最強は永遠に 作:ルイス
ロキ・ファミリアの幹部陣はお金稼ぎのためにダンジョンへ向かっていた。
メンバーはフィン、リヴェリア、アイズ、ティオナ、ティオネ、レフィーヤである。
フィンは七海と灰原も誘ったが、彼等は五条たちと会う約束をしたらしいので断った。
「何か最近、七海と灰原楽しそうだよねー」
「確かにそうだね。僕たちといる時よりも楽しそうだ」
「それって少し複雑かも」
「そうだな。だが、私たちが過ごした時間よりも彼らと過ごした時間の方が濃いのだろう」
最近の七海と灰原はとても楽しそうに過ごしている。それはロキ・ファミリアの団員たちが何となく感じていた事。誰も口には出せないが。
「団長はどう思いますか?あの二人組」
「分からないね。……強いというのは分かる。だけど、味方かどうかは分からない」
五条と夏油の事を指して言う。
彼らが異質の強さを持っているのは分かるが、味方かどうかは分からない。もしかしたら、敵に回るかもしれないとフィンは警戒を強めている状態だ。
考えながらモンスターを倒していく。
そして、ダンジョン18階層へと辿り着いた。
フィンたちはリヴェラの街へ行く。すると、いつもより街の様子が変であった。
「何かあったみたいだね」
街の人に話を聞くと、どうやら殺人事件が起きたらしい。
フィンたちら現場へと向かう。
事件現場に行くとそこには街の元締めボールスが機嫌悪そうにしていた。
そして、フィンたちが部屋に入るとボールスは更に不機嫌になった。
「関わってくれなんて言ってないぜ」
「僕達もこの街を利用するのでね。早期解決のためにも強力させてもらいたい」
「けっ!ものは言いようだなフィン。てめぇ等といい、フレイヤ・ファミリアといい強い奴らは何でも出来ると威張り散らしやがる。チッ!!………おい、ヴィリー!!」
ボールスは宿の主人ヴィリーに説明をするよう求めた。
ヴィリーの説明によると犯人は被害者と一緒に泊まった女である可能性が高いと分かる。
顔が潰れている被害者。その身元を調べるためにボールスは死体に開錠薬を垂らした。
この開錠薬を垂らせば背中に刻まれている神の恩恵が明らかとなる。
そのおかげで死体に刻まれている神の恩恵が明らかになった。
「俺は読めねぇ。誰か外のエルフを読んでこい!」
「私が読もう。所属……ガネーシャ・ファミリア。名はハシャーナ・ドルリア」
「ハ、ハシャーナだとッ!!冗談じゃねぇぞ!!奴はLv.4だぞ!!」
「容疑者の女はかなりの手練と判明したね」
すぐさまボールスはロキ・ファミリアの女たちを疑ったが誘惑できないと分かり容疑者から外す。
そして、フィンの検証が話されて殺人をした女は第一級冒険者並の力がある可能性が判明した。
「ボールス、一度街を封鎖してくれ。きっとまだこの街に残っている」
「わ、分かった」
ボールスは街を封鎖するために動く。
そして、ロキ・ファミリアの者たちもフィンの指示の元、迅速に動いた。
本来ならお金稼ぎのためにダンジョンへ来たフィンたち。殺人事件というイレギュラーな事態。これを早く解決しようとする。
フィンたちとは別にこのリヴェラに強者が二人紛れ込んでいる。
一人はハシャーナを殺した女。もう一人は一度
フィンたちが二人と会うのは少し先。
◆◇◆
リヴィラの街の中央地水晶広場。
街中でも最も広い空間は見通しが良い。
「随分と集まるのが早かったね」
辺りを見たフィンは感想を言う。
その意見は正しく、本来なら集まるのにもっと時間がかかると思っていたからだ。
「呼びかけに応じねえ奴は、街の要注意人物一覧に載せると脅したからな。そうなりゃどこの店でも叩き出しだ。この要所を今後も利用したい奴等は、嫌でも従うってもんよ」
「それに、一人でいるのは恐ろしいか」
「そういうことだな」
フィンの呟きにボールスは頷く。
彼等の視線の先に集まっている冒険者たちはその顔に不安と恐怖を抱えており、互いを警戒するように距離をとっている。
既にフィン達の口から【ガネーシャ・ファミリア】に所属する第二級冒険者が殺害されたことは伝えられていた。
「ステイタスを見せて貰うのが一番手っ取り早いが、流石にそれは情報隠匿の規則に違反するか」
フィンの指示で冒険者達は犯人とされるローブの女を探すために男性と女性に分けられていく。元々いた五百人ほどの冒険者達は二百名ほどになり、女性の冒険者は一箇所に集められ、多くの男達に取り囲まれる。
「まずは無難に、身体検査や荷物検査といったところかな」
「そういうことなら………」
フィンの言葉に厳つい顔を歪ませて嫌らしく笑うボールスは、顔を上げて女性冒険者達に叫んだ。
「ようし、女どもッ!体の隅々まで調べてやるから服を脱げーッ!」
「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」」
女性冒険者から非難と顰蹙の声が飛ぶ。
不満を隠さない女性たちと対象的に男性冒険者から歓声が上がる。
「馬鹿なことを言っているな、お前達。我々で検査をするに決まっているだろう」
高らかに雄叫びを上げる男冒険者に蔑みの視線を向けたリヴェリアが女性陣の検査を受け持つ。彼女はアイズたちを連れて歩み出た。
アイズ、レフィーヤ、ティオナ、ティオネは横一列に並び、それぞれの女性冒険者に対応する。
「あれが冒険者でも強い部類に入る奴らか。何だよ、弱いじゃねーか」
アイズたちを見ていた口元に傷がある特徴的な男。その目線は何処までも冷たい。
その日の夜
突如として食人花が複数体現れ、街を破壊した。
そして、別の所ではアイズと赤髪の女が激しい戦闘を行っている。
この赤髪の女はハシャーナを殺した犯人である。ハシャーナの顔を剥ぎ取り、身につけ、男のふりをして身体検査を逃れていた。
赤髪の女は強く、アイズは押されている状態だ。
とうとうアイズは吹き飛ばされた。
「終わりだな、アリア…」
キーン!!
