれなの可哀想
46:名無しの一般転生者?
姉何歳
47:名無しのイッチ
14才。ワイは13。
48:名無しの一般転生者?
加減してやれよ!
49:名無しの一般転生者?
14?トラウマやろ
50:名無しの一般転生者?
曇りそう
宵崎奏は絶望していた。父に曲を聴かせた翌日、奏は自室で倒れている父を発見する。病院に搬送し、脳に強いストレスがかかり、現在は意識混濁、目覚めても記憶障害が残る可能性が高いとされた。
「私がお父さんを苦しめてた?違う、そんな、そんな………」
父を入院させ不安のまま帰宅した奏だが、父の部屋で日記を見付け、父の苦悩を初めて知る事となる。
「でも、わたし、わたしが………」
座り込んで震える奏。耐え切れなかった嗚咽が腕の隙間からこぼれて、空気を僅かに震わせる。無力感と罪悪感で加速する自己嫌悪。
罪の意識に苛まれぶるぶると体が震えた。そんな奏を弟である真音が抱きしめた。
「姉さんのせいじゃないよ」
抱きしめた抱擁の優しさよりも声色は少し熱がなかった。
「………落ち着けるように飲み物入れてくるよ」
部屋を出て行こうとした真音のその動きが止まる。
奏の指がその強く掴んでいたからだ。奏は、ここに一人で取り残されることに耐えきれないと思った。足が震えている。立ち上がれない。まるでこの体が立ち上がりたくないのだと訴えているかのように。
真音の目が姉と扉の間を泳ぐ。そして、内心で哂いながら呪いを吐き出した。
「………記憶障害か………人の存在した証ってこんなにすぐ消えるんだね」
「――――――あっ」
ヒュという小さな音を、奏は聞いた。それが自分の口から出た悲鳴だということをその時には気づけなかった。
気が付いてしまった。弟から何を奪ったのか。
父が保っていた記憶は奏が生まれる直後のものであり、真音の生まれた記憶はない。つまり、弟である真音は父に認識されなくなってしまったのだ。
「………ごめん」
「姉さんのせいじゃないよ。そもそもお父さんも言ってたじゃん。姉さんはすごい才能を持っているんだよ。そこに罪はないよ」
「いらない!こんな!こんなの!!!!!曲なんて作れなければ………ごめんなさい………お父さん、真音………」
「………やめたいならやめていいと思う」
シオンは彼が娘に才能で負けているとまでは思っていなかった。
ただ完成しきっていて彼には伸びしろがもうなかったのだ。
カンストしたパラメータを上げるため、限界を超えるために必要な周りの支えというものが、彼にあればきっと話が変わっていたのかもしれない。もしくは時間が彼を癒したのかもしれない。しかし、意味のないifだ。
奏は間違いなく、引き金を引いたのだ。ただの善意だったのかもしれないが、それ故、あまりに純粋無垢で言い訳のしようがないあの曲で。才能が残酷だとシオンは誰よりも 理解していた。転生特典などというものを持って生まれたが故、余計に。
「逃げてもいいんだよ」
優しく背を摩った真音だったが、想像以上の呪いに感づいた。これ以上は奏が壊れると思い、逃げを提案した。
しかし、奏の思考はあの言葉に支配されていた。
『奏はこれからも、奏の音楽を作り続けるんだよ。きっと奏の音楽は、たくさんの人達に受け入れられて、喜ばれて………必要とされるはずだから』
「……つくらなくちゃ。わたしの曲が、誰かを幸せにできる曲じゃなかったから、お父さんはああなった。わたしは、誰かを幸せにできる曲をつくれるようにならなきゃいけない。どんな人でも、救える曲を。わたしは……つくり続けなくちゃ」
真音は不愉快だった。自分以外が姉を傷つけていることが許せなかった。姉を曇らせるのは自分でなければ意味がないのである。
「………」
この呪縛を解放しつつ圧倒的な傷を残す方法を真音は考えるようになっていった。