ディストピア飯 作:是立 亻
店主は若干腹の出た装飾少なめのボンドルド的な感じ
この時代には生物なんて物はほとんど居ない
ほとんどというだけで完全に居ないわけではないのだが
この時代に居るのは仕事をこなすロボット 保護されている生き物
そして保護されている人間の希望により作られた人造人間
人造人間は生きた生物が孤独を感じにくいように可能な限り一般的な生物の様に作られ過去の、、500年ほど前のまだロボットに人格を宿し生き物の様に動かす事が一般的ではなかった時代のような数、動きをする
とはいえ今の時代にある物などを活用はするが思考能力、記憶力などは人間並にわざと下げられている
そんな時代のとある街の一角に住まう一体の人造人間の話
「あ〜酒ッ飲まずには居られない!」
「そんなに飲んだら回路に響くぞ」
「うるせぇ!やってられっかよさっき彼女に振られて落ち込まない機械がいるかよぉ」
カウンターに座っている酔っ払いの男と居酒屋の店主が駄弁っている
「なあマスターどうして俺は振られるんだ」
「知らん 彼女が一瞬でも出来ただけで感謝するんだな あとマスターって言うならむず痒い」
「もう誰でも良いから彼女になってくれー いややっぱ誰でもは嫌かも」
「飲み過ぎだ これ食っていいからそろそろ出ていけ」
そういって店主は男に角煮と味噌汁を出す
「ま、俺の夕飯で余っちまったもんだが 保存すると味が落ちるし消費しちまえ
「おっマジで?さっすがマスター太っ腹ァ日頃から合成肉ばっか食って腹が太くなっていってるだけはあるね」
「そんなん言ったとマジで追い出すぞ あとマスターじゃない居酒屋でマスターってのもおかしいだろ」
男はまず味噌汁を口にする
本物大豆で作られたわけではない豆腐からはしっかりと大豆の旨みを感じられ味噌や出汁のような味ととても合っている
またマスターが取り寄せた偽豆腐は固めの木綿だったようで食感がはっきりと感じられる
ワカメを口にするとワカメ特有のヌルヌルは製造方法の問題か本物よりも若干多い またワカメは大きめに切られているが本来あるはずのワカメの茎とされる部分は存在しない
ワカメはとても噛み切りやすく歯に少し力を加えるとほんの少しプツッといった食感がした後すぐに切れてしまった
汁そのものを飲み始めるとマスターの好みか若干塩気が強く味噌の味がハッキリと感じられた
底の方に残ってた豆腐を食べ汁をしっかりと飲み切る
なお味噌も当然のごとく合成で作られた物である為大きさが均一であり底に少しだけ残って最後だけしょっぱいなんて事も無い
「ふぅマスターこの味噌汁美味いな 最近自分で飯作るの面倒だなら味噌汁なんて久しぶりに飲んだわ」
「はあ自炊くらいしたらどうだ 毎回外食で済ませるのも高いだろ あと店主と呼べ」
「いや最近は起動用なんたら食を食ってて」
「ハァ!?お前それ作られたての奴に食わせる奴だろ 味度外視で動くためだけに食う奴じゃねぇか しっかり食えよ」
「いや彼女に振られたって言ったじゃん?その彼女とのデートとかの為に節約してたの まああんなの今となっちゃ食いたくねぇけどさ」
「お、おまえそれでもよくあんなの食えたな 俺の友達が食ってたけどerror吐いてたレベルだぞ」
「とりあえず角煮も食っていい?冷めそうなんだけど」
「お前が始めた物語だろ 食っていいけどよ」
「サンガツ!」
男は角煮に箸を入れる
繊維の方向に合わせるとすぐに合成肉は裂けた
中からジューシーな脂が溢れ出てきてそれがとても食欲を唆る
頬張ると表面が少し固く歯に力を入れ噛むとその瞬間口の中でトロトロとした注入脂がとろけ舌に肉の味を訴えかける
赤身そのものも繊維が均等で噛むと口の中でバラバラになっていき肉汁が口の中に溢れ出していき口の中が肉汁でいっぱいになる
赤身自体も肉の味がハッキリと感じられ肉を食べている!という幸福感を回路に送り込んでくる
そして一部脂身だけの部分がありそれにより食感に飽きがこないよう作られていてまるでそこだけ別の食べ物のようだ
タレも生姜の様な風味でそこでも食欲を唆り味付けも醤油や砂糖により甘じょっぱく肉ととても合う
タレが脂と混ざり合い肉をより引き立て米があったらすぐにお茶碗一杯分食べきってしまいそうである
そして最後の一切れを口に含み飲み込んだ
「ごちそうさまでした」
「はい、お粗末さまでした」
「マスター一つ言っていいか?」
「ん?なんだそろそろ店閉めたいんだが あともう訂正するのも面倒だ」
「クッソ胃もたれしそうだし味噌汁後に飲めば良かった 口の中が脂でギトギト 酔いはなんか覚めたけど気分は最悪」
「ほらよ水 飲んだら出なもう閉店の時間だ」
「あんがとよ はあ〜うめぇじゃあのほいこれ会計」
店主にスマホを渡し会計を済ませ男は店から出る
外は暗い空に対して眩しいくらいのネオンが光り輝いている
「ハッ昔は太陽とやらが辺りを照らしてたそうだが今や科学的に作られた物がずっと照してるの昔の人は信じられるのかね」
空を見上げても太陽は見えない 夜だからというのもあるが昼の時間帯になったとしてもお目にかかる事はないのだろう
「今日からは普通の飯生活に戻るか〜明日は何を食おうかね」
男はそう呟きそこら中にある光の届かない配管まみれの裏路地へと消えていった
1話短くてごめん
もう少し伸ばしたいんだけど区切りの付け方いいのかわからんくて
あと主人公の名前募集