それではどうぞっ。
AクラスとBクラスが苛烈な戦いを繰り広げている裏では、Cクラス対Dクラスの選抜種目試験が行われていた。
Cクラスの司令塔は須知が務めたようだが、Dクラスの司令塔は立花ではなく
結果は7勝4敗でCクラスの勝利。器用で成績も優秀な須知が司令塔を務めた点が勝敗を分けたようだ。
ちなみに、Dクラスの司令塔を務めていた武藤の救済を立花に提案したのだが……「退学の取り消し?余計なことすんじゃねぇよ。あいつはリーダーの座を奪うために邪魔ばかりしてきやがったからな。いなくなってくれてむしろラッキーだったぜ!」と、清々しい表情で言われてしまった。
詳しくは知らないが、Dクラスにも色々な事情があったらしい。
やろうと思えば立花を
それに、Aクラスのメンバーから武藤を助けてほしいという声も挙がらなかったため、今回は桐山の時のように無理矢理手を差し伸べることはしなかった。
気を取り直して、今回の試験によるクラスポイントの変動は以下の通りだ。
——選抜種目試験終了時点のcp——
Aクラス:1270→1390cp
Bクラス:657→337cp(Dクラスへ降格)
Cクラス:465→605cp(Bクラスへ昇格)
Dクラス:400→360cp(Cクラスへ昇格)
今回の試験では退学によるクラスポイントのペナルティがないため、Cクラス(元Dクラス)のマイナスは40cpで済んでいる。
しかし、退学の取り消しには通常通り2000万PPtと300cpが必要となるため、そのダメージが響いたBクラスは一気にDクラスへと降格した。ただ、そうなることを覚悟した上で桐山を残す選択をしたため、Dクラス(元Bクラス)の雰囲気はそれほど悪くはない。
あのクラスは今後さらに強くなる気がする。
◇
3月某日。
もうすぐ3年生が卒業してしまうため、お世話になった元生徒会メンバーを誘って現生徒会メンバーと一緒にカラオケに行った。
その際に——
「堀北会長、そろそろやりましょう」
「本当にやるのか?」
「当然です。この日のために練習したんですから、行きましょう!」
「……わかった」
——先輩方へのサプライズとして、この日のために堀北会長と密かに練習を重ねた『青春アミーゴ』を踊り付きで披露した。
現生徒会長と現副会長による夢のデュエットは大ウケし、アンコールを2回も求められるほど場は盛り上がった。最後は堀北会長も満更ではなさそうだったため、内心では楽しんでくれていたように思う。
「南雲、ちゃんと撮っておいたぞ」
「ありがとう桐山」
余談だが、桐山には俺の端末で動画の撮影をお願いしていた。もちろん、堀北会長には事前に話を通してある。
練習の合間にその話をした時は、「俺たちの踊りを撮影して何が楽しいんだ?」と不思議そうな顔で言われたけど、ちゃんと撮影許可はもらった。抜かりはないぜ。
「あっ、堀北会長。橘先輩にこの動画を送ってもいいですか?」
「別に構わないが……」
「えぇっ!いただいてもいいんですか!?」
「……構わない」
「それでは、橘先輩これどうぞ」
「あ、ありがとうございます南雲くん。堀北会長、大切に見させていただきますね!」
「……大切には見なくていい」
橘先輩には普段から生徒会の事務作業等で相当お世話になっているため、そのお礼も兼ねて今回の動画をプレゼントした。喜んでもらえたようで何よりだ。
ただ、堀北会長は「俺たちの動画をもらって何故そんなに嬉しいんだ?」とでも言いたげな表情で橘先輩を見ていたため、この動画の価値を理解できていないようだな。
堀北妹なら理解できるだろうから、トナカイコスの写真と一緒にいつかこの動画をプレゼントしてあげたいな。
◇
あっという間に月日は流れ、卒業式を終えてから数日が経った。
すでに先輩方のほとんどは新たな世界に旅立ち、敷地内にいる生徒の数は明らかに少なくなっている。
そんな中。ケヤキモール内のベンチに腰を下ろした俺は、自販機のホットココアを啜りながら静かに考えを整理していた。
「南雲雅……か」
まず考えるのは、原作における本来の南雲雅についてだ。
彼がメインストーリーに関わった代表的なエピソードとしては、一之瀬を私物にしようと画策したこと。堀北先輩へのアプローチのために橘先輩を退学させようとしたこと。綾小路と本気で勝負するために挑発しまくったことなどがあるだろう。
しかし、俺はそんなことをするつもりなど一切ない。
一之瀬を私物扱いしようだなんてカケラも思わないし、混合合宿で橘先輩を陥れるつもりも当然ない。綾小路との本気の勝負なんて頼まれても御免だ。
そう考えると、このままでは原作で南雲雅が関わっていたイベントがほぼなくなってしまうわけだけど……それはそれでいいかなと思っている。
入学初日に考えた通り、俺は原作南雲のように好き勝手振る舞うつもりはない。そもそも、俺が原作南雲と完全に同じよう振る舞うこと自体が不可能だ。どう頑張っても、よう実のストーリーが変化することは避けられないだろう。
ただ、余計な干渉をして原作の流れと違う生徒が退学するような事態だけは避けたい。
そうなると、綾小路を始めとした新入生たちとの接触はなるべく控え、遠くから生温かい目で見守るのがベストだろう。
お話したり一緒に遊んだりしてみたい気持ちは当然あるけど……我慢だ。本当に必要な時以外はこちらから関わらないようにしよう。
「OAAとクラス移動チケットについてはどうにかしなきゃな……」
次に考えるのは、全生徒の能力を数値化する『OAA(over all ability)』と、2000万PPtを支払わずにクラス移動が可能となる『クラス移動チケット』についてだ。
これらは原作南雲が考案したシステムで、よう実のストーリーにも大きく関わっていた。さらに、俺がこれから実行したい
いつか提案書を作成して、堀北会長の意見も聞いてみるつもりだ。
とりあえず、今考えるべきことはそれくらいか。
「それにしても、楽しみだなぁ……」
最低限やることを決めた俺はホットココアを堪能しながら、主人公たちに会える日を心待ちにした。
まずは、この場を借りて感謝を!
設定とタイトルの出オチ感満載な今作をここまで読んでくださった皆様!本当にありがとうございますm(__)m
皆様の応援のおかげで、ここまで楽しく描き続けることが出来ました!
最後の挨拶みたいになっておりますが、今作はまだ続く予定ですw
前書きにもありますが、ここまででプロローグでございますっ。
そして最後の最後に超余談ですが、前話に出てきたBクラスの『三木谷』と今話に出てきたDクラスの『武藤』は原作にも出てきます。
2人とも、2年生編のサバイバル試験で退学してました……南無。
次話から始まる南雲くん2年生編も暇つぶし程度に読んでいただけると嬉しいです!