ぼけ〜っと原作を読み直しておりましたら2年生編の4巻と4.5巻に南雲クラスの担任の描写がありまして、めちゃくちゃ真面目な口調の方でした。それに伴い、担任のセリフも原作準拠の真面目なものに変えております。
大変失礼致しましたm(__)m!
名前も出ていたのですが、4巻では「佐々木先生」、4.5巻では「高遠先生」となっておりまして、どちらが正しいのか判断が付かなかったため、今作ではあえて「真面目担任」や「真面目先生」という愛称で呼ばせていただきます。
ちょっと長くなってしまいましたが、変更点は以上でございます!それでは、本編をどうぞっ。
無人島試験初日。
Bクラスのリーダーを務める桐山が「契約通り余計なことはするなよ」と釘を刺してきたため、「上位争い頑張ってな〜」と激励を送っておいた。
初月にAクラスの座を奪ったり先に生徒会に入ったりしたため、いつの間にかライバル視されていたようだ。生徒会業務でもよく絡まれる。
ちなみに、俺が他クラスと交わした契約は簡潔に説明すると以下のような内容だ。
・Aクラスに0得点のチームを作り、意図的に最下位を取る。
・Aクラスは上位3チームに入賞しない。
・B、C、Dクラスは毎月自クラスの人数×1万
・B、C、Dクラスは『半減』カードを手に入れた際、5万PPtと交換で南雲雅に最優先でカードを渡す。
つまり、Aクラスがわざと負けて上位争いにも参加しないから、その補填として毎月支給されるプライベートポイントの一部と『半減』カードを渡せというものだ。
5万PPtで交換というのは、手に入れた『半減』カードを隠されないようにするための念のための措置だな。
しかし、この契約には大きな抜け穴がある……。
「うわぁ、雅が悪い顔してる」
「失礼な。契約の抜け穴に気づかないBクラスとCクラスが悪いんだ。俺は契約を守りながら好き勝手動くだけだぞ」
ジト目で見つめてくるなずなにそう返しながら、Aクラスのみんなを鼓舞する。
「それじゃあみんな、作戦通りほどほどにがんばろう!」
「「「「「おー!」」」」」
事前に決めておいたフォーメーション通り、Aクラスの全員が無人島に散っていった。
◇
無人島生活2日目。
すでに俺の手元には『半減』カードが2枚集まっている。予想以上のペースだ。
もしかすると、学校側もいきなりの無人島試験で退学者が出るのは可哀想だと思い、多めに手に入るよう調整してくれているのかも知れない。ありがたやありがたや。
ひとまず、現在クラスの全員から集めたプライベートポイントが約800万PPtあるため、これで退学の心配はなくなったと言える。1枚も手に入らなかったらどうしようかと不安だったが、杞憂に終わって良かった。
『半減』カードの買取で既に10万PPtを支出してはいるが、これで退学のペナルティを500万PPtに抑えられるなら安いものだ。
最終的には8枚集めてペナルティを78,125PPtに抑え、買取ポイントと併せて約48万PPt以内の支出で退学を回避するのが目標だな。
◇
無人島生活3日目。
Aクラスのみんなに集めてもらった情報のおかげで、課題が出される場所と次にどのジャンルの課題が出されるかの法則を掴むことができた。
この情報は即座にDクラスへ共有。同時に、Aクラスのみんなには本格的にB、Cクラスの妨害工作を始めてもらった。
みんなで横並びになって進路を塞いだり、受付人数を即座に埋めて課題を受けさせなかったり、Dクラスの生徒と一緒に課題を受ける時はわざと勝たせてあげたりとやりたい放題だ。我ながら酷い作戦だなぁ……。
ちなみに、現時点での最下位は俺一人の『ぼっち南雲チーム』だ。
このままいけば計画通り、俺の一人負けで無人島試験は終わるだろう。
◇
無人島生活6日目。
スタート地点でウツボの塩焼きを作っている俺の元へ、桐山が怒鳴り込んできた。
「南雲!なぜAクラスが俺たちの邪魔をする!一体どういうつもりだ!」
「どういうつもりだと言われても……」
このまま怒鳴り続けられるのは迷惑だし、今からBとCクラスがDクラスに逆転するのはほぼ不可能だ。『半減』カードも必要枚数は集め終わったし……もう契約の抜け穴について説明しても良いかな。
「上位争いに参加しない契約はしたけど、妨害をしちゃダメなんて契約書には書いてない」
「上位争いをしないなら妨害しても意味がな……まさか、謀ったな南雲!」
妨害していた理由に気付いたようだが、もう遅い。
俺の真の目的は他クラスから毎月120万PPtを得ることではなく、1位から3位までをDクラスのチームに取らせることだった。
そうすれば、200cpのマイナスを受けてもAクラスの地位は変わらず、弱みを握っているDクラスの力も強まる。ついでに毎月300cp分のプライベートポイントも手に入るため、まさに一石三鳥の作戦だ。
「桐山、契約書はちゃんと読んだほうがいい」
「ぐっ……」
「うわぁ。雅、今のセリフはちょっと性格悪いよ?」
いつの間にか俺の隣に立っていたなずなが、ジト目を向けながらそう言ってきた。
将来のためを思った純粋な忠告だったんだけど、嫌味を言った感じになってしまったようだ。申し訳ねぇ。
「ごめん桐山、ウツボいる?」
「いらん!」
お腹は空いていないようで、自信作のウツボの塩焼きは断られてしまった。
「俺はまだ諦めるつもりはない」
口いっぱいの苦虫を噛み潰したような表情でそう言い残した桐山は、チームメンバーを引き連れてジメジメした森の中へ消えていった。
「雅、この後はどうするの?」
「どうするも何も、試験終了まで全力で妨害するだけだぞ?」
「うわぁ、容赦ないね」
もうDクラスの勝ちでほぼ決まってはいるが、最後まで油断するつもりはない。今日も元気に妨害工作だ!
◇
無人島生活最終日。結果は計画通りの形で終わった。
1〜3位まではDクラスのチームで埋め尽くされ、最下位は俺一人。俺には退学のペナルティが課せられたが、『半減』カードは最終的に10枚集まっていたため約2万PPtで退学を回避した。
そして、クラスポイントの変動も計画通りの形となった。
——無人島試験終了時点のcp——
Aクラス:1080cp→880cp
Bクラス:790cp
Cクラス:420cp(Dクラスへ降格)
Dクラス:203cp→603cp(Cクラスへ昇格)
Bクラスとの差は大分縮んでしまったが、毎月300cp分のプライベートポイントが手に入るので大きな問題はないだろう。
あと、今回の結果でCクラスとDクラスが入れ替わったため、次回はDクラス(旧Cクラス)に肩入れするのもアリだな。そんなことを考えつつ——。
「立花ー、イェーイ」
「うるせぇ。お前と馴れ合うつもりはねぇ」
立花とハイタッチしようとしたのだが、思いっきり拒否された。悲しい。
余談だが、Dクラスと個別で結んだ契約の中に『無人島試験で獲得したプライベートポイントの半分を南雲雅に譲渡する』という一文を盛り込んでいたため、約400万PPtが追加で手に入った。
ふっふっふ、高育に帰ったらクラスのみんなで盛大な祝敗会が開けるな。
アニメの龍園クラスのように、いっそクラブとか貸し切っちゃおっかな。
怒涛の特別試験ラッシュ、まだまだ続きます。