南雲雅?俺じゃん。   作:ざったなっつ

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 完全見切り発車でございます。
 需要ありそうなら続くッス。




南雲くん1年生編(プロローグ)
1話「南雲雅、爆誕」


 

 最初に違和感を覚えたのは、生まれた直後に聞いた母の言葉だった。

 

「あなたの名前は雅。南雲(なぐも)(みやび)よ」

 

 わぉ、その名前めっちゃ聞いたことある。

 前世で大好きだった作品にそんな名前のキャラクターがいたよママン。

 でも、好きな作品のキャラクターと同じ名前になる確率より、前世の記憶を持ったまま転生する確率の方が遥かに低いはずだ。転生に比べたら全然驚くことじゃない。

 

 この時はそう考え、特に気にしていなかった。

 

 

 

 

 南雲雅、無事に小学校入学。

 それと同時に、ここが前世で過ごした世界とは異なる世界だと確信した。

 

 まず、みんなの髪色が変だ。赤だったり青だったり黄色だったり、染めてないのに奇抜な髪色の人が多い。

 かく言う俺も、ぱっと見は金髪だが毛先がうっすら水色という意味不明な髪色をしている。床屋さんで水色の部分を切ってもらっても、毛先は最終的に水色になる。どんな理屈なんだろう?自分の髪だけどマジで謎だ。

 次に、この世界は美形な人がとても多い。まるで漫画やアニメの世界であるかのように、老若男女関係なくほとんどの人が整った顔立ちをしている。自慢じゃないが、うちの両親も相当な美形だ。

 最後に、この世界には『高度育成高等学校』という教育機関が存在しているらしい。テレビのニュースで見たから間違いない。

 

 うん。ここって多分、前世で俺が大好きだったよう実(ようこそ実力至上主義の教室へ)の世界だ。

 そして俺は、数多の一之瀬ファンの脳を破壊しかけたハイスペックチャラ男。南雲雅に転生したらしい。

 

「う〜ん……まぁいっか」

 

 南雲雅というキャラクターは、作中でトップクラスの学力と身体能力を有していた。

 今はまだ小学生だけど、その恩恵は物凄く感じる。かけっことか負けた事がない。

 ついでに言うと、この顔は相当モテる。もっとカッコいい人はたくさんいる気がするけど、この顔はこの世界だと相当イケメンな分類らしい。

 そう考えるとハイスペックな体に転生しただけなため、特にデメリットは感じない。むしろメリットだらけだ。

 

 どうせならこのまま高度育成高等学校に入学したいけど、あそこは推薦でしか入れないという裏事情がある。本来の南雲雅と全然違う生き方をしている俺が、そう簡単に入れる場所ではないだろう。

 その時は普通の高校に入学して普通に生きよう——

 

 

 

 

 ——そう思っていた時期が俺にもありました。

 

 原作の強制力なのか単なる偶然なのかは分からないが……南雲雅、無事に高育(高度育成高等学校)へ入学。

 しかも原作通りBクラスに配属された。

 成績は優秀だったけど、可もなく不可もなくな学生生活だったから特筆すべき点がなくてBクラスにされたのかな?まぁいっか。

 

「みなさん席についてください。入学式の前に、今からホームルームを始めます」

 

 ぼけ〜っと考えを巡らせていると、資料を抱えた礼儀正しくて真面目そうな先生が教室に入ってきた。

 あの人がこのクラスの担任か。茶柱先生や星之宮先生のような強烈なキャラじゃなくてとりあえず安心した。

 

「施設では機械にこの学生証を通したり提示したりすれば利用できるようになります。それから、ポイントは毎月1日に振り込まれる予定で、すでに10万ポイントが振り込まれている状態です。1ポイント1円の価値ですので、10万円分になりますね」

 

 先生が資料と学生証と学生証端末を配り終えると、そのままの流れで説明を始めた。

 いきなり10万円貰えるという情報に、クラスメイトがざわついている。

 

「この学校は実力で君達を測ります。つまり、今の君達にはそれだけの価値と可能性があるという事です。それと、ポイントは遠慮なく使ってもらって構いません。このポイントは卒業後に学校が回収することになっていますので、ポイントを貯めていても得はありません。本当に好きに使ってもらって結構です。ただ、ポイントは誰かにあげたり貸したりしても構いませんが、無理矢理奪う行為などは絶対にダメです。うちの学校はそういった行為に厳しいですからね。何か質問がある人はいますか?」

 

 匂わせ説明が終わると質問タイムに突入した。

 

 う〜む……正直、俺は原作の南雲のように好き勝手振る舞うつもりはない。そのため、このまま普通に過ごしても来年から始まるよう実のストーリーが変化することは避けられないだろう。

 それならいっそ、この南雲ボディで俺のやりたいように学生生活を謳歌してよう実の世界を楽しみたい。

 そう考えをまとめた俺は、勢いよく手を挙げた。

 

「先生、質問があります」

「南雲くんですね。どうぞ」

「まず———」

 

 毎月10万円分のポイントが固定で支給されるのか。

 なぜ3年間クラス替えが行われないのか。

 なぜ監視カメラが異常に多いのか。

 支給されるポイントが変動すると仮定した場合、何を基準にして決められるのか。

 変動するポイントはクラス単位で決められるのか。

 

 クラスポイントの存在とそのルールを示唆する質問を矢継ぎ早に行った。

 先生は少し慌てながら誤魔化すような解答ばかりしていたため、クラスメイトに疑念を抱かせる事には成功したはずだ。

 

 そして先生が去り、雑談タイムに突入。

 俺の質問を聞いていたクラスメイトから揉みくちゃにされたが、「この学校はおかしい」「意図的にルールを隠している」などと言ってみんなの疑念を危機感に変えておいた。

 その際に、「まずは次回のポイント支給日まで節度ある学生生活を送ろう。日頃の生活態度がポイントに反映される可能性があるからな」とも忠告しておいた。

 もう答えを言っているようなものだが、原作の南雲も速攻でAクラスに上がったと言っていたのでこれくらいしてもいいだろう。

 

 

 

 

 そして5月最初の登校日。

 担任の先生がクラスポイントの存在を説明しながら、白い厚手の紙を黒板に貼り付けた。

 

Aクラス:750cp(Bクラスへ降格)

Bクラス:960cp(Aクラスへ昇格)

Cクラス:400cp

Dクラス:200cp

 

 俺たちは速攻でAクラスに昇格した。

 

 






 クラスポイントの推移など、情報がない部分はオリジナルで描かせていただいております(Aクラスには鬼龍院先輩がいたので、初月は結構削られたのかな〜と思い750cpにしております)。

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