ロックマンエグゼ オペレートアナザーアフター   作:クォーターシェル

3 / 4
やっとこさ3話目です……募集の方が自分でも驚くくらい集まってて悩むくらいありがたいです。


第3話 学園祭~アイス屋~

ヒールナビの乱射事件とグレネードマンとの戦いから更に一週間後、ネットでは新たな犯罪組織が出て来たのではないかと噂されていた。ここ最近ネット犯罪を起こした人物のいくつかの内、その人物のネットナビが所持していたデータの中に中身は消去されていたが、「Re: EXE」と記されていた例が何回もあったそうなのだ。

 

ネット上ではその新たな犯罪組織の事をRe: EXEと仮称していた。非公式な名称ではあったが、ネットではネット犯罪絡みの話題では既にRe: EXEの名が広まりつつあったのだ。

 

「Re:EXE……か。最近話題になってるよな」

 

俺はマルチマンと昼食をとりながらネットで流れているその情報について話していた。するとマルチマンは

 

「ああ、正直嫌な予感がするぜ……」

 

と言った。俺は

 

「そうかもしれないな……、しかしもう俺達には関係ないだろ?」

 

と問うが、マルチマンは首を振って、

 

「いや、今回ばかりはそうとも限らねえぞ士よ」

 

そう言ってくるのだった。俺は思わず

 

「なんでだ?」

 

と聞き返す。マルチマンは腕を組みながら、

 

「Re:EXE……、グレネードマンの所属しているだろう団体は恐らくWWWやネビュラの後釜になるべく作られた組織なんだろうな」

 

と言った。俺はその説明に頷きつつ、

 

「確かにグレネードマンがRe:EXEの幹部っぽいのは確かだが……」

 

と言う。マルチマンは更に続けて、

 

「前回の一件でグレネードマンを退けたことで俺達も目をつけられた可能性は多いにある。油断しないに越したことはないぜ……」

 

と言った。俺は少し考えて、

 

「そうか……分かったよ」

 

とマルチマンに言うのだった。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

Re:EXEの話題がネットで騒がれる中、とある電脳空間ではRe:EXEに所属しているナビである3人が会議をしていた。1人はグレネードマンで、もう1人は人魚の様な姿をしており、そして最後の1人は黄金の装飾を身に着けた骸骨の様な姿だった。その骸骨ナビはグレネードマンに向かって

 

「グレネードマン、報告は以上か?」

 

と問う。グレネードマンは頷いて、

 

「ああ、俺の見た限りじゃそんなとこだ」

 

と言った。骸骨ナビが続けて

 

「ふむ。……それでその2人は中々に手ごわかったのか?」

 

と聞く。グレネードマンは頷いて、

 

「ああ、あいつらは並のナビとは比べられねえな」

 

と言った。人魚ナビが続けて、

 

「じゃあ私達の仲間になるよう誘ってみたらどうかしら?彼らも相当の腕前だし、きっと役に立ってくれるわ!」

 

と言った。骸骨ナビは

 

「ふむ……、しかし彼らは1度グレネードマンの勧誘を断ったそうだな」

 

と言った。人魚ナビは笑って、

 

「あら!勧誘を断るなんて命知らずな男ね!まあグレネードマンの交渉が下手くそだったんでしょうけど」

 

と言うが、グレネードマンは

 

「俺はどちらかというと戦闘の方に向いてるんだ。交渉だのはあんたの方が得意だろうリッチマン?」

 

と骸骨ナビ、リッチマンの方を見る。リッチマンと呼ばれた骸骨ナビは

 

「ふむ……。まあ、確かに私は交渉の方が得意だが……」

 

とグレネードマンの言葉に同意するが、人魚ナビは

 

「でも、一旦決裂したなら貴方でも難しいんじゃないの?」

 

とからからと笑う。リッチマンは

 

「私を舐めるなよスプラッシュ。グレネードマンが失敗したのは大方ろくな実利も見せずに引き込もうとしたからだ。……今度はそれを踏まえて交渉するがいい」

 

とグレネードマンを諭す。グレネードマンは

 

「ああ、分かってるさ」

 

と言って頷くのだった。スプラッシュと呼ばれた人魚ナビは、

 

「そうそう、そういえば6つのキープログラムとやらはまだ見つかってないの?」

 

リッチマンに尋ねる。リッチマンは

 

「そうだな。我々が持っているのは6つある内の1つ、『天』のキープログラムのみ……。残り5つはイーハトーヴシティに関連した電脳空間に隠されているそうだがな」

 

と答える。それを聞いたスプラッシュは

 

「その6つが揃えばとんでもないお宝が手に入ると言うけど、その正体を知ってるのはボスだけなのよね?まったく、幹部にも教えてもいいのにねー」

 

とぼやく。

 

「ボスにはボスの考えがあるんだろうよ。まあ俺は定期的に何かを爆破できれば何でもいいがな」

 

とグレネードマン。リッチマンは

 

