魔物娘搾精世界でVとして生き残る方法   作:匿名希望

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6話

メイド族、フリージアは幸せである。

いや番がいる魔物娘は総じて幸せなのだが……ともかく、彼女は自分の幸せを噛み締めていた。

 

メイド族というのは、正確には淫魔から突然変異したと思われる魔物の一種族である。

「ずっぽしどっぷし搾らなきゃ❤︎」ではなく、「ご主人様に寵愛を頂きたい……」という稀有な性癖を持ったサキュバス達がいつの間にか変異してできた種族であり、二世代目以降のメイド族も総じて奉仕欲求が高い。

当然、奉仕の中には性的なものもあるが、これと決めたご主人様の役に立つのならばなんでも喜びに感じるのだ。

そのためか、メイド族の学校では様々なカリキュラムが学べる。サキュバスも学ぶ一般常識の性技から、地球の学問まで幅広いものを、各々が選ぶ。

 

シアが選んだのは家事と電子工学。

(性技は基本全員取っているため、カウントしないものとする)

家事課程に余裕があったから興味本位で取った分野だが、これがきっかけでご主人様を見つけられたのだからあの時の自分を褒めてやりたい。

 

なにせ、今までは連敗に次ぐ連敗だったのだ。

やや悪い言い方をすれば、棘のある美人とでも言うような顔立ちは、無表情のパーフェクトメイドを演じようとしても引かれるだけだった。

かと言ってメイドを崩すのは言語道断。

一部のメイド族が使う笑顔の愛嬌作戦……メイド喫茶みたいなやつも、自分の表情筋では無理だった。

 

高嶺の花。クールビューティー。手を出すには畏れ多い。

人間からの印象はそれに尽きたのだが、それを知ったシアはきっと憤死するだろう。

 

そこに現れたのがあのご主人様だ。

契約書に同意した立候補者達の中から、自分の手を握って「君と契約したい」と言われた時の事を彼女は一生忘れない。

というか今も思い出して手をスカートの中に入れている。家主は不在なのだ。

 

ご主人様は変わり者だ。

聞けば魔界でVをするために電子機器に強い魔族が欲しかったらしい。そんな求められ方でもしっかり喜んでしまうのがメイド族の弱点か。

そしてその手腕も並ではない。

わずか1日でオーガ族の役人に伴侶を作らせたのだ。本人は成功して良かったなどとのんびり言っているが、拗らせた処女の権力者からアプローチが来かねない……というかハメッターどころか明かしてないメールアドレスにドラゴン族の女王やヴァンパイアの公爵からメールが来ているが、シアはできるメイドなのでスパムにぶち込んでおいた。

 

できる限りご主人様には楽しく、それでいて平穏に生きていてほしいものだ……と下半身をまさぐりながらシアは憂いていた。

半分以上は自分とご主人様のイチャイチャライフを邪魔されたくないだけなのだが、幸いご主人様は他に嫁はいらない!君だけが良い!と情熱的に夜に告白してくれたし(思い出したためここでシアは一度達した)、Vも2人の共同作業と思えば全然許容範囲だ。働かせるのはメイドの股間……もとい沽券に関わるが、趣味を邪魔するほど野暮ではない。

 

「さて、掃除しますか」

 

素知らぬ顔で机を雑巾で拭き取ろうとしたシアの元に、玄関の扉を開けて最愛の伴侶が帰ってくる。

しまったという顔をするシア。部屋に来るまでになんとか拭き切り、素知らぬ顔で「おかえりなさいませ」とカーテシーをする。

 

それを微妙な顔で見つめながら、彼は言った。

 

「そろそろセレスさんに借りを変えそう」

 

 

 

 

さて、というわけで動画2本目である。

さっきまで何かしてたんやろなあ……(すっとぼけ)、なシアに声を掛けて、メイド族について詳しく教えてもらう。

 

曰く、生まれた時から奉仕の心がある。

曰く、メイド服やメイドのあり方に誇りがある。

曰く、ご主人様と主従契約して寵愛を頂くのが最終目標で、1人1人それに合わせて学ぶ学校がある。

(読心によると)曰く、9割は完璧なメイドとはクールで知的派。無表情クールビューティーなメイドを演じる。残り1割はぶりっ子派。愛嬌こそ正義、らしい。

 

以前の約束通り、メイド喫茶で出会いシアを紹介してくれたセレスさんに連絡を取る。

彼女のご主人様を見繕わなければいけない。

 

魔物娘が刈り取りまくったせいか、残念ながら「姉ちゃん綺麗だね、俺と遊ばない?w」なんて聞いてくるチャラ男は絶滅危惧種となっている。彼らが知り合いにいればすぐだったのだが……。

そうでないならそれなりの方法を見つけるまでだ。

 

やり方は簡単。現在俺とシアは高校に通っている。淫スタでもツーショットを上げたりしているから、中学高校の友達は大体俺の婚約を知っている。

その中で羨ましいだの、俺も魔物娘と付き合いたいだの言っている愚か者を生贄にしようと思います(無慈悲)。

 

何回も使える手ではないが、結婚の斡旋以外にも色々やりたいし、今回はこれで妥協しよう。

 

と、いうわけで。

 

「な、なあ。本当にメイド族で彼氏募集中の人と合コンをセッティングしたのか?」

 

「ああ、任せてくれ。向こうも彼氏いない歴=年齢だから緊張して固まってるかもしれないから、優しくしてやるんだぞ」

 

今回の仕掛けは「合コン」だ!

