しかしレイの取った行動に腹の虫が治らないシンジはとんでもない仕返しを!
事情を知らない周りの皆が止めに入るが、何とシンジの仕返しでレイは流血してしまう!
皆から非難轟々の中、シンジは…!?
2年A組の3バカ息子と3アホ娘のドタバタ劇の続きです。
ちょっぴアビュースチックで、ちょっぴりセンチメンタル・・かも?
ご一読の上、ご感想ご批評コメント等、賜れば幸いです。
宜しくお願いします。
「ゴメンなひゃい!ゴメンなひゃい…!」
「何で先生呼ぶんだよ〜!」
シンジはそう呟くと個室に戻り被害状況を確認した。
幸い思ったより大した被害では無かったので応急処置を行った。
そして洗面台で最終処理を終えた。
『少し湿っぽいけど…これなら直ぐ乾くな…』
シンジは個室で処理を終えた湿った白ブリーフを穿きズボンを整えて個室を出た。
そこへ根府川先生が寄る年波にも拘らず押っ取り刀で駆け付けた。
「碇!どうした?大丈夫かね?」
シンジは平静を装い「はい」と返事をして一連の出来事を誤魔化す為に続けて言った。
「あの…何かあったんですか?」
「いや、綾波くんが碇が便所で泣いてると言ってな…何事かと…」
『ア、ヤ、ナ、ミィ〜!』
シンジは『どんな説明してんだよ ⁉︎ 』とレイの言動に呆れた。
「何も無いですよ。綾波が何か勘違いしたんじゃないですかねぇ〜。あははは…!」とワザと笑い飛ばした。
る
「ふむ。なら良いが…」と言い根府川先生は掛けている眼鏡のズレを直しながらトイレ棟から出て行った。
シンジは先生を笑顔で見送る。
先生の姿が視界から消えると同時に先程のレイの行動が蘇った。
すると無性に腹立たしくなって来た。
『くっそ〜!アヤナミめ〜!グーパンで頭張り倒してやりたい!
ケド…それはやり過ぎだしなぁ… しかし何でボクがこんな目に…
そもそも勝手に後から入って来て… 勝手にオナラして…
そりゃ、黙って聞いたボクが悪かったけど… イヤ!ボクが悪いのか…?
でも、笑っちゃたしな… イヤ!謝ったよな?
それを…幾ら自分が恥ずかしいからって…
ボクにあんな無茶な要求してさ…
それでボクが○○○漏らすなんて…ヤッパ酷いよ…
でも、それはボクのお腹が… いや!ヤッパ酷いよ…!』
シンジは腹の虫が中々治らなかった。
そして治める手立てを一生懸命考えていた。
そして考えは決まった!
『うん!やっぱり頭、張り倒してやる!』
シンジはそう決心してトイレ棟を飛び出しレイを探した。
シンジは皆んなが広場でベンチや木陰、芝生の上でグループになって和気藹々とランチタイムを楽しんでいる合間を縫って彼女を探し回った。
すると前方のアラカシの林の木陰でアスカとヒカリそれにトウジとケンスケのいつもの仲良しグループが恐らくと言うか確実にケンスケが持って来たであろうUSMCのMARPATデジタル迷彩のグランドシートを芝生に敷き昼食の弁当を突つき合って食べていた。
シンジはトイレに行く前に早朝から気合いを入れて料理した弁当をトウジ達に託して先に食べててと伝えていた。
果たせる哉、そこにはレイも居た。
彼女は何事も無かったかの様に野菜サンドを口にして皆の話を和かに聞いてる。
その野菜サンドはシンジが彼女の為に別口で作って今朝手渡した特製であった。
シンジはその様子を見てまた更に腹の虫が騒ぎ出した。
そしてツカツカとレイに迫った。
気付いたレイは驚くかと思いきや、シンジの為に横にズレて場所を開けた。
そして「どうぞ」と言わんばかりにシンジを見上げた。
しかし彼女はシンジの顔を見て怒っているのが判ると覚悟したかの様に俯いてしまった。
そのしおらしい姿を見たシンジは彼女を許す・・
のかと思いきや、シンジは彼女の顔を目掛けて手を出した!