アイズがもう少しの所で殺られる。その時にアイズを助ける者がいた。フィンとリヴェリアである。リヴェリアはアイズの守りに入り、フィンは赤髪の女と戦闘を行う。
フィンの方が上手く立ち向かえているように見える。それは赤髪の女が本気を出していないから。
しかし、それはフィンにも言えること。
「分が悪いな……」
そう言って赤髪の女は湖に飛び込もうとする。
一旦逃げる。そのための行動。ロキ・ファミリアたちは止めることが出来ない。
だから、彼等の代わりに止めるものが現れた。
ドンッ!!
「ガハッ!!」
彼は赤髪の女やフィンたち第一級冒険者よりも速い。だからこそ、逃げていた赤髪の女を蹴り飛ばす事など造作もない。
「俺よりはタフじゃねーな。さっきのチビはお前を殴り飛ばした時、指を折った。かなりの強度だ。だが、俺は特に何も怪我してねぇーな」
赤髪の女を蹴り飛ばした男。
彼の名は
ガシノヘ行けば負け、前の世界と同じく彼は色々な女性の所を転々としていた。
ダンジョンに潜り魔石を手に入れ、とあるルートで金を稼いでいる。それが最近の彼の生活スタイル。
伏黒甚爾から放たれる只者ではないと思わせる圧力。赤髪の女はもちろんの事、アイズたちですら殺されないか内心焦っていた。
「あぁー、悪かったな。お前を試しただけだ。何処までの強さなのか。…別に殺す気はない。じゃあな」
そう言って、伏黒甚爾はその場を去ろうとする。それを許さないのが赤髪の女だ。
「舐めた真似をしてくれたな!!」
「悪いがてめぇは趣味じゃねぇ。そんな歪な女に好かれたくはねぇよ」
伏黒甚爾は向かってくる赤髪の女を再び蹴り飛ばす。2発まともに受けた赤髪の女は最早瀕死の状態だった。
「ここは…引く…だが、次は必ず殺すからな!!」
そう言って、赤髪の女は今度こそ湖の中に飛び込んで逃げた。
残されたフィンたちは当然異質な強さを持つ伏黒甚爾に警戒する。何者なのか聞かないわけにもいかない。だが、彼らが伏黒甚爾と話すことはなかった。なぜなら、フィンが話しかける前に彼は目の前から消えたのだから。
「なっ!!」
目の前から突如消えたことに困惑するフィンたち。だが、別に幽霊のように消えたわけではない。圧倒的スピードにより彼等の目から見えずに走り去ったのだ。第一級冒険者たるフィンたちを持ってしても見えない速度だっただけである。
そんな彼は17階層へ上がる階段の前にいた。
「何だったんだい?あのモンスターは?」
17階層へ上がる階段の前で伏黒甚爾を待っていたアマゾネスの女。
彼女の名はアイシャ・ベルカ。
イシュタル・ファミリアの幹部である。
彼女は伏黒甚爾と最近出会い、つるむようになった。伏黒甚爾は一人で魔石を換金出来ない。故にアイシャは彼と一緒に魔石を換金する。条件として取り分を少し貰っていた。
「さぁな。休むつもりでここまで来たが騒ぎは御免だ」
「そうだね。さっさっと地上に戻って魔石を換金するよ。私がいないと換金出来ないからね」
「俺はファミリアなんてものには入ってねぇーから仕方ないだろう」
「確かにね。……なのにその強さ。……そそるね」
「ダンジョンでする気はねぇ」
「分かってるさ。私のお得意様」
二人はさっさっと地上へと戻った。
伏黒甚爾が五条たちと会うまで後二日。
創るのって…かなり難しい……………