メイド族は人間界でメイド喫茶に存在し、理想のご主人様を探している。だが契約に至る事は稀だ。何故なのか。

察しのいい方は分かるだろうが、主従契約とか怪し過ぎだし、ご主人様になって欲しいなんて言ってもリップサービスにしか聞こえないのだ……!

前世の俺だって絶対信用しないよ。

 

だから合コン。相手も男の子に飢えた女の子なんだよ〜と言い聞かせる事で、怪しさを紛らわす。

 

居酒屋……ではなくメイド喫茶の1ルームを丸々貸し切って、俺の中学の友人3人とセレスさん達3人が話し始める。

ちなみに3:3にしようと言ったのは俺だが、メイド喫茶内では残り2枠を巡り戦争が起きたとか。

 

「セレスさんって料理得意なんですね!このクッキー美味しいです」

 

「ありがとうございます。喫茶では厨房とカウンター、両方やっているのですよ。○○さんは好きな物はございますか?宜しければお作りしますよ」

 

「え、ピザとかですけど……」

 

そこで時間かかりまくるはお菓子でもなんでもないピザをチョイスするはでお前は何考えてんだ。

という言葉を飲み込んでいると、セレスさんがピザを持ってやってくる。この間数十秒である。

 

「私達魔族は時間を操れます。少々調理の時間を高速化させていただきました。ご賞味ください」

 

「す、すごいな魔族の人……美味い!」

 

よし、セレスさんのターゲットはうまく行ってるな。最低限は行けそうだ。

※この間セレスさんの心の中はぐちゃぐちゃだし、念の為に履いてきたオムツがなければ大変なことになっている。

 

残り2人は……1人はフォローが必要だ。友人が萎縮してしまっているな。もう1人は盛り上がっててお持ち帰り秒読みだ。

 

時折フォローを入れつつ、良い感じに解散な雰囲気になってきた。男子側もメイド族側もどこで仕掛ければ良いかわからないため、ここで俺が出張る。

 

「みんな、それぞれのメイドさん達はご主人様……要するに恋人を募集してるんだ。もし良ければ試しに1週間同居してみたらどうかな?家事とかアピールしたいって3人とも張り切ってるし」

 

みんなそこそこ良い雰囲気だったし、悪い気はしなかったろ?と頷く男性陣。女性陣も頷いているのを見てホッとしている……。

 

そこからの相談で、セレスさん含む2組が1週間メイド体験に来ることになった。

もう1組は残念!心の中で悲哀の叫び声を上げながらも、無表情を崩さなかったあのメイド族さんはプロ中のプロだと思う。

 

「ここまでが前編……っと」

 

家に帰り、動画を編集していた所シアが不思議そうに聞いてきた。

 

「ご主人様。お二人の世話は取らなくて良いのですか?」

 

「ん?撮りたいけど、メイド族なら誰でも出来ることを撮るから優先度は低め。最終日に本契約(結婚)するかが大事だし、そこが大事かな。多分後編になるけど」

 

「よろしいので?後編で結婚カップル0は痛い気が……」

 

シアの言葉を唇で塞ぐ。

(シアが唇をガン見して不埒な事を考え始めたので、餌をやってみた)

 

「な、なっ、ご主人様」

 

「大丈夫。シアのお世話に僕が満足してるんだよ?家事過程を放り出してるような奇特なメイド族でない限り、絶対彼女欲しくてめんどくさがりやなアイツらは堕ちる」

 

「……なるほど。ご主人様はやはり傑物でございます。私はあなた様に仕えられて幸せでございます」

 

跪き、顔を見せない様にしているシア。

その両頬を手でぐるりとこちらに向かせ、真っ赤な顔をじっと見る。

 

「前編の編集も終わったし、投稿したら契約の時間だよ。ベッド、整えておいてくれるかな」

 

「ひゃ、ひゃい!喜んで!」

 

心が読めると鉄面皮も剥がしやすくて楽しいなあ。最近Sっ気が育って気がしている。

ともあれ、予想通りセレスさんともう1人は契約書にサインをしてもらい、正式にご主人様持ちとなった。

メイド族の知り合いからご主人様を紹介して欲しいと言う声が多くなってきました……とはシアの言。やっぱり顔を隠しながらやっていてこれなのだ。顔出ししないVで良かった。心からそう思った。

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