「ひぃ〜!」
レイの悲鳴が皆の間に響き渡る。
その声に一同が何事か!と注目した。
「ゴメンなひゃい!ゴメンなひゃい…!」
レイはシンジに哀願するかの様に赦しを乞うている。
周りの皆は一瞬何が起きたのか解らずポカンとその光景を見ていた。
「ちょっと!碇クン何してるのよ!」
ヒカリはその只ならぬ光景に声を上げた。
「こら!バカシンジ!なんて事すんのよ!」
アスカもこの事態に驚いてシンジに怒鳴った。
トウジとケンスケは唖然とした顔で黙って見ている。
だが、その異様な光景を一様はとある感情に堪えながら見ていた。
それは…「可笑しさ」であった。
何故なら皆の目前のレイはその端正で美麗な細面が今、とんでもない事になっているのだ。
その上、普段はクールで物静かな彼女がそのとんでもない変顔で手足をバタつかせ「ゴメンなひゃい!ゴメンなひゃい…」と変な発音で慌てる様に謝っている…
そのレイの様子が非常に滑稽ではあったが、シンジが彼女に手を出した理由が解らないので笑う訳にも行かず皆、躊躇するしか無かったのである。
皆が「可笑しさ」を耐えて見守っている…
それはシンジが『レイを張り倒す!』…訳には行かないので腹癒せに彼女の頬っぺたを両手で抓る様に掴み左右に思い切り引っ張っていたのである。
「ちょっと!いい加減にしなさよ!可哀想じゃない!」
とアスカは言いながらもその口元は笑いを耐えていた。
アスカのその言葉に我に返ったシンジは彼女の頬から手を放した。
少し気の治ったシンジはレイが開けた横に図々しくドカッと座り横目で彼女の様子を見た。
レイは両の頬を摩りながら申し訳無さそうな顔でシンジを見ていた。
だが、その目は涙目になっていた。
しかも頬を引っ張り過ぎたのか彼女の唇の端が少し切れて血が滲んでいた。
『あっ…チョットやり過ぎたかな…?』
シンジは冷静になり彼女にした事を反省した。
「チョット!どう言う事よ?」
アスカは事情聴取に乗り出した。
「綾波が大変だって根府川先生呼んだんだよ。何でも無いのに…大袈裟に…だから…」
「何で根府川先生呼んだの?」
アスカはレイに聞いた。
「い、碇クンが…その…」
『あ、綾波 ‼︎ 』
シンジは心の中で叫びながら愕然とした。
それは彼女が○○○漏出の事を言い出すのでは!と。
そしてシンジは思った。
『○○○を漏らした事が知れ渡ったら…もう、ココには居られない…学校にも…NERVにも…ミサトさんの所にも…』
シンジの心の中の碇 寅次郎が『それを言っちゃあお終めぇ〜よぉ!』との台詞と共に、居た堪れなくなったその場を大きなトランクを携え、飛び出す様にして帝釈天参道の「ねるふ」を後に江戸川から来る夜風を背に受けながら柴又の駅へと一人寂しく宛無き旅路に向かう…そんな光景の中に居る自分の姿が浮かんだ。
「てか、お前ら二人、便所でナニしとったんや?」
そのトウジの一言で二人は罰悪そうに俯き黙ってしまった。
その姿は万引きグループの犯罪が露見して逃げ遅れ、しょっ引かれたスーパーの事務所で警察と親を呼ばれ、その到着を腕組みした店長の前で項垂れている初犯の少年少女の様だった。
「碇クン…ワタシの所為《せい》で…」
「えっ?アンタの所為?何したのよ?」
アスカは尋ねる様に聴いた。
「ワタシが碇クンを困らせたの…。ワタシが…ワタシが隣に碇クンが居るの知らずに…そ、その…お、おな…」
『あっ!綾波!ダメだ ‼︎ 』
そこ迄聞いたシンジはレイの言葉を遮って叫んだ。
「ち、違うんだ!ボクが…綾波が入って来たの判ったんだけど…黙ってたんだ…それで…そ、そう!彼女が怒って根府川先生を呼んだのかと思って、その…」
「ナニそれ…!何で黙ってんのよ?」
ヒカリは怪訝そうに言った。
「うわ!バカシンジ変態!」
アスカは罵る様に言った。
「いや、その出るタイミングが…」
シンジは話の辻褄が合わなくなって焦った。
