前回のあらすじ。
エクレアシティにお使いを頼まれた。
急ぎの為に急遽用意した移動手段。それは……
「人力車……?」
そう、人力車だ。ホヅミは意味が分からないとばかりに首を傾げている。
「トウマさん。なんで人力車なんですか?」
そう尋ねてきたホヅミににこやか笑顔で答える。
「いい質問だ。実はね、僕の擬人化能力は
「ガワだけって……。てことは」
「そう。どういう仕組みがわからないけど、技は人型になっても使えるんだ」
僕がそう言うと、ホヅミは驚いた顔をしていた。まあ、普通はびっくりするよね、この設定。
「で、この人力車をゴンに引いてもらうんだ。とある技を再現してね」
「とある技?」
首を傾げるホヅミを人力車に乗せ、セレーネに念の為頑丈なバルーンを出して貰って僕らを包む。
「さて、ゴン!君なら出来ると思って指示するよ、【再現版・ほんきをだすこうげき】!」
僕が人力車の上からそう叫ぶと、人力車の支木を持ったゴンからオーラが立ち上り、ゴンが勢いよく地面を蹴った。
次の瞬間、僕らは音を置き去りにした。無理やり擬音にするならドバビュン!!となるだろうか。外の景色なんか楽しむ余裕も無く、山道を駆け抜ける。
目の前の障害物をなんともせずに、木だろうが岩だろうが容赦なく跳ね飛ばして直進するゴン。……あ、今イワーク轢いた。
「ぎゃああああああああっ!?!?!?!?あっ……」
隣に座っているホヅミは恐怖からか凄まじい叫びを上げた後、クラリと失神した。まあ、ジェットコースターより速いからね。
念の為、バルーンで保護膜作って正解だった。流石は深海千mの水圧に耐えうるセレーネのバルーンだ。……けど、割れないよね?ちょっと不安。
「……って、あ。エクレアシティがもうすぐだわ」
ゴンさんスペックによる【再現版・ほんきをだすこうげき】移動は凄まじいな。
そして、無事に僕達はエクレアシティに到着した。起こしたホヅミは「地面最高……I LOVE YOUです……」とキャラが少し崩壊していたが。
「まあ、確かに思っていたよりは怖かったね」
「怖かったってもんじゃないですよ!!」
緋岩の守り人、ゴウゼイさんが入院しているエクレア総合病院へと向かっている途中。ホヅミに物凄く文句を言われていた。
「安心してよ。もうあの方法は使わないから。……緊急時以外」
「緊急時には使うんですね!?」
「うん。だって緊急時の時は僕らか誰かの命とかがかかっている時だし」
「それ言われたらなんにも言えないんですけどぉ……」
僕の言葉にガックリと肩を落とすホヅミ。そんなホヅミの肩を叩いて、顔を上げた時に目の前の建物を指さした。
「ほら、着いたよ。ここが……」
「エクレア総合病院……ですか」
目の前の建物を見て、呆けるホヅミ。まあ、呆ける気持ちは分からんでもない。
「なんていうか……デカいですねぇ」
「まあ、総合病院だし?」
その病院は、とんでもなくデカかった。下手したらイオンレイクタウンぐらいあるかも。……いや、その半分くらいか。
「まあ、取り敢えずゴウゼイさんの所に行こうか」