「私も6つのキープログラムの先にある物の正体は気にならないわけではないが……、ネルヴァンならそういうものは喉から手が出る程知りたがるだろうが、私はそれを求めるのは正体が判明し次第だな」

 

とあるナビの顔を思い出しながら言う。スプラッシュは時計を見ると

 

「それじゃ私はそろそろ戻るわ。またね!」

 

と言ってプラグアウトした。リッチマンは

 

「さて、それじゃあ私達も行くか……」

 

と言い、グレネードマンと共にプラグアウトしたのだった……。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

休日、俺と父さんはイーハトーヴシティの大学、『イーハトーヴ大学』の学園祭に遊びに行く事になった。メトロライン(地下鉄)を使って、俺達はイーハトーヴ大学側の駅で降りる。駅を出ると、イーハトーヴ大学の学園祭の賑わいが伝わってきた。

 

「へえ……賑わってそうだな」

 

と俺は言った。父さんは笑いながら、

 

「そりゃあお祭りだからな!今日は思い切り楽しむぞ!」

 

と言うのだった。俺は頷いて、祭りを堪能する事にしたのだった……。ちなみに母さんは今回は家で休んでいたいとの事で来ていない。そして、イーハトーヴ大学に着くとそこは人でごった返していた。

 

「うわあ……凄い人だな……」

 

と俺が言うと、父さんも同意するように頷いて、

 

「ああ。流石は大学の学園祭だな」

 

と言った。そうして俺達はキャンパスの中を回る事にする。あちこちに出店があるし、様々な催し物もあるようだ。さて、どこから回ろうかと思っていると、

 

「あー、負けちゃった」

 

聞き覚えのある声がしたのでそちらを見てみると、

 

「瑚蝶ちゃん!」

 

瑚蝶ちゃんがアイス屋のキッチンカーの前で何やらやっていた。こちらに気づいた瑚蝶ちゃんは、

 

「あ、士君!それに士君のお父さんも!」

 

と言った。そして

 

「2人も食べに来たの?」

 

と聞いてきたので、俺達は頷いて瑚蝶ちゃんのやっている事に注目する。どうやらネットバトルをしていたようだ。俺は

 

「瑚蝶ちゃんも家族と?」

 

と尋ねる。瑚蝶ちゃんは

 

「うん、パパとママと一緒に来たんだ。それで、そこのアイス屋でネットバトルに勝利したら一品無料になるってあったんだけど此処のナビが強くてね、ワムじゃ勝てなかったんだ」

 

と少し悔しそうに言った。俺は

 

「そうか、残念だったな。そんなにアイス屋のナビは強かったのか?」

 

とアイス屋の方に視線を移す。店内には全身にフードコートを被った店員が居た。この人がそのナビのオペレーターなのだろうか?その時キッチンカーに設置されたモニターに氷の妖精の様な姿のネットナビの姿が映し出される。

 

「はーい!この私、スノウホワイトを倒したら商品1つが無料のキャンペーンは継続中です!手加減はしませんけどね!」

 

スノウホワイトと名乗ったナビは、自信ありげにそう言った。瑚蝶ちゃんは

 

「ごめんね……これじゃあ私は勝てそうにないや……」

 

と少ししょんぼりするのだった。俺は

 

「そうか……なら俺達が代わりに戦うよ」

 

と言って、父さんに断りを入れてキッチンカーに向かうのだった。スノウホワイトは俺を見るなり

 

「あ!また新しい挑戦者ですか!?いいでしょう!受けて立ちます!」

 

と言ったので俺達はプラグインしてネットバトルを行う事にした。キッチンカーの電脳世界に来たマルチマンは辺りを見回すと、

 

「まるで噂に聞くシャーロエリアみたいだな。あちこちの床が凍ってやがる」

 

と言う。確かにこの電脳世界の床の所々が北国シャーロのインターネットの様に凍結して氷パネルになっている。

 

スノウホワイトはマルチマンの前に来ると、

 

「準備はいいですか?それでは……」

 

と言ったが、マルチマンは

 

「悪いな。戦う前にちょっといいか?」

 

とスノウホワイトに問うのだった。スノウホワイトは

 

「なんですか?早くしましょうよ!」

 

と言うので俺は

 

「ああ、バトルチップを確認してたんだ。もう大丈夫だよ」

 

と言い、それにスノウホワイトは

 

「それじゃあ行きますよ!」

 

と言って、マルチマンとスノウホワイトの戦いが始まる。スノウホワイトは、

 

「ご忠告しておきますが、アイスパネルは滑るし、アイスパネルの上で水属性の攻撃を受けると体が凍り付きますよ?因みに私は水属性だから滑りませんが」

 

と言うと、マルチマンは

 

「そうかい!ありがとよ!」

 

と返し、バトルが始まった。俺は先ず、地の利を潰すべくあるバトルチップを使う。

 

「デスマッチ!」

 

すると、アイスパネルだらけだった周辺の床が氷が砕け穴だらけになってしまった。デスマッチ。その名の通り、周囲の床をヒビや穴だらけにして両者に過酷な戦いを強いるバトルチップだ。スノウホワイトはこれは予想外だったのか、