「違うの!ワタシが勘違いして…その…そう!ワタシが入る前に碇クンが出て来たの…でもそれが碇クンだと判らなくて…。女子トイレに男の人が居る!って…それでビックリして…根府川先生を呼んじゃって…」
「あれ?あそこ男女共用じゃなかったかな?」
ケンスケが彼女の言葉に疑問を持った。
「そ、そう!ソレ…後で気づいて…ワタシ。それで碇クンに迷惑掛けたの…だから…」
レイはケンスケのその言葉を有難く頂戴して嘘の理由を補完した。
『綾波…』
シンジはレイが吐いた咄嗟の嘘に救われた。
そして彼女の真意に気付いたのであった。
「なんやそれ?ほならお互いの勘違いかいな?ホンマ人騒がせなやっちゃ!」
トウジは呆れた口調で言った。
「アンタ!勘違いならなんでファーストにあんな事したのよ!」
アスカはシンジを責めた。
「そうよ、碇クン!綾波さんに謝りなさいよ!」
ヒカリが更にアスカの言葉に被せる様に言った。
「う、うん…」
シンジはそう返事をすると正座してレイに向き直り両手を着いて頭をグランドシートに擦り付ける様にして詫びた。
「綾波!ゴメン!本当に御免なさい!」
シンジは彼女に誠心誠意謝った。
謝りながらその目からは涙が溢れ出て来た。
それはワザとじゃ無いにしても彼女に恥ずかし思いをさせてしまった事。
その自分の恥ずかしさを晒してでも彼女がシンジのプライドを守ろうとした事。
そして一瞬でも彼女が〇〇〇漏出の事を言い出すんでは無いかと疑った自分を恥じてだった。
「ゴメン…綾波…ゴメンな…」
鼻を啜りながらシンジは謝り続けた。
レイは泣いているシンジの手を取り両手で優しく握りながら言った。
「解ってる。だから…もう…」
「うん…」
「な、何で泣くのよ…?」
アスカはシンジのその姿に戸惑いながら呟く様に言った。
シンジは意を決して本当の事を話そうとした。
「アスカ…実は…」
「はい。綾波さんコレ!」
ヒカリはレイの荒れた唇を見てリップクリームを差し出した。
「うひゃ〜女同士の間接キッスや〜!」
トウジはそれを大袈裟に茶化した。
「もう!鈴原ったら!バカ言って無いで。ほら、皆んな食べましょうよ!」
ヒカリは皆んなに手作りのお弁当を奨めた。
「ホント。さぁ!腹拵えするかな!」
ケンスケは気合いを入れ委員長の差し出した重箱からオニギリを両手に取りパクつき始めた。
「そ、そうね!ほら、バカシンジ。はい!これでも飲んで!」
アスカは携帯ポットから温かい焙じ茶をカップに注ぎシンジの前に置いた。
アスカはもうこの騒動を追求しなかった。
皆んなはこれ以上はシンジに喋らせまいとしたのだ。
シンジが憚らず人前で泣いた…
何があったかは知る由も無いが、シンジのその心情を察しての皆の気遣いであった。
「ありがとう…」
シンジは涙を拭い皆に笑顔を向けた。
「さぁ、食べようぜ!折角、碇や委員長が皆んなの為に早起きして作ってくれたんだからさ!」
ケンスケはシンジやヒカリを労って箸を進めた。
「アタシは殆ど毎日シンジの手料理食べてるけど…こんな景色のイイお外で戴くとまた格別ね!」
アスカの言葉にはシンジへの「普段の感謝」の意味も含まれていた。
「ホンマや!しっかし委員長も流石やけどシンジの弁当も美味いわ〜!」
トウジは二人の腕前と努力に感心し褒め称えた。
「ほら!碇クンも元気出して!食べましょ!」
ヒカリは紙の取り皿と割り箸を渡して促した。
「うん!」
シンジはそう言うとアスカが入れてくれた温かい焙じ茶を持ち口に運んだ。
立ち昇る湯気と手に伝わる温もりが皆んなの優しさの様に思えシンジの胸に沁みて来た。
そしてまた少し涙ぐんだ。
その後、一同は気を取り直して昼食を再開した。
そして楽しい野外昼食会は続いた。
だが、そこでアスカは重大な事に気付いたのだった…。
「ん?チョット待って!」
<つづく>
<予 告>
皆んなの優しさに救われたシンジ。
しかし更なる危機がシンジを襲う!
次回!「あ〜!なんや?コイツらキスしよるんちゃうか〜!」
お楽しみに!
さ〜て!次回もサ〜ビス サ〜ビスぅ!