最強は永遠に 作:ルイス
五条たちがこの世界に来てから幾日も経った。
今日も何が起こるか分からない日になる。
運命のいたずらなのか。彼等は豊穣の女主人にて仲間たちと会合する事となる。
「「「「あああーーーッ!?」」」」
五条と夏油、七海、灰原は一緒のテーブルでご飯を食べていた。この四人は近頃ずっと一緒にご飯を食べたりしている。
そんな時、三人組の客が入店した。アミッドと天内、黒井である。
アミッドは新人歓迎みたいな感じで二人を外食に誘ったのだった。
天内と黒井は店に入ると特徴的な彼等を見てすぐに気付いた。
一方の五条たちも見覚えのある人物たちが入ってきたので気づく。
「二人共、いつこの世界に?」
「それは妾たちの台詞じゃ!!貴様たちこそ一体いつからいたのじゃ!!」
五条たちが話している別のところではアミッドと七海、灰原が話していた。
ロキ・ファミリアと交流があるアミッドは二人共何度か交流がある。
「お久しぶりです。七海さん、灰原くん」
「お久しぶりです。アミッドさん」
「お久しぶりです!!先日はクエストの依頼ありがとうございました!!ティオネさんがかなりぼったくったみたいですみません!!」
遠征のついでに得た素材をアミッドに売却したティオネがかなり吹っかけた事を知っているので灰原は謝る。
「いえ、適正な値段でしたよ。それよりもお二人が理子さんたちの知り合いとは思いませんでした。という事は二人共別世界の人という事ですね」
「知っていましたか」
「ええ。理子さんと美里さんから事情は聞いたので。この事を知っているのは?」
「ロキくらいです。ファミリアの皆さんは知りません。言う気もありません」
「そうですね。混乱を招く恐れがありますからね。私もこの事は心の内に留めておきます」
「そうしてくれると助かります」
別世界から来たなど、神々の良いネタとなりしつこく追いかけられる事だろう。
何よりも闇派閥などに関わってこられでもしたら面倒この上ない。それに五条たちは元の世界に戻りたいとは正直思ってはいなかった。自分たちの役目は終えたと理解しているから。
「へぇー。天内たち働いてるのか。あの天内が。世の中分からないねー」
「おい、馬鹿にしとるじゃろ!!」
「あっ!気付いた?」
「貴様ー!!相変わらずな態度じゃのう!!」
冗談を言う五条とそれに翻弄される天内。
何処か懐かしい光景に
「悟。とりあえず皆で少し話そうか」
そこから先はこの世界に来た流れを話し合う形となる。
話を聞いた六人は本当に不思議だと思う。
何故、バラバラなのか。そもそも何故この世界にいるのか分からない。何か意味のあることなのかも不明。だが、彼らがこの日々を楽しいと思えているのも事実であった。
「この調子だと学長と筋肉ダルマも来てそうだよなー」
「だと良いですね」
「妾はあの筋肉ダルマと会うのはパスじゃな。一度殺されておるし。空港におった時は気まずかったぞ」
「天内、大丈夫だって。あいつ意外とガキ思いだから。もう敵対する事は無いと思うよ」
五条は伏黒甚爾が自身に伏黒恵を託したことを今でも覚えている。
ただの気まぐれだったのかもしれないが、それでも恵が禪院と名乗らずに済んだのは事実。
その事があるからこそ、憎めない存在である。
何よりも自身を一度倒した男。思い入れも少しはあった。
「まぁ、今の俺ならあいつには負けないよ」
「それを言うなら私も負ける気はないよ」
「張り合うねー傑。負けたままが悔しかったりする?」
「まぁね。それに猿には負けないよ」
「猿ねー。もしあいつと会ったら殺すの?」
その質問に夏油は答えられなかった。
殺すと言えば五条はどう思うのか。七海たちはどのように思うのか。自分よりも彼らのことを気にしていた。何よりも答えは無いから答えられない。
「今は別世界じゃん。そこまで難しく考えなくても良いと思うよ。……七海たちは否定するかもしれないけど俺は傑の意見は否定しない。その代わり必ず一緒だからな。…この間も言ったけど、………一人にするなよ」
「……分かっているさ。一人にはしないよ。私も一人にはならない。この世界では互いに尊重していこう」
「だな」
「とりあえず、さっきの質問は保留するよ。まだ決めない。ゆっくりと考えてみるよ」