 

「ああ!何するんですか!?業務でも使う場所なのに!」

 

と憤慨する。マルチマンは

 

「すまねえな。まっ、人為的に穴パネルになった床はしばらくすれば再生するから勘弁な!」

 

と言うが、スノウホワイトは

 

「そういう問題じゃないですよ!……まあ良いでしょう。戦いが終わったらその穴パネルも直してもらいますからね!」

 

と言って戦闘に集中する事にしたようだ。さて、一部の飛行可能なナビを除いて穴パネルの上を通る事はできない。マルチマンに飛行可能なプログラムは入れてないしスノウホワイトも同じようだ。よって今この状況は飛び道具同士の戦いになる。俺はバトルチップ、

 

「サモンブラック!」

 

を使う。すると、マルチマンの目の前の穴パネルからウイルス、ナイトメアが出現しその腕の刃で相手を切り裂かんとスノウホワイトに向かって行く。スノウホワイトは

 

「アズキンウォール!」

 

と叫ぶと、スノウホワイトの前方にあずきバー型の壁が展開され、サモンブラックによる攻撃を防いだ。俺は

 

「やるな……!」

 

と言った。攻撃を防がれたナイトメアが消滅したことを確認すると、俺は次の手を打つ

 

「カンケツセン!」

 

マルチマンはスノウホワイトの背後の穴目掛けて水の詰まったボールを投げる。このチップは穴パネルに着弾すると、周囲に水を噴き上げて攻撃するチップだ。スノウホワイトもそれを知っているようで、

 

「させません!」

 

と背後に振り向き、アズキンウォールを展開する。しかし、俺達はその隙を逃さなかった。

 

「ドールサンダー!」

 

マルチマンがウイルス、カカジーを手に持ち、カカジーから雷を発射した。アズキンウォールを展開できるのは前方だけ。カンケツセンを陽動に使い、守れない背中を狙わせてもらった。

 

「きゃあっ!!」

 

スノウホワイトはドールサンダーが命中し、そのままピヨってしまった。俺は

 

「勝負ありだな」

 

と、スノウホワイトに言うのだった……。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

ネットバトル後、スノウホワイトはぷんすか怒っていた。

 

「もう!あんな技を使うなんて卑怯です!」

 

と言うが、俺は

 

「悪いな。これも戦略の内だよ」

 

と言って謝る。そして続けてこう言った。

 

「……で?アイスを1つ無料にするって約束だよな。……瑚蝶ちゃんは何がいい?」

 

話を振られた瑚蝶ちゃんは、

 

「えっ、いいの?このバトルに勝ったのは士君でしょ?」

 

と言ったが、俺は首を振って、

 

「別にいいよ。貸し1つってことで」

 

と言うのだった。瑚蝶ちゃんは頷いて、

 

「うん……それなら……」

 

と言って迷わずに答えた。

 

「チョコミントがいい!」

 

と言ったので、スノウホワイトは

 

「はーい!九乃ちゃん、特製チョコミント1つ注文よ!」

 

と店員に呼びかける。怪しい店員さんは直ぐにアイスを盛り付ける。出されたアイスはまるで雪だるまの様な形だった。瑚蝶ちゃんは早速食べて

 

「美味しい!」

 

と満面の笑みを浮かべて言った。店員さんも嬉しそうに、

 

「……で、でしょう?このアイスは自信作ですから!……あ、そっちのお兄さんにも1つ無料サービスしますよ」

 

と言うので、俺と父さんはそれぞれオレンジ味とコーヒー味のアイスを注文するのだった。俺はアイスを食べながら

 

「そういえば、さっきのバトルで気になった事があるんだけど……」

 

と言った。スノウホワイトは首を傾げながら、

 

「なんですか?」

 

と聞いてきたので、俺は

 

「えっと……そういえば、あまり攻撃して来なかったけど、もしかして本気じゃなかったり?」

 

と尋ねた。スノウホワイトは

 

「そうですね……、一応手加減はしませんでしたけど本気の本気なら……、それこそデリートしあう感じな戦いならまた違ったでしょうね……」

 

と意味深に答えた。俺は

 

「デリートしあう……か……」

 

と言った。そして、アイスを食べ終わった瑚蝶ちゃんが

 

「ご馳走様!」

 

とアイスの容器を捨てたので俺もそれに倣って容器を捨てる事にしたのだった……。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

学園祭はまだまだ続く。しかし、あんな事になるとは俺は全く予想がつかなかった。

 




士達が去って数分後、アイス屋には新たな客が訪れていた。

幽動寺レイコ「……」
彩紙九乃「……」
レイコ&九乃(ふ、不審者だ……)
片や全身が髪に隠れている女、片や全身フードコートを顔が見えないほど深くかぶった女。彼女達の対面は何かをもたらすかもしれない……
スノウホワイト「アイシングクッキーでよろしいですか?」
グレイヴマン「御意」

駄文閲覧ありがとうございました。ご感想お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。