南雲雅?俺じゃん。   作:ざったなっつ

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 今更ながら、南雲クラスの担任の名前に佐々木説と高遠説がありましたが、2年生編のガイドブックで『佐々木』であることが判明しました。

 ただ、本作では引き続き『真面目先生』の愛称で呼ばせていただきますm(__)m
 公の場で先生に呼び掛ける際は『佐々木先生』と呼ぶかもですm(__)m
 そんな感じでよろしくお願いいたしますm(__)m

 それでは、本編をどうぞ!




34話「ペーパーシャッフル/南雲クラスVS須知クラス」

 

 

 先日まで堀北会……先輩とバチバチにやり合っていた俺だが、とある()()に同意してもらうことで早期の生徒会長交代を受け入れた。

 

 その提案とは以下の2つだ。

 

 

・3年の元生徒会メンバーは月に一回以上は必ず生徒会室へ遊びにくること。

・3年の元生徒会メンバーは生徒会が主催するイベントには積極的に参加すること。

 

 

 堀北先輩の抵抗で相当削られてしまったが、特別試験で培った交渉術をフルに発揮したことで上記の提案だけはなんとか残すことに成功した。よくやった俺!

 

 そして就任挨拶を終え、生徒会長?俺じゃん。となり、生徒会室でみんなに祝賀会を開いてもらってすぐの平日。

 中間テストの結果が発表された。

 

 生徒会権限で事前に結果は知っていたけど、やはり退学者は出なかったようだ。良かった良かった。

 そう思いながら安心していると——

 

「本日は他にも連絡事項があります」

 

 ——真面目先生が不穏な単語を口にした。

 この時期の連絡事項て……絶対特別試験の話じゃん。

 

「事前に伝えていた通り来週は小テストを実施する予定ですが、その結果は次の期末テストに大きな影響を及ぼします」

「……?」

 

 あれ?なんか似たような説明を聞いたことがある気がする……。

 

「小テストの結果を基にクラス内の誰かと2人1組のペアを組んでもらい、期末テストにはそのペアと一蓮托生で挑んでいただきます。試験で出題される問題は8教科で合計400問。各教科100点満点です。ペアの合計点が60点未満の科目が1つでもあった場合。もしくは、ペアの総合点がボーダーを下回った場合は……残念ながら、ペアの生徒はまとめて退学となります」

 

 小テストを基にしたペアの作成。テストの教科数と問題数。60点という赤点ライン……俺が覚えている内容と完全に一致している。

 こ、これってもしかして……。

 

「この特別試験。通称『ペーパーシャッフル』では、例年1組か2組の退学者が出ています。くれぐれも油断せずに挑んでください」

 

 まさかと思ったら本当にそうだった。

 原作の1年生編6巻で行われたペーパーシャッフル試験じゃん!

 

 例年行われる試験なのに去年の俺たちの代はなぜやらなかったんだろう……と疑問に思ってはいたけど、まさか2年生になってから実施されるとは思わなかった。

 

 ただ、去年のこの時期に実施された『クラス間パートナー筆記試験』のほうがはるかに難易度が高いため、今更の『ペーパーシャッフル』はちょっと拍子抜けな気もする。

 まぁ、退学者が出づらい試験は大歓迎だけども。

 

「今回の期末テストは問題をみなさんに考えてもらいます。その問題は所属クラス以外の3クラスのうち1つへと割り当てられ……」

 

 その後、真面目先生は400問の問題作成や『攻撃』と『防衛』といったペーパーシャッフルの基本ルールに加えて、カンニング即退学のペナルティ等を説明してくれた。

 そして——

 

「今回の特別試験は、同じものを1年生も同時に行う予定となっています。今頃、同じような説明を彼らも受けていることでしょう」

 

 ——真面目先生は最後にそう話し、説明は終了した。

 

 ペーパーシャッフルを1年生が行うのは原作通りの展開なため、むしろ嬉しい情報だ。別の特別試験が実施されて退学者続出なんていう最悪の事態にはなってほしくない。

 

 ただ一つ気掛かりなのは、今回俺たちが一緒にペーパーシャッフルを受ける理由だ。

 

