南雲雅?俺じゃん。   作:ざったなっつ

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ジャガーマン
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☆35話「ハロウィンイベント開催!」

 

 

 ペーパーシャッフルに向けた準備を進めているうちに、気が付けば10月の下旬となった。

 

 10月の下旬。そう、もうすぐハロウィンだ!

 

 去年は忙しくて泣く泣く見送ってしまい、今年も絶賛忙しいが、それでもやりますハロウィンイベント!

 

 生徒会長としての初の大仕事がイベントの開催というのはどうなんだろうと少し悩んだが、()()()に就任した桐山が「むしろ南雲らしいと思うがな」と言ってくれたため、いつも以上に気合を入れて準備を行った。

 

 その結果。今回はケヤキモールの全面協力を得られたことで、今までのイベントよりも規模が大きくなっている。

 

 まず、大量のお菓子を持つ一部生徒や学校関係者、ケヤキモールの店員が学生寮やケヤキモールの様々な場所に待機しており、コスプレをして彼らに話しかけるとお菓子がもらえる。

 その際に運が良ければケヤキモールで使えるクーポン券や、物品引換券なども手に入る。

 そして最後は体育館で物品引換を行い、その場で仮装コンテストも行う予定だ。

 もちろん、コンテストの参加者や入賞者にも景品を用意してある。内容盛り盛りのハロウィンだ。

 

 そんなこんなで、やってきましたハロウィン当日!

 

 俺たち生徒会メンバーはコスプレ姿で寮やケヤキモールを徘徊し、声を掛けてくれた生徒にクーポン券や物品引換券を渡すレアキャラのような役割を担っている。

 そのため、生徒会役員だと分かるように顔が見えるコスプレをするよう伝えていたのだが……。

 

「なぜこんなことに……」

 

 桐山、吸血鬼。

 殿河、吸血鬼。

 溝脇、吸血鬼。

 葛城、吸血鬼。

 

 見事に被った。ジョジョの世界かな?

 

「顔がしっかり見えて、尚且つ必要以上に目立たないコスプレは何かと考えた時。闇に紛れる吸血鬼が最適だと思ったんだ」

 

 桐山の言葉に頷く吸血鬼軍団。

 なるほど、それで被ってしまったのか……全然納得できないけどな!

 

「メジャーなコスプレするなら事前に話し合っておけよ。この量産吸血鬼共め!」

「酷い言われよう!ってか、南雲だって一之瀬と被ってるじゃねーか」

「一之瀬は狼!俺はジャガーだ!」

 

 溝脇の見当違いな言葉にそう抗議した。

 一之瀬は狼赤ずきんという属性盛り盛りの可愛いコスプレをしているが、俺はFGOに登場するジャガーの戦士、ジャガーマンのコスプレだ。猫と和解せよ!

 

「ジャガー?タイガーの間違いじゃないのか?」

「間違いなくジャガーだぞ。ある意味タイガーだけど」

「……?」

 

 桐山が首を傾げている。作品を知らない人にはやはり難しいか……まぁ、どう見てもタイガーだしな。

 

「気を取り直して、一緒に回るペアを決めるか」

 

 今回のイベントのスポンサーであるケヤキモール様からは、生徒会は3組に分かれて敷地内を回って欲しいと言われている。

 そのため、2人ずつに分かれて物品引換券を配り歩く予定だ。

 

「あのっ、吸血鬼組と動物組で分かれるのはどうでしょうか。見た目の統一感が出ていいかなーって思うんですけど」

「いい案だな。賛成だ」

「いいじゃんその案。俺もさんせー!」

 

 殿河と溝脇が一之瀬の案に()()()賛同した。

 あまりにもスムーズなやり取りにちょっと違和感を覚えたけど……考え過ぎかな。普通に良い案だし。

 

「南雲会長はどうですか?」

「俺も一之瀬の案でいいと思うよ。桐山と葛城はどうだ?」

「その案で構わない」

「俺も構いません」

 

 空気を読んだ俺と桐山と葛城も賛同したため、ウルフとジャガーのアニマルグループが速攻で決まった。

 その後。溝脇が「吸血鬼グループはくじ引きで決めようぜー」と言い出し、最終的に桐山&溝脇、殿河&葛城というちょっと面白そうな組み合わせが出来上がっていた。

 

「それじゃあ行こっか」

「はいっ!」

 