「そっか…。それがお前の答えなら尊重する」
笑い合う二人。
この光景を見るだけで、七海は顔には出さないが喜ぶ。願わくばこの笑顔が消えない事を彼は祈る。
どんちゃん騒ぎだった。
伏黒甚爾と夜蛾正道以外の空港にいたメンバーが勢揃いしている。
嫌でも話は盛り上がっていく。
青春、未来、過去、一言では決して片付けられない時間。楽しいと心の底から思えるものだ。
彼らの話を聞いていたアミッドは話が異次元過ぎて驚いていた。
そんな時、店に新しく二人客が入ってきた。
それを見た五条たちは明らかに嫌そうな顔をしている。
その理由は先程まで話題に上がっていた伏黒甚爾が女を連れて店に入ってきたからだ。
さて、伏黒甚爾は五条たちを見て、どのような反応をするのか。
「何だ。てめぇ等もいたのか」
特に伏黒甚爾は驚かなかった。何事もないように彼はカウンター席へと向かう。
「ちょっ…良いのかい?あんたの知り合いだろう。めちゃくちゃすごく睨んでるよ」
伏黒甚爾の隣に座ったアイシャは五条たちの目線に気が気でなかった。
早く話すにしろ何かしらの行動を起こせと思っている。だが、当の本人は食事を楽しんでいた。
「これでいないのは学長だけだな」
「案外いるかもしれないよ」
「いたらいたで小言多そうだけど」
「ははっ…かもね」
五条たちは特に伏黒甚爾とは話さない。
別に今話さなくても大丈夫だから。
それよりも七海たちは夏油が伏黒甚爾を殺そうとしないか心配していた。
二人が戦えば被害は予想出来ない。妙な緊張感が漂っている。
だが、先程夏油と五条が話していた事が功を奏していた。夏油はムカつきはしているが特に荒立てることもなく食事を楽しんでいる。
そもそも夏油は空港にいた時点で何かアクションを起こそうという考えはあまりなかった。
今も迷ってはいる事に変わりはない。でも、今、夏油の隣には五条がいる。それだけで何処か安心していた。
「大丈夫だよ。今は何もしない。じっくりと考えるさ。何よりもこの場で揉め事を起こす気はない」
警戒している七海たちに優しく夏油は言う。
それに嘘はないと分かる。故に全員先程までの和やかな雰囲気へと戻った。
この場では何も起こらない。
ただただお互いがこの世界にいるというのを知っただけ。
◆◇◆
カタッ……カタッ……カタッ……カタッ………
誰かの歩く音が地下に響く。
辺りには先程まで生きていたであろう者たちの亡骸が無惨に転がっている。
「た、助けて…………」
あまりの恐怖に声もかすれている少女。
彼女は尋常ではない体験をして、恐怖故に逃げていた。だが、彼女が生き残ることはない。
グシャッ!!
逃げていた少女は何者かに潰された。
少女はぐちゃぐちゃとなり、亡骸はとても酷い状態となっている。
「この世界は面白い。私の知らない未知が詰まっている。どう壊そう、どう楽しもう。私の未来はまだまだ終わっていない。混沌をこの世界で生めばどれほど面白くなるだろうね」
独り言をブツブツと言い続ける男。
男とは言ったものの彼の性別は男か女か分からない。理由としては彼は男の時もあり女のときもあったからだ。故に男なのか女なのか分からない。それを知る者たちは過去の者達。故に今の者達は分からない。
「あっはっはっ……呪霊が生まれない世界。だけど、私の中に呪霊は存在する。……適応というよりも変に混じっている状態だ。不完全!!これこそ混沌の材料だよ!!……私の野望は終わらない」
男は高々と笑っている。
この世において最も歓喜していると言っても過言ではない。
「あっはっはっはっ!!!………もっと計画を進めよう!!……駒は全て揃ってある!!………………………あぁ…楽しいなぁ。………君たちもそう思うだろう」
その場には死体しかない。誰もいないはずなのに男は話しかけていた。
だが、存在はしている。男は自らの手に持っている者達に話しかけていたのだ。
「平安の世を越えるよ。……君たちも楽しめる。そうだろう?……宿儺、裏梅」
男は笑顔で地下を歩いていく。
彼はこの世界でも混沌を振りまくだろう。
それにより多くの人たちが不幸に見舞われる。
だが、立ち向かう者たちもいる。彼らの物語はまだまだ先の話になる。