 原作には南雲の代と同時にペーパーシャッフルを受けるなんて説明はなかった。つまり、原作の流れが大きく変わっている可能性が高い。

 もしかすると、例年行われるはずのペーパーシャッフルが去年行われなかった時点ですでに流れが変わっていたのかも知れない。

 

 うーむ……思い当たる節が多過ぎる。

 流れが変わった原因も1、2年生が同時にペーパーシャッフルを行う理由もぜんっぜん分からん。

 

「以上が小テスト、期末テストの事前説明です」

 

 真面目先生はそう締めくくり、授業は終了。帰りのホームルームも終わり、あっという間に放課後となった。

 

 同時に、クラス内がざわめき出す。

 近くの席の生徒同士で特別試験の内容について話し合っているようだ。

 

「400問の作成って相当大変だな……」

「その前に、小テストの結果でペアを決めるってどういうことなんだろ?成績の低い子同士で組むことになったらヤバくない?」

「でも例年の退学者は1組か2組なんだろ?それなら、成績が偏るようなペアにはされないんじゃね?」

「だとすると、成績が公平になるよう組まされる可能性が高いな」

 

 話を聞いていると、もう正解に辿り着きそうなクラスメイトが何人かいる。

 うちのクラスって本当に優秀だなぁ……。

 

「雅、そろそろまとめたほうがいいんじゃない?」

「たしかにそうだな」

 

 このままそれぞれの場所で話し合わせても情報は共有されないため、なずなの言葉に同意しながら教壇に上がった。

 すると、みんなが話をやめてこちらに視線を向ける。

 

「まずは、ペアを分ける法則について話し合おっか」

 

 ペアで苦手科目が被る可能性やカンニングペーパーを仕込まれる危険性など、原作知識でペーパーシャッフルの注意点はある程度理解している。

 そのため、そういった点にも注目してもらえるようにさり気なく誘導しながら、話し合いを続けた。

 

 

 

 

 翌日の放課後。

 

「そういえば、去年の今頃もこのメンバーで集まらなかったっけ?」

 

 現在俺は、桐山と須知と立花という豪華メンバーと一緒にカラオケに来ていた。

 パートナー筆記試験の根回しを思い出す光景だ。

 

「まずは誰から歌う?」

「歌わねーよ」

 

 去年も似たやり取りがあったな〜と思いつつ、この場にみんなを集めた()()()に視線を向ける。

 

 そう、今回みんなを呼び出したのは俺ではなく——

 

「早速だけど、みんなに声を掛けた理由を話させてもらうね」

 

 ——Cクラスのリーダーを務める須知だった。

 

「この集まりを開いた理由は、ペーパーシャッフルの対戦相手を事前に決めておきたいと思ったからなの」

「あ?そう言ってAクラスとの対戦を避けるつもりか?」

 

 立花の言葉を聞いた須知は首を横に振った。

 

「むしろ逆。私たちCクラスは、南雲くんたちAクラスに挑みたいの」

「「っ!」」

 

 桐山と立花が驚く中。こうなる可能性もある程度()()()()()()俺は、静かに須知の様子を伺った。

 

 自暴自棄になっているパターンも考えてたけど、今の須知からそんな雰囲気は感じられない。むしろ、本気でAクラスを倒すつもりのようだ。

 

「やっぱり、南雲くんはこの状況になることを予想してたんだね」

「まぁ、そうなるように根回しを続けてたからな」

 

 今年の6月。須知たちがCクラスに降格した直後から、俺は密かに根回しを続けていた。

 Dクラスに南雲派閥を誕生させて掻き回した時のように、須知とは方針の異なる派閥をCクラス内に結成して内部分裂を引き起こすためだ。

 

 ただ、元から内部分裂し掛けていたDクラスに比べて、Cクラスの団結力は強かった。須知がクラスメイトを上手く説得し続けていたためだ。

 それによって懐柔作戦は難航していたのだが……体育祭の後から流れは大きく変わった。

 

 

——体育祭終了時点のcp——

 

Aクラス:1772→1822cp

Bクラス:628→528cp

Cクラス:603→403cp

Dクラス:276→226cp

 

 

 上記のように体育祭の前までCクラスのポイントはBクラスに迫っていたが、200cpのマイナスによって差が広がってしまった。

 

 加えて、Aクラスとのポイント差が更に大きく広がったことや、Aクラスと契約を結んでいるDクラスのほうが毎月手元に残るプライベートポイントが多いことなど(Cクラスが手元に残るのは毎月2万5300PPt、Dクラスは4万2600PPt)、様々な要因が重なったことで蓄積されていた不満が一気に爆発。

 Cクラスは『Aクラスを目指す派閥』と『Aクラスと契約したい派閥』に分裂した。

 

「南雲くんが内部分裂を引き起こそうとしてたのはわかってたんだけど、止められなかったなぁ……」

「いや、むしろ予想以上に時間が掛かって大変だったよ。予定を大きくズラされた」

 

 当初の予定では今頃Bクラスの懐柔を行っているはずだったが、須知のリーダーシップによってCクラスを中々崩すことができず、相当時間が掛かってしまった。

 

「一矢報いることはできてたってことかな?」

「結構痛いところに刺さったよ」

「あははっ、それなら是非とももう一本当てたいところだね」

 

 笑いながらそう口にした須知は、真面目な表情で俺と桐山に向き直った。

 

「今回の特別試験でAクラスを倒すこと。それが、『Aクラスと契約したい派閥』の子たちを抑えるために私が交わした条件。ペーパーシャッフルでAクラスを倒すことができたら、1年間は私の指示に大人しく従う。昨日から何度もみんなと話し合って、そう決まったの」

「……それはつまり、負ければAクラスと即座に契約を交わすということか?」

「桐山くんには申し訳ないけど、そういうことになるね。重ねて申し訳ないんだけど、今回の試験は南雲くんたちと戦わせてもらえないかな?」

 

 Cクラスが契約を結んでくれれば、特別試験は3クラス連合対1クラスの構図になる。もしそうなれば、BクラスがAクラスに上がる目はほぼない。

 桐山も当然それをわかっているはずなので、ここは是が非でもAクラスとCクラスの対決を妨害したいはずだ。

 

 それなのに——

 

「構わない。Bクラスは対戦相手としてDクラスを指名しよう」

 

 ——特に気にした様子もなく、桐山は須知の提案に了承した。

 

 諦めているようには……全然見えないな。むしろ何かを企んでいるような雰囲気を感じる。

 どんな手を準備しているのかは分からないが、引き続きBクラスを警戒しておく必要がありそうだ。

 

「南雲くんと立花も、そういうことでいい?」

「クラスのみんなに確認してからになるけど、たぶん大丈夫だと思う」

「南雲がいいなら俺もそれで大丈夫だ。南雲の指示があればクラスの連中も納得するだろうしな」

 

 須知の提案にそう返し、この日は解散となった。

 

 

 それから1週間後。

 

 

 クラスのみんなも賛成してくれたため、対戦相手にはCクラスを選択。その結果、ペーパーシャッフルはAクラス対Cクラス、Bクラス対Dクラスの構図になった。

 

 ちなみに、小テストは点数を厳密に調整したことで、苦手科目の被りなくペアを組むことに成功。

 カンニング等の不正を意図的に引き起こされないよう注意喚起も念入りにしてある。

 

「ペア決めは完璧。注意喚起も万全。問題作りも目処は立ってるから……あとはひたすら勉強だな」

 

 平均学力はAクラスの方が高いが、だからといって油断はできない。

 とんでもない難易度のひっかけ問題を連発される可能性もあるし、こちらの作成した問題が対策されている可能性もある。

 

 何より、ペーパーシャッフルで負けたら『同学年ほぼ全員救済計画』の完遂が大幅に遅れてしまう。

 この戦いは、負けるわけにはいかない。

 

「みんなぁ!Cクラスに、絶対勝つぞー!!」

「「「「「おーっ!!!」」」」」

 

 放課後の教室にクラスメイトの雄叫びが響き渡った。みんなのやる気も充分な様子だ。

 

 まぁ、期末試験までまだ1ヶ月以上あるんですけどね!

 

 






 次回、ペーパーシャッフル……ではなく、唐突なコスプレ回。
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