 物品引換券を懐に忍ばせながら、ニッコニコの狼赤ずきんと一緒にケヤキモールへ向かう。

 吸血鬼軍団と話し合った結果、比較的目立つコスプレをしたアニマルグループの縄張りがケヤキモールに決まったためだ。

 

「そういえば、ペーパーシャッフルは大丈夫そう?」

 

 横を歩く一之瀬にそう問いかけると元気の良い返事が返ってきた。

 

「大丈夫です!少なくとも、Bクラスから退学者は出ないと思います」

「さすがだね。まぁ、一之瀬のクラスは団結力も強いし優秀な生徒も多いから、最初から心配はしてないけどね」

「南雲会長にそう言ってもらえるとすっごく嬉しいです」

 

 一之瀬と特別試験に関する話題で盛り上がっている最中。ふと、今回1、2年生が同時にペーパーシャッフルを行う理由はこの状況のためなのかな~と思ったりした。

 

 同じ特別試験を行うというこれ以上ないほど盛り上がりそうな共通の話題があれば、意見を交換したがる生徒が現れ、1、2年生の交流は普段より活発になるはずだ。

 さらに、ペーパーシャッフルは例年行われるという性質上、3年生にアドバイスを貰いに行く生徒も多く現れる。

 そうなれば学年を超えた交流が自然と活発になり、他学年の生徒同士の人脈が増え、新たな刺激を得た生徒の中から優秀な実力を持つ生徒が生まれる可能性も——

 などと考えてはみたけど、結局は答えの分からない問題だ。

 今は純粋にハロウィンイベントを楽しむとしよう。

 

「ケヤキモールに着きましたね。まずはどこから回りましょうか」

「そうだなぁ、1階から順番に徘徊してく感じにしよっか」

「了解です!」

 

 余計なことを考えているうちに縄張りに到着したため、徘徊を開始した。

 すると——

 

「一之瀬さーん!」

「そのコスプレかわい〜!」

 

 ——女子の集団に一之瀬が速攻で声を掛けられた。

 二、三言葉を交わした一之瀬が物品引換券を渡すと、女子たちはついでとばかりに俺と握手をしてから離れていった。

 

「あっ、一之瀬さんだー!」

「わぁ、そのコスプレかわいーね!」

 

 少し歩くと、一之瀬が再び女子の集団に捕まった。

 そして二、三言葉を交わし、物品引換券を渡すと、女子たちはついでとばかりに俺と握手してから離れていく。

 

 あれ?時間ループしてる?

 

「一之瀬さーん!」

「そのコスプレかわいい〜!」

 

 一之瀬が再び女子の集団に捕まった。

 いやほんと、友達多すぎない?

 原作でも2年生編のクリスマスにとんでもない人脈の広さを披露してたけど、1年の時点ですでにこれほどの人脈をお持ちだったとは……一之瀬、恐ろしい子!

 

「南雲先輩っ。あ、握手してもらってもいいですか?」

「いいよー」

「あっ!ずるい!私もっ、私もお願いします!」

「いいよー」

 

 一之瀬が引換券を配る横で、ジャガースマイルを振り撒きながらみんなと握手するジャガー。

 今日全然仕事してないな。なんか申し訳なくなってきた。

 

「帆波ちゃん見つけたー!」

「狼赤ずきん?可愛いっ!」

 

 そんなことを考えていると、一之瀬と同じ1年Bクラスの集団に遭遇した。

 真っ先に声を掛けてきた網倉と小橋以外にも、神崎や柴田や渡辺といった主要男子メンバー。

 そして——

 

「南雲会長と一緒にいたんだ……」

 

 ——一之瀬ガチラブ系女子、白波千尋もいた。

 雪女のコスプレかな?目のハイライトが消えてるのも相まって物凄い迫力だ。

 

「えっと……白波さん、プールぶりだね」

「お、お久しぶりです……」

「あっ、引換券いる?」

「い、いりません。帆波ちゃんから、もらいます……」

 

 気を使って話しかけてみたが、予想以上に警戒されているようだ。

 

 実は白波とは初めましてではなく、夏休みのプールで少しだけ話したことがある。

 その時は多少緊張されながらも普通に話すことができたのに、なぜこんなことに……ジャガー、悲しいね。

 

「あ、あのっ……!」

「ん?どうしたの?」

「ま、負けませんからっ!」

 

 白波はそう言い残し、一之瀬のもとへ駆けて行った。

 先日の勉強会に白波はいなかったけど、誰かから俺のやらかしを聞いたのだろう。そのせいで勝手にライバル認定されたようだ。

 

 う〜む……だがしかし!

 

 俺だって一之瀬の幸せを本気で願っている者の一人。

 付き合う付き合わないは一旦置かせていただいて、一之瀬のことをそう簡単に譲るつもりはないぞ白波ぃ!

 

「お待たせしてすみません。つい話し込んじゃいました」

「全然だよ。もう良かったの?」

「はいっ!たくさん話せたので大丈夫です。南雲会長は千尋ちゃんと話してたみたいですけど……その、何か言われたりとかしなかったですか?」

 

 一之瀬が不安そうな表情でそう問いかけてきた。

 まぁ、自分に告白してきた相手が自分にちょっかいをかけてきた相手と話していたのだ。そりゃ不安になって当然か。

 

「普通に何気ないことを話してただけだよ。一之瀬ってほんとに良い子だよね〜みたいな感じ」

「にゃっ!?そ、それは何気ないことじゃないかもです」

 

 一之瀬が困った表情をしながら「にゃはは」と鳴いている。狼なのに。

 

「えっと、それじゃあ行こっか」

「はいっ!」

 

 引き続き縄張りを徘徊していると、なずな率いる2年Aクラス軍団や堀北先輩率いる3年Aクラス軍団に遭遇し、握手したり写真を撮ったりしながら大量の物品引換券を配った。

 そういえば、堀北先輩と橘先輩も吸血鬼コスだった。

 生徒会関係者は吸血鬼になりたがる呪いでもあるのだろうか?謎だ。

 

「あの、南雲会長」

「ん?どしたの?」

「えと……堀北先輩やなずな先輩たちと撮ってたみたいに、一緒に写真とかどうですか?」

 

 学生証端末を取り出した一之瀬が、微かに顔を赤らめながらそう聞いてきた。

 

「だ、ダメでしょうか?」

「ぜんっぜんオーケーだよ。是非撮ろう」

 

 断る理由?ないじゃん。

 むしろこちらからお願いしようと思ってたくらいなので喜んで承諾した。

 

「どうせならちゃんとした場所で撮ろっか」

「はいっ!」

 

 ニッコニコの狼赤ずきんと一緒にケヤキモールに飾られているジャック・オー・ランタンの前まで移動し、近くにいた職員さんにお願いしてツーショットを撮影してもらった。

 

 学生証端末の大切な思い出フォルダにまた新たな一枚が追加された。

 高育に来れて本当に良かった……。

 

「一之瀬、ありがとね」

「感謝するのは私のほうですよ。ありがとうございます南雲会長」

 

 その後は体育館に移動し、物品引換や仮装コンテストの手伝いに奔走しているうちにハロウィンイベントは終了した。

 景品が豊富だったこともあってか、参加してくれた生徒はみんな楽しんでくれていたようだ。

 

 うむ、生徒会長としての初の大仕事は大成功と言えるのではなかろうか!

 

 






〜ちょこっと解説〜

・一之瀬の根回し
 イベントで南雲と一緒に回れるよう殿河と溝脇には事前に協力をお願い済み。
 コスプレがアニマル被りしていなかった場合は別の理由を見つけて話を誘導するつもりだった。
 ちなみに、一之瀬から協力を求められた2人は面白そうな展開に喜び、無償で快く承諾した。

・ハロウィンイベント
 よう実のアプリゲーム『ようマジ』で開催されたイベント。
 イベントのルールはほぼ同じだが、シナリオは全く異なる。そもそも、ゲームシナリオでは生徒会は一切関わってこないしジャガーも出てこない。
 ただ、一之瀬のコスプレは一緒。

 『ようこそハロウィンの学舎へ』などで検索すれば葛城と堀北妹と一之瀬と軽井沢のコスプレ姿が見られる……かも?


〜ここからがあとがき〜

 ここまで読んでくださった皆様!
 感想、高評価、お気に入り登録、ここすきをくださった皆様!本当に本当にありがとうございましたm(__)m!
 今回の連投も楽しく続けることができました!

 ストックが切れたので、またしばらく書き溜めさせていただきます。
 再開した際は、またお読みに来ていただけたら幸いです。

 それでは、また!( ´ ▽ ` )